ニコ・コヴァチ

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ニコ・コヴァチ
FCバイエルン・ミュンヘン監督時代(2019年)
名前
愛称 ニコ
ラテン文字 Niko Kovač
基本情報
国籍 クロアチアの旗 クロアチア
ドイツの旗 ドイツ
生年月日 (1971-10-15) 1971年10月15日(52歳)
出身地 西ベルリン
身長 176cm
体重 75kg
選手情報
ポジション MF (DH)
利き足 右足
ユース
1987-1989 ドイツの旗 ラピデ・ヴェディンクドイツ語版
1989-1990 ドイツの旗 ヘルタ・ツェーレンドルフドイツ語版
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
1990-1991 ドイツの旗 ヘルタ・ツェーレンドルフ 25 (7)
1991 ドイツの旗 ヘルタ・ベルリンSC II英語版 12 (1)
1992-1996 ドイツの旗 ヘルタ・ベルリン 148 (15)
1996-1999 ドイツの旗 バイエル・レバークーゼン 77 (8)
1999-2001 ドイツの旗 ハンブルガーSV 55 (12)
2001-2003 ドイツの旗 FCバイエルン・ミュンヘン 34 (3)
2003-2006 ドイツの旗 ヘルタ・ベルリン 75 (8)
2006-2009 オーストリアの旗 レッドブル・ザルツブルク 65 (9)
通算 491 (63)
代表歴
1996-2008 クロアチアの旗 クロアチア 83 (14)
監督歴
2009-2011 オーストリアの旗 レッドブル・ザルツブルクII
2011-2012 オーストリアの旗 レッドブル・ザルツブルク コーチ
2013 クロアチアの旗 クロアチア U-21
2013-2015 クロアチアの旗 クロアチア
2016-2018 ドイツの旗 アイントラハト・フランクフルト
2018-2019 ドイツの旗 FCバイエルン・ミュンヘン
2020-2022 モナコの旗 ASモナコ
2022- ドイツの旗 VfLヴォルフスブルク
1. 国内リーグ戦に限る。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ニコ・コヴァチセルビア・クロアチア語: Niko Kovačクロアチア語発音: [niːko koʋaːtʃ], 1971年10月15日 - )は、西ベルリン出身の元サッカー選手。現サッカー指導者。現役時代のポジションは守備的ミッドフィールダークロアチア代表でもあった。

2019年にはブンデスリーガ2冠を達成し、史上初となる選手と監督両方で2冠達成となった[1]

経歴[編集]

選手時代[編集]

2002 FIFAワールドカップ2006 FIFAワールドカップに出場したクロアチア代表ミッドフィルダー。弟ロベルト・コヴァチと共に代表での精神的支柱となり、チームを支えた。安定感のあるプレーが持ち味。EURO2008ではキャプテンとしてチームを牽引したがベスト8で敗退した。これにより代表引退を表明していたが周囲の慰留をうけて撤回、大会後も代表を続けることとなった。

しかし2009年1月8日、若手に出番を譲りたい等の理由から代表引退を表明[2]。さらに同年、シーズン終了をもって現役も引退することを表明した。

指導者時代[編集]

指導者転向直後(2009年)

2009年から2012年まで、引退クラブのレッドブル・ザルツブルクでアシスタントコーチやセカンドチームの監督として指導者としての経験を積み[3]、2013年にU-21クロアチア代表の監督に就任。

2013年10月16日、辞任したイゴール・シュティマッツ監督の後を継いでクロアチア代表監督に就任。1ヶ月後の2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフではアイスランドを1勝1分で破り、2014 FIFAワールドカップ出場権を勝ち取った[4]

2014 FIFAワールドカップではカメルーンには勝利したものの、ブラジルメキシコには敗れ、グループリーグ3位で敗退した。ブラジル戦で主審を務めた西村雄一の物議を醸したPK判定について「あれがPKなら、我々はもうサッカーをする必要がない。代わりにバスケットボールをしよう。残念だよ」と批判していた[5]

UEFA EURO 2016予選では序盤こそ首位に立っていたものの、2015年9月のアゼルバイジャン戦で引き分け、ノルウェー戦で敗れると、3位に転落。クロアチアサッカー連盟ダヴォール・シューケル会長から「ここ2試合の結果を誰も予想できなかった。我々は自分たちで首を絞めてしまった。少し前まで首位にいたんだ。理事会は満場一致でこの結論に至った」と語られ、クロアチア代表監督を解任された[6]

2016年3月8日、ドイツ・ブンデスリーガアイントラハト・フランクフルトの監督に就任[7]。 就任時点でチームは降格圏をさまよっていたが、建て直しに成功し16位でフィニッシュ。 1.FCニュルンベルクとの入れ替え戦にも勝利し、残留を確定させた。

2018年4月13日、2018-2019シーズンからFCバイエルン・ミュンヘンの新監督に就任することが決定した[8]。2018年7月1日から2021年6月30日までの3年契約で合意している。アイントラハト・フランクフルトにおいてアシスタントコーチを担当する弟のロベルト・コヴァチを伴っての移籍となる。

5月19日のDFBポカール決勝では、次期シーズンから率いるFCバイエルン・ミュンヘンと対戦し、3-1で勝利。クラブにとって30年ぶりとなるタイトルを置き土産に退任した。

