ニコラ・マユ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。芋子の子 (会話 | 投稿記録) による 2016年4月3日 (日) 05:04個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ニコラ・マユ
Nicolas Mahut
ニコラ・マユ
基本情報
フルネーム Nicolas Pierre Armand Mahut
国籍 フランスの旗 フランス
出身地 同・アンジェ
居住地 同・ブローニュ=ビヤンクール
生年月日 (1982-01-21) 1982年1月21日(42歳)
身長 190.5cm
体重 79.8kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2000年
ツアー通算 16勝
シングルス 3勝
ダブルス 13勝
生涯獲得賞金 12,683,430 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2012)
全仏 3回戦(2012・15)
全英 3回戦(2006)
全米 2回戦(2006・11・15)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 準優勝(2015)
全仏 準優勝(2013)
全英 3回戦(2008)
全米 優勝(2015)
優勝回数 1(米1)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 37位(2014年5月5日)
ダブルス 9位(2015年10月5日)
2016年4月3日現在

ニコラ・ピエール・アルマン・マユNicolas Pierre Armand Mahut, 1982年1月21日 - )は、フランスアンジェ出身の男子プロテニス選手。自己最高ランキングはシングルス37位、ダブルス9位。2015年全米オープン男子ダブルスピエール=ユーグ・エルベールとペアを組んで優勝した。ATPツアーでシングルスは3勝、ダブルスで13勝がある。右利きでバックハンドは片手である。

「ニコラ・マウー」等の表記も多く見られる。

グランドスラムダブルスで優勝1回。また、2010年ウィンブルドン選手権男子シングルスにおいて史上最長試合11時間5分を記録したことで知られる。

来歴

~2010年

5歳からテニスを始め、2000年にプロ入り。ジュニア時代、2000年ウィンブルドンの男子ジュニアシングルス部門で、マリオ・アンチッチクロアチア)を破って優勝したことがある。本人の話によると、「人生で最高の瞬間は2000年のウィンブルドン・ジュニア優勝だったが、最も苦しかった時期はプロテニスサーキットを回り始めた頃だった」という。2001年全豪オープン4大大会にデビューした時は、1回戦でウクライナアンドレイ・メドベデフに 2-6, 4-6, 6-2, 6-4, 4-6 で敗れた。2001年からの2年間は、主にフランス国内の下部サーキットで下積み生活を送った。2003年2004年に、マユは9月のフランスメス大会でダブルス2連覇を果たしている。

ニコラ・マユは2006年3月、京都市体育館で開かれた「全日本室内テニス選手権」に出場し、決勝で盧彦勲台湾)を 6-4, 6-1 で破って優勝した。[1] 全日本室内テニス選手権は、ATPツアーでは下部の「チャレンジャー大会」の1つとして扱われ、ツアーの公式サイトでは“Kyoto”と記載されている。この年はウィンブルドンで初の3回戦進出があり、マユは第1シードのロジャー・フェデラーに 3-6, 6-7, 4-6 のストレートで完敗した。

マユは2006年までシングルスでの好成績が少なかったが、2007年6月中旬にウィンブルドン前哨戦の1つであるロンドンの「クイーンズ・クラブ」大会で準優勝した。3回戦でイワン・リュビチッチを破り、準々決勝で全仏オープン3連覇を達成したばかりのラファエル・ナダルを破って注目を集める。準決勝では同国の親友アルノー・クレマンを破り、初めてのATPツアー大会決勝戦に進出したが、決勝ではアンディ・ロディックに第2・第3セットのタイブレークを奪われ、6-4, 6-7, 6-7 で敗れた。続くウィンブルドンでは、2回戦で同じフランスリシャール・ガスケに敗退している。7月のニューポート大会で2度目の決勝に進出したが、ファブリス・サントロに 4–6, 4–6 で敗れている。

