バレーボール世界選手権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ッション (会話 | 投稿記録) による 2015年9月24日 (木) 07:40個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

バレーボール世界選手権
開始年 1949
主催 国際バレーボール連盟
チーム数 24チーム
前回優勝 男子:ポーランドの旗 ポーランド
女子:アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
最多優勝 男子:ロシアの旗 ロシア (6)
女子:ロシアの旗 ロシア (7)
公式サイト
FIVB
テンプレートを表示

バレーボール世界選手権(バレーボールせかいせんしゅけん、英語: FIVB Volleyball World Championship)は、国際バレーボール連盟が主催するバレーボールの世界大会である。国際バレーボール連盟が初めて作ったバレーボールの世界大会であり最も伝統のある大会である。

日本国内での通称は「世界バレー」または「世バレ」。全てのスポーツにある「世界選手権大会」の一つ。1962年大会から[1]4年に1度(オリンピックの中間年)開催されている。

概要

1949年に第1回男子大会がチェコスロバキアプラハで開催された。試合会場は屋外テニスコートを再利用したものであった。参加国は全部で10カ国でヨーロッパに限定されていたため事実上の『ヨーロッパ選手権』であった。1952年より女子も開催。

日本が世界選手権に初参加したのは1960年であり、このときの結果は男子が8位、女子が2位であった。1962年の女子大会では日本がソ連を破り優勝した。ここからしばらくの間、日本とソビエトの2強時代が続いた。日本は1962年から1974年までの4つの世界選手権のうち3回金メダルを獲得した。

1962年大会を経て、1964年にバレーボールがオリンピックの正式種目になった後の1966年からは、4年に1度オリンピックの中間年に開催されるようになった[1]。世界一を決める唯一の大会ではなくなり、次期オリンピックへの重要な前哨戦という位置づけとなった。

1967年の女子大会は1月に日本で開催されたが、北朝鮮が正式国名が呼ばれず国旗掲揚、国歌演奏が行われなかったことを不服として参加を拒否し、これにソ連が同調し参加を取りやめたため、参加国はわずか日本、アメリカ韓国ペルーの4カ国しかなかった。日本が優勝したものの史上もっとも盛り上がらない大会となり、世界選手権の伝統と権威が揺らぐものとなった。

1970年には、アフリカ大陸からも出場し、5大陸すべてから出場するという当初の目標を達成し本当の意味で『世界選手権』となった。

1998年には日本で男女の大会が開催された。男女共同開催は1974年のメキシコ大会以来のことである。

2002年の女子大会は優勝候補と言われていた中国が準決勝でイタリアに敗れるという波乱があった。イタリアは決勝でアメリカに勝って初優勝した。

2006年は男女とも日本で開催されたが、2005年11月には2010年の女子大会も日本で行われることが決定した。女子大会が2大会連続で同一国で開催されるのは史上初である。2005年12月には2010年の男子大会がイタリアで行われることが決定した。2006バレーボール世界選手権の組み合わせ抽選会が2005年11月、東京都内で開かれ、開催国の日本は男女とも1次リーグA組にシードされた。

2014年大会よりビデオ判定を求める「チャレンジシステム」が導入された[2]

競技方式

出場枠

出場国の数は何度も変更が行われているが、現在世界選手権に出場できるのは全部で24カ国であり、オリンピック(12カ国)、ワールドカップ(12カ国)を規模で上回る。開催国と前回大会優勝国が出場できるほか、各大陸における予選を勝ち抜いた上位チームが出場することができる。出場できるチームの数の各大陸の内訳はFIVBランキングを元に決定される。

試合方式

  • 2006年大会では、男女各24チームが1次リーグで6組に分かれ、各組1-3位が2次リーグに進出。2次リーグでは18チームが2組に分かれ、各組1-2位が1-4位決定戦に、3-4位が5-8位決定戦に、5-6位が9-12位決定戦に進出(但し各チームは1次リーグで戦った国とは対戦せず、1リーグでの成績をそのまま持ち越し)。1-4位決定戦、5-8位決定戦、9-12位決定戦はそれぞれノックアウトトーナメント。なお、CMを入れるため、日本の試合のみテクニカルタイムアウトが30秒長く、放送時間を調整できるよう第2、第3セットの間に10分間の休憩を設けた[3]
  • 2010年大会では、24チームが1次リーグで6組に分かれ、各組1-3位が2次リーグに進出。2次リーグでは18チームが6組に分かれ、各組1-2位が3次リーグに進出。3次リーグでは12チームが4組に分かれ、各組1位が1-4位決定戦に、各組2位が5-8位決定戦に、各組3位が9-12位決定戦に進出。1-4位決定戦、5-8位決定戦、9-12位決定戦はそれぞれノックアウトトーナメント。

