ヒトミ先生の保健室

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ヒトミ先生の保健室』(ヒトミせんせいのほけんしつ)は、鮭夫による日本漫画。『月刊COMICリュウ』(徳間書店)にて2013年11月号より連載、ニコニコ静画でも配信[2]されている。『月刊COMICリュウ』が主催する新人賞、第12回龍神賞、銅龍賞を『ジェネレーション・オブ・ザ・(リビング)デッド』で獲得した同作者による本格的なデビュー作である。[1]

あらすじ

人の二次性徴が個人によって様々な変化を遂げる世界。その世界にある端元中学校で保健室の先生を務める真中一美が、保健室にやってくる、生徒たちの「他人とは違う悩み」を解決していくファンタジー漫画

登場人物

出典は各単行本より

保健室の教諭

真中一美(まなか ひとみ)
単眼系養護教諭。端元中学校に勤務する本作の主人公の女性。養護教諭。愛称は「ヒトミ先生」。身長は160センチメートル。
大きな一つの目をもち、生徒たちの体調や変化を見抜いて体調不良や悩みを解決したり助言を出したりする。ケガをした生徒には真摯に向き合う。
単眼であるため、物の立体視ができず、[2]一日三回は壁に激突する。その代わり視力は人並み外れている。また、相当なドジっ娘で、ご飯粒を瞼につけるなど、ある意味器用なこともやってしまう。
かなりの巨乳で、樹による推定だとGカップあるらしい。いまだに成長中。
酒に弱く、一杯飲んだだけで酔ってしまう。また、酔うと毎回「目からビィーーーム」と言って他人に迷惑をかけている。
真中家三人姉弟の長女で、十年前、母が蒸発した際に率先して母の代わりをやろうとしていたが、ドジっ娘が災いし、うまくいかなかった。
ホラー映画が苦手。猫アレルギー。
過去の恋愛には苦い思い出しかない。
得意料理は目玉焼き。学校での昼食は三美のお手製弁当。
酔いが回っているときの言動からも分かるように、目からビームが出るのではないかとわずかに信じており、たまに脳内イメージによるトレーニングをしている。
新聞部の取材を受けた際に個性的な絵を披露し、ヒトミ画伯と称された。
樹(いつき)
植物系養護助教諭。端元中学校に勤務する性別不明の人物。養護助教諭。身長は170センチメートル。
ナース服[3]を常に身に纏う。中性的な顔立ちで口癖は「っス」。
かなり自由な性格。天然ボケを連発するヒトミ先生に厳しいツッコミをいれたり、からかったりしている。
昼食はとらず、天気の良い日に外に出て光合成を行う。[4]

2年A組の生徒

教員・多々良拳四郎が担任するクラス。

設楽伸子(したら のぶこ)
長舌系女子。身長155センチメートル。舌の長さは320センチメートル。
物語において、ヒトミ先生のところに最初に相談にきた生徒。
伸縮性の高い舌を持ち、繊細な感覚と動作機能を持つ。猫舌
元々明るい性格であったが、2年になってから伸び始めた舌の影響で、暗い性格になってしまった。その後ヒトミ先生からの助言を受け悩みを解決し、髪の毛も気分一新短くした。
クラスの男子と付き合っており、たびたびデートを重ねている。
クラスでは、クララ、八尾、田部といつも一緒にいる。
樹から舌技を教えられた。
第1話以降もたびたび登場し、ほとんどの話で背景モブとして登場している。
留居静流(とめい しずる)
透明系女子。体の透明度が変化する体質。[5]
自分の能力が制御できなくなり、常に消えたままの状態になってしまったため、一美のもとを訪れた。その際、一美にはその姿が見えていた。
能力が制御できているにもかかわらず、服だけ透明化の解除ができないという理由をつけて、スクール水着で何日か登校していたこともある。
埴生大助(はにゅう だいすけ)
女乳系男子。女性のような乳房をもつ男子。
あだ名はおっぱい大臣。ヒトミ先生の巨乳を拝むためにわざとケガするほどおっぱい好き。
女乳化した後、女性の象徴としてのおっぱいの魅力に気づき、男子生徒から称賛の嵐を受けた。
リア充に対して敵意を持っている。
才塚、高花、松千代といつもつるんでいる。
田部つくし(たべ つくし)
総食系女子。なんでも食べられる口と消化器官をもつ女子。
なんでも口に入れる癖の矯正のためにマスクを付けているが、逆につまみ食いや早弁の隠れ蓑になってしまっている。
空腹が極まると暴走する。そのことがきっかけで同じクラスの二林に告白され、髪の毛からのお付き合いを始めた。
クラスでは、設楽、クララ、八尾と一緒にいる。
二林影人(ふたばやし かげと)
再生系男子。髪の毛や腕を再生することができる体質。
腕程度なら数度の脱皮で元に戻り、骨まで再生する。そのため何度でも自切することができる。
クラスメイトの田部に好意を抱いており、ある事件がきっかけで彼女とお付き合いすることになる。
田部に食べられることが好きな性癖だと周りから思われている。
高花
埴生とつるんでいる男子。興奮するとピノキオのように鼻が伸びる。眼球フェチ。
才塚
埴生とつるんでいる男子。体のサイズを変化させることができる。
松千代
埴生とつるんでいる男子。筋骨隆々の眼鏡をかけた男子。
クララ
設楽、田部と一緒にいる女子。ボールのような体型をしている。同学校の先輩に恋心を抱いている。設楽と同じようにほとんどの話の背景モブとして登場している。
八尾
デビルのような尾をもつ女子。異性との交遊を積極的に行っている。

