ナンバンギセル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナンバンギセル
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: ゴマノハグサ目 Scrophulariales
: ハマウツボ科 Orobanchaceae
: ナンバンギセル属 Aeginetia
: ナンバンギセル A. indica
学名
Aeginetia indica L.
シノニム
  • Aeginetia indica var. gracilis Nakai
  • Aeginetia japonica Siebold & Zuccarini
  • Orobanche aeginetia L.
  • Phelipaea indica (L.) Sprengel ex Steudel.
和名
ナンバンギセル(南蛮煙管)

ナンバンギセル(南蛮煙管、野菰[1]Aeginetia indica)はハマウツボ科ナンバンギセル属寄生植物

花言葉「物思い」[要出典]

分布、生育環境[編集]

日本を含むアジア東部、アジア南部の温帯から熱帯にかけて生育する[2]

形態、生態[編集]

イネ科単子葉植物イネススキサトウキビなど[3])の寄生する。葉緑素が無く、寄主の根から吸収した栄養分に依存して生育するため、寄主の生長は阻害され、死に至ることもある[2]

全長は15-50cm。葉は披卵形、長さ5-10mm、幅3-4mm[4]
花期は7-8月、赤紫色のを1個つける[4]花冠は筒型で、唇形になる。花冠裂片の縁は全縁。雄蕊は黄色の毛が密生している。
蒴果は球状で、種子の大きさは0.04mm[4]

染色体数は2n=30[4]

同属のオオナンバンギセルに似るが、本種の方が小型である。また、本種のの先端は尖るが、オオナンバンギセルの先端は鈍くなるという点も異なる。

変種[編集]

  • ヒメナンバンギセル Aeginetia indica L. var. sekimotoana (Makino) Makino

利害[編集]

ススキなどの雑草の成長を阻害するため、ナンバンギセルによる生物的除草効果の可能性が示されている[2]。一方、陸稲にナンバンギセルが寄生することで、イネの収量が減少するという被害が報告されている[5]

脚注[編集]

  1. ^ なんばんぎせる | 言葉 | 漢字ペディア”. www.kanjipedia.jp. 2021年4月14日閲覧。
  2. ^ a b c 黒木晴輝、首藤三吾、田畑旬子、田島良男(1970)「ナンバンギセルによるススキの生長阻害(予報)」鹿児島大学農学部演習林報告 Vol.2 pp.67-69
  3. ^ 小見川由美、竹内安智、小笠原勝、近内誠登、竹松哲夫(1992)「ナンバンギセル種子の発芽に関する研究」雑草研究. 別号, 講演会講演要旨 (31), p.192-193
  4. ^ a b c d Flora of China (1998) 18: pp.229–243.
  5. ^ 滝元清透(1959)「陸稲に及ぼすナンバンギセルの被害」日本植物病理學會報 24(1), p.50

外部リンク[編集]