ディズニー・ファストパス
ディズニー・ファストパス(Disney's Fastpass、略称:FP)とは、ウォルト・ディズニー・カンパニーのディズニーパークで導入されているアトラクション優先入場案内システムである。通称「ファストパス」。
概要
あらかじめアトラクション入場口付近にある発券所に行き、発券機にパスポート(入場券)を挿入してファストパスを発券し、券に記載された時間に再度そのアトラクションを訪れることによって、専用入場口(ファストパス・エントランス)から入場でき、通常入場口(スタンバイ・エントランス)に並ぶことなく通常より短い待ち時間でアトラクションを利用できるというシステム。発券は無料。
導入済みのアトラクションはガイドマップに「FP」と印が表記されている。また、ランダムでファストパス対象アトラクションとは別のアトラクションのファストパスが発券される「サプライズ・ファストパス」(後述)や、複数のアトラクションから利用するものを選択できる「スイッチ・ファストパス」も登場している。
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは、2013年秋より「ファストパス・プラス(FastPass+)」という新たなシステムが導入されている(後述)。
東京ディズニーランドで2000年9月1日にファストパス対応となったアトラクション「ミクロアドベンチャー!」は、アトラクションの人気度低下の為2009年4月15日をもってファストパスの導入が終了した。なお終了はしたものの、発券機やタイムボード等は撤去されず、作動はしないが発券機も設置されたままとなっていた。同場所で再上映が決定した「キャプテンEO」の上映期間中は、ミクロアドベンチャー!で使用していた発券機及びタイムボードが再び使われていた(若干のリニューアルがされた)。現在はキャプテンEOもクローズしており、同場所でオープンした「スティッチ・エンカウンター」のファストパス発券機はショーベース付近に設置されている(ちなみにこの発券機はスター・ツアーズ・ザ・アドベンチャーズ・コンティニューと両用である)。
バケーションパッケージのファストパス
東京ディズニーリゾートでは、ディズニーホテル、オフィシャルホテル、パートナーホテル宿泊者で「バケーションパッケージ」利用者には、特典として特殊なファストパスが配布される。ただし時期によっていくつか種類が存在し、宿泊プランによって配布されるパスの種類が異なる場合がある。
2016年3月まで
全て時間指定なしで、宿泊期間中いつでも利用できる[1]。
- ファストパスa
- 全アトラクションで利用可能。
- ファストパスb
- 「トイ・ストーリー・マニア!」「スティッチ・エンカウンター」「マーメイドラグーンシアター」以外で利用可能。
2016年4月以降
一部のファストパスで、宿泊予約時点で利用日が指定される[1]。
- ファストパスA
- 全アトラクションで利用可能で、宿泊中いつでも利用できる。
- ファストパスB
- 「プーさんのハニーハント」「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」の専用パス。宿泊予約時点で利用日を指定する必要がある(空きがあれば後日変更も可)[1]。
- ファストパスC
- 「プーさんのハニーハント」「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」「トイ・ストーリー・マニア!」「ストームライダー」以外で利用可能。宿泊中いつでも利用できる。
ファストパスの利用方法
- 当日入園した際に使ったパスポートを持ってファストパス発券所へ行き、「ファストパス・チケット」を発券する。
- ファストパスを発券したら、チケットの表裏に記載されている注意事項をチェックする。
- ファストパスに記載されているアトラクション利用時間になったら、そのアトラクションのファストパス専用入場口(ファストパス・エントランス)へ向かい、入場口に立っているキャストにファストパスを提示する。
- 通常入場列(スタンバイ)との合流地点にいるキャストにファストパスを渡し、スタンバイとの合流列へ並ぶ。
その他の注意点
- この注意点は東京ディズニーリゾートを基に記述されています。他のディズニーパークでは注意事項が異なる場合もあるのでご了承の上ご覧下さい。
- ファストパスの発券には、人数分のパスポートが必要となる(1枚のパスポートで複数枚の発券はできない)。
