ダーク・キングダム

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ダーク・キングダムとは、漫画『美少女戦士セーラームーン』およびその関連作品に登場する組織である。主人公であるセーラームーンと原作第一期・テレビアニメ無印・新作アニメCrystal・実写版ドラマでの敵対する組織として描かれ、主な構成員の下に大量の妖魔が所属するという構成になっている。

担当声優が1人しか表記されず、(新作アニメCrystal)などといった記載がない場合は、テレビアニメ版の担当声優とする。

主な構成員

クイン・メタリア[1]
声優 - 上村典子(テレビアニメ)、松岡洋子(新作アニメCrystal)
ベリルに取り憑いた暗黒の生命体。黒点から生まれ流星群と共に地球に降ってきた、悪魔と呼ばれる闇の存在。黒い靄のような姿で額に黒い菱形の模様があり、この模様が心臓部・弱点となっている。月と地球の戦争の際にクイーン・セレニティが解放した「幻の銀水晶」の力で封印され、北極圏に眠っていたが、後に転生したベリルがそこを訪れた際に復活。再びベリルに憑依し、ダーク・キングダムを復活させる。最後はセーラームーンによって弱点である額の模様に「幻の銀水晶」の力を打ち込まれ、再び封印された。
実写ドラマ版では「「幻の銀水晶」によって増幅されたプリンセスのの心」という設定になっており、かつて月と地球の戦争の際エンディミオンの死を目の当たりにしたプリンセス・セレニティの絶望から生まれ、星を滅ぼした。
命名の由来は金属を意味するメタル
クイン・ベリル
声優 - 潘恵子(テレビアニメ)、渡辺美佐(新作アニメCrystal)/実写ドラマ 演 - 杉本彩/ミュージカル 演 - 仁科有理宮澤明子初風緑
ダーク・キングダムを統べる闇の女王。本来の姿は地球の預言者[2]であったが、エンディミオンに密かな叶わぬ恋をしていたことをメタリアにつけこまれ憑依される。その後エンディミオンの配下だった四天王を洗脳してダーク・キングダムの司令官となり、地球の人々をも洗脳してシルバーミレニアムを襲撃、エンディミオンとプリンセス・セレニティの命を奪うこととなった。
原作では月と地球の最終戦争後、20世紀の地球に転生し、学術調査員(もしくは学者)となって北極圏Dポイントへと調査のため派遣されたが、そこはメタリアが封印されていた地点であったため、自身の前世が目覚めるきっかけとなってしまう。物語後半でエンディミオンの生まれ変わりである衛を連れ去ってメタリアの力で復活させ、自身の配下とする。最期はセーラーヴィーナスに聖剣で貫かれ、エンディミオンを求めながら滅びた。
テレビアニメ版では彼女の転生後からダーク・キングダム設立までのエピソードは省かれており、クイーン・セレニティがメタリアを封印した際ベリルも一緒に封印されたとされている。最終決戦では、残りの妖魔全てを吸収した[3]メタリアと一体化、スーパーベリルとなってプリンセスに覚醒したうさぎとの決戦に臨む。絶大な暗黒のエナジーでうさぎを圧倒するも、斃れて行った四人のセーラー戦士の魂に支えられ極大化したムーン・ヒーリング・エスカレーションの光に呑み込まれ、消滅した。
実写版ではメタリアを取り込んだ衛がセーラームーンの手で命を絶たれ、直後セーラームーンがメタリアと同化し星を滅ぼそうとするのを目の当たりにし絶望、崩壊する城の中で自らの命を断つことを決意する。その際ジェダイトの洗脳を解き彼を逃がそうとしたが、ジェダイトの思いを知り、彼と共に崩れて行く城の中に消えた。転生した世界には登場せず、彼女も再生したか否かは不明。
新作アニメCrystal版では、原作とほとんど同じ設定だが、最期が異なっており、メタリアからの力を得るために着けていたネックレスをセーラームーンに聖剣で壊されて消滅した。また、メタリアに仕える一方、メタリアに幻の銀水晶を渡すまいと考えていた。
ミュージカル版では、作品によってはスターズのネヘレニアのポジションを担っている。ギャラクシアに復活させられ利用されるが、タキシード仮面が殺されていた事実を知ってギャラクシアに挑むが敵わず、始末されようとしたところを恋に破れた彼女の思いに共感したセーラープルートによって救われ、サターンによって時空の彼方へ逃がされるが、二人が消えたことにより解放される。最期はギャラクシアの傀儡となったエンディミオンからセーラームーンを庇って消えていった。「-La Reconquista-」では、地球の王族の血を引いており、一時期はエンディミオンの許嫁であったという設定になっている。
PCエンジン版のADV(時間軸としては無印の後に当たる)にて復活するが、記憶が戻った四天王に離反され敗北する。最後にはその心を救われながら絶命した。
スーパーファミコン版のゲーム「Another Story」ではヘル・デスティニーによって運命を変えられ復活、富士山の洞穴でセーラー戦士たちと再び戦うこととなる。運命が変わったことにより「幻の銀水晶」の力が効かなくなっていたためセーラームーンを苦戦させたが、最終的にはセーラー戦士との戦いに敗北し、エンディミオンの名を呼びながら消滅していった。物語後半で過去のシルバーミレニアムにタイムスリップした際にメタリアに憑依される前のベリルと出会うイベントがあり、彼女がメタリアの言いなりになるまいと葛藤していた姿を知ることが出来る。
アニメイトカセットコレクション版では、ゾイサイトとクンツァイトが出演する番組で自分の歌った子守唄が放送される筈が、代りに2人の“男と男のラブゲーム”なる歌曲が放送された事に腹を立て、放送局に抗議の電話を掛けた。また、クイズに出演した時は回答を部下に押しつけ、間違えたら次元の間に飛ばすと云う無責任な一面を見せた。
命名の由来は緑柱石の英語名「ベリル」。
黒木 ミオ
演 - 有紗
実写ドラマ版オリジナルキャラクター。クイン・ベリルの影である女。表向きはアイドルとして、十番中学校に転入して来る。ベリルの分身に近い存在ではあるが、感情や思考はベリルとは独立しており、時にはベリルの意思を無視し気ままに振る舞う。うさぎと友達になるフリをしながら心理的に追い詰めていくが、彼女の正体をいち早く見破った美奈子によって企みは阻まれる。後に衛をベリルの下へ連れ去ったが、物語終盤でメタリアに憑依された「メタリア・エンディミオン」に倒されて消滅。
その後「Special Act.」でダーク・キングダムの新たな女王として復活。妖魔たちを率いて再びセーラームーンたちに戦いを挑み、終盤では自らも巨大な妖魔となってセーラー戦士たちと戦ったが、彼女たちの「セーラー・プラネット・アタック」で再び倒される。
美少女戦士セーラームーン Pretty Guardian SAILORMOON オリジナル ソング アルバム「Dear My Friend」では彼女のキャラクターソング「Change of pace」が収録されている(この曲は実際に作中でアイドルの仕事として彼女がレコーディングしている)。

