トヨタ・アイシス

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トヨタ・アイシス
ZNM1#G/ANM1#G/ANM1#W/ZGM1#W/ZGM1#G型
前期型(2004年9月 - 2007年5月)
中期型(2007年5月 - 2009年9月)
2009年9月の一部改良以降はフロントグリルのデザインが異なる
概要
販売期間 2004年 -
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ 5ドア ミニバン
駆動方式 FF / 4WD
パワートレイン
エンジン 2009年9月まで
1ZZ-FE型 1.8L 直4 DOHC
1AZ-FSE型 2.0L 直4 DOHC
2009年9月より
2ZR-FAE型 1.8L 直4 DOHC VALVE MATIC
3ZR-FAE型 2.0L 直4 DOHC VALVE MATIC
変速機 CVT (Super CVT-i)
4速AT (Super ECT)
サス前 前:ストラット式
後:トーションビーム式
サス後 前:ストラット式
後:トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,785mm
全長 4,610-4,640mm
全幅 1,695-1,710mm
全高 1,640-1,670mm
車両重量 1,400-1,560kg
系譜
先代 トヨタ・ガイア
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アイシスIsis)は、トヨタ自動車が現在発売しているミニバン静岡県裾野市トヨタ自動車東日本(旧:関東自動車工業)東富士工場で生産される。

概要

日本市場の専売車種(日本国内専用車左側通行専用に設計)として企画・開発され、左右アシンメトリー(非対称)ボディを採用している。

一般にはガイアの後継と紹介されることが多いが、トヨタでは「ガイアの後継ではなく、全く新規に開発したミニバン」と否定している[1]ラウムで培われたアイデアを随所に取り入れている。

エンジンはDOHCの2000ccの1AZ-FSE(D-4)と1800ccの1ZZ-FEで、駆動型式はFFとアクティブトルクコントロール4WDが用意される。トランスミッションは2000ccは無段変速機のSuper CVT-i、1800ccはSuper ECT(4速AT)で、2000ccの「Platana(プラタナ)」のみ7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを装備する。

ボディサイズは5ナンバーサイズだが、「プラタナ」はエアロパーツと、ブリスターフェンダーが装着されており、わずかに全幅が拡大され1710mmとなる為、3ナンバーとなる。

助手席側にはラウムで培われたアイデアのひとつ、センターピラー内蔵ドア「パノラマオープンドア」[2]が採用されており、助手席と後部座席のスライドドアを開けると、ピラーがない広大な開口部が現れるのが特徴[3]

そのほか特徴的な装備として、前方に障害物があっても、ステアリングの角度で回避可能な場合はアラームが鳴らない、ステアリング感応式のクリアランスセンサーがオプションで用意されている。

また、リアコンビネーションランプはテールゲート部両脇にブレーキランプが付き、姉妹車種のウィッシュ同様でLEDを採用している。なお、バックランプ、ターンシグナルランプはテールゲートとバンパーとの境目の部分に付いている。当初VSCは4WD車にのみオプション設定されており、2WD車には装備できなかった。


2004年の発売開始以降、軽自動車を除く個人向けの乗用車としては非常に珍しく発売開始から10年以上に渡って一切フルモデルチェンジが実施されずに販売されている車種であり、トヨタの乗用車ラインナップはおろか海外・国産メーカーの乗用車においても古参の部類に入る(2016年2月現在)。

