ディエス・デル・コラール

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ルイス・ディエス・デル・コラール・ペドルーソ(Luis Díez del Corral Pedruzo、1911年7月5日 - 1998年4月7日)は、スペイン哲学者歴史家

来歴[編集]

師のオルテガ(右)と(1942年)

ログローニョ県の県都ログローニョに生まれた。ホセ・オルテガ・イ・ガセットの弟子であり、マドリード・コンプルテンセ大学で教授を務めた。1988年にアストゥリアス皇太子賞(社会科学部門)を受賞。王立サン・フェルナンド美術アカデミー会員でもあり、パリ大学名誉学位を授与された。

代表作『ヨーロッパの略奪』(1954年)は、三島由紀夫が激賞した。1962年と1968年にスペイン政府の文化使節として日本を訪れて講演し、昭和天皇にも謁見した。三島や竹山道雄堀米庸三唐木順三手塚富雄鈴木成高らと対話した。以後にも度々日本を訪れている。晩年は脳溢血で著述活動は困難であった。首都マドリードで没した。友人にスペイン美術史家神吉敬三がいる。

デビュー作は小説『マヨルカ Mallorca』(1942年)で、1970年代以降は「ベラスケス」(Velázquez, la monarquía e Italia,1979 )の研究や、「マキャヴェリー」、「フンボルト」、「トクヴィル」の歴史哲学や政治思想に関する著作がある。

日本語訳[編集]

※友人の哲学者小島威彦による訳書。
  • 『ヨーロッパの略奪 現代の歴史的解明』 未來社, 1962年、新版1980年
  • 『アジアの旅 風景と文化』 未來社, 1967年、新版1980年
  • 『ラテン・アメリカの旅 風景と文化』 未來社, 1971年
  • 『歴史の運命と進歩』 未來社, 1962年 鈴木成高共訳。以下の3冊は編訳で、来日での講演・対話
  • 『過去と現在』 未來社, 1969年 神吉敬三川本茂雄ほか共訳
  • 『自由主義の過去と未来』 明星大学出版部, 1980年