ドンムアン空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドンムアン国際空港
ท่าอากาศยานดอนเมือง
Don Mueang International Airport
IATA: DMK - ICAO: VTBD
概要
国・地域 タイ王国の旗 タイ王国
所在地 バンコクドンムアン区
母都市 バンコク
種類 官民共用
運営者 タイ空港公社(AOT)
運用時間 24時間
開港 1914年
ターミナル 2
拠点航空会社 タイ・エアアジア
タイ・エアアジア X
ノックエア
タイ・ライオン・エア
タイ スマイル
標高 3 m (9 ft)
座標 北緯13度54分45秒 東経100度36分24秒 / 北緯13.91250度 東経100.60667度 / 13.91250; 100.60667座標: 北緯13度54分45秒 東経100度36分24秒 / 北緯13.91250度 東経100.60667度 / 13.91250; 100.60667
公式サイト 公式サイト
地図
ドンムアン国際空港の位置
ドンムアン国際空港の位置
DMK/VTBD
ドンムアン国際空港の位置
ドンムアン国際空港の位置
DMK/VTBD
ドンムアン国際空港の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
03L/21R 3,700×60 アスファルト
03R/21L 3,500×45 アスファルト
統計(2019)
旅客数 4131万人
Airports of Thailand PCL[1]
リスト
空港の一覧
テンプレートを表示
ドンムアン空港ターミナル

ドンムアン空港(ドンムアンくうこう、タイ語: ท่าอากาศยานดอนเมือง英語: Don Mueang International Airport)は、タイ王国バンコク中心部から北方に約20km、ドンムアン区にある国際空港である。

概要[編集]

開港[編集]

ドンムアン空港は1914年タイ空軍飛行場として開港し、1924年、民間航空機の受け入れを開始した。現役の空港としてはアジア最古の歴史を持つ。空港の名前は当時近くにあったワット・ドーンイーイアオという寺院がワット・ドーンムアンに改称され、近隣一帯がドーンムアンと呼ばれるようになったことから、通称、ドーンムアン飛行場 (สนามบินดอนเมือง) と呼ばれるようになった。後に正式名称は「バンコク国際空港」となったが、日本でもドンムアン空港と呼ばれるのが通例だった。

東南アジアのハブ空港[編集]

第二次世界大戦後の民間航空の発展に合わせて、アジアヨーロッパオセアニアを結ぶ中継地点として、タイ国際航空と東南アジアのハブ空港として、そして観光地としてのタイの玄関口として機能した。しかし、1970年代以降の発着機数の増加により手狭になったため新空港の建設が計画された。

スワンナプーム国際空港開港後[編集]

2006年9月28日、スワンナプーム国際空港が開港した。ドンムアン空港の定期便はすべて新空港へ移転した。空港コード「BKK」をスワンナプームに譲り、新たに「DMK」で登録された。

ドンムアン空港は、チャーター機、政府専用機、貨物専用機が利用するほか、空軍基地、民間機整備場、スワンナプーム国際空港トラブル時の代替空港となった。空港ターミナルビルは改装し、展示場ショッピングモールとして再利用される計画があったが、一時的に、タイ王国政府庁舎として利用されていた。

長らく「バンコク国際空港」(Bangkok International Airportท่าอากาศยานกรุงเทพ) が正式な名称であったが、2007年3月20日に新バンコク国際空港(スワンナプーム国際空港)との混同を避けるため、正式にドンムアン空港という名称に変更された[2]

定期便再開[編集]

スワンナプーム国際空港が、開港直後、施工不良などによりトラブルが頻発していたこともあり、スワンナプームに乗り入れている航空会社は、ドンムアン空港の再利用を当局に要請し、2007年3月25日から国内線に限り定期便が再開された[3]。 これに伴い、タイ空港公社(AOT)はドンムアン空港 - スワンナプーム空港間のバスを運行しており、航空券を持っている人のみ無料で乗車できる。