ダブルスでは、2004年全米オープン2007年全米オープンジュリアン・ベネトーと組みベスト4に進出した。

2010年ウィンブルドン選手権男子シングルスでは1回戦でジョン・イズナーと史上最長試合を演じた。詳細は後述。

2013年- 全仏ダブルス準優勝、ATPシングルス初優勝 

そして2013年全仏オープンではミカエル・ロドラと組みて決勝に進出した。決勝ではボブマイクブライアン兄弟組に 4–6, 6–4, 6–7(4) で敗れ準優勝となった。表彰式のスピーチにおいてダブルスに専念するためにシングルスの引退を考えていたことを告白した。

2013年全仏終了後の得意の芝のシーズンに入り、トップシェルフ・オープンの決勝まで予選から勝ち進み、決勝戦でスタニスラス・ワウリンカをストレートで破り、キャリア初のシングルス優勝を遂げた。

ランクを240位から一気に120位台まで上昇させ、そして1ヶ月後、全英翌週のテニス殿堂選手権の大会でダブルヘッダーながら元世界ランク一位のレイトン・ヒューイットを相手にフルセットの末に勝利し、キャリア2勝目を挙げ一年ぶりに100位以内にランクを戻し75位まで上昇させ、年度末にはキャリアハイに近づく50位まで順位を上昇させた。

2014年、全豪の前哨戦となるブリスベンにおいてロジャー・フェデラーとダブルスを組み準決勝まで快勝し順調なシーズンの滑り出しを見せた。2014年全豪オープンにて優勝ペアに準決勝に負けるもミカエル・ロドラとのダブルスは好調を維持し、2月の ロッテルダムでシーズン初優勝を果たした。

2015年- シングルス3度目の優勝、全米ダブルス優勝、キャリア初のツアーファイナル出場 

全豪オープンではピエール=ユーグ・エルベールと組みて自身二度目のGS決勝に進出し、シモーネ・ボレリ、ファビオ・フォニーニ組にストレートで敗れ準優勝となった。

今まで選出されることなかったデビスカップに遂に抜擢されダブルス戦においてジュリアン・ベネトーと組みフランスチーム初戦突破に貢献した。

そして、得意の芝シーズンに入りトップシェルフ・オープンの決勝まで予選から再度勝ち進み、決勝戦でダビド・ゴファンをストレートで破り、シングルス3つ目となる優勝を飾った。

全米オープンに単複出場し、ダブルスにてピエール=ユーグ・エルベールとともに決勝に進んだ。ジェイミー・マレージョン・ピアース組をストレートで破り、悲願のグランドスラム初優勝を遂げた。フランスペアとして史上初の全米ダブルス優勝でもあった。

シーズン最後を飾るツアー・ファイナル初出場を果たし、ラウンドロビンで敗退だったもののキャリア最高の成績を飾った。

史上最長試合

2010年6月22日から24日、2010年ウィンブルドン選手権で男子シングルス1回戦において、当時世界ランク23位のジョン・イスナーと戦い、 史上最長記録となる11時間5分を記録した。それまでの最長記録は2004年の全仏オープンで記録された6時間33分である。

2010年6月22日18時13分(イギリスサマータイムで17時13分)に18番コートにて試合が開始。21時7分、第5セットを始まる前に翌日に延期。水曜23日14時5分試合再開。17時45分、最長記録を更新。21時9分、最終セット59ゲームオールにて翌日に延長。木曜24日15時40分試合再開。3日目の16時47分最終セット8時間11分で、4-6, 6-3, 7-6, 6-7, 68-70 で敗れた。

1 (32分) 2 (29分) 3 (49分) 4 (64分) 5 (491分)
アメリカ合衆国の旗 ジョン・イスナー 6 3 67 7 70
フランスの旗 ニコラ・マユ 4 6 7 63 68

記録

  • 1試合でのエース数「113本」
  • 1セットでのエース数「85本」
  • 1試合でのゲーム獲得数「92」
  • 1試合でのゲーム敗北数「91」
  • 1試合のウィナー数「246本」
  • 1試合最長試合「11時間5分」
  • 1日での最長プレイ時間「7時間6分」
  • 1日でのゲーム数「118」

