フィアット・126
フィアット・126 | |
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概要 | |
製造国 | イタリア、ポーランド |
販売期間 |
伊製:1972年 - 1980年 ポ製:1973年 - 2000年 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ |
2ドアセダン 3ドアハッチバック |
駆動方式 | RR |
パワートレイン | |
エンジン |
空冷直列2気筒OHV 594 cc、652 cc、702 cc |
変速機 | 4速MT(2・3・4速シンクロメッシュ) |
前 |
前:ダブルウィッシュボーン+横置きリーフスプリング 後:セミトレーリングアーム+コイルスプリング |
後 |
前:ダブルウィッシュボーン+横置きリーフスプリング 後:セミトレーリングアーム+コイルスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 1,840mm |
全長 | 3,054mm |
全幅 | 1,378mm |
全高 | 1,302mm |
車両重量 | 580 - 619kg |
系譜 | |
先代 | ヌオーヴァ500 |
後継 | パンダ、チンクエチェント |
フィアット・126は、フィアットが製造していた小型自動車である。メカニズム的に見るとヌオーヴァ500の後継車といえる。スタイリングは、カロッツェリア・ギアからフィアット・デザインセンター(Centro Stile Fiat)に移籍していたSergio Sartorelli。
日本での登録区分は輸入開始以来普通車(小型自動車)であったが、1990年(平成)1月の規格改定以降、新規の場合、594ccと652ccモデルは軽自動車登録が可能となった。
概要
ヌオーヴァ500に比べると車体寸法が大きくなっているが、ホイールベースは変わらず、エンジン、ドライブトレイン、フロントサスペンションなど、基本的なメカニズムも全て流用である。126用の126.000エンジンをヌオーヴァ500に搭載した500Rも1977年まで並行生産されていた。
細部では、荷物置き場を拡大する前倒式となった後席背もたれ、トランク(前部)内から後席下への燃料タンク位置の変更、ダイアゴナルスイングアクスルからセミトレーリングアームとなったリアサスペンションなど、使い勝手と安全性の向上が図られている。ステアリングギアも旧弊なウォームアンドセクタ式が流用されていたが、1978年(イタリア語版による)から操作性に優れたラック・アンド・ピニオン式へ改良された。
一方、外観は同社の127同様、角形ヘッドランプを持った、よりプレーンで直線的なスタイルへと大きく変わっている。
イタリアでは1980年までの製造であったが、ポーランドでは2000年7月まで製造されていた。
1973年モデルのディティール
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インパネと前席
右ハンドル車 -
後席
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トランク
左ハンドル車 -
エンジンルーム
バリエーション
イタリア製
- 126
- 126E
- 126 パーソナル4
ポーランド製
FSMによるライセンス生産。当初は2ドアセダンのみであったが、ハッチバック(3ドア)のbis(1987年 - 1991年)とカブリオレ(1991年 - 1995年)が追加されている。FSMは1992年にフィアットに買収され、1993年以降はフィアット・オート・ポーランドが生産を引き継ぐ。
- 126p(1973年 - 1987年)- ポルスキ・フィアットブランド。仕向地によってはザスタバ・126を名乗る。1985年にフェイスリフト。
- 126p FL
- 126bis(1987年 - 1991年)- 利便性向上のため、FLをベースとして後部にラゲッジスペースとバックドアを新たに設けた。このスペースを捻出するため、エンジンは水平シリンダー(横倒し)とした上で水冷化されたが、このエンジンに起因する故障が多かったといわれる。フロントウインドシールド下(カウル部)の左右にベンチレーターが追加された。
- 126el(1994年 - 1996年)- 直立の空冷エンジンと2ドアボディーを持つ標準車の改良型。各部の補強材で衝突安全性を強化。同時に内装も見直され、見栄えと乗員保護性能を向上。
- 126elx(1996年 - 1999年)- 排出ガス規制(Euro 1)対応で三元触媒を装備。
- 126 Maluch(1997年 - 1998年)- 電子燃料噴射装置は使用されておらず、キャブレターのままで、点火系の電子デバイス化で排気ガス規制を乗り越えた。
- 126 Maluch Town(1998年 - 2000年)- 後席ヘッドレスト新設。1999年5月から、並行輸入の軽自動車が日本でも販売された。
- 126 HappyEnd(2000年)- 生産終了を記念して1000台(赤、黄色各500台)が生産された限定車。
POP
西ドイツ(当時)の小コーチビルダーPop社で、ポーランド製126pの屋根を取り払ってカブリオレに改造したもの。ロールバーが無い、幌、ドア(FRP製)、Cピラー跡の形状が異なるなど、メーカ製カブリオレとは外観や仕上がり品質に差がある。
日本では1989年に大阪の並行輸入業者によって10台が輸入され、POP 650の名で販売された。翌年1月の軽自動車規格の改定に合わせて652 cc エンジンを選択しており、軽自動車登録が可能。