2年B組の生徒

教員・門司勇輝が担任するクラス。

鳶田陽菜(とびた ひな)
鳥翼系女子。鳥のような翼をもち、自由に飛び回る。体はそのため身軽。
いわゆる非行少女でたびたびルールを無視し、飛行登校をしていた。
担任の門司のやさしさに触れ、彼に好意を抱くようになる。
松代奈幸(まつしろ なゆき)
雪白系女子。体は雪のように真っ白で触れたものも一時的に白くなる。
子供、動物、ぬいぐるみなど小さなものやかわいらしいものが大好き。
生徒会執行部に所属。書記を務める。

2年D組の生徒

教員・神永乙女が担任するクラス

富士見ヨミ(ふじみ ヨミ)
即治系女子不死身系女子。超生命力・超治癒力を有するため、めったに死なない体質。[6]
一年前に起こった大事故の際、不死身であったことが判明する。また、その際、臨死体験をしている。その時の傷が完治せず、右目、頭、左手首、右腕、上半身、下半身、右足、左足に切断痕があり、そこがよくバラバラになる。[7]そのせいでゾンビっ娘とも呼ばれている。痛覚は麻痺しており、痛みをかゆく感じている。
非常に明るく、ポジティブな性格。
肉が好物。D組の二大変人の一人。
外国籍の祖父と泡の模様を持つ飼い猫、バブルスがいたがいまは亡くなっている。彼女が臨死体験をしていたとき、彼とその猫が彼女のことを救ってくれた。
大木京子(おおき きょうこ)
巨躯系女子。身長295センチメートル。まだまだ伸び盛り。
小山内千沙と幼馴染。小さいころは彼女に守られていた。身長によるコンプレックスから、彼女との仲が悪くなるがその障壁を乗り越え一層仲良くなる。
成長が止まるところを知らず、服がその場で破れてしまうほどであり、服の買い替えは半ばあきらめ気味。
小山内千沙(おさない ちさ)
短躯系女子。身長105センチメートル。[8]身長がマイナス成長する体質。
大木京子と幼馴染。小さいころは彼女を守っていた。身長によるコンプレックスから、彼女との仲が悪くなるがその障壁を乗り越え一層仲良くなる。
身長の短化が止まらず、服の買い替えは京子とともにあきらめ気味。
日蔭彩魅(ひかげ あやみ)
暗影系女子。肉体だけでなく存在そのものが影になり、影と同化する体質。また、影に潜り気配を断つことができる。
時々、心の闇が体表に滲み出てくることがある。
クラスの中では、気配を消し、漫画や小説を一人で読んでいる。徹夜で漫画を読みふけ翌日の体育に欠席することもある。
男性が苦手で、女性同士の恋愛に淡い憧れを抱いており、一美と乙女のやり取りを壁越しで聞いて興奮し、鼻血を噴き出した。最近ではそういった小説を好んでいる。
宇吹紙織(うすい しおり)
平面系女子。体の一部が平面になるだけだったが、京子に潰され、その後は全身が平面化できるようになった。
平面変化時には体に厚みが存在しないが体の強度は変わらない。平面変化時には、地震を含めた周りの知覚が二次元になり、漫画のように見える。そのためメタフィクション的発言のような言動をとることがある。D組の二大変人の一人。
彩魅と同じように漫画が好き。ただし、彼女と好みが正反対で、少年漫画ボーイズラブの漫画を好んでいる、いわゆる腐女子である。
間尻煌姫(まじり きらめき)
合成系女子。触れた動物の特徴を合成する体質。自分の体との合成具合は本人によって調整できる。調整は骨格、体積によって限界がある。
変形の際に、身に着けたものにも多少影響があり、眼鏡と顔が一体化している。自ら、人間に触れると元に戻る。
作中では、金魚ヤギと合成していた。

