デス・スター破壊による銀河経済における影響

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本項目では映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空の要塞デス・スターが破壊された際の架空上の銀河経済における影響について述べる。ワシントン大学セント・ルイス校に所属する金融工学専門の Zachary Feinstein により、デス・スターが破壊された際に想定される架空上の銀河経済の損失が計算された。

デス・スターとその建造費用

デス・スターはスター・ウォーズ・シリーズにおける実写映画本編において、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』に登場する銀河帝国の巨大要塞である。エピソード4においては反乱同盟軍レイア・オーガナの母星である惑星オルデランを搭載兵器のスーパーレーザーで破壊したが、反乱同盟軍のルーク・スカイウォーカーの活躍によりデス・スターは破壊された。エピソード6においては、銀河帝国は新型の第2デス・スターが建造中であったが、エンドアの戦いにおいて反乱同盟軍のランド・カルリシアンらの活躍により再び破壊された。

惑星を破壊できるほどの兵器であるので、その建造費用も莫大なものと推定される。事実、2012年にアメリカ政府によるデス・スターの建造費用の試算が行われたが、当時の米ドルにして852000000000000000ドル(85.2ドル)の費用がかかると見積もられている。これは世界全体のGDPのおよそ13000倍となる[1]

Feinstein の見積もり

Feinstein はarXivに投稿した論文It's a Trap: Emperor Palpatine's Poison Pill (「それは罠だ。皇帝パルパティーンのポイズンピル」)において、デス・スターの建造費用と銀河全体のGDP(GGP)の比率が第二次世界大戦当時の原爆の製造費用とアメリカのGDPの比率と同じであると仮定して、デススターが破壊された際のベイルアウトに必要な金額を見積もった[2]。この額は銀河全体の金融セクターにはGGPのおよそ60%の資金があると各種資料から算出し、期待値バリュー・アット・リスク期待ショートフォールなどを用いて計算されている。Feinstein によると1年当たりGGPはおよそ4600000000000000000000ドル(46ドル)と見積もられ、デス・スター破壊にともなう銀河経済への破滅的影響の緩和のために、GGP比15%から20%の準備高が必要であるとされた[3]。これは1990年代後半から2000年代前半における日本不良債権処理のために銀行に注入された公的資金がおよそ13兆円であり[4]、当時の日本の年間名目GDPがおよそ500兆円だったこと[5]を想定すれば、著しく高いことが分かるだろう(5年間で年平均13兆/5=2兆6千億円の公的資金が不良債権処理に使われたとしたら、当時の年間GDPが500兆円だったとして、その割合は0.52%である)。

脚注

  1. ^ How Much Would It Cost To Build The Death Star? Centives”. 2015年12月23日閲覧。
  2. ^ This Professor Calculated The True Cost of Destroying The Death Star”. 2015年12月23日閲覧。
  3. ^ Zachary, Feinstein (2015), “It's a Trap: Emperor Palpatine's Poison Pill”, arXiv, http://arxiv.org/abs/1511.09054 
  4. ^ リチャード・クー; 佐々木雅也, 日本の不良債権処理は失敗だったのか 日本の処理策の総括と世界的金融危機への示唆, http://www.nri.com/jp/opinion/chitekishisan/2009/pdf/cs20091207.pdf 
  5. ^ 国民経済計算(GDP統計) -内閣府”. 2015年12月23日閲覧。

関連項目