タイ国際航空は、2007年に地下鉄ラート・プラオ駅にチェックインカウンターを設置し、空港までの無料バスを運行していた[4]。2009年3月29日でドンムアンから撤退した[5]

2009年、アピシット政権のタイ政府は、国内線の定期旅客便もスワンナプーム国際空港に統合する方針を決めた。しかし、ノックエアワン・トゥー・ゴー航空は引き続きドンムアン空港に留まった[6]

2011年8月1日、国内線が利用していた国内線ターミナルから、旧国際線ターミナル1に移転し、チャーター便などの国際線と同じターミナルを利用することとなった[7]

2011年10月25日、大規模な洪水のために閉鎖され[8]、就航していた航空会社はスワンナプーム空港に移転したが、2012年3月に再開港し、ノックエアがドンムアン空港に戻ってきた。[9] 同年6月にはオリエント・タイ航空も戻ってきたが現在は営業停止。

2012年、韓国のティーウェイ航空は、夏季シーズンに限り乗り入れを始めたが、空港設備の悪さや空港警備の甘さなどを問題視し、今後の運航を停止すると発表した[10]

2012年10月1日、スワンナプーム国際空港に就航していたタイ・エアアジアエアアジアインドネシア・エアアジアの3社がドンムアンに移転した。その後も格安航空会社の就航、増便が続き、2015年上半期の利用者は1,340万人となり、LCC旅客数が世界最多の空港となった[11]

2015年12月24日より旧国際線ターミナル2を整備し国内線専用ターミナルとしてソフトオープンした[12]。これに伴いタイ・エアアジア、ノックエア等の国内線チェックインカウンターも第2ターミナルへ移動した[13]

就航航空会社と就航都市[編集]

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの定期便が運休、減便、経路変更となっている。

航空会社就航地ターミナル
タイ・エアアジア
(国際線)

東南アジア : プノンペンシェムリアップハノイダナンニャチャンホーチミンヴィエンチャンルアンパバーンヤンゴンマンダレークアラルンプールペナンジョホールバルシンガポールジャカルタバリ島
東アジア : 北京大興南京杭州武漢長沙広州深圳重慶成都天府昆明西安香港マカオ福岡那覇(2024年4月2日より就航予定[14]
南アジア : ダッカコルカタラクナウ英語版ジャイプル英語版チェンナイベンガルールコーチンマレ

T1
タイ・エアアジア
(国内線)

北部 : チェンマイチェンライナーンピサヌロークルーイ
東北部 : ウドンターニーコーンケンサコンナコーンナコーンパノムローイエットウボンラーチャターニーブリーラム
南部 : チュムポーンラノーンスラートターニーナコーンシータンマラートプーケットクラビートランハートヤイナラーティワート

T2
タイ・ライオンエア
(国際線)
シンガポールジャカルタカトマンズベンガルールムンバイ天津南京常州杭州合肥済南鄭州武漢長沙広州海口重慶西安台北/桃園 T1
タイ・ライオンエア
(国内線)

北部 : チェンマイチェンライピサヌローク
東北部 : ウドンターニーコーンケンウボンラーチャターニー
南部 : スラートターニーナコーンシータンマラートプーケットクラビートランハートヤイ

T2
ノックエア
(国際線)
ハイデラバード南京鄭州 T1
ノックエア
(国内線)

北部 : チェンマイチェンライピサヌロークメーソート
東北部 : ウドンターニーサコンナコーンウボンラーチャターニーブリーラム
南部 : スラートターニーナコーンシータンマラートプーケットトランハートヤイ

T2
バンコク・エアウェイズ サムイ島 T2
Air ACT 台北/桃園 貨物
エアアジア クアラルンプール T1
バティク・エア ジャカルタバリ島 T1
バティック・エア・マレーシア クアラルンプール T1
マカオ航空 マカオ T1
インドネシア・エアアジア ジャカルタメダンバリ島 T1
吉祥航空 上海浦東南京 T1
ミャンマー国際航空 ヤンゴンマンダレー T1
スカイ・アンコール航空 プノンペン T1
春秋航空 上海浦東杭州廈門広州深圳 T1
タイガーエア台湾 台北/桃園 T1
ティーウェイ航空 ソウル/仁川清州 T1
九元航空 温州広州 T1