- ファストパスを使ってのアトラクション利用には、1人1枚ずつ必要である(4人でアトラクションを利用する場合は4枚のファストパスが必要となる)。
- ファストパスは時間の指定はできず、バケーションパッケージなどの例外を除き、特定の時間帯(主に1時間以内)にのみ使用可能。ファストパス発券所に現在発行している時間帯のチケットが表示されている。
- 例えば「13:00~14:00」と記載されている場合、午後1時から2時の間であれば入場可能で、1時になるまでは入場できず、2時を過ぎると無効となる。
- ファストパスは発券枚数が限られている。例えば「10:00~11:00」の発券が終了すると、次は「10:05~11:05」の券が発行される。以降5分ごとに繰り下がった時間帯の券が発行されていくような形式となっている。その都度、発券所の表示時間も変更されていく。
- 一度発券すると、利用可能時間まで他のファストパスは発券されない。ただし利用可能時間が2時間後以降の場合は、他のアトラクションのファストパスのみ2時間後から発券が可能である。次に発券できる時間は、ファストパスに記載されている。
- 閉園時間までの券の発行が終了した時点で、ファストパスの発券は終了となる(例外もある)。その場合は通常の入場口(スタンバイ・エントランス)の列に並ぶしかない。なお、閉園時間までの定員に達した場合、スタンバイの受付が終了され(22時閉園で120分待ちの場合、20時で受付終了)、ファストパスのみ案内される。
- ファストパスはアトラクションの優先入場口に並ぶ権利を得るシステムであって、ファストパスを取得したからといって入場が保証される訳ではない。
- ファストパスはスタンバイより短い待ち時間で利用出来るチケットで、必ずしも待ち時間無しでアトラクションを利用できる訳ではない。これは、途中でファストパスのゲストとスタンバイのゲストの合流地点がある為である。ここにはキャストがおり、合流地点から先の列の進み具合を確認してゲストを案内している。無論、合流地点にファストパスのゲストが来た場合には優先案内される。
- パークで内で行われるパレードやショーの終了後や、システム調整などで止まってしまったアトラクションの再開後には、ファストパスを所有するゲストが集中する事が多く、数十分の待ち時間が発生する場合が多い。
- アトラクションがシステム調整などで一時運休となってしまった場合、運転再開すればファストパスの指定時間を過ぎても関係なく利用できるようになる。しかし、終日運休となった場合は、取得したファストパスは無効となる場合もある。
- 時期・時間帯・混雑具合などにより、終日発券を行わない日もある。また、スタンバイ列が短い場合、発券を一時中止することもある。
各ディズニーパークでの導入状況
東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートでは2000年7月より東京ディズニーランドのビッグサンダー・マウンテンで初めて導入され、現在は東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの両パーク合わせて16のアトラクションで実施している。導入当時はパスポートを発券機に挿入して発券されるタイプのものだったが、2011年4月25日より販売開始されたプリントアウト方式の前売券「ディズニーeチケット」の2次元コードに対応する為、同年3月頃よりパスポートのバーコード部分をかざして発券されるタイプのものに順次変更された。また、公式ロゴではキャラクターにドナルド・ダックが起用されている。
東京ディズニーランド
- 『ビッグサンダー・マウンテン』(2000年7月24日 - )
- 『スペース・マウンテン』(2000年8月1日 - )
- 『ミクロアドベンチャー!』(2000年9月11日 - 2009年4月15日)
- 『プーさんのハニーハント』(2000年9月1日 - )
- 『スプラッシュ・マウンテン』(2001年7月20日 - )
- 『バズ・ライトイヤーのアストロブラスター』(2004年4月14日 - )
- 『ホーンテッドマンション』(2004年9月15日 - )
- 『モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”』(2009年4月15日 - )
- 『キャプテンEO』(2010年7月1日 - 2014年6月30日)
- 『スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー』(2013年5月7日 - )