ダーク・キングダム四天王

原作一期・テレビアニメ無印・新作アニメCrystal・実写ドラマでの反セーラーチーム。原作・実写版・Webアニメでは本来は地球の王子プリンス・エンディミオンを慕う配下で、プリンセス・セレニティの四守護戦士と対を成す。なお、原作とテレビアニメの軍服は黒(もしくは暗い灰色)をベースとしているが、新作アニメCrystalでは白がベースとなっている。
原作では前世においてベリルに扇動されシルバー・ミレニアム襲撃に加担したが、エンディミオンとプリンセス・セレニティの最期を目の当たりにし、エンディミオンの生まれ変わりを捜すために現代に転生してきた。しかし、前世の記憶を取り戻す前にまたしてもベリルに惑わされ、洗脳されて宝石から造った身体に変えられる。クンツァイト以外はセーラー戦士に倒されミイラとなった後、うさぎの覚醒の際に「幻の銀水晶」の力を浴び、「幻の銀水晶の力があれば蘇ることができる」というベリルの言葉通り一時は蘇生し、前世の記憶を取り戻すも、強すぎる光の力に耐え切れず石に戻ってしまった。最後まで残ったクンツァイトも記憶を取り戻した後ベリルによって石を額に表出・傀儡化され、セーラー戦士の攻撃を受けて石に戻されてしまう。化身の4つの石は第一部後半で衛がベリルの配下になってからは衛の元に渡り、最終決戦の直前に衛を庇うかのようにセーラームーンの剣を受け、幻影として現れクイン・メタリアの急所を衛に教えた後、プリンセスとの幸せを願って消えた。その後も石は衛の下で保管され、時折サイコメトリーでの幻影として現れて、衛に助言を行った。
原作Act13[4]の表紙でセーラー戦士たちとそれぞれペアとなっている。原作者の構想では前世に四守護神と恋愛関係にあった[5]。この設定は原作中ではほとんど描かれなかったが、新作アニメCrystal版やミュージカル一作目、ゲームなどに流用されている。
テレビアニメ版は「前世ではエンディミオンの配下であった」という設定がオミットされ、姿形は人間とほぼ同じだが妖魔であり、若干肌の色が暗く、血の色は草色で、倒されると光になって消える。原作とは性格付けの全く違う人物も存在する。各四天王を指揮官とした軍団が形成されており、それぞれ異なる手法の妖魔が定められている。さらに『仮面の忍者 赤影』を意識し、指揮官となる四天王が1クールごとに交代するという手法がとられている。これは後に3期『S』における「デス・バスターズ」も同じ手法をとっている。
PCエンジン版ではテレビアニメ版をベースとして、無印から『R』までをつなぐ形として原作の設定を物語に使用しており、記憶が戻り苦悩する様が描かれている。
実写版においてはエンディミオンの配下であったという前世の設定をさらに掘り下げており、四人の前世の記憶が重要な役割を担っている。物語終盤でネフライト以外は全員命を落としたが、「Special Act」で復活。セーラー戦士と共にミオとの戦いに挑む衛に加勢し、共にミオの妖魔と戦った。「Act Zero」では花子、赤井、白井、黒井という彼らに似た十番街の警察官が登場しており(役者も同じ)、作中の彼らの台詞を発言していた。
新作アニメCrystal版では「前世では内部太陽系戦士と恋仲であった」という原作で使用できなかった設定が生かされ、Act12まで全員生存している。Act10で前世の記憶が戻りかけるも、クイン・ベリルに再び洗脳されてしまう。Act12でダーク・キングダムでの決戦でムーンを除いたセーラー戦士と戦い、「セーラー・プラネット・アタック」を受けた直後に、セーラー戦士の呼びかけもあって、前世の記憶を取り戻すが、その直後にクイン・メタリアの力によって消滅させられた。消滅後、悲しみに暮れるセーラー戦士たちに「プリンセスが待っている」「お前たちにはまだやるべきことがある」など励ましの声をかけた。また、石言葉をモチーフとした各自の騎士としての称号も新たに設定されている。
ミュージカル版では舞台によって扱われ方は様々。「外伝・ダークキングダム復活編」では美奈子たち四守護戦士に好意を持つ高校生に姿を変え、恋人としてセーラー戦士に接近する。「永遠伝説」(1996年版のみ)ではギャラクシアにクイン・ベリルとともに彼女の騎士として復活させられる[6]。「スターライツ・流星伝説」ではアイドルグループ「ジュエルメタリアーズ」として登場し、クイン・ベリルと共にギャラクシアの配下となってセーラー戦士と戦ったが、セーラームーンの攻撃でブレスレットが外れて正気に戻り衛やセーラー戦士と共にギャラクシアの軍団に戦いを挑むが、最後は衛を庇って力尽き、石となった。「スターライツ・流星伝説」のリメイク版にあたる「火球王妃降臨」ではクンツァイト以外のメンバーはすべてオリジナルキャラクターに入れ替わり、役割も変わっている。「-La Reconquista-」ではアイドルグループ「パンデミック4」としてセーラー戦士を誘惑する。
ジェダイト
声優 - 小野坂昌也(テレビアニメ)、岸尾だいすけ(新作アニメCrystal)/実写ドラマ 演 - 増尾遵/ミュージカル 演 - 二橋進朝見優香ルウト
命名の由来は翡翠硬玉四天王の一番手として最初にセーラー戦士と戦った。ややウェーブがかった金髪のショートヘアが特徴の男性。実写ドラマ版では彼のみ髪型や軍服のデザイン・色などがテレビアニメ版に準拠している。推定年齢18歳[7]。軍服のラインはテレビアニメ・実写ドラマでは赤、新作アニメCrystal(及び原作Act13[4]表紙)では青。
原作では極東支部長で、土人形の兵を操る。一人称は登場せず(Webアニメ版では「オレ」)。バスの運転手に変装して人々を誘拐し、火野レイも連れ去るが、最後はレイが覚醒したセーラーマーズに倒された。
原作のAct13[4]の表紙ではセーラーマーズとペアで描かれている。原作においては前世でセーラーマーズに好意を抱いていたらしく、現世でも火野レイをバスで連れ去った際に「初めて見たときから気に入っていた」と呟いている。火野レイが主役の番外編『カサブランカ・メモリー』では、現世においてレイにとって特別な人であった海堂の幻覚と重ねるように、ジェダイトの幻覚も見ている描写がある。
テレビアニメ版では冷酷な性格[8]で、大勢の人間からエナジーを集める作戦を指揮した[9]が、セーラー戦士たちの活躍によって失敗が続き配下の妖魔群が全滅した上、クイン・ベリル直属妖魔テティスを死なせたことから糾弾され、最後のチャンスとしてセーラー戦士打倒に赴いたもののセーラー戦士の正体を突き止めるにとどまり、無様に敗北して逃げ帰ったため「永遠の眠りの刑」に処せられ凍結された上何処へとも知れず捨てられた。ネフライトには作戦手法を蔑まれ、死後ゾイサイトにも焦りを嘲笑されたが、他の妖魔より飛び抜けた実力を持っている[10]
実写ドラマ版では最初の展開は原作・アニメとほぼ同じだが処罰されず、ベリルによって傀儡化された。前世の記憶を取り戻しても「現在の主はクイン・ベリル様である」との見解を保ち、最終回で呪縛が解けた後もベリルに付き添い、彼女と共に崩壊する城の中に残って絶命したが、地球の転生と共に復活した。武器として、氷か水晶を削り出したような、透明な短剣を使う。「Special Act」ではネフライトに膝かっくんをするなど、本編とは違い明るく幼い性格描写がなされた。
新作アニメCrystal版ではレイを連れ去った際の台詞が「なぜか惹かれる」と好意をよりはっきり示すものへと変更されている。土人形の兵を作り出す能力に加えて冷気を自在に操る能力を持つと明言されており[11]、ムーンやマーキュリーの腕を氷漬けにするなど苦戦させたが、炎を操るマーズには冷気攻撃の効果がなく、結果返り討ちにあう。ただし、原作とは違い逃亡したため生存している。前世はプリンス・エンディミオンを守る忍耐と調和の騎士。
著者は、本作のヒーローとして最初に作った男性キャラはジェダイトであると、1992年当時のなかよし本誌で語っている。しかし前作『The チェリー・プロジェクト』のヒーローの髪が白髪(金髪)であり、ジェダイトと被ってしまうため、新たに作られたのが黒髪の地場衛である。
ネフライト
声優 - 森功至(テレビアニメ)、鳥海浩輔(新作アニメCrystal)/実写ドラマ 演 - 松本博之/ミュージカル 演 - 清家利一依田秀亮コロ
命名の由来は翡翠の軟玉。四天王の二番手[12]として登場した。原作・アニメではウェーブのかかった長い茶髪が特徴。実写ドラマでは赤髪のソフトモヒカンヘアで、同色の軍服を着ている。推定年齢19歳[7]。軍服のラインはテレビアニメ・実写ドラマでは黄、新作アニメCrystal(及び原作Act13[4]表紙)では赤。
原作では北米支部長。一人称は「オレ(Act4)」もしくは「ワタシ(Act5)」。自分の影を使ってD国の秘宝の強奪やエナジーの収集を行っていたが、最後はセーラージュピターによって倒された。
原作のAct13[4]の表紙ではセーラージュピターとペアで描かれているが、彼女に倒されたこと以外には特別な描写は無かった。
テレビアニメ版では誇り高い性格で、四天王の次席的存在でもあり、ベリルの意志に逆らってでも自分の矜持を貫いていた[13]。ジェダイトと同じくエナジー収集作戦を行ったが、ジェダイトの手法を蔑み占星術を使い単独のターゲットを選定、妖魔を憑依させてエナジーレベルを高めた上で根こそぎ奪い取る手法を用いた[14]。妖魔を魔の紋章に変身させて器物に憑依させる、天球儀を黒水晶に作り替える、星座の化身や分身妖魔である影を作り出す、マーズの「ファイヤーソウル」に似た「スターライト・アタック」という技を使う、手で軽く触れただけでエナジーを抜き取るなど高い魔力[15]を持ち、本気を出さずにゾイサイト配下の妖魔三人娘を叩きのめして死の恐怖を与えるなど格闘・剣術の技量も高い[16]。直属妖魔にも大柄で戦闘能力の高い者が多く、キャメランのようにセーラー戦士を倒す直前まで追い詰めた強者も存在する。人間界に屋敷を構えて会社を持ち[17]フェラーリ・512TRを乗り回す青年実業家「三條院正人」として大阪なるに近づいたが、19話でタキシード仮面に変装してエナジーを奪ったことがきっかけで次第に彼女を愛するようになる[18]。後にゾイサイトと彼の配下の妖魔三人娘に攫われたなるを助けたことで完全になると想いが通じ合ったが、直後に妖魔三人娘の攻撃から彼女を庇って致命傷を負ってしまう。最期はなるやセーラー戦士たちに看取られながらなるに嘘をつき続けたことを詫び、出会えたことを感謝しながら息絶えた。
実写ドラマ版では幻の銀水晶捜索担当。短気且つ乱暴で、感情的な性格。柄の赤い長剣を武器として使うが、その戦闘方法は力に任せた粗暴なものである。他の四天王に対する嫉妬心が強く、ベリルの寵愛を得ようと猪突猛進する。前世の記憶をほとんど取り戻さないままで、エンディミオンへの忠誠心を抱くことも遅かった。中盤には亜美との交流が描かれており、彼女がクンツァイトに操られて「ダークマーキュリー」となった際に、一時彼女に優しくされたことがあり、その恩を一時的に返したことがあった。その後も亜美に対してツンデレな描写がなされており、クッキーのお礼のプレゼントを考えていた。後にベリルに捨て駒にされ命を落としかけベリルの束縛から逃れることになったが、同時に四天王の力を失い人間となる。その後は元基と出会い、行き場を失くしていた所、クラウンで働きながら暮らすことになった。一時はベリルへの復讐をもくろんでいたが、元基や素顔のセーラー戦士たちの姿に触れるうち、恩讐を捨て人間として生きることを誓う。元基からは「ネフ吉」「ネフりん」というあだ名をつけられていたが、本人はその名を嫌っていた。四天王の中で唯一最後まで生き残っていたが、地球の転生と共に元の力を取り戻した。