2023年6月現在[15][16]

交通アクセス[編集]

バス[編集]

スワンナプーム国際空港から出発する航空券を所有している者に限り、無料で乗車できる。5時 - 24時の間に運行。

[編集]

  • タクシー (メーター料金に50バーツの追加料金が必要。高速道路代も別料金。)
  • レンタカー[23]

鉄道[編集]

タイ国有鉄道ドンムアン駅(地上駅)と第1ターミナルが歩道橋で接続している。料金は安いが本数は少ない。
ダークレッドラインドンムアン駅(高架駅)と第2ターミナルが歩道橋で接続している。

主な関連事件[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Annual Airport 2019”. Airports of Thailand PCL. 2022年1月9日閲覧。
  2. ^ ทอท.จะเปลี่ยนชื่อท่าอากาศยานกรุงเทพเป็นท่าอากาศยานดอนเมือง สำนักข่าวเนชั่น, 20 มีนาคม 2550
  3. ^ ตำรวจพร้อมรับมือเปิดใช้สนามบินดอนเมือง มติชนออนไลน์, วันที่ 23 มี.ค. 2550
  4. ^ THAI Announces Domestic Operations at Don Mueang Airport Archived 2007年6月25日, at the Wayback Machine.
  5. ^ タイ航空、3月末でドンムアンから撤退 neewsclip.be
  6. ^ 格安航空2社、ドンムアン空港に留まる バンコク週報 2009年3月5日
  7. ^ ドンムアン空港、国内線旅客が旧国際線第1ターミナルに移転 - newsclip.be
  8. ^ Don Mueang airport closed - Bangkok Post
  9. ^ Solar Air expands from U-Tapao TTR Weekly
  10. ^ 不便なドンムアン、韓国格安航空が利用停止 NNA.News 2012年8月11日
  11. ^ LCC旅客数、ドンムアン空港が世界最大 タイ 1~6月期44%増 Sankei BIZ 2015年10月5日
  12. ^ “バンコクのドンムアン空港、24日に第2ターミナル供用再開”. newsclip.be. (2015年12月22日). http://www.newsclip.be/article/2015/12/22/27837.html 2015年12月24日閲覧。 
  13. ^ “エアアジアとノックエア、ドンムアン空港国内線を第2ターミナルに”. newsclip.be. (2015年12月23日). http://www.newsclip.be/article/2015/12/23/27852.html 2015年12月24日閲覧。 
  14. ^ 那覇-バンコク路線を就航 LCCタイ・エアアジア 4月2日から週4往復 - 沖縄タイムス 2024年2月9日
  15. ^ Flight Status - Don Mueang International Airport
  16. ^ バンコク・ドンムアン国際空港 飛行機時刻表 - NAVITIME Transit
  17. ^ Public Bus - Don Mueang International Airport
  18. ^ ドンムアン空港 - 市内の新バス・ルート タイ国政府観光庁
  19. ^ ドンムアン空港と都心結ぶバス、出足は好調 - NNA ASIA 2017年5月9日
  20. ^ ทอท.จัดให้มีบริการรถบัสสาธารณะ Airport LimoBus Express ที่ ทดม. เริ่ม 27 พ.ย.58 นี้ - ドンムアン空港
  21. ^ Shuttle Bus - Don Mueang International Airport
  22. ^ Transportation - Don Mueang International Airport
  23. ^ Car Rental - Don Mueang International Airport
  24. ^ 47NEWS 北朝鮮製兵器35トン押収 バンコク着陸の貨物機から 2009年12月12日
  25. ^ YomiuriOnline 旧ソ連の業者暗躍?タイ経由で北の兵器密売 2009年12月14日
  26. ^ The World's 18 Strangest Airports Popular Mechanics

外部リンク[編集]