バトラー・ランプソン
バトラー・ランプソン | |
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生誕 |
1943年12月23日(80歳) ワシントンD.C. |
研究分野 | 計算機科学 |
研究機関 |
カリフォルニア大学バークレー校 パロアルト研究所 DEC マイクロソフト MIT |
出身校 |
ハーバード大学 カリフォルニア大学バークレー校 |
主な業績 | SDS 940, Xerox Alto |
主な受賞歴 | チューリング賞 (1992) |
プロジェクト:人物伝 |
バトラー・W・ランプソン(Butler W. Lampson、1943年 - )は、アメリカ合衆国の計算機科学者。
経歴
ワシントンD.C.生まれ。ローレンスビル・スクール卒業後[1]、1964年にハーバード大学で物理学の学士号を取得。1967年にはカリフォルニア大学バークレー校で電気工学と計算機科学の博士号を取得した。
1960年代、バークレーの Project GENIE に参加した。1965年、ランプソンとピーター・ドイチュを含む Project GENIE のメンバーの何名かはサイエンティフィック・データ・システムズの SDS 940 用オペレーティングシステム Berkeley Timesharing System を開発した。
1970年、パロアルト研究所設立に参加し、Computer Science Laboratory (CSL) に勤務した。彼のパーソナルコンピュータに関する構想は1972年に書かれたメモ "Why Alto?" に示されている[2]。1973年、3ボタンマウスとページサイズのモニターを持つ Xerox Alto が開発された[3]。Alto は(少なくとも後に一般的になったGUIモードの操作が可能という意味で)世界初のパーソナルコンピュータとも言われる。
パロアルト研究所で開発されたその後のコンピュータは、全てランプソンの "Wildflower" と呼ばれる設計に基づいている。例えば、Dシリーズ("Dolphin"、"Dandelion"、"Dandetiger"、"Dorado"、"Daybreak"、"Dragon")、Xerox Star("Dandelion"の一種)などである。AMD Am2900 ビットスライス型マイクロプロセッサを使用したものもある("Dandelion"など)。
パロアルト研究所で、ランプソンは他の様々な革新的技術にも関係している。例えばレーザープリンターの設計、ツーフェーズ・コミット・プロトコル、世界初のWYSIWYG組版ソフトウェア Bravo、世界初の高速Local Area Network (LAN) であるイーサネット、Euclidなどのプログラミング言語である。
1980年代初期、ランプソンはパロアルト研究所を離れ、DECに移った。現在はマイクロソフトリサーチに勤務している。MITの準教授でもある。
ランプソンの言葉として「計算機科学のあらゆる問題は別のレベルのインダイレクションで解決される」というものがある(ランプソン自身はチューリング賞講演で[4]、デビッド・ホイーラーの言葉だとしている)。なお、インダイレクション(Indirection)とは、一般には「間接的行動」などと訳されるが、情報工学においては値そのものの代わりに名前や参照やコンテナを使用することを意味する。
受賞歴
- 1992年 - チューリング賞。「パーソナルコンピューティングと計算機科学への貢献に対して」
- 1994年 - ACMフェロー
- 2004年 - チャールズ・スターク・ドレイパー賞。アラン・ケイ、ロバート・テイラー、チャック・サッカーと共同受賞。
- 2006年 - コンピュータ歴史博物館フェロー
脚注
- ^ 2009年、ローレンスビル・スクールの卒業生に与えられる最高の賞 Aldo Leopold Award を受賞
- ^ DigiBarn Computer Museum: Why Alto? Butler Lampson's Historic 1972 Memo
- ^ Thacker, C.P.; McCreight, E.M.; Lampson, B.W.; Sproull, R.F.; Boggs, D.R. (1982), “Alto: a personal computer”, Computer Structures: Principles and Examples: 549–572 2010年9月2日閲覧。
- ^ http://research.microsoft.com/Lampson/Slides/TuringLecture.doc
関連項目
外部リンク
- Lampson's website
- The milliLampson unit ランプソンは早口で有名なため、早口を表す冗談単位に使われている。通常程度の早口を表すにはミリランプソンを使う。