新作アニメCrystal版では、原作と違いジュピターのフラワーハリケーンによって足止めされたものの、直後の雷撃は直撃を免れ逃亡している。その際に前世の記憶を僅かに思い出しかけ、ジュピターの姿を見て「この眼差し、どこかで(見たことがある)」と呟いている。前世はプリンス・エンディミオンを守る知恵と安らぎの騎士。
ゾイサイト
声優 - 難波圭一(テレビアニメ)、松風雅也(新作アニメCrystal)/実写ドラマ 演 - 遠藤嘉人/ミュージカル 演 - 秋田敏隆留守晃青木要彩夏涼
命名の由来は鉱物の灰レン石。三番目に登場した四天王[19]。髪型はウェーブのかかった長い金髪で、うなじの部分で一つにまとめている。実写版では髪型自体は原作やアニメとほとんど同じものの、癖のない銀髪で白い軍服を着ている。推定年齢16~17歳[7]。軍服のラインは緑(原作Act13[4]表紙・テレビアニメ・実写ドラマ・新作アニメCrystal共通)。
原作では欧州支部長。一人称は登場せず(新作アニメCrystalでは「ワタシ(Act6)」または「オレ(Act10)」)。「『幻の銀水晶』の研究家・異園教授」として女装をしてテレビ出演し、視聴者を洗脳して幻の銀水晶を探していた。『カサブランカ・メモリー』ではジェダイトの仇をとろうとレイの前に現れるが、迷いを振り切った彼女に退けられ撤退する。本編Act6と『カサブランカ・メモリー』では両方共に女装していたが、アニメのようにゲイの描写はない(女装中は口調も女性的に変わるが、あくまで変装の一環であり、軍服を着ている時に女言葉を使うことはない)。後にセーラームーンを捕え、彼女にトドメを刺そうとした際にセーラーヴィーナスの不意打ちを受け倒された。
原作のAct13[4]の表紙ではセーラーマーキュリーとペアで描かれている。本編ではマーキュリーと特別な描写はなかった。
テレビアニメ版では仕草や声音など女性的な部分が強調され、常にオネエ口調で話すようになっており、一人称も「アタシ」。ゲイでもあり、クンツァイトとは相思相愛の仲[20][21]。銀水晶の探索を任務とした[22]。物腰は柔らかい[23]が、残酷な性格の持ち主。クイン・ベリルを恐れている一面がある[24]。魔力を使用した術のバリエーション[25]と奸計に長け、闇討ちを得意とする。タキシード仮面を誘い出すために偽セーラームーンとなり、廃工場でクレーンで吊されるなど、体を張ったこともある。後に衛がタキシード仮面であることを知ったクイン・ベリルから生け捕り命令を受け、衛をスターライトタワーに呼び出し一対一の戦いを挑む。戦闘の最中に顔を傷つけられたことから命令を無視して衛を殺そうとした。その後プリンセスと「幻の銀水晶」が出現した所を目撃し、「幻の銀水晶」を奪おうとしたが失敗。最後は命令違反をベリルに見抜かれて処刑され、クンツァイトの腕の中で息を引き取る。
実写ドラマ版ではテレビアニメのような印象は全く無く、プリンセス抹殺を担当。四天王の中でもエンディミオンへの忠誠心が高い。ピアノの名手で、ほとんどのシーンでピアノを弾いている。弾いている曲は大抵が『幻想即興曲』か『月光』。S字型に湾曲した刃を持つ短剣を武器として扱うほか、テレパシーなどの超能力を持ち、ピアノの音色を使って意識を飛ばしたり、会話したりすることができる。更に催眠術を使って亜美、レイ、まことを操ったり、「Special Act」では念動力を使い敵を同士討ちさせて倒したこともある。原作と同様にセーラーヴィーナスに倒され、タキシード仮面の姿を見て前世の記憶を取り戻す。その後は力を失ったため、一旦は石の姿に戻っていたが物語後半で復活。「前世の悲劇を繰り返さないため」にエンディミオン(衛)とセレニティ(うさぎ)の仲を引き裂こうとしたが、衛に諭されて思い直す。最期は"銀水晶の妖魔"から身を挺してうさぎを護り、命を落としたが、地球の転生と共に復活した。
新作アニメCrystal版もゲイという描写は特にない。原作と同じくセーラーヴィーナスの不意打ちを受けたものの致命傷には至らずその場は撤退している。また、テレビアニメ版と同様の氷柱による攻撃を披露した。セーラー戦士達との決戦の際にはマーキュリーと恋愛関係にあったことが判明した。前世はプリンス・エンディミオンを守る浄化と癒しの騎士。
TVゲームではアクション版でステージボスとして登場する。スーパーファミコン(アクション版)とメガドライブではテレビアニメ版に登場した“偽セーラームーン”として登場し、倒した後に点滅しながら消える際にゾイサイトの姿が見える(それに従い、メーターの顔アイコンも変化する)。業務用(アクション版)では最初からゾイサイトの姿で戦い、二度目はクンツァイトとタッグを組んで登場する。
アニメイトカセットコレクション版では、「ゾイ斉藤」という名で暗躍、セーラー戦士にしりとり対決を挑んだり、恥ずかしい体験話をカミングアウトさせるなどの作戦を展開するも、その度にセーラームーンによってその場の記憶を失っている。
ミュージカル「-La Reconquista-」では、前世において四天王で唯一ベリルの洗脳を免れており、想いを寄せるマーキュリーに地球の異変を警告したものの、そのことをベリルに察知され他の四天王に追い詰められた末、ネフライトにトドメを刺され命を落とした。現世では亜美を誑かすために接近したものの、彼女との交流を通じて前世の想いが蘇ったことで彼女と戦うことを厭い、ベリルに囚われた彼女を逃がす。しかし、その行動からベリルに裏切り者とされ、前世と同じく他の四天王の手によって石の姿へと還された。
異園教授
声優 - 山口由里子(新作アニメCrystal)
原作と新作アニメCrystalのAct6に登場。「幻の銀水晶研究家」と称する女性に変身したゾイサイト。テレビに出演して、幻の銀水晶を見つけ出すために人々を利用した。原作ではセーラー戦士が駆け付けた際には既に変装を解いていたが、Webアニメではセーラー戦士の目の前で正体を現した。
偽セーラームーン
声優 - 三石琴乃
テレビアニメ第33話に登場。セーラームーンに変装したゾイサイト。自分で犯した犯罪を自分で解決する。クンツァイトに人質にされる演技でタキシード仮面を騙し、苦しめたところで正体を現した。目つき、コスチュームのカラー、肌の色を除けば本物と瓜二つである。また武器としてブーメランを所持している。
クンツァイト
声優 - 曽我部和恭(テレビアニメ)、竹本英史(新作アニメCrystal)/実写ドラマ 演 - 窪寺昭/ミュージカル 演 - 望月祐多笠原竜司浅野豪孝河崎美貴伊石真由
命名の由来はリチア輝石の一種「クンツァイト」。冷徹な男性で、四天王の将。四天王の中で一番の長身でストレートな白髪の長髪が特徴で、テレビアニメでは褐色の肌をしている。彼のみ、軍服の右鎖骨部分のボタンを外して着崩しており、背中にはマントを羽織り、足元は短靴を履いている[26]。実写ドラマでは黒髪の長髪をにしており、紫がかった黒い軍服を着ている。推定年齢25~26歳[7]。軍服のラインはテレビアニメでは水色、新作アニメCrystal(及び原作Act13[4]表紙)では灰色、実写ドラマでは山吹色。
原作では中東支部長。一人称は「オレ」。うさぎのプリンセス覚醒時に前世の記憶を取り戻し、仮死状態の衛に対して礼をとる正気も見せた。最期はベリルに反逆しかけて傀儡化され暴走したところをセーラー戦士の四人に「セーラープラネットアタック」で倒された。
原作のAct13[4]の表紙ではセーラーヴィーナスとペアで描かれている。前世において地球に降りて来たプリンセス・セレニティを連れ戻しにきたヴィーナスがクンツァイトに対して好意を抱いているような描写もある。「コードネームはセーラーV」最終回作中では、前世のヴィーナスとクンツァイトが寄り添うカットも描かれている。
テレビアニメ版ではゾイサイトと愛し合っている仲だが、彼のようにオネエ口調ではない。ゾイサイトが罠にかけようやく葬ったネフライトを「いつでも消せる」と発言するなど自信家であり、実力は非常に高い[27]。北極圏Dポイントに向かっていたセーラー戦士たちの前に現れ、五人を多次元混乱世界へ飛ばして「幻の銀水晶」を奪おうとしたが失敗、「幻の銀水晶」の力でセーラー戦士たちがシルバーミレニアムの廃墟へ飛ばされたことにより、五人が前世の記憶を取り戻すきっかけを作った。その後、元の時代へ戻ってきたセーラー戦士たちと戦闘に突入し、最後はセーラームーンの「ムーン・ヒーリング・エスカレーション」を一喝して無効化するが、ムーンの力で飛び道具を跳ね返されて倒された。
新作アニメCrystal版ではセーラーヴィーナスとの対決が多い。前世はプリンス・エンディミオンを守る純潔と慈愛の騎士。Act12で他の四天王と共にダーク・キングダムでセーラー戦士たちと戦い、前世の記憶を取り戻すが、セーラーヴィーナスと互いの名前を呼びあった直後に他の四天王と共にクイン・メタリアに消されてしまう。
実写ドラマ版では「シン」という人間の青年に転生していたが、ベリルの力によって四天王として覚醒する。彼のみが最初から前世の記憶を完璧に有していた。クインベリルへの敬意は感じられず、常に慇懃無礼な態度で応じる。前世ではエンディミオンに剣の指南をしていた達人で、エンディミオンへの忠誠心がもっとも強かった。しかしエンディミオンとセレニティが前世で世界を滅ぼすきっかけとなったことから彼らを憎むようになり、前世を背負って生まれたことそのものを疎んじている。柄の白い長剣を武器とし、己の髪を人間の首に巻きつけることで人間を妖魔化する。前世に関わる全てを滅ぼし、己も命を絶つつもりでおり、最後は衛との決闘の末、破れて散る。最終的にはマスターである衛と和解して忠誠心を取戻し、地球の転生と共に復活した。
アクション版TVゲームではステージボスとして登場し、スーパーファミコン版では三連続の衝撃波で攻撃し、業務用ではゾイサイトと一緒に攻撃してくる。スーパーファミコンのRPGゲーム「Another Story」では原作同様に他の四天王たちと共に幻影としてうさぎたちの前に現れ、オポシティオ戦士の攻撃を受けて意識を失った衛を助ける方法をうさぎたちに教える。
ミュージカル版での扱いは様々だが、人間に化ける際「斉藤訓(さいとう・くん)」という偽名を使うのはお決まり。「スターライツ・流星伝説」ではスリーライツのイベントの企画者として「ジュエルマネージャーズ」と共に登場する。
アニメイトカセットコレクション版では、ゾイサイトと共に番組のDJをやったり、遊園地の売り子に変装するなど三枚目な部分が強調され、ムーンヒーリング・エスカレーションの洗礼を受けた際には「リフレーッシュ!」と叫んだ。
カルナイト
ミュージカル「火球王妃降臨」ではダーク・キングダム四天王のメンバー。ヒデナイト、ヘマタイトと共に「ジュエルマネージャーズ」と名乗ってスリーライツのイベントに現れた。「ジュエルマネージャーズ」としての名前は、「ナイト・ルカ」。
名前の由来は方解石の英語名「カルサイト」。
ヒデナイト
ミュージカル「火球王妃降臨」に登場するダーク・キングダム四天王のメンバー。カルナイト、ヘマタイトと共に「ジュエルマネージャーズ」と名乗ってスリーライツのイベントに現れた。「ジュエルマネージャーズ」としての名前は「夜野ヒデオ」で、表向きはダンシング・アニマメイツのマネージャー。
名前の由来はリチア輝石の一種「ヒデナイト」。
ヘマタイト
ミュージカル「火球王妃降臨」に登場するダーク・キングダム四天王のメンバー。カルナイト、ヒデナイトと共に「ジュエルマネージャーズ」と名乗ってスリーライツのイベントに現れた。「ジュエルマネージャーズ」としての名前は「台東屁真八郎(たいとう・へまはちろう)」で、表向きはスリーライツのマネージャー。
名前の由来は鉄鉱石の英語名「ヘマタイト」。

