ハンゴンソウ

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ハンゴンソウ
2008年8月 尾瀬
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: キオン属 Senecio
: ハンゴンソウ S. cannabifolius
学名
Senecio cannabifolius Less. (1831)[1]
シノニム
和名
ハンゴンソウ(反魂草)

ハンゴンソウ(反魂草[4]学名: Senecio cannabifolius)はキク科キオン属多年草

分布と生育環境[編集]

日本では北海道、本州の中部以北に[4]、アジアでは樺太、カムチャツカ、アリューシャン、シベリア東部、朝鮮、中国に分布する。高原や深山の湿った草地、湿原、林縁に大小の集団を作って群生する[4]

形態・生態[編集]

多年生の草本[4]。茎は直立して、高さは1 - 2メートル (m) ほどになり、若い茎や葉柄は赤みを帯びる[4]葉柄をもち、茎に互生する[4]。葉身は広卵形で、羽状に深く裂け[4]、3から7つの深い切れ込みが入る。先は尖り、縁は鋸歯状で、裏がざらつく。

花期は7 - 9月[4]。茎の頂部に直径2センチメートル (cm) ほどの黄色い頭花を散房状に多数つける[4]

頭花は同属のキオンに似るが、キオンの葉は切れ込まない。葉の切れ込みは別属の帰化植物であるオオハンゴンソウに似る。

利用[編集]

春の20 - 30 cmに伸びた若い芽は山菜となるが、あくが非常に強い[4]。キク科独特の強い香りと苦味が身上であるが、あくが強いためよく茹でてから水に十分さらし、あくが抜けきらないようならば一晩水につけてから使われる[4]。主に、おひたし和え物煮物などに調理する[4]。廣野 (1933) によれば、ラットに肝ガンをおこす。

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Senecio cannabifolius Less. ハンゴンソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月8日閲覧。
  2. ^ William Henry Edwards or シデナム・エドワーズ
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Jacobaea cannabifolia (Less.) E.Wiebe ハンゴンソウ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 高橋秀男監修 2003, p. 165.

参考文献[編集]

  • 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、165頁。ISBN 4-05-401881-5 
  • I Hirono.(廣野 巖) Edible Plants Containing Naturally Occurring Carcinogens in Japan. Jpn J Cancer Res. 1993 Oct;84(10):997-1006.