ギャラリー
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1972 - 1978
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1973英国仕様
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1978 - 1984
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1978 - 1984
Personal 4 650
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1984 - 1992
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1984 - 1992
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126bis
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126bis
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POP 2000
126の評価
先代のヌオーヴァ500は現在でも各国でファンが多く、日本ではルパン三世の主人公ルパンの愛車としても知名度が高く、イタリアやスペインで126の実質的な後継となった初代パンダでは、前輪駆動と新設計サスペンションの採用、直列4気筒エンジンも設定されるなど、走行性能や車内環境の改善、利便性の向上が著しく、広く一般にも普及した上、趣味車としての一面もある。しかし126は、自家用車の所有が難しくなくなったという時代背景の下、先達と比べて単なる凡庸な大衆車として捉えられており、当のフィアットが500Rを5年間も併売していたこと、映像作品やマスメディアへの露出が少ないこと、欧州でプフ・500を含むヌオーヴァ500がエンスージアスト達に大切にされているのに対し、126は使い古されて数を減らし続けたこと、ファンクラブの数が少ないこと、などに関心の低さが現れている。
初代(トッポリーノ)、二代目(ヌオーヴァ500)と、国民的な人気車が続いた系譜上に登場した126ではあるが、大きな技術革新を伴わず、(東欧圏を除き)スタイルでも衆目を引くことが叶わなかったことや、ヌオーヴァ500のオマージュとも言える現行500(2007年)の発売に伴い、126の存在は人々の記憶から薄れていく一方である。このように、偉大なるベーシックカーの刷新がメーカーの期待通りに進まず、後継が歴史上や趣味界で低い地位に甘んじている例は、BMC・ミニとメトロ、シトロエン・2CVとディアーヌ、VW・ビートルとタイプ3やタイプ4でも見られ、特にこれら四者は後継車でありながら先に生産を終えている。
関連項目
外部リンク
タイプ | 1960年代 | 1970年代 | 1980年代 | |||||||||||||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
ミニカー | 500 | 126 | ||||||||||||||||||||||||||||
600 | (セアト)・133 | パンダ | ||||||||||||||||||||||||||||
大衆車 | 850 | 127 | ウーノ | |||||||||||||||||||||||||||
小型車 (コンパクトカー) |
1100 | 128 | リトモ | ティーポ | ||||||||||||||||||||||||||
1300 | 124 | 131 | レガータ | |||||||||||||||||||||||||||
中型車 | 1500 | 125 | 132 | アルジェンタ | クロマ | |||||||||||||||||||||||||
大型車 | 1800/2100/2300 | 130 | ||||||||||||||||||||||||||||
クーペ / ロードスター | 1200/1500/1600カブリオレ | ディーノ / 124スポルト・スパイダー | 124スポルト・スパイダー | |||||||||||||||||||||||||||
124スポルト・クーペ | ||||||||||||||||||||||||||||||
スポーツカー | 850クーペ/スパイダー | X1/9 | ||||||||||||||||||||||||||||
パネルバン | フィオリーノI | フィオリーノII | ||||||||||||||||||||||||||||
MPV(ミニバン) | 600ムルティプラ | |||||||||||||||||||||||||||||
ライトバン | 600 T | 850 T | 900 T | |||||||||||||||||||||||||||
1100 BLR / ELR / I / T | 238 | |||||||||||||||||||||||||||||
241 | 242 | |||||||||||||||||||||||||||||
デイリー※ | ||||||||||||||||||||||||||||||
デュカート | ||||||||||||||||||||||||||||||
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