妖魔

毎回セーラー戦士に倒されるザコ敵の総称。各四天王の部下として人間たちの様々なエナジーを集めて四天王に献上している。テレビアニメ版では各々が固有の名称を持っているが、原作とWebアニメとドラマ版では全員が名無し。基本は女性型。テレビアニメ版の初期の妖魔は倒されると黒い灰になって風に散ってゆく。

テレビアニメ版(初期)

テティス
声優 - 伊藤美紀
第12話に登場するベリル直属の妖魔。ジェダイトに恋焦がれ彼と協力して300組のカップルからエナジーを集めようとした。風貌は人間時の時はストレートロングヘアのスマートな美女で、本性時は赤い瞳しか無い仮面のような顔になる。海水を操る能力に加えて廃船を豪華客船に変えるほどの魔力も有し、ムーンティアラアクションを受けてもすぐ灰と化さずエナジーが抜け出して死亡するなど、耐久力も非常に高い。
名前の由来はギリシア神話の女神テティス。劇中では立場の割にはあっけなく倒されたが、ファンの中では人気の高いキャラクターである。
海水怪人
声優 - なし
テティスの配下。体が海水によって構成されるために切り付けても倒せず、すぐに再生してしまうが、火炎攻撃に弱い。

ジェダイト直属妖魔群

ジェダイト配下の妖魔は人間に化けたり、実在の人物になり替わって社会に溶け込み、不特定多数の人間からエナジーを奪っていた。収集の対象となるエナジーの種別は毎回異なっており、エナジーを奪われた人間は妖魔の言いなりとなって操られる。収集されたエナジーはジェダイトのもとに送られる[28]が、集めた妖魔が倒されると元の人間の元に戻る。

