ナタマメ

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ナタマメ(クロンキスト体系)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: ナタマメ属 Canavalia
: ナタマメ C. gladiata
学名
Canavalia gladiata (Jacq.) DC.
和名
ナタマメ(鉈豆)
英名
sword bean


ナタマメ鉈豆Canavalia gladiata)はマメ科一年草。刀豆(トウズ、タチマメ、ナタマメ)、帯刀(タテハキ)とも呼ばれる。以前より漢方薬として知られており、近年では健康食品、健康茶としても一般的に知られるようになった。

歴史

熱帯アジアか熱帯アフリカ原産とされ、アジア及びアフリカで食用や薬用のため栽培される。 日本には江戸時代初頭により伝わった。特に薩摩では江戸時代は栽培が盛んで『篤姫 (NHK大河ドラマ)』のワンシーンでも長旅の無事を祈る餞別として送られていた。

生態

夏に白またはピンク色の花を咲かせる。実の鞘は非常に大きく30cm~50cm程になる。

産地

日本国内でも栽培されるが、ラテンアメリカ中華人民共和国からの輸入が多い。

利用

福神漬け、健康茶、民間薬、メッセージ缶(種子にレーザーで文字を彫ったもの)等。 食用としては若いさやを食べる事が多い。薬効を目的にした場合は豆を利用する事が多い。 薬効としては血行促進や免疫力の向上などの他さまざまな効果がある。 また昔から膿を出す妙薬と言われており腎臓に良いこと、 蓄膿症歯周病や歯槽膿漏の改善、痔ろうなどにも効果がある。 他の野菜の病害虫の防止用として周囲に植えられることもある。

毒性

豆類全般にいえることだが、ナタマメにも毒がある。 とくにタカナタマメ、タチナタマメには毒が多い。食用とするのは白ナタマメといわれる品種である。 粗悪な健康茶などには注意が必要。また、メッセージ缶に用いられるものは食用に適さない品種が使われており、食べる事はできない。 サポニン青酸配糖体、有毒性アミノ酸のコンカナバリンAカナバリンなどの毒素が含まれている。

ナタマメを用いた食品・料理

福神漬けに用いられる[1]ほか、白ナタマメの若いさやは、漬物、炒め物などで食すると美味。ナタマメ茶としても利用される。

種類

タカナタマメCanavalia cathartica Thouars)
南西諸島、台湾、中国南部、インド、東南アジアに分布。
蔓性の多年草で大型。海岸近くに生育する。
タチナタマメ/ジャック・ビーン(Canavalia ensiformis (L.) DC., Jack-bean
立性の多年草で大型。
アカナタマメ/ソード・ビーン(Canavalia gladiata, Sword Bean)
シロナタマメ/ソード・ビーン(Canavalia gladiata (Jacq.) DC. f. alba (Makino) Ohashi, Sword Bean)
ハマナタマメ(Canavalia lineata (Thunb.) DC.)
本州(千葉県山形県以西)/四国/九州、南西諸島/小笠原諸島に分布。
蔓性の多年草で小型。熱帯/亜熱帯の海岸近くに生育する。
ナガミハマナタマメ/ベイ・ビーン(Canavalia rosea (Sw.) DC., Bay Bean)
九州以南、亜熱帯、熱帯に分布。
汎熱帯海流散布植物(熱帯域で海流により地球一周規模の分布)。

関連項目

外部リンク

脚註

  1. ^ 『新編 食用作物』 星川清親 養賢堂 昭和60年5月10日訂正第5版 p548