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 5回 (3勝2敗)

大会グレード
グランドスラム (0-0)
ATPワールドツアー・ファイナル (0-0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (0-0)
ATPワールドツアー・500シリーズ (0-0)
ATPワールドツアー・250シリーズ (3–2)
サーフェス別タイトル
ハード (0–0)
クレー (0-0)
芝 (3-2)
カーペット (0-0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2007年6月17日 イギリスの旗 ロンドン アメリカ合衆国の旗 アンディ・ロディック 6–4, 6–7, 6–7
準優勝 2. 2007年7月15日 アメリカ合衆国の旗 ニューポート フランスの旗 ファブリス・サントロ 4–6, 4–6
優勝 1. 2013年6月22日 オランダの旗 スヘルトーヘンボス スイスの旗 スタニスラス・ワウリンカ 6-3, 6-4
優勝 2. 2013年7月14日 アメリカ合衆国の旗 ニューポート オーストラリアの旗 レイトン・ヒューイット 5-7, 7-5, 6-3
優勝 3. 2015年6月14日 オランダの旗 スヘルトーヘンボス ベルギーの旗 ダビド・ゴファン 7-6(1), 6-1

ダブルス: 23回 (12勝10敗)

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2003年9月29日 フランスの旗 メス ハード
(室内)
フランスの旗 ジュリアン・ベネトー フランスの旗 ミカエル・ロドラ
フランスの旗 ファブリス・サントロ
7–6(2), 6–3
準優勝 1. 2003年10月6日 フランスの旗 リヨン カーペット
(室内)
フランスの旗 ジュリアン・ベネトー イスラエルの旗 ジョナサン・エルリック
イスラエルの旗 アンディ・ラム
1–6, 3–6
準優勝 2. 2004年7月10日 アメリカ合衆国の旗 ニューポート フランスの旗 グレゴリー・カラズ オーストラリアの旗 ジョーダン・カー
アメリカ合衆国の旗 ジム・トーマス
3-6, 57–6, 3-6
優勝 2. 2004年10月16日 フランスの旗 メス ハード
(室内)
フランスの旗 アルノー・クレマン クロアチアの旗 イワン・リュビチッチ
イタリアの旗 ウロス・ヴィコ
6–2, 7–6(8)
準優勝 3. 2007年9月29日 タイ王国の旗 バンコク ハード フランスの旗 ミカエル・ロドラ タイ王国の旗 サンチャイ・ラティワタナ
タイ王国の旗 ソンチャット・ラティワタナ
6-3, 5–7, [7-10]
優勝 3. 2009年10月31日 フランスの旗 リヨン ハード
(室内)
フランスの旗 ジュリアン・ベネトー フランスの旗 アルノー・クレマン
フランスの旗 セバスチャン・グロジャン
6–4, 7–6(6)
準優勝 4. 2011年11月13日 フランスの旗 パリ ハード
(室内)
フランスの旗 ジュリアン・ベネトー インドの旗 ロハン・ボパンナ
パキスタンの旗 アイサム=ウル=ハク・クレシ
2–6, 4–6
優勝 4. 2012年2月5日 フランスの旗 モンペリエ ハード
(室内)
フランスの旗 エドゥアール・ロジェ=バセラン オーストラリアの旗 ポール・ハンリー
イギリスの旗 ジェイミー・マレー
6–4, 7–6(4)
優勝 5. 2012年2月26日 フランスの旗 マルセイユ ハード
(室内)
フランスの旗 エドゥアール・ロジェ=バセラン ドイツの旗 ダスティン・ブラウン
フランスの旗 ジョー=ウィルフリード・ツォンガ
3–6, 6–3, [10–6]
優勝 6. 2012年9月23日 フランスの旗 メス ハード
(室内)
フランスの旗 エドゥアール・ロジェ=バセラン スウェーデンの旗 ヨハン・ブランシュトロム
デンマークの旗 フレデリク・ニールセン
7–6(3), 6–4
準優勝 5. 2013年6月8日 フランスの旗 全仏オープン クレー フランスの旗 ミカエル・ロドラ アメリカ合衆国の旗 ボブ・ブライアン
アメリカ合衆国の旗 マイク・ブライアン