名前が2つ並んでいる妖魔は、テレビアニメ版 / 原作・新作アニメCrystalの順で表記。

モルガ / なるの母に変装した妖魔(仮名)
声優 - 阿部光子(テレビアニメ)、小林沙苗[29](新作アニメCrystal)
第1話で登場した、セーラームーンが最初に戦った妖魔。全身が干からびており、首が180度回転する。大阪なるの母親に成りすまして宝石店のバーゲンを開催し、店の商品の装飾品を試着した客の女性たちのエナジーを得ていた。
原作でも名前は無いが、モデルとなった妖魔が登場する。Webアニメでは原作準拠の設定で登場する。
バーム
声優 - 江森浩子
第2話で登場。「占いハウス」で「十番街の少女」というタロット占い師として暗躍した。「占いハウス」に行った者は皆反抗的になり、海野ぐりおは翌日から授業中に漫画を読んだり校内の窓ガラスを割ったりするなどの奇行を見せた。妖魔形態では頭髪触手のように自在に伸縮して攻撃を仕掛ける。「若さと反抗のエナジー」を集める。
名前は手相学の英名である「パームリーディング」から、掌を意味する「パーム」を基にしたもの。
フラウ
声優 - 麻上洋子
第3話で登場。ラジオ局「FM No.10」の女性ディレクターに成りすまし、Jダイトー(ジェダイト)と共に「ミッドナイト・ゼロ」を電波ジャックによって放送していた。ラブレターを番組に投稿して葉書を採用されたリスナーに送られるノベルティグッズであるブローチによってエナジーを集めていた。可燃性のガスを吐き出して攻撃をする。
名前の由来は「フラワー」のもじり。
イグアーラ
声優 - 松岡洋子
第5話に登場。頭髪のあるイグアナのような姿の妖魔で、尻尾による首絞め攻撃を使う。ペットショップ「パーフューム」の店主として兎に似た外見の「シャネーラ」を大量に販売し、購入者からエナジーを奪った。
ルナへの対抗心からシャネーラを購入したうさぎの弟・進悟をはじめとする子供たちを操ってセーラームーンを攻撃させたが、セーラームーンの「ムーン・ティアラ・スターダスト」で子供たちが元に戻ってしまったため失敗。尻尾での攻撃でセーラームーンを追い詰めるが、尻尾の根元にある発光する部分を攻撃されて倒される。
シャネーラ
イグアーラが作り出した小動物。兎にチンチラのような長い毛を生やしたような外見をしている。その愛らしい外見と香水のような香りで相手を魅了し、エナジーを奪おうとした。それはかなり強力で購入したうさぎが転んで泣いている少女にも見向きをしなかったほど。なお、うさぎが購入したシャネーラはルナによって処分された。
キュレネ
声優 - 篠原恵美
第6話に登場。背中に大きなを持つコウモリ形態の妖魔で、コウモリ同様に超音波を使った攻撃を用いる。人間形態では女性に変装し、手違いで雨出祐介に渡ってしまったジェダイトが作り出した超音波を収録したカセットテープ(洗脳を目的としたサブリミナルテープ)を奪取するために雨出を襲撃していた。
セーラームーンを野外ステージに追い詰めたが、自ら放った超音波をセーラームーンが投げたステージマイクから拾われ、PAスピーカーによって増幅、直撃されダメージを負ってセーラームーンに倒される。
名前の由来はギリシャ神話の登場人物「キューレーネー」から。
デレーラ
声優 - 川島千代子
第7話に登場。月野うさぎと同じ十番中学校出身のアイドル「白鳥みかん」を襲撃して成り代わり、「シンデレラキャラバン」というイベントで芸能界入りを目指す参加者からエナジーを奪おうとした。妖魔形態は後頭部のみ頭髪が生えているという姿で、付着するとガラス化する粘液を吐き出して攻撃し、セーラームーンを苦しめた。
ガロベン / 講師に変装した妖魔(仮名)
声優 - 江森浩子(テレビアニメ)、金月真美(新作アニメCrystal)
第8話で登場。セーラーマーキュリーがセーラームーンと共に始めて戦った妖魔である。逆立った髪で真っ赤な肌の妖魔。超難問のテスト問題を出題し、回答できないと解答用紙を鋭い刃物のように飛ばすという「天才ニュートン問題」の他、片手がのように変形して攻撃する。名前の由来は「ガリ勉」。
水野亜美が通っている学習塾「クリスタルゼミナール」の講師に成りすまし、洗脳プログラムがプログラミングされたフロッピーディスク(原作新装版以降及び新作アニメCrystalでは光学ディスク)を用いて亜美を含む受講生からエナジーを奪おうとしたが、亜美はフロッピーディスクを落としていた(もともと使用すると頭痛を起こす特異体質であった)ために使用しておらず、難を逃れている。
また初めてセーラー戦士を人質にした妖魔であり、原作では亜美の首を絞め、テレビアニメでは亜美の口を塞ぎ、新作アニメCrystalではうさぎを解答用紙で拘束している。
原作でも名前はないが、モデルとなった妖魔が登場する。新作アニメCrystalでは原作準拠の設定で登場し、灰色の肌をしている。
ラムア
声優 - 山田栄子
第9話に登場。時計店「クロックルック」店主に成りすまし、購入者の時間を狂わせる時計を売り、時間に追われる人々のエナジーを店内の大時計で奪おうとした。大時計の中の時間がねじれた異空間にセーラームーンたちを誘い込み、エナジーを奪われたセーラームーンと時間を止められたセーラーマーキュリーの動きを封じ窮地に追い込むが、タキシード仮面に大時計を破壊されたことで能力を無力化され、エナジーを取り戻したセーラームーンに倒される。
名前の由来は「アラーム」のアナグラム
キガーン
声優 - 山田礼子
第10話に登場した、セーラーマーズが最初に戦った妖魔である。レイの祖父がナンパして火川神社に居ついていたジェダイトが送り込んだ妖魔で、バスの運転手に成りすまして、主に火川神社のお守りを購入した人間を操り、午後6時に「仙台坂上」バス停を出発したバスを次々異空間に送り込んでエナジーを集めていた。
名前の由来は神社の「祈願」から。
ムーリド
声優 - 原えりこ
第11話に登場。多数の行方不明者が発生していた遊園地「夢ランド」の動物管理人「ドリーム姫」として、手にしていたリンゴの果実で動物を操る他、園内施設「お菓子の家」に入った来場者からまとめてエナジーを奪おうとした。ドリーム姫の首が一旦胴体に引っ込み、再び突き出すことで本性を現す。ムーリドの顔は腹話術の人形と近似したものとなっている。
幻覚を生み出すことによってセーラームーンたちを翻弄したが、セーラーマーズに「悪霊退散」のお札を貼られて動きを封じられ、マーズのファイアーソウルとセーラームーンのムーンティアラアクションの合体技を受けて倒される。
名前の由来は「ドリーム」のアナグラム。ジェダイト妖魔群最後の妖魔となった。

ネフライト直属妖魔群

ネフライトは占星術によって厳選した人間の持ち物に配下の妖魔を魔の紋章に変化させて取り憑かせ、所有者のエナジーを極限まで高め、根こそぎ奪う作戦を行った。憑かれた対象は人格に変調を来し、目的に対して偏執的になる。対象のエナジーレベルがピークに達した時、ネフライトの指令によって妖魔が実体化する。

ネフライトは不特定多数の人間から大量のエナジーを奪うジェダイトの作戦を蔑んでいたが、一度も成功していない(ただし、第19話でイレギュラーにより大量のエナジーを得ている)。第22話ではネフライトが対象となった人間を操るために分身を出現させ、ダイアモンド国王女と大阪なるに憑依している。憑依された対象は肌の色が紫色になるが、ここでは妖魔ではなくあくまでも「ネフライトの分身」とする。

