ダイハツ・K3型エンジン

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ダイハツ・K3型エンジン
K3-VE
生産拠点 ダイハツ工業
アストラ・ダイハツ・モーター
(アストラ・トヨタ・モーター)
製造期間 2000年4月 - 2021年10月
タイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
排気量 1.3L
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ダイハツ・K3型エンジンは、ダイハツ工業、およびインドネシアのアストラ・ダイハツ・モーター(アストラ・トヨタ・モーター)がかつて製造していた鋳鉄ブロックを用いた水冷直列4気筒ガソリンエンジンの系列である。

概要[編集]

2000年5月ストーリア、およびそのOEM車のトヨタ・デュエットに搭載されたのが初出。

水冷直列4気筒DOHC16バルブ。排気量は1.3 L のみのラインナップとなる。ダイハツが開発・生産を担当したトヨタ向けガソリンエンジン、SZ型からの派生型であり、同じ1.3 L の2SZ-FEとはクランクシャフトを共有する兄弟機であるが、シリンダーヘッドシリンダーブロックはそれぞれ別のものを使用しており、SZ型と同様のフロントへの横置きだけでなく、ダイハツ車のラインナップに合わせ、フロントへの縦置