ニトログリコール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Addbot (会話 | 投稿記録) による 2013年3月30日 (土) 08:49個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (ボット: 言語間リンク 16 件をウィキデータ上の d:q572774 に転記)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ニトログリコール
ニトログリコールの構造式ニトログリコールの球棒モデル
IUPAC名Ethane-1,2-diol dinitrate
別名エチレングリコールジニトラート
分子式C2H4N2O6
分子量152.06
CAS登録番号628-96-6
形状常温では無色の液体
密度1.49 g/cm3, 液体
融点−22.0 °C

ニトログリコール (nitroglycol) は、エチレングリコール硝酸エステル示性式NO2-O-CH2-CH2-O-NO2。別名二硝酸グリコール、日本国の法律に基づく名称ではエチレングリコールジニトレートCAS登録番号は628-96-6。

ダイナマイトプラスチック爆弾など爆薬を製造する時に爆発物マーカーとして添加することが「可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約」で国際的に義務付けられている。日本では「可塑性爆薬に含める物質等を定める告示」(平成9年通商産業省告示第548号)により、可塑性爆薬を製造する際に「探知剤」として添加しなければならない物質として義務化されている。爆発物探知機はこの物質に対して極微量であっても敏感に反応するように作られている。そのため、ごく微量でもこの物質が含まれていると、本当に爆発するかどうかに関係なくプラスチック爆弾と見なされ拘束される危険があるが、毒性の強い第1種指定化学物質であるため爆薬以外への添加は行われていない。

性質

工業的には単体で使用されることはなく、ニトログリセリンと混合してダイナマイトなどに加工される。

毒性

体内に吸収されやすく、暴露されると初期症状として、頭痛・嘔吐感・目眩が起きる。さらに暴露が続くと全身の衰弱・疲労感・四肢の疼痛が起こり、死亡する場合もある。

  • 経口 ラット LD50 616mg/kg
  • 経皮 ラット LD50 16000mg/kg

製造方法

エチレングリコール硝酸硫酸の混酸で硝化して製造する。

法規制