テスニー
声優 - 阿部道子
第14話に登場。ネフライトが最初に送り込んだ妖魔。西園寺瑠衣のテニスラケットに潜む。セーラームーンをテニスボールに変化させて翻弄したほか、手にしたラケットによって暴風を起こす。
名前は「テニス」のアナグラム。
ペタソス
声優 - 上村典子
第15話に登場。再開発工事によって閉鎖の途上にあった公園を管理している国立の帽子に、ネフライトが自然の大切さと自然を破壊する人間に対する怒りを説きつつ潜ませた妖魔。動植物や昆虫を操って攻撃を仕掛けるほか、「ハンドフラワー」を手から出して攻撃する。
名前は古代ギリシア人が被っていた山が低く鍔が広い帽子の名称で、ギリシア神話ではヘルメスの翼の付いた帽子から。
ウィドウ
声優 - 三田ゆう子
第16話に登場。結婚を間近に控えて「手作りウエディングドレスコンテスト」にエントリーしていた十番中学校の家庭科教師秋山ヒグレが選んだ生地に潜んだ。外見は女性と同化したクモで、口から糸を吐き出して攻撃する。
名前の由来はゴケグモ類の英名「Widow Spider」から。
キャメラン
声優 - 大野由佳
第17話に登場。中学生カメラマンの篠川貴人が愛用する一眼レフカメラに潜んだ。撮影されたモデルを写真に封じ込める。実体化後は右手の掌にある眼で対象を撮影し、セーラーマーキュリーとセーラーマーズの必殺技を破り、写真に封じ込めたが、壁が鏡張りであることを見抜いたセーラームーンの咄嗟の判断によって自らを撮影してしまい致命的なダメージを受け、最後はセーラームーンに倒された。
ジュモー
声優 - 篠原恵美
第18話に登場。月野進悟のガールフレンドで、母子共にフランス人形作家である香山みかがネフライトからの依頼によって作った10体のフランス人形に潜んだ妖魔。10体が完成したときに香山みかのエナジーレベルがピークに達して出現した。全身が球体関節人形の関節部を取り除いたような姿で、全身のパーツをバラバラにして飛ばすことによって攻撃する。セーラーマーキュリーによって右足が弱点であることをサーチされて倒された。首からはネフライトの紋章をペンダントとして身に着けている。
名前の由来は19世紀フランスビスク・ドール工房である「ジュモー」から。
レグルス
第19話に登場。プラネタリウムの獅子座から誕生したライオンそのものの姿をした妖魔。しかしこれは幻覚であり、他の妖魔とは違い、ムーンティアラアクションが通じなかった(ただし、タキシード仮面が投げたバラの攻撃は受けている)。
カストル&ポルクス
声優 - 平松晶子、大野由佳
第21話に登場。スタジオダイブのアニメーター(原画担当)の松野浩美が、友人である只下和子とアニメーターになったときに手に入れた「約束の鉛筆」に潜んだ妖魔。双子のように強い友情で結ばれた「最強の妖魔」と呼ばれ、セーラーマーズの「ファイアーソウル」やセーラーマーキュリーの「シャボンスプレー」といった技を模倣して攻撃したが、友情は意外に脆く、どちらがセーラー戦士に止めを刺すかで内輪揉めが生じ、結局ムーンティアラアクションとシャボンスプレーとファイアーソウルの合体技によって呆気なく倒された。
名前の由来はギリシャ神話に登場する双子の兄弟「カストルとポルクス」から。余談ながら、この回の内容は当時セーラームーンを製作していたスタジオ・ライブがモデルとなっており、作画監督であった只野和子や松下浩美がそれぞれ「只下和子」、「松野浩美」のモデルとなっている(但しアニメでは捻りが加えてあり、実際の松下浩美は男性である)。ネフライト妖魔群最後の妖魔。

ゾイサイト直属妖魔群

ゾイサイト配下の妖魔はスパイ活動を得意とし、ネフライト存命時に暗躍した。ゾイサイトの目的が『幻の銀水晶』の捜索であった為にエナジー集めは行われていない。

ヤシャ
声優 - 上村典子
第23話に登場するゾイサイト直属の妖魔で、ネフライトを監視するために送り込まれた。普段は能面(小面の面)を被った能楽者のような姿をしているが、本性は夜叉そのものになる。
グレープ&スズラン&ホウセンカ
声優 - 高木早苗、潘恵子、佐藤智恵
第24話に登場するゾイサイト直属の三人の女性妖魔。ネフライトを陥れようと企むゾイサイトの命令を受け、なるを人質にとってネフライトをおびき出すが奪い返され、その場でネフライトを倒すのに失敗する。その後は逃げたなるとネフライトに追いつき、ネフライトに死ぬまでエナジーを吸い取る棘を打ち込み致命傷を負わせたが、最後は駆けつけたセーラームーンによって倒された。
グレープの攻撃は先述の棘、ホウセンカは小型の爆弾を投擲、スズランは両手の鈴から「鈴乱れの音」を発して相手を苦しめる三者三様の攻撃を行うが、個人個人の攻撃力はそれほど高くは無い。

テレビアニメ版(後期)

セーラージュピター登場以降のゾイサイトは前世に妖魔であった存在に施された虹水晶の封印を解いて復活した最強妖魔七人衆を配下にして、セーラー戦士と戦わせた。この段階で虹水晶の奪取と回収がゾイサイトの目的に加わるが、エナジー集めは行われていない。虹水晶が全て出た後、手違いによって一度だけ普通の人間を妖魔にしている。

クンツァイトはゾイサイトに引き続き、普通の人間を素体として妖魔を創って配下とした。同時に『幻の銀水晶』を回収することが目的だが、エナジー集めは行わない。

アカン
声優 - 里内信夫
第32話に登場。生体アーマーを纏った姿の怪人。正体は遊園地のヒーローショーに出演していた主役の「レッドマン」。ゾイサイトが大阪なるを妖魔にすべく改良された黒水晶から妖魔化光線を放った際、光線がなるから外れたことで運悪く光線が命中して妖魔化してしまった。マリモを投げて攻撃する。名前の由来もマリモが産出される「阿寒湖」から。
スーパーファミコンのベルトスクロール版TVゲームとメガドライブ版TVゲームではザコ敵として登場し、マリモを投げるかわりにパンチ攻撃を行う。
ミツアーミ
声優 - 片石千春
第36話に登場。クンツァイトに操られていた美容師のカリコ床山と、ヘアサロンの従業員の6人が合体した妖魔。三つ編みが4本のヘアスタイルが特徴で、他にも体の随所に鋏などの美容器具が見られる。右手が電動バリカンとなったバリカンアームで攻撃する。この時クンツァイトはセーラー戦士との戦いの中でセーラームーン(月野うさぎ)の頭髪を手に入れ、持ち主を特定するためにヘアサロンを罠に利用したが、愛野美奈子の頭髪の中にうさぎの頭髪が混じっていたために、美奈子をセーラームーンの正体と勘違いしたカリコ床山に襲撃されている。
シャコウカイ
声優 - 川浪葉子
第37話に登場。体の一部がシャコガイになった貴婦人風の怪人。正体はクンツァイトによって妖魔化したローズ夫人。ダンス教室を使ってセーラームーンをおびき出そうとしたが、見事に失敗した。相手をによって固める技を使う。蝋攻撃は強力であり、ファイヤーソウルとクレッセントビームも通用しない。セーラー戦士との戦いの最中に現れたクンツァイトと、洗脳されていたタキシード仮面が作戦について対立して板挟みとなり、困惑する一面がある。名前は「シャコガイ」と「社交界」のダブルミーニングによる駄洒落
スーパーファミコンのRPG版TVゲームではザコ敵として登場する。
ブリザー
声優 - 佐々木優子
第38話に登場。体に雪だるまを付けた怪人。正体はクンツァイトによって妖魔化した山本冴子。雪崩吹雪を操る能力を持つほか、感情によって雪だるまの表情が変化する特徴を持つ。「ムーン・プリンセスコンテスト」を開催し、プリンセスであるうさぎをおびき出そうとしたが一緒に参加していた火野レイの身体能力から、彼女がセーラームーンなのではないかと勘違いしていた。名前の由来は「ブリザード」。
スーパーファミコンのRPG版TVゲームではザコ敵として登場する。
ゾイリンゲラー
声優 - 山崎和佳奈塩屋翼
第39話に登場した2人組の妖魔。正体はクンツァイトによって妖魔化されていた男女のフィギュアスケート金メダリストペア・ジャネリン&ミーシャ。ジャネリンの名前の由来はジャネット・リンから。
パピオン
声優 - 三田ゆう子
第42話に登場。のような姿をした怪人。正体はクンツァイトによって妖魔化したカタリナ。蝶を操ったり、右手を巨大なのように変形させて攻撃する。カタリナが愛野美奈子の動きを知り尽くしていたため、セーラーヴィーナスとして立ち向かった美奈子を苦しめたが、ムーンとヴィーナスの作戦にかかって動きが止まったところにムーン・ヒーリング・エスカレーションを受けて浄化される。
セーラーVに倒された妖魔
声優 - 高戸靖広
第42話の美奈子の回想に登場した妖魔で、カタリナが追っていた男性が変身した。右手はナイフ状の刃物[30]になっていて、両肩に棘を生やした緑色の悪魔のような姿をしている。最後はセーラーVのキックで倒された。
オニワバンダナ
声優 - 遠藤みやこ
第43話に登場。頭にバンダナを巻いた女お庭番風の怪人。正体はクンツァイトによって妖魔化した雑誌記者の朝比奈ナナ。セーラー戦士たちの仲たがい[31]に関して調査した。忍者がモデル故か、手裏剣や分身の術が得意。また、頭に巻いたバンダナによる拘束技も使う。語尾に何故か「バンバン」と付ける口癖がある。他の妖魔は容姿に何らかの形で怪物的な要素を含んでいるが彼女だけは殆ど人間と変わらない姿をしており、行動中にその姿を目撃したなるは単に「ドロボー」と呼んだ。
業務用ベルトスクロール型TVゲームではザコ敵として登場し、プレイディア版テレビゲーム『美少女戦士セーラームーンS クイズ対決! セーラーパワー結集!!』ではセーラーマーズにクイズを出題する敵として登場する。

