テトラアジドメタン

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Tetraazidomethane
識別情報
CAS登録番号 869384-16-7
PubChem 16059578
ChemSpider 17219283 チェック
特性
化学式 CN12
モル質量 180.09 g/mol
沸点

~165 °C (estimate)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

テトラアジドメタン (tetraazidomethane) は、メタン水素原子をすべてアジ基で置き換えた構造をもつ、化学式 C(N3)4で表される有機化合物。2006年にケムニッツ工科大学のグループによって初めて合成された[1]

トリクロロアセトニトリルアジ化ナトリウムアセトニトリル中で反応させることで得られる。常温では無色の液体。極めて不安定で、わずかな刺激で容易に爆発する。このため、ガスクロマトグラフィーで単離した一滴以下でもデュワー瓶ごと吹き飛ばすと報告されており、ピペットシリンジで扱うのは極めて危険である[2]

他のポリアジドと同様に高いエネルギー密度を持つため、爆薬ロケット燃料花火などへの利用が考えられている[3]

加水分解シクロオクタンへの環化付加反応ノルボルネンとの1,3-双極子付加反応ホスフィンとの反応によるホスファゼンの生成、などが報告されている[1]

参考文献[編集]

  1. ^ a b Klaus Banert, Young-Hyuk Joo, Tobias Ruffer, Bernhard Walfort, and Heinrich Lang, "The Exciting Chemistry of Tetraazidomethane", Angew. Chem. Int. Ed. 46, 1168–1171 (2007). doi:10.1002/anie.200603960
  2. ^ 勇気化合物実験東京化成工業
  3. ^ "Tetraazidomethane: Chemistry with a Bang", Chemical & Engineering News, Dec. 18, 2006, 46.