- 『スティッチ・エンカウンター』(2015年7月17日 - 2016年1月31日)
※以前『イッツ・ア・スモールワールド ベリーメリーホリデー』の期間中にファストパスの発券を行っていたが、人気低迷の為2008年以降ファストパスの発券は行っていない。
東京ディズニーシー
- 『センター・オブ・ジ・アース』(2001年9月4日 - )
- 『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮』(2001年9月4日 - )
- 『マーメイドラグーンシアター』(2001年9月4日 - 2012年4月1日、2015年4月24日 - )
- 『海底2万マイル』(2002年3月21日 - )
- 『ストームライダー』(2002年3月21日 - )
- 『マジックランプシアター』(2002年3月21日 - )
- 『レイジングスピリッツ』(2005年7月21日 - )
- 『タワー・オブ・テラー』(2006年9月4日 - )
- 『トイ・ストーリー・マニア!』(2012年7月9日 - )
ディズニーランド・リゾート
ディズニーランド
- 『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:禁断の瞳の魔宮』
- 『オートピア』
- 『スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー』
- 『スプラッシュ・マウンテン』
- 『スペース・マウンテン』
- 『バズライトイヤーのアストロブラスター』
- 『ビッグサンダー・マウンテン』
- 『ファンタズミック!』
- 『ホーンテッド・マンション』
- 『ホーンテッドマンション・ホリデー』
- 『ロジャーラビット・カートゥーン・スピン』
ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー
- 『カリフォルニア・スクリーミン』
- 『グーフィーのスカイスクール』
- 『グリズリー・リバー・ラン』
- 『ソアリン・オーバー・カリフォルニア』
- 『トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー』
- 『ラジエーター・スプリングス・レーサー』
- 『ワールド・オブ・カラー』
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートではこれまでのファストパスは廃止され、2013年秋より新システム「ファストパス・プラス(FastPass+)」が導入されている。ファストパスのように発券機にパスポートを挿入してチケットを発券するのではなく、事前に体験したいアトラクションと利用時間を予約する。予約したデータは「マジックバンド(MagicBand)」と呼ばれる、パークチケットやホテルのルームキーなどがセットになった腕輪の中に組み込まれており、利用時間になったらファストパス・プラス・エントランスにある専用のパネルにバンドをタッチする事で利用できる。1度に予約できるのは、1日につき1つのパークの中から3つまでとなっている。
ファストパスと異なり、利用時間が過ぎてしまった場合でも利用時間やアトラクションの種類を変更する事ができる。変更手続きは専用のアプリを利用するか、パーク内に設置されている「ファストパス・プラス・キオスク(FastPass+ Kiosk)」で行う事ができる。
マジック・キングダム
- 『アンダー・ザ・シー:ジャーニー・オブ・リトル・マーメイド』
- 『アラジンのマジック・カーペット』
- 『イッツ・ア・スモールワールド』
- 『カリブの海賊』
- 『七人のこびとのマイントレイン』
- 『ジャングルクルーズ』
- 『スプラッシュ・マウンテン』
- 『スペース・マウンテン』
- 『空飛ぶダンボ』
- 『タウン・スクエア・シアター』
- 『ディズニー・フェスティバル・オブ・ファンタジー・パレード』
- 『トゥモローランド・スピードウェイ』
- 『バーンストーマー』
- 『バズ・ライトイヤーのスペースレンジャースピン』
- 『ビッグサンダー・マウンテン』
- 『ピーターパン空の旅』
- 『プーさんの冒険』
- 『ホーンテッド・マンション』
- 『マッド・ティーパーティー』
- 『ミッキーのフィルハーマジック』
- 『メインストリート・エレクトリカルパレード』
- 『モンスターズ・インク・ラフフロアー』
エプコット
