テアルビジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。EmausBot (会話 | 投稿記録) による 2013年4月12日 (金) 18:35個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (ボット: 言語間リンク 2 件をウィキデータ上の d:Q5944537 に転記)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

テアルビジン (thearubigin) は、チャの葉が発酵する際に酵素酸化によって形成される[1]ポリフェノール重合体である。テアルビジンは赤色をしている。したがって、(完全に酸化されている)紅茶は赤身がかっているが、緑茶あるいは白茶はより澄んでいる。しかしながら、紅茶の色は、酸化型ポリフェノールであるテアフラビンの量といったその他多くの要因に影響される。

テアフラビンやテアルビジンは紅茶の味に大きな影響を与えていると信じられていたが、最近の研究では否定的な結果が得られている。紅茶の味を構成する成分を同定するにはさらに研究が必要であるが、紅茶の保存状態が悪いとテアルビジンの酸化が進み、味にも影響が出ることが分かっている。

緑茶白茶等、非完全発酵型の茶に含まれる茶ポリフェノールの特性および濃度は共にヒトの健康に大きな影響を与えているが[要出典]、テアルビジンはその抗酸化性によって効力を示しているとする研究結果もある[要出典]

テアルビジンは1960年代[2]にRoberts, E. A. H.らによって分光法[3]ペーパークロマトグラフィー[4]による研究が始められ、1969年にプロアントシアニジンとして同定された[5]。テアルビジンの形成については、1983年にin vitroモデルを使って研究された[1]。2009年には、紅茶中でのテアルビジンの形成はカテキンの喪失と関係することが示された[6]

出典

  1. ^ a b Robertson, A.; Bendall, D. S. (1983). “Production and HPLC analysis of black tea theaflavins and thearubigins during in vitro oxidation”. Phytochemistry 22 (4): 883-887. doi:10.1016/0031-9422(83)85016-X. 
  2. ^ Roberts, E. A. H. (1962). “Economic importance of flavonoid substances; tea fermentation”. In Geissman, T. A., ed.. The Chemistry of Flavonoid Compounds. New York, N.Y.: MacMillan Co.. pp. 468-512 
  3. ^ Roberts, E. A. H.; Smith, R. F. (1963). “Phenolic substances of manufactured tea IX. Spectrophotometric evaluation of tea liquors”. J. Sci. Food Agr. 14 (10): 689-700. doi:10.1002/jsfa.2740141002. 
  4. ^ Roberts, E. A. H.; Cartwright, R. A.; Oldschool, M. (1957). “Phenolic substances of manufactured tea I. Fractionation and paper chromatography of water-soluble substances”. J. Sci. Food Agr. 8 (2): 72-80. doi:10.1002/jsfa.2740080203. 
  5. ^ Brown, A. G.; Eyton, W. B.; Holmes, A.; Ollis, W. D. (1969). “Identification of the Thearubigins as Polymeric Proanthocyanidins”. Nature 221: 742-744. doi:10.1038/221742a0. 
  6. ^ Ngure, F. M.; Wanyoko, J. K.; Mahungu, S. M.; Shitandi, A. A. (2009). “Catechins depletion patterns in relation to theaflavin and thearubigins formation”. Food Chem. 115 (1): 8-14. doi:10.1016/j.foodchem.2008.10.006.