最強妖魔七人衆

『幻の銀水晶』の力で封印され、転生した7体の妖魔。実力は他の妖魔たちとは一線を画する。その身に銀水晶の欠片である「虹水晶」を秘めており、抜き取られると前世の力が暴走して妖魔として復活してしまう。妖魔状態から元の人間に戻るには、戦いによるエナジー消費とセーラームーンの浄化技「ムーンヒーリングエスカレーション」の両方を必要とし、上手く通用すると「リフレーッシュ!!」と叫びながら浄化される。これによって人間に戻った彼らは虹水晶の力に依らずとも、妖魔化を防げる。

七人衆全員の力を一つに集めると『伝説の最強妖魔』が誕生する。最強妖魔そのものはアニメ中には登場せず、それを想起させる怪物の姿のみ登場している。そのため、クンツァイトによってレイの祖父(ジジ)以外の6体が黒水晶に閉じ込められたが、セーラーマーキュリーによって黒水晶は破壊されて6体は解放された。

数名は妖魔であった頃の能力の名残として、人間状態でも何らかの超能力を有する。この7体の風貌やモチーフに共通点は無く、ゲーセーンなどの人工物モチーフはジジなどの生物系モチーフに比べると人間状態との差が大きい。

ゲーセーン
声優 - 大倉正章
第25話に登場。クレーンの丈が赤色の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、アーケードゲームのクレーンゲームやモグラ叩きをモチーフとしている機械系の怪人。セーラージュピターが初めて対峙した妖魔である。攻撃時にはレトロゲームにありがちの電子音が鳴る。名前はゲームセンターの略称から。
TVゲーム版にも登場していて、スーパーファミコンで発売されたベルトスクロール版とRPG版、メガドライブで発売されたベルトスクロール版の3作品にザコ敵で登場する。
ボクシー
声優 - 梅津秀行
第26話に登場。牧師さんがオレンジの虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、猛禽の翼と足を持つボクサー姿の怪人。七人衆の中では彼のみ、顔に人間時の面影が残っている。ベルトの腹部側に装着したゴングを鳴らして戦闘をスタートさせる。装備しているグローブを飛ばして、ロケットパンチを放つ(呼称は「ラブリーパンチ」)。スタミナが3分しか持続しない弱点がある。普段は人間時と同様に英語まじりで喋るが、激昂すると名古屋弁が出る(声を担当した梅津が愛知県出身のため)。
第50話(『R』第4話)の遊園地のアトラクションのバーチャルシアターのシーンでカメオ登場している。
スーパーファミコンのRPG版TVゲームではザコ敵として登場し、PCエンジンのバラエティゲーム版ではレイのミニシアターのやられ役として登場する。
ブンボー
声優 - 太田真一郎
第27話に登場。浦和良が黄色の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、定規をデザインした薄緑のボディに両手がディバイダコンパスになっている文房具モチーフの怪物。巨大三角定規を手裏剣として用い、両手のディバイダとコンパスは分離して攻撃の武器となる。虹水晶を抜き取られた後も良の意識が残ったので一時はマーキュリーをかばってゾイサイトを攻撃するが、すぐさまゾイサイトの黒水晶によってその意識を奪われて巨大化し、更に凶暴化する。
ビーナ
声優 - 渕崎ゆり子
第28話に登場。夢野ユメミが緑色の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、天使のような姿をしている。自らの羽を羽筆に変化させて中空に絵を描き、それを実体化させる能力を持つ。羽を失うと攻撃が不可能となる。
リコウケイダー
声優 - 深見梨加
第29話に登場。西村レイカが青の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、左側を刈り込んだアシンメトリーな髪型で冷たい人相の怪人。名前の語源は「理工系だ」から来ている。うさぎを原生生物(単細胞)呼ばわりして見下した。攻撃の際にはフラスコなどを召喚する。セーラージュピターのシュープリームサンダーをフラスコに封じ込め、ピンチに追い込んだ。
ジジ
声優 - 西村知道
第30話に登場。火野宮司が藍色の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、狛犬のような小鬼。身軽で素早い動きを持ち、口から吹く突風と鋭い爪を武器とする。レイは変身せずに必死に肉親の情に訴えて元に戻そうとしたのだが、直前に情緒不安定で無茶ばかり言う祖父を叱りつけたのが影響していたのか、結局それは叶わなかった。しかし、レイの悪霊退散とムーンの浄化によりリフレッシュした。
第50話(『R』第4話)の遊園地のアトラクションのバーチャルシアターのシーンでカメオ登場している。
スーパーファミコンのベルトスクロール版とメガドライブ版TVゲームではザコ敵として登場する。
バケーネ
声優 - 安西正弘
第31話に登場。レッドバトラーが紫色の虹水晶を抜き取られて復活した妖魔で、巨大で豪奢な化け猫。設定上は妖魔七人衆の中で最強の力を持つとされ、チタン合金をも切り裂く鋭い爪を持つが、劇中では一切触れられていなかった。「バケーネ」という名前も劇中では出てこず、名前は関連書物などに掲載された設定資料などで明らかになった。
レッドバトラーがルナに対して思いを寄せていたためか、本来のレッドバトラーの意識が強く残存しており、河川敷の法面から転落しかけたルナを片手でキャッチして救うという、温和で非交戦的な一面を見せている。浄化される際「ニャフレーッシュ!!」と叫びながら浄化されている。
劇中ではセーラー戦士とのバトルは全く無かったが、ベルトスクロール型TVゲーム(スーパーファミコン版はエンジェル、業務用はバンプレストから発売された)ではステージボスとして登場する。

DDガールズ

第45話の最終決戦で登場したクイン・ベリル直属で作中最強の妖魔。北極Dポイントで最大限の力を発揮するため、本拠地の守りの要を担っていた。Dポイントにやってきたセーラー戦士を地の利を生かして圧倒するが、セーラー戦士4人の命を掛けた抵抗により相打ちとなった。また全員が妖精のような翼を生やした悪女で、触手を操る攻撃を披露している(なお、設定資料によると意外と柔らかいらしい)。

テレビアニメ当時、この5人と戦ったセーラー戦士たちが次々と死んでいくのを見て、そのショックで多くのファンが悲しみや怒りに打ち震えた。ラジオ福島大和田新は、娘が泣いているのを見てテレビ局に抗議の電話をしたという。余談だが、当時の作者は原作本新装版3巻での巻末にて「原作第1期のラストでそういう展開をしたかったが担当から止められた」と展開を肯定する趣旨の発言をしている。また、Viz Mediaの英語吹き替えでは、この5人と戦ったセーラー戦士たちが次々と死んでいく描写はあるが、DICの英語吹き替えでは、この描写はなかった。