歴代開催国と大会順位

男子

  • 数: 本戦の参加チーム数。
開催年 開催国 1位 優勝 2位 準優勝 3位 4位
1949年第1回 10 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ブルガリアの旗 ブルガリア ルーマニアの旗 ルーマニア
1952年第2回 11 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ブルガリアの旗 ブルガリア ルーマニアの旗 ルーマニア
1956年第3回 24 フランスの旗 フランス チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ルーマニアの旗 ルーマニア ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ポーランドの旗 ポーランド
1960年第4回 14 ブラジルの旗 ブラジル ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ルーマニアの旗 ルーマニア ポーランドの旗 ポーランド
1962年第5回 19 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ルーマニアの旗 ルーマニア ブルガリアの旗 ブルガリア
1966年第6回 22 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ルーマニアの旗 ルーマニア ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 東ドイツの旗 東ドイツ
1970年第7回 24 ブルガリアの旗 ブルガリア 東ドイツの旗 東ドイツ ブルガリアの旗 ブルガリア 日本の旗 日本 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア
1974年第8回 24 メキシコの旗 メキシコ ポーランドの旗 ポーランド ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 日本の旗 日本 東ドイツの旗 東ドイツ
1978年第9回 24 イタリアの旗 イタリア ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 イタリアの旗 イタリア キューバの旗 キューバ 大韓民国の旗 韓国
1982年第10回 24 アルゼンチンの旗 アルゼンチン ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ブラジルの旗 ブラジル アルゼンチンの旗 アルゼンチン 日本の旗 日本
1986年第11回 16 フランスの旗 フランス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ブルガリアの旗 ブルガリア ブラジルの旗 ブラジル
1990年第12回 16 ブラジルの旗 ブラジル イタリアの旗 イタリア キューバの旗 キューバ ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ブラジルの旗 ブラジル
1994年第13回 16 ギリシャの旗 ギリシャ イタリアの旗 イタリア オランダの旗 オランダ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キューバの旗 キューバ
1998年第14回 24 日本の旗 日本 イタリアの旗 イタリア ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア キューバの旗 キューバ ブラジルの旗 ブラジル
2002年第15回 24 アルゼンチンの旗 アルゼンチン ブラジルの旗 ブラジル ロシアの旗 ロシア フランスの旗 フランス ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア
2006年第16回 24 日本の旗 日本 ブラジルの旗 ブラジル ポーランドの旗 ポーランド ブルガリアの旗 ブルガリア セルビア・モンテネグロの旗 セルビア・モンテネグロ
2010年第17回 24 イタリアの旗 イタリア ブラジルの旗 ブラジル キューバの旗 キューバ セルビアの旗 セルビア イタリアの旗 イタリア
2014年第18回 24 ポーランドの旗 ポーランド ポーランドの旗 ポーランド ブラジルの旗 ブラジル ドイツの旗 ドイツ フランスの旗 フランス
2018年第19回

女子

  • 数: 本戦の参加チーム数。
開催年 開催国 1位 優勝 2位 準優勝 3位 4位
1952年第1回 08 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ポーランドの旗 ポーランド チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ブルガリアの旗 ブルガリア
1956年第2回 17 フランスの旗 フランス ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ルーマニアの旗 ルーマニア ポーランドの旗 ポーランド チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア
1960年第3回 10 ブラジルの旗 ブラジル ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 日本の旗 日本 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア ポーランドの旗 ポーランド
1962年第4回 14 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 日本の旗 日本 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 ポーランドの旗 ポーランド ルーマニアの旗 ルーマニア
1967年第5回 04 日本の旗 日本 日本の旗 日本 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 大韓民国の旗 韓国 ペルーの旗 ペルー
1970年第6回 16  ブルガリア ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 日本の旗 日本 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮  ハンガリー
1974年第7回 23 メキシコの旗 メキシコ 日本の旗 日本 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 大韓民国の旗 韓国 東ドイツの旗 東ドイツ
1978年第8回 23 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 キューバの旗 キューバ 日本の旗 日本 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 大韓民国の旗 韓国
1982年第9回 24 ペルーの旗 ペルー 中華人民共和国の旗 中国 ペルーの旗 ペルー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 日本の旗 日本
1986年第10回 16 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア 中華人民共和国の旗 中国 キューバの旗 キューバ ペルーの旗 ペルー 東ドイツの旗 東ドイツ
1990年第11回 16 中華人民共和国の旗 中国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 中華人民共和国の旗 中国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キューバの旗 キューバ
1994年第12回 16 ブラジルの旗 ブラジル キューバの旗 キューバ ブラジルの旗 ブラジル ロシアの旗 ロシア 大韓民国の旗 韓国
1998年第13回 16 日本の旗 日本 キューバの旗 キューバ 中華人民共和国の旗 中国 ロシアの旗 ロシア ブラジルの旗 ブラジル
2002年第14回 24 ドイツの旗 ドイツ イタリアの旗 イタリア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ロシアの旗 ロシア 中華人民共和国の旗 中国
2006年第15回 24 日本の旗 日本 ロシアの旗 ロシア ブラジルの旗 ブラジル セルビア・モンテネグロの旗 セルビア・モンテネグロ イタリアの旗 イタリア
2010年第16回 24 日本の旗 日本 ロシアの旗 ロシア ブラジルの旗 ブラジル 日本の旗 日本 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2014年第17回 24 イタリアの旗 イタリア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 中華人民共和国の旗 中国 ブラジルの旗 ブラジル イタリアの旗 イタリア
2018年第18回 日本の旗 日本

脚注

  1. ^ a b 1966年大会は、女子はペルー、メキシコの相次ぐ開催地返上を経て、1967年1月に日本で開催。
  2. ^ 月刊バレーボール 2014年10月号 141ページ
  3. ^ 「TV演出 過剰?必要? バレー世界選手権中継」『朝日新聞』2006年11月21日付朝刊

関連項目

外部リンク