ピレネーデスマン

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ピレネーデスマン
ピレネーデスマン
ピレネーデスマン Galemys pyrenaicus
保全状況評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: モグラ目 Insectivora
亜目 : トガリネズミ亜目
Soricomorpha
: モグラ科 Talpidae
: ピレネーデスマン属 Galemys
Kaup, 1829
: ピレネーデスマン
G. pyrenaicus
学名
Galemys pyrenaicus
(É. Geoffroy, 1811)
和名
ピレネーデスマン
英名
Pyrenean desman

ピレネーデスマンGalemys pyrenaicus)は、動物界脊索動物門哺乳綱モグラ目(食虫目)モグラ科ピレネーデスマン属に分類される哺乳類。本種のみでピレネーデスマン属を形成する。

分布

種小名pyrenaicusは「ピレネー山脈の」の意で、和名や英名(Pyrenean)と同義。

スペイン北部、フランス南部、ポルトガル北部

形態

体長11-15.6cm。尾長12.3-15.6cm。背面は灰褐色や暗褐色、腹面は灰色の体毛で覆われる。体毛は光沢のある粗い毛と、密になった短い毛に分かれ防水性に優れる。

鼻腔と耳には浸水を防ぐための弁がある。前肢には指の半分、後肢には趾全体に水掻きが発達する。また指は硬い毛で覆われ、これも水掻きの役割をする。尾の先端が側偏し、泳ぐのに適している。

生態

渓流に生息する。群れは形成せず単独で生活する。夜行性。泳ぎは上手く、泳ぐ時は主に後肢を使う。水辺の地面に巣穴を掘る。

食性は動物食で、昆虫類甲殻類貝類魚類などを食べる。主に水中で採食を行う。

繁殖形態は胎生。妊娠期間は約30日。1回に1-5頭の幼獣を年に数回産む。

人間との関係

マスなどを食害する害獣とみなされることもある。

開発による生息地の破壊、水質汚染、害獣としての駆除、人為的に移入されたアメリカミンクによる食害などにより生息数は激減している。

関連項目

参考文献

  • 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科6 有袋類ほか』、平凡社1986年、11、34-37、156頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、133頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館2002年、153頁。

外部リンク