年表

  • 2004年9月28日 - 発売開始。月間販売目標は4,000台と発表された。
  • 2005年11月30日 - 一部改良および特別仕様車「プラタナ"G-Edition"」を発売。
    • 2.0L車が「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得。全車で光軸調整用ヘッドランプレベリング機構を追加。メーカーオプションにG-BOOK ALPHA対応HDDナビを追加。
    • 特別仕様車「プラタナ"G-Edition"」は「プラタナ」をベースに、フォーンの専用室内色や両側パワースライドドアなどを装備し、高級感とスタイリッシュさを演出した。
  • 2006年8月7日 - トヨタ店のチャネル創立60周年を記念し、特別仕様車「L"60thスペシャルエディション"」を発売。
    「L」をベースにトヨタ店のチャネルカラーである「トヨタボルドー」をイメージする専用外板色を設定すると共に、専用シート表皮、ヘッドランプエクステンション、オリジナルキーボックスに加え、本革巻き3本スポークステアリングホイール&シフトノブ、オプティトロンメーター(レオスタッド付)、スライドドアイージークローザーなどを装備した。
  • 2007年5月14日 - マイナーチェンジ
    フロント周りやリアバンパー(一部グレード)、ガーニッシュ、コンビネーションランプ、アルミホイールのデザインを変更し、よりスポーティーな印象に。内装も「G」と「L」でステアリングホイールを4本スポークに変更し、メーターやシート表皮も変更。「2.0プラタナ」にはトヨタ車のミニバンでは初めてパドルシフトを採用。さらに、ヘッドランプをプロジェクター式に変更し、後席確認ミラーやIR(赤外線)カット機能付ウィンドシールドガラス等を追加。また、「2.0プラタナ」には運転席側パワースライドドア・パワーバックドア(どちらもイージークローザー+挟み込み防止機能付)、シャーププラズマクラスターを搭載した"Uセレクション"を追加した。
  • 2008年5月7日 - 特別仕様車「プラタナ"Limited"」を発売。
    「プラタナ」をベースにスポーツオプティトロンメーターや両側電動スライドドアなどを装備した。
  • 2009年4月7日 - 「L"G-Edition"」を発売。
    「L」をベースに本皮革巻きステアリングや専用シート地、ステアリングスイッチ、木目調パネルなどを追加した。
  • 2009年9月18日 - 一部改良。
    • 2代目ウィッシュ等で先行採用された「バルブマチック(エンジン動弁機構)」付エンジン(1.8L車は2ZR-FAE型、2.0L車は3ZR-FAE型)へ換装するとともに1.8L車は「Super CVT-i」へ変更され、同排気量においてクラストップレベルの低燃費を実現した。
    • また、スマートエントリー&スタートシステム、エンジンイモビライザーシステム、車速感応式オートドアロック、チルト&テレスコピックステアリングを追加し利便性を向上すると共に、フロントグリル・フロントエンブレム(ライトブルー→レッド)・バックドアアウトサイドガーニッシュなどのデザイン変更を行い、「プラタナ」と「プラタナ"Uセレクション"」はさらにヘッドランプエクステンションにブラックメタリックを採用。センターパネルとドアトリムにシルバー加飾を施した。
    • なお、特別仕様車の「プラタナ"Limited"」と「L"G-Edition"」も一部改良を行い、「プラタナ"Limited"」にはボディカラーに「ブラックマイカ」を、内装色に「ダークグレー」を追加し、バリエーションを拡げた。
  • 2010年9月30日 - 特別仕様車「プラタナ"Black Limited"」を発売。
    「プラタナ」をベースに、フロントグリル・ドアミラー(電動格納式、サイドターンランプ付)・ヘッドランプエクステンション・アウトサイドドアハンドル・リアライセンスガーニッシュにメッキを、フロントエンブレムをブラックに変更するとともに(ベースグレードではレッド)、センターパネルとドアトリムには黒木目調を施し、フロント/セカンドシート・本革巻きステアリングホイール・シフトレバー・シフトノブにレッドステッチを施してスタイリッシュな内外装にすると共に、オーディオ用ステアリングスイッチやデュアルパワースライドドアなどを装備した。ボディカラーは特別色のブラックのみを設定する。
  • 2011年5月16日 - 一部改良(同年6月6日販売開始)。
    エンブレムを強調した新フロントグリルやクリアレンズを採用したリアコンビネーションランプ、全面めっき処理を施したバックドアガーニッシュにより、高級感のあるデザインとした。また、ボディカラーは新たにシルキーゴールドマイカメタリック、ボルドーマイカメタリック、ブラックを追加した全8色とした。グレード体系も最上位グレードとして追加設定された「プラタナ"V-SELECTION"」をはじめ、「プラタナ」・「G」・「L(1.8L・2WD車/1.8L・4WD車のみ)」・「L"X-SELECTION"(1.8L・2WD車のみ)」の5グレードに再編され、一部のグレードでは装備内容の見直しにより価格も引き下げられた。
