ハナズオウ

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ハナズオウ
ハナズオウ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ハナズオウ亜科 Cercidoideae
: ハナズオウ属 Cercis
: ハナズオウ C. chinensis
学名
Cercis chinensis Bunge (1833)[1]
英名
Chinese redbud

ハナズオウ(花蘇芳[2]学名: Cercis chinensis)は中国原産のマメ科ハナズオウ亜科[注 1]落葉小高木である。に咲くが美しいためよく栽培される。別名、ハナズホウ[2]、スオウバナ(蘇芳花)とも呼ぶ[3]和名の由来は、花の色がマメ科の染料植物スオウで染めた蘇芳染(すおうぞめ)に似ていることによる[2]中国名は紫荊[1]

特徴[編集]

日本には北海道本州四国九州に分布する[2]。 高さは2 - 3メートル (m) になり、は5 - 10センチメートル (cm) のハート形でつやがあり、葉縁が裏側に向かって反り返る独特の形をしている[2]葉柄の両端は少し膨らむ。秋の紅葉は黄色系に染まり、黄色と褐色のモザイク模様なったり様々な変化を見せながら、葉が散るころには褐色になる[2]

早春に花芽を多数つけ、4 - 5月ごろに先立って開花する[2]。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。は紅色から赤紫色(白花品種もある)で長さ1 cmほどの蝶形花[2]。開花後、長さ数cmの豆果をつけ、からに赤紫色から褐色に熟す[2]

早春に咲く赤紫色の花とハート形の葉が好まれ、公園樹や庭木によく利用される[2]

ハナズオウ属[編集]

ハナズオウ属は北半球温帯に数種が分布する。地中海付近原産のセイヨウハナズオウ (C. siliquastrum) は落葉高木で高さ10mほどになり、イスカリオテのユダがこの木で首を吊ったという伝説からユダの木とも呼ばれる。このほかアメリカハナズオウ (C. canadensis) などが栽培される。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではマメ科であるが、古いクロンキスト体系ではジャケツイバラ科とする。

出典[編集]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cercis chinensis Bunge ハナズオウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 亀田龍吉 2014, p. 107.
  3. ^ スオウバナの意味・解説”. weblio辞書. GRASグループ. 2023年12月11日閲覧。

参考文献[編集]

  • 亀田龍吉『落ち葉の呼び名事典』世界文化社、2014年10月5日。ISBN 978-4-418-14424-2