ニオウヤブマオ

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ニオウヤブマオ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rrosids
階級なし : マメ類 Fabiids
: バラ目 Rosales
: イラクサ科 Urticaceae
: カラムシ属 Boehmeria
: ニオウヤブマオ
B. gigantea
学名
Boehmeria gigantea Satake
和名
ニオウヤブマオ

ニオウヤブマオ(仁王藪苧麻、Boehmeria gigantea)は、イラクサ科カラムシ属多年草

概要[編集]

日本固有種で、山口県から以西、九州地方大隅諸島種子島奄美群島徳之島まで連続して分布し、そこから飛んで沖縄県粟国島に分布する。海岸の日当たりのよい岩場やソテツ群落内等に生育する。

多年草で、「仁王」と名がつくようにイラクサ科の中では大きくなる種で高さ1〜1.5mになる。葉は対生、卵円形〜円形で、長さ15〜26cm、葉の先端は急にとがる(短鋭劣頭)、表面に毛があり、葉縁に鋸歯を持ち、5行脈。雄花序は単立し長さ10〜20cm、雌花序は円錐花序で、葉腋から腋生し長さ10〜20cmになる。

研究者によっては、近縁種のオニヤブマオBoehmeria holosericea)やサイカイヤブマオBoehmeria pannosa)と同一にされることがある。

保護上の位置づけ[編集]

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。

  • 熊本県:情報不足 - ただし、学名はBoehmeria holosericeaとなっている。
  • 鹿児島県:分布特性上重要
  • 沖縄県:絶滅危惧IA類 - 沖縄県では、上記の通り粟国島でのみしか確認されておらず、分布の南限である。

参考文献[編集]

  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物-鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年。
  • 大野照好監修・片野田逸郎著 『琉球弧・野山の花 from AMAMI』、株式会社南方新社、1999年

外部リンク[編集]

  • 野の花賛花 - ニオウヤブマオの写真・説明。またサイト内にはオニヤブマオの写真・説明もあるのでご参考のこと。