- 『イルミネーションズ:リフレクション・オブ・アース』
- 『エプコット・キャラクタースポット』
- 『ジャーニー・イントゥ・イマジネーション・ウィズ・フィグメント』
- 『シー・ウィズ・ニモ&フレンズ』
- 『スペースシップ・アース』
- 『ソアリン』
- 『タートル・トーク・ウィズ・クラッシュ』
- 『テスト・トラック』
- 『リビング・ウィズ・ザ・ランド』
- 『ミッション・スペース』
ディズニー・ハリウッド・スタジオ
- 『インディージョーンズ・エピック・スタント・スペクタキュラー』
- 『ザ・グレート・ムービー・ライド』
- 『スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー』
- 『ディズニー・ジュニア - ライブ・オン・ステージ』
- 『トイ・ストーリー・マニア!』
- 『トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー』
- 『ビューティー・アンド・ビースト・ライブ・オン・ステージ』
- 『ファンタズミック!』
- 『マペット・ビジョン3D』
- 『ライト・モーター・アクション!エクストリーム・スタント・ショー』
- 『リトル・マーメイドの旅』
- 『ロックンローラー・コースター』
ディズニー・アニマル・キングダム
- 『イッツ・タフ・トゥ・ビー・ア・バグ』
- 『エクスペディション・エベレスト』
- 『カリ・リバー・ラピッド』
- 『キリマンジャロ・サファリ』
- 『ダイナソー』
- 『プライミーバル・ウィール』
ディズニーランド・リゾート・パリ
ディズニーランド・パリ
ウォルト・ディズニー・スタジオ・パーク
- 『トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー』
- 『フライング・カーペッツ・オーバー・アグラバー』
- 『ラタトゥイユ:ザ・アドベンチャー』
- 『ロックンローラー・コースター』
香港ディズニーランド・リゾート
香港ではグランドオープン(2005年9月12日)と同時に導入されている。
サプライズ・ファストパス
サプライズ・ファストパス (Surprise Fastpass) とは、ファストパス導入アトラクションのファストパスチケットを発券した際に同時に出てくる別のアトラクションのファストパスである。「サプライズ・チケット」とも称される。
ファストパス対応アトラクションのファストパスの他にごく稀にこの「サプライズ・ファストパス」がついてくることがあり、東京ディズニーリゾートでは主に東京ディズニーシーのアトラクションで運用される。
しかし、このサプライズ・ファストパスが発券される曜日・日・時間などは発表されず、そしてガイドブックにも記載されていないため、いつどのアトラクションで発券されるかはわからないので、本当にサプライズである。
取得方法
このサプライズ・ファストパスの取得方法は
- ディズニー・ファストパス導入アトラクションにて、そのアトラクションの「ディズニー・ファストパス」発券機に当日のパスポートを読み込ませる。
- ディズニー・ファストパスを発券する。
- ディズニー・ファストパスを受け取る。
そのファストパスを受け取った際に2枚綴りになっているファストパスであったら、1枚目が「ディズニー・ファストパス」、2枚目が「サプライズ・ファストパス」である。
サプライズ・ファストパス導入アトラクション
- 『ウエスタンランド・シューティングギャラリー』
- 通常1回200円だが、指定時間内であれば1回無料で利用できる。
- 『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』
- 『ディズニーシー・トランジットスチーマーライン』(但し、アメリカンウォーターフロントからの出発のみ)
- 『アクアトピア』
- アクアトピアは『ストームライダー』のファストパスを発券した際にごく稀に『このファストパスは「ストームライダー」又は「アクアトピア」のどちらか一つのアトラクションで使用できます』と記載されたファストパスが発券される。また夏季時期には発券を行っていない。
問題点
- 過去、当日入場したパスポート以外でも発券出来てしまう不具合があった。現在は改修され当日の入場記録があるパスポートのみ発券出来る。
脚注
外部リンク
- パーク別ファストパス利用ガイド(発券手順説明ほか)
- アトラクション待機時間およびファストパス発券状況の確認方法(TDR)