  • 2011年12月20日 - 特別仕様車「プラタナ"V-SELECTION・White Interior Package"」を発売。
    「プラタナ」をベースに、"V-SELECTION"の装備に加え、ステアリングスイッチベース、センターパネル、ドアトリムに専用ホワイトパール加飾を、シート表皮はブラックの合成皮革にホワイトダブルステッチを、エアロバンパーにブラックアウト加飾をそれぞれ施してスタイリッシュな印象としたほか、両側パワースライドドア(イージークローザー・挟み込み防止機構付)も装備した。
  • 2012年6月4日 - 一部改良。
    エンジンなどの改良により燃費を向上したことで全車「平成27年度燃費基準」を達成(1.8L・2WD車は2015年4月の仕様変更により、「平成27年度燃費基準+5%」達成となる)。この他、全車にはステアリングホイールのデザイン変更やセカンドシート中央席への3点式シートベルトの標準装備化を行い、「G」と「プラタナ"V-SELECTION"」にはスーパーUVカットガラス(フロントドアガラス)やプラズマクラスター(高濃度タイプ)を採用した。ボディカラーには「L"X-SELECTION"」・「L」・「G」専用色の「ベージュメタリック」を追加した。
  • 2012年10月23日 - 特別仕様車「L"G-Edition"」を発売。
    「L」をベースに、本革巻き3本スポークステアリングホイール&シフトノブ、ステアリングスイッチ、運転席アームレスト(角度調整式)、セカンドシートセンターアームレスト(カップホルダー付)を装備するとともに、シート表皮全面にトリコットを採用し、センターパネルとドアトリムに木目調(ブラウン)加飾を施した。ボディカラーは特別設定色のレッドマイカメタリックを含む4色を設定した。
  • 2013年10月2日 - 一部改良および特別仕様車「プラタナ"V-SELECTION・Noir(ノアール)"」・「プラタナ"V-SELECTION・Blanc(ブラン)"」を発売。
    VSC&TRCを全車に標準装備するとともに、「プラタナ」・「プラタナ"V-SELECTION"」はスポーツオプティトロンメーターの色をディープブルーに変更(「プラタナ」の1.8L車を除く)し、ブルーのアクセントを織り込んだジャージのシート表皮を採用。さらに、「プラタナ"V-SELECTION"」はセンターパネル・ドアトリム加飾をブルーのサイバーカーボン調に変更した。ボディカラーは新色の「ダークブラウンマイカメタリック」を含む8色とした。
    特別仕様車「プラタナ"V-SELECTION・Noir"」・「プラタナ"V-SELECTION・Blanc"」は「プラタナ」をベースに、「V-SELECTION」の装備品に加え、両側パワースライドドア(イージークローザー、挟み込み防止機能付)や電動格納式リモコンカラードドアミラー(サイドターンランプ付)などを特別装備するとともに、ボディカラーを前者は「ブラック」、後者は「ホワイトパールクリスタルシャイン」とし、それぞれにコーディネートされた内外装を採用した。また、全車でドアミラーの意匠を変更(3代目ヴィッツより採用されたトライアングル形状のデザイン)している。
  • 2016年4月6日 - 一部改良[4]
    「プラタナ」、「プラタナ"V-SELECTION"」のシート表皮や意匠を変更し、シートのメイン材にはセーレンが開発した車内の臭いを短時間で吸収・分解する「イノドールクイック瞬感消臭」を採用。また、オート格納・リバース連動機能付電動格納式リモコンドアミラーを「G」に、IR(赤外線)カット機能付スーパーUVカットガラス(フロントドア)を「プラタナ」を除く全グレードにそれぞれ装備された。1.8L・2WD車は燃費性能を向上してJC08モード燃費が15.4km/Lとなった。
    特別仕様車「プラタナ"V-SELECTION・Noir"」・「プラタナ"V-SELECTION・Blanc"」もベース車に準じた改良を受け、継続販売される。

プラットフォーム

販売ディーラー

車名の由来

脚注

  1. ^ トヨタ自動車 よくいただくお問い合わせ
  2. ^ 子会社のダイハツ工業では「ミラクルオープンドア」としてタントに採用されている。
  3. ^ なお、パノラマオープンドアの採用は、日産・プレーリー(初代)の方が先である。
  4. ^ "TOYOTA、アイシスを一部改良" (Press release). トヨタ自動車株式会社. 6 April 2016. 2016年4月6日閲覧
  5. ^ なお、大阪ではトヨペット店で販売されていたが、名称変更により2006年8月8日をもってトヨタ店の販売になった。

関連項目

外部リンク