生徒会執行部の生徒

会長の優れた能力により本来の中学生徒会より多岐にわたる仕事を任されている。その代わり、携帯電話の使用など生徒会活動内でのある程度の特権を認められている。

真中三美(まなか みつみ)
多眼系女子。額に第三の眼をもつ。ヒトミ先生の妹。開いた眼の数によって人格が三つ存在する。これらは多重人格のように交代しているが、記憶は共有しているため日常生活に支障はない。3年B組。
幼少の時から人並み外れた知識のおかげで理性的だった。すべての人格がシスターコンプレックス
三美
眼が二つ開いた時の人格で主人格。料理を作るときはこの人格。端元中学校生徒会長。姉と違い文武両道の「胸囲以外は完璧超人」。花園がただならぬ感情を寄せている。
みぃちゃん
三美の額にある第三の眼が開き、三つの眼が開いたときの人格。料理を食べるときはこの人格。他二つの人格と比べ、精神的に幼い人格。松代が気に入ってる人格。
天眼
三美の額にある第三の眼が開き、他二つの眼が閉じたときの人格。ほかの人格に比べ、サディスティックで攻撃的。戸浦が忠誠を誓っている。
桐生院花園(きりゅういん かえん)
生徒会副会長。角が生え、怒ると火炎を吐く。3年A組。
桐生院グループの社長令嬢。上品な言葉遣い。三美にただならぬ感情を寄せている。戸浦とは犬猿の仲。
戸浦大賀
生徒会庶務。虎のような頭とがっちりした体をもつ。3年B組。
生徒会の仕事をめんどくさがってさぼっていることが多く、血の気が多い。しかし、天眼に対して忠誠を誓っており、彼女には、蹴られて喜ぶマゾヒズムな一面を見せている。
松代奈幸(まつしろ なゆき)
2年B組の生徒の欄参照
根津宙太(ねづ ちゅうた)
生徒会会計。ネズミのような耳と尾をもつ。1年D組。
三美が公私混同しているのではと疑問を呈していたが、三美の思いを聞いてすぐに理解を示した。花園のことをお嬢様と呼んでいる。

その他の生徒

小森稀喜(こもり きき)
蝙耳系女子蝙蝠のような大きな耳うを持ち、超音波を使うエコロケーション能力をもつ。
新聞部に所属。学校新聞でありながら人気の人物のゴシップネタを聞きつけ、その記事の反響を楽しんでいる。
逆さ吊りになっていると頭に血が上り、悪だくみが捗るらしい。権力者には取り入るよりは、引きずりおろすほうが好き。
新聞部部長
カメレオンのような頭をもつ男子。
三美の三重人格について迫ろうとしたが、天眼と戸浦に脅され、それ以降部員に「そのネタだけは絶対に手を出すな」とおびえている。
りーちゃん
本名不明。小森には「りーちゃん」と呼ばれていた。小森とともにヒトミ先生にインタビューした生徒。2年B組に所属していると思われるが定かではない。尖った歯が特徴的。
取材のときは、暴走気味の小森にツッコミを入れたりしていた。