名前の由来はC.C.ガールズから。TVゲーム版ではスーパーファミコンのRPG版とPCエンジンのアドベンチャー版に登場する。ミュージカルにも登場する。

DDガールズI(リーダー)
声優 - 川島千代子(EDクレジットに表記なし)
DDガールズのリーダー。片目を長い金髪で隠した青い肌の妖魔で、ひとりだけワンピース状の服を着ている(他の4人はビキニ)。必殺技のひとつである幻覚を自在に操るが(幻覚はマグマなど本物と同じ高エネルギー体として創り出すことが可能)、セーラーマーキュリーに幻覚の源である宝玉を見破られて破壊される。その後、セーラーマーズと死闘を繰り広げ、瀕死のセーラーマーズに触手をつかまれ、命を掛けた最後のファイヤーソウルで灰になった。
DDガールズII(緑の将)
声優 - 佐藤麻子
動きが素早く、長身長髪で緑の肌を持つ妖魔。セーラーマーズを氷に閉じ込め、セーラームーンを襲おうとしたが、セーラーマーズが氷のなかから放ったファイヤーソウルを喰らって灰になった。
DDガールズIII(紅の将)
声優 - 中村尚子柿沼紫乃(カセットコレクション)
地中潜行状態からの攻撃が得意な、小柄でショートカットで大きな瞳を持つピンクの肌の妖魔。セーラーヴィーナスを地中に引きずりこんで追い詰めるが、彼女のクレッセントビームを眉間に直射されて消滅した。
DDガールズIV(紫の将)
声優 - 高木早苗[32]
放電攻撃を得意とする、紫の肌に灰色のソバージュ長髪の妖魔。触手で捕えたセーラージュピターに対して5人がかりの放電攻撃をしたが、もともと雷を扱うジュピターには効果が薄く、ジュピターの命懸けのシュープリームサンダーの前に逃げ遅れて消滅した。
DDガールズV(橙の将)
声優 - 篠原恵美(EDクレジットに表記なし)
放電攻撃を得意とする黒っぽいオレンジの肌に土色の長髪の妖魔。DDガールズIVとともにセーラージュピターの命懸けの攻撃に逃げ遅れて消滅した。

ゲーム

ムチムチ
スーパーファミコンのベルトスクロール版に登場するザコ敵。ムチを所持した女性の姿をしている。2面のみ登場する。
ヒラヒラ
スーパーファミコンのベルトスクロール版に登場するザコ敵。小柄な体格の道化師のような風貌の怪人。
ゴロゴロ
スーパーファミコンのベルトスクロール版とメガドライブ版TVゲームに登場するザコ敵。太ったピエロのような風貌の怪人。
覆面男[33]
業務用ベルトスクロール型TVゲームに登場するザコ敵。覆面を被った男性の姿をしている。5面のみ登場する。

その他

花嫁マネキンの妖魔(仮名)[34]
声優 - 浅野真澄(新作アニメCrystal)
原作と新作アニメCrystalのAct5に登場。原作では単にネフライトの影が花嫁のマネキンに乗り移った存在でしかなかった。新作アニメCrystalではネフライトと共にセーラー戦士たちを急襲するが、覚醒したセーラージュピターに倒された。
マネギン
ミュージカル作品『外伝 ダーク・キングダム復活編』とメガドライブ版TVゲームに登場する。ミュージカル作品では桜田春菜に変装してセーラー戦士たちを罠にハメようとした。ベルトスクロール版TVゲームの1面ではステージボスとして登場するが、後の面ではザコ敵として登場する。
インストラクターA,B,C
声優 - 増田有宏小林俊夫真地勇志
テレビアニメ版の第4話に登場。この3人は妖魔ではなく、ジェダイトによって取り付けられた頭部のリングによって操られていた人間であり、セーラームーンが放ったムーンティアラアクションによって装着していたリングを破壊されると正気を取り戻している。ジェダイトに操られていた間は目が黄色く黒目が無い状態になっている。エナジーはエステサロン(ジム)に設けられたジェダイトが仕掛けたカプセルによって集めていた。

ダーク・エージェンシー(Aベックス)

本作の前日談である『コードネームはセーラーV』に登場するダーク・キングダム直属の芸能会社。後に「Aベックス」(エースベックス、エイベックスのパロディ)と会社名称を変更する。詳しくはダーク・エージェンシーを参照。

脚注

  1. ^ 初登場時のクレジットは大いなる支配者
  2. ^ テレビアニメでは魔導士と言われていた。
  3. ^ フィルムコミック版での記述。
  4. ^ a b c d e f g h i 新装版ではAct14(Act11が2分割されており、話数カウントが1つ後ろにずれるため)。
  5. ^ 「原画集∞」
  6. ^ ジェダイトとネフライトは登場しない。
  7. ^ a b c d 『美少女戦士セーラームーン 設定資料集』 ISBN 978-4-06-324521-9
  8. ^ アニメ13話で勝利を確信した際など、人間への蔑視の激しさを見せた。
  9. ^ 1話、自ら志願して任についた。人間界に常駐はしなかったものの、度々変装して人間界に赴き、直接作戦を指揮し成功させたこともある。
  10. ^ 3話ではムーンティアラアクションを無効化し、4話では直接攻撃をシールドで防ぎセーラームーンに対して攻勢に出、6話では妖力で数十台のスクラップ化したテレビの機能を復活させてキュレネとの連絡に用い、最後通告を受けたキュレネは恐怖していた。12話では人間への変身能力と気弾を使用、変装したうさぎに危機感を感じるなど直感の鋭さも発揮し、3人のセーラー戦士を腕を上げたと評するなど余裕を持っていた。処刑された13話においても巨大な幻影を作り出す幻術、大量の泥人形を生み出し自由に操る、電撃を使用する、ジャンボジェットを操るといった妖力を見せ、ジャンボジェットを操りつつ3人のセーラー戦士と互角に戦い、タキシード仮面と撃ち合い一撃で海中に沈める格闘能力を発揮した。術に対する抵抗力も高く、マーズのお札を貼られ術の制御を失った後でも行動不能にならず、ムーンティアラアクションを回避し転移の術を使用することができた。また、転移の術にも多数のバリエーションを持つ。
  11. ^ 原作でも、マーキュリーが繰り出した霧の目くらましを凍結させ、氷の粒に変えて落とすことで無効化している。
  12. ^ 原作ではAct3より登場(テレビアニメ版ではベリルの指名により13話で初登場)。
  13. ^ 19話では処刑直前となっていながら傲然とした態度を取り続けている。
  14. ^ 「星は何でも知っている」という決め台詞を使用していた。
  15. ^ 13話予告編ではルナに「ジェダイトを遥かに超える妖気」と評された。妖魔スズランの鈴乱れの音色がほとんど効かないなど抵抗力も非常に高い。
  16. ^ PCエンジン版ゲームのオープニングでは再生DDガールズを一人で全滅させた。
  17. ^ フランス人形の目利きを行うなど骨董商として実際に活動していたことを匂わせる描写もある。
  18. ^ なるの方は14話で出会ったときから彼に魅かれていた。
  19. ^ 初登場はAct3(テレビアニメ版では第14話)。
  20. ^ 海外の放映では女性となっていることもある。
  21. ^ テレビアニメ第29話ではクンツァイトが虹水晶の持ち主である西村レイカに対して美しいと言ったときは、嫉妬と思われるような感情を出していた。
  22. ^ 全く成果は上がっておらず、ネフライト、ベリルからそのことを指摘されている。
  23. ^ 22話では典雅な言葉遣いを見せた。
  24. ^ クンツァイト、ネフライトのようにベリルに憎悪を向けたり傲然と振る舞うこともなく、ジェダイトのように悔しさを露わにすることもせず、ベリルの威に圧倒されていた。
  25. ^ 花霞に溶け込む転移の術、ネフライトの本拠地である洋館にも繋げる幻術を利用した通信、氷柱攻撃、火炎攻撃、全くの別人(偽セーラームーン)への変身など多数の術を操る。しかし妖魔を魔の紋章に変身させたり、黒水晶を作り出すといった大技は見せていない。
  26. ^ テレビアニメ・新作アニメCrystalでは襟元を更に大きく寛げており、首元の肌が露になっている。他の3人はいずれも軍服の襟元はきっちり閉めており、マントは無く足元はロングブーツを履いている。
  27. ^ 複数の人間を合体させて一体の妖魔にする、攻撃能力を持った巨大な幻影を作り出す、敵を異界へ飛ばす、スターライトタワーを魔界化する、ゾイサイトへの手向けに幻術世界を作り出すなどの魔力、威力のある飛び道具を操る戦闘力、普通の人間を強力な妖魔に変化させる、複数人を同時に妖魔化させるなど強大。
  28. ^ 作戦成功の場合、ジェダイトによってクイン・ベリルの黒水晶に注ぎ込まれ大いなる支配者に捧げられる。
  29. ^ クレジットでは「小林早苗」と誤表記
  30. ^ これは人間時に持っていたナイフが体の一部になったもの。
  31. ^ 実はセーラー戦士たちの仕組んだ芝居。
  32. ^ 同話でうさぎの母・育子がわずかで喋るシーンがあるが共にノンクレジットである。
  33. ^ ゲーメスト』No.145より。
  34. ^ クレジットでは単に「花嫁」と表記。