ニューコクシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。124.27.35.10 (会話) による 2014年12月26日 (金) 17:11個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (リンク切れの外部リンクを除去)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ニューコクシン
ニューコクシン
IUPAC名(8E)-7-オキソ-8-[(4-スルホナトナフタレン-1-イル)ヒドラジニリデン]ナフタレン-1,3-ジスルホン酸ナトリウム
別名食用赤色102号、Ponceau 4R、Cochineal Red A、Acid Red 18
分子式C20H11N2Na3O10S3
分子量604.48
CAS登録番号51811-48-4
形状赤色の固体または粉末

ニューコクシン (New Coccine, Ponceau 4R) は、赤色に着色することのできる着色料タール色素に分類される合成着色料である。通称赤色102号(あかいろひゃくにごう)。常温では赤(暗赤色)の粒または粉末状の固体で、無臭である。

主に、工業製品の着色用途や食品添加物として使用される。旧厚生省は天然に存在しない添加物に分類している[1]。食品用途には、洋菓子ソーセージ漬物への使用が多い。カナダベルギーアメリカなどでは食品への使用が禁止されている。

2007年、英国食品基準庁は、食品添加物の広域スクリーニングでニューコクシンを含む数種類の合成着色料と合成保存料の安息香酸ナトリウムを同時に摂取した場合に関係を示唆する結果が得られた為、注意欠陥・多動性障害の兆候がみられる子供はこの合成着色料を避けたほうがいいと勧告し[2]、2008年4月、英国食品基準庁(FSA)は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連の疑われるタール色素6種類について2009年末までにメーカーが自主規制するよう勧告した[3]。ガーディアン紙によれば、この政府勧告による自主規制の前に、大手メーカーは2008年中にもそれらの食品添加物を除去する[4]

2008年3月に欧州食品安全当局(EFSA)は同じ研究報告を評価し、観察された影響の臨床上の意義が不明なことや、研究結果の一貫性の無さ、小さなエフェクトサイズの意義が不明なこと、用量反応性の情報がないこと、食品添加物の行動への影響を誘発させる生物学的メカニズムが考えられないことを挙げ、ADIを変更する根拠にはならないと報告している[5]。しかし、4月イギリスは再び排除すべきだと勧告を行い[3]、8月には欧州は摂取量の見直しをはじめ「注意欠陥多動性障害に影響するかもしれない」という警告表示がされることになると報道された[4]

脚注

  1. ^ 厚生省「表5 食品添加物の年齢別摂取量」マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査 (平成12年12月14日 厚生省) (日本食品化学研究振興財団)
  2. ^ Agency revises advice on certain artificial colours (英語) (Food Standards Agency)
  3. ^ a b Board discusses colours advice (Food Standards Agency, Friday 11 April 2008)
  4. ^ a b EU plans warning labels on artificial colours (The Guardian, August 11 2008)
  5. ^ EFSA evaluates Southampton study on food additives and child behaviour (European Food Safety Authority, 14 March 2008)