4–6, 6–4, 6–7(4)
優勝 7. 2013年7月15日 アメリカ合衆国の旗 ニューポート フランスの旗 エドゥアール・ロジェ=バセラン アメリカ合衆国の旗 ティム・スミチェク
アメリカ合衆国の旗 ライン・ウィリアムズ
6-7(4), 6–2, [10-5]
準優勝 6. 2013年9月22日 フランスの旗 メス ハード
(室内)
フランスの旗 ジョー=ウィルフリード・ツォンガ デンマークの旗 フレデリク・ニールセン
南アフリカ共和国の旗 レイベン・クラーセン
4–6, 6-7(5)
準優勝 7. 2014年2月9日 フランスの旗 モンペリエ ハード
(室内)
フランスの旗 マルク・ジケル ロシアの旗 ニコライ・ダビデンコ
ウズベキスタンの旗 デニス・イストミン
4-6, 6–1, [7-10]
優勝 8. 2014年2月16日 オランダの旗 ロッテルダム ハード
(室内)
フランスの旗 ミカエル・ロドラ オランダの旗 ジャン=ジュリアン・ロジェ
ルーマニアの旗 ホリア・テカウ
6–2, 7–6(4)
準優勝 8. 2015年1月31日 オーストラリアの旗 全豪オープン ハード フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール イタリアの旗 ファビオ・フォニーニ
イタリアの旗 シモーネ・ボレッリ
4–6, 4–6
準優勝 9. 2015年6月14日 オランダの旗 スヘルトーヘンボス フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール クロアチアの旗 イボ・カルロビッチ
ポーランドの旗 ルカシュ・クボット
2-6, 6-7(11)
優勝 9. 2015年6月21日 イギリスの旗 ロンドン フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール セルビアの旗 ネナド・ジモニッチ
ポーランドの旗 マルチン・マトコフスキ
6-2, 6-2
優勝 10. 2015年9月12日 アメリカ合衆国の旗 全米オープン ハード フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール イギリスの旗 ジェイミー・マレー
オーストラリアの旗 ジョン・ピアーズ
6–4, 6–4
準優勝 10. 2015年9月27日 フランスの旗 メス ハード
(室内)
フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール ポーランドの旗 ルカシュ・クボット
フランスの旗 エドゥアール・ロジェ=バセラン
6-2, 3–6, [7-10]
優勝 11. 2016年2月14日 オランダの旗 ロッテルダム ハード
(室内)
カナダの旗 バセク・ポシュピシル ドイツの旗 フィリップ・ペッシュナー
オーストリアの旗 アレクサンダー・ペヤ
7–6(2), 6–4
優勝 12. 2016年3月19日 アメリカ合衆国の旗 インディアンウェルズ ハード フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール カナダの旗 バセク・ポシュピシル
アメリカ合衆国の旗 ジャック・ソック
6–3, 7–6(5)
優勝 13. 2016年4月2日 アメリカ合衆国の旗 マイアミ ハード フランスの旗 ピエール=ユーグ・エルベール 南アフリカ共和国の旗 レイベン・クラーセン
アメリカ合衆国の旗 ラジーブ・ラム
5-7, 6–1,[10-7]

4大大会シングルス成績

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 通算成績
全豪オープン A 1R LQ A 1R LQ LQ 2R 2R A A 2R 3R A 1R LQ 2R 6–9
全仏オープン 1R 1R LQ 1R 1R LQ 1R 1R 1R LQ 2R 1R 3R 1R 1R 3R 5–13
ウィンブルドン A A A LQ LQ LQ 3R 2R 1R 1R 1R 1R 2R 2R 1R 2R 6-10
全米オープン A A LQ 1R 1R LQ 2R 1R 1R LQ LQ 2R 1R 1R 1R 2R 3–10

外部リンク