ドクター・ジョン

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ドクター・ジョン
ドクター・ジョン
(New Orleans Jazz & Heritage Festival, 2007)
基本情報
出生名 Malcolm John Rebennack Jr.
生誕 (1940-11-21) 1940年11月21日(83歳)
米国ルイジアナ州ニューオーリンズ
ジャンル ブルースR&Bジャズ
職業 ミュージシャンシンガーソングライター
担当楽器 ピアノギター
活動期間 1950年代 - 現在
レーベル アトコ・レコード
ワーナー・ブラザーズ・レコード
ブルーノート・レコード
429レコード
共同作業者 ザ・バンドカーリー・サイモンジェシ・エド・デイヴィスリンゴ・スタープロフェッサー・ロングヘアジョニー・ウィンターダーティー・ダズン・ブラス・バンド
公式サイト Dr. John the Nite Tripper

ドクター・ジョンDr. John、本名Malcolm John Rebennack Jr.、1940年11月21日-)はアメリカのミュージシャン。ドクター・ジョンとは19世紀のニューオーリンズにいたブードゥー教の司祭の名。

略歴

ルイジアナ州ニューオーリンズ出身。1950年代からマック・レベナックの名でギタリストとして活動を始める。しかし1961年フロリダ州のモーテルで友人のミュージシャンのロニー・バロンをかばって左手を撃たれ、薬指が不自由になりギタリストを断念[1]。これを機にオルガン、ピアノを覚える。

その後ロサンゼルスへ渡り、作曲家などの活動を経て1967年に『グリ・グリ』でデビューする。濃厚なR&Bのセンスとニューオーリンズならではのブードゥー教文化を背景にしたサイケデリックな音楽性はキワモノ的なものであったが、収録曲「アイ・ウォーク・オン・ギルデッド・スプリンターズ」は、後にハンブル・パイポール・ウェラーにカヴァーされた。1972年の『ガンボ』はニューオーリンズの古いポピュラー音楽を蘇らせた試みとして高い評価を受けた。同年には、ローリング・ストーンズメイン・ストリートのならず者』にバック・コーラスでゲスト参加。1973年の『イン・ザ・ライト・プレイス』からのシングル「ライト・プレイス・ロング・タイム」は、全米9位の成功を収め[2]、同年にはコロムビア・レコードからジョン・P・ハモンドマイク・ブルームフィールドとのコラボレーション・アルバム『三頭政治』がリリースされた[3]1976年11月25日にはザ・バンドの解散コンサートにゲスト参加し、その時の模様は、映画『ラスト・ワルツ』でも紹介された。

イン・ア・センチメンタル・ムード』(1989年)収録曲「メイキン・フーピー!」は、グラミー賞の最優秀ジャズ・ボーカル・パフォーマンス賞に輝き、彼にとって初のグラミー受賞となった[2]1992年のアルバム『ゴーイン・バック・トゥ・ニューオーリンズ』は、『ガンボ』と同様ニューオーリンズの古い音楽を取り上げた作品で、同アルバムはグラミー賞の最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム賞を受賞[2]

1994年のアルバム『テレヴィジョン』では、レッド・ホット・チリ・ペッパーズアンソニー・キーディスと共演。1998年には、ドクター・ジョンも劇中バンド「ルイジアナ・ゲーター・ボーイズ」の一員として出演した映画『ブルース・ブラザース2000』が公開された。同年リリースのアルバム『アナザー・ゾーン』には、ポール・ウェラーやスピリチュアライズドのメンバーを含む多数のイギリス人ミュージシャンが参加し、同作によって初の全英アルバムチャート入りを果たした[4]

1999年、ドクター・ジョンがゲスト参加したB.B.キングのアルバム『Let the Good Times Roll: the Music of Louis Jordan』がリリースされる。同アルバムに収録された「Is You Is or Is You Ain't My Baby?」によって、キングと共にグラミー賞の最優秀ポップ・コラボレーション・ウィズ・ボーカル賞を受賞した[5]1999年には、デューク・エリントンの楽曲を取り上げたトリビュート・アルバムデューク・エレガント-ドクター・ジョン、エリントンを歌う-』発表。

2005年、故郷ニューオーリンズがハリケーン・カトリーナにより甚大な被害を受けたのに伴い、同年11月にチャリティEP『Sippiana Hericane』をリリースした[6]2008年のアルバム『シティ・ザット・ケア・フォーガット』もカトリーナ後のニューオーリンズを題材とした作品で、第51回グラミー賞において最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞を受賞し、自身5度目のグラミー受賞となった[7]

その後も精力的に活動を続け、ニューオーリンズの音楽文化を体現する存在として尊敬を集めている。スタジオ・ミュージシャンとしても幅広く活躍し、共演者はカーリー・サイモンジェシ・エド・デイヴィスリンゴ・スタープロフェッサー・ロングヘアジョニー・ウィンターダーティー・ダズン・ブラス・バンド他多数。

2011年にはロックの殿堂入りをしている[8]

2013年の第55回グラミー賞では、アルバム『ロックト・ダウン』で最優秀ブルース・アルバム賞を受賞し、自身6度目のグラミー受賞を果たした[9]コンコード・レコードから2014年に発表されたルイ・アームストロングのトリビュート・アルバム『スピリット・オブ・サッチモ』には、ボニー・レイット等のボーカリストや、テレンス・ブランチャード等のトランペット奏者がゲスト参加した[10]

ディスコグラフィー

関連項目

脚注

外部リンク