2018-19シーズンは、バイエルン・ミュンヘンを率いてブンデスリーガ二冠を達成。選手としても二冠を達成しておりブンデスリーガ史上初の選手と監督として二冠を達成となった。CLではベスト16で、優勝チームであるリバプールFCに破れ敗退していた。解任の噂も流れたが、会長は取材に「ニコ・コバチが来季も監督を務めるという事に議論の余地はないね」と明言している[1]しかし、2019-20シーズンは開幕から国内リーグ戦の成績が振るわず、2019年11月2日の第10節アイントラハト・フランクフルト戦では1-5の大敗を喫し、翌3日に解任された[9] [10]

2020年7月19日、ASモナコの監督に就任した[11]

2022年5月24日、VfLヴォルフスブルクの監督に就任した[12]

個人成績[編集]

クラブ シーズン リーグ カップ リーグカップ 国際大会 その他 通算
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ヘルタ・ツェーレンドルフ 1990-91 25 7 25 7
ヘルタ・ベルリンSC II 1990-91 12 1 12 1
ヘルタ・ベルリン 1991-92 12 0 0 0 12 0
1992-93 42 1 3 0 45 1
1993-94 32 1 0 0 32 1
1994-95 31 2 1 0 32 2
1995-96 31 11 2 0 33 11
通算 148 15 6 0 154 15
バイエル・レバークーゼン 1996-97 32 3 1 0 33 3
1997-98 18 1 3 1 1 0 7 0 29 2
1998-99 27 4 1 0 2 0 4 0 34 4
通算 77 8 5 1 3 0 11 0 96 9
ハンブルガー 1999-00 30 8 1 0 31 8
2000-01 25 4 1 0 1 0 9 1 36 5
通算 55 12 2 0 1 0 9 1 67 13
バイエルン・ミュンヘン 2001-02 16 2 3 1 1 0 4 0 2 0 26 3
2002-03 18 1 4 0 1 0 2 1 25 2
通算 34 3 7 1 2 0 6 1 2 0 51 5
ヘルタ・ベルリン 2003-04 17 1 3 0 1 0 21 1
2004-05 30 4 1 0 31 4
2005-06 28 3 3 1 1 0 4 0 36 4
通算 75 8 7 1 1 0 5 0 88 9
レッドブル・ザルツブルク 2006-07 28 6 1 0 6 0 35 6
2007-08 25 3 4 0 29 3
2008-09 12 0 0 0 3 0 15 0
通算 65 9 1 0 13 0 79 9
総通算 491 63 28 3 7 0 44 2 2 0 572 68

監督成績[編集]

2021年12月30日現在
クラブ 就任 退任 記録
勝率
クロアチア代表 U-21 クロアチアの旗 2013年1月21日 2013年10月16日 7 5 0 2 18 5 +13 071.43
クロアチア代表 クロアチアの旗 2013年10月16日 2015年9月9日 19 10 5 4 36 16 +20 052.63
アイントラハト・フランクフルト ドイツの旗 2016年3月8日 2018年6月30日 91 38 20 33 111 108 +3 041.76
バイエルン・ミュンヘン ドイツの旗 2018年7月1日 2019年11月3日 65 45 12 8 169 73 +96 069.23
モナコ フランスの旗 2020年7月19日 2022年1月1日 74 42 16 16 131 76 +55 056.76
合計 256 140 53 63 465 278 +187 054.69

獲得タイトル[編集]

選手時代[編集]

FCバイエルン・ミュンヘン
レッドブル・ザルツブルク

指導者時代[編集]

アイントラハト・フランクフルト
FCバイエルン・ミュンヘン

脚注[編集]

  1. ^ a b コバチ氏、選手&監督で2冠達成はブンデス史上初。来季もバイエルン監督継続へ”. www.footballchannel.jp. kanzen Ltd. (2019年05月27日(Mon)8時20分配信). 2019年6月4日閲覧。 “スポーツデータ会社『オプタ』によると、監督としてだけでなく、選手としても2002/03シーズンにドイツ杯とブンデスリーガ優勝の2冠を達成しているコバチ氏は史上初の快挙を成し遂げたと伝えている。”
  2. ^ スポーツナビ (2009年1月9日). “ニコ・コバチがクロアチア代表引退「若手に出番を譲りたい」”. 2009年1月9日閲覧。
  3. ^ Salzburg: Kovac steht in der Poleposition KURIER 2015年12月13日
  4. ^ 新監督の下、どん底から這い上がったクロアチア。W杯で再び旋風を巻き起こすことが出来るか? フットボールチャンネル 2013年12月19日
  5. ^ クロアチア監督、西村主審を批判 「あれがPKならサッカーをする必要ない」 Goal.com
  6. ^ EURO予選不振のクロアチア、N・コヴァチ監督を解任 フットボールチャンネル 2015年9月10日
  7. ^ サッカー=長谷部フランクフルトの新監督にニコ・コバチ氏 ロイター 2016年3月9日
  8. ^ [1] FC Bayern Münchenオフィシャルウェブサイト 2018年4月18日
  9. ^ バイエルン、ニコ・コバチ監督との契約を解消!”. 超ワールドサッカー (2019年11月4日). 2019年11月4日閲覧。
  10. ^ バイエルン、コヴァチ監督の解任を発表…大敗の翌日に辞任を申し出”. サッカーキング (2019年11月4日). 2019年11月4日閲覧。
  11. ^ ASモナコ、元バイエルンのニコ・コヴァチ監督招聘を発表”. キッカー日本語版 (2020年7月20日). 2020年7月20日閲覧。
  12. ^ ヴォルフスブルク、ニコ・コヴァチ監督招聘を発表。”. キッカー日本語版 (2022年5月24日). 2022年5月25日閲覧。

関連項目[編集]


この項目は、ウィキプロジェクト サッカー選手の「テンプレート」を使用しています。