教員

多々良拳四郎(たたら けんしろう)
2年A組の担任。多腕系理科教諭。男性。身長は180センチメートル。二対四本の腕を持つ。すべてが利き腕で関節も柔らかく、異なる動作も器用にこなす。煙草を二本もっているが、ニコチン接種より手遊びの意味合いが大きい。
ヒトミ先生の幼馴染で実家が隣同士。ツンデレ。貧乳派。
ヒトミ先生たちの母親がどうなったか知る唯一の人物で彼女に三美、二美夫のことを託され、彼女たちとは兄妹として接している。
門司勇輝(もじ ゆうき)
2年B組の担任。多毛系体育教諭。男性。身長は190センチメートル。全身を太い体毛におおわれている。立毛筋が発達しており、興奮時あるいは任意で毛を逆立てることもある。普段の状態だと断熱性、防寒性、クッション性に優れる。見た目より若く、多々良先生と同い年。
怒ると怖い。一度鳶田を助けるためにケガを負ったことがあるが、体毛のおかげで大事には至らなかった。
ヒトミ先生に少し好意を抱いている。
神永乙女(かみなが おとめ)
2年D組の担任。触髪系国語教諭。女性。頭髪が触手のように自在に動く。髪には神経が通っており触覚などの感覚を有する。髪は束ねると自分の腕力以上の力を発揮する。
女性が好き。女生徒の髪を触ってたまった性欲のはけ口としてヒトミ先生に発散していた。自称Cカップ。
ピカール先生
2年A組の英語教員。男性。スキンヘッドの先生。端元中学校に10年以上勤務している。
鮭尾先生
美術の先生。名前のみ登場。

その他の登場人物

ヒトミ先生たちの父親
の頭を持つがっちりした体格。たまに大量のカレーをつくる。
ヒトミ先生、三美との仲は良好で、ヒトミ先生とは映画を一緒に見に行っている。
ヒトミ先生たちの母
突然蒸発した母。現在のところ、多々良先生のみ、どうなったのか詳しく知っている。
真中二美夫(まなか ふみお)
ヒトミ先生の弟で、三美の兄。多々良先生に懐いている。現在どうなっているか不明。
多々良ルリ(たたら ルリ)
多々良先生の母親。見た目は完全に幼い少女でツインテールがよく似合う。しかし50代である。
息子である多々良先生と一美が結ばれればよいと思っているところがある。
多々良先生の父親
多々良先生の父親。いわゆるロリータコンプレックスで、幼少の三美の写真を息子の写真以上に所有している。息子が自立した後、妻とイチャイチャできると息巻いている。妻が息子にばかりかまっていることに加え、息子がそっけない態度をとっていることにいら立っている。

書誌情報

  • 鮭夫 『ヒトミ先生の保健室』 徳間書店〈リュウコミックス〉、既刊4巻(2015年9月12日現在)
  1. 2014年4月1日発行、2014年3月13日発売 ISBN 978-4-19-950385-6
  2. 2014年10月1日発行、2014年9月13日発売 ISBN 978-4-19-950413-6
  3. 2015年4月1日発行、2015年3月13日発売 ISBN 978-4-19-950442-6
  4. 2015年10月1日発行、2015年9月12日発売 ISBN 978-4-19-950470-9

受賞歴

ダ・ヴィンチniconicoが運営する 「第二回次にくるマンガ大賞」にノミネート。第14位にランクイン。 [3]

脚注

  1. ^ コミックリュウホームページより引用[1]
  2. ^ 右目に映る像と左目に映る像の間の小さな位置ずれのことを両眼視差と呼ぶ。両眼視差と両眼間距離がわかると三角法により対象物までの距離を知ることがでる。はこの計算を行っており、それにより世界が三次元に見えることを両眼立体視と言う。立体視の脳メカニズム進むを一部引用。
  3. ^ 拳四郎に白衣だとキャラが被るといわれたため。
  4. ^ そのためか、彼の髪は多くの植物と同じく緑色。保有する光合成色素の種類は不明。
  5. ^ 原理は光学迷彩と異なるということ以外不明。、
  6. ^ 髪の毛の治癒までは完璧ではないらしく、キューティクルは死んでいる。
  7. ^ 一度に受けた傷が大すぎたことに加えよくバラバラになっているので、完全に治癒していない。
  8. ^ 参考・5歳児女子の平均106センチメートル。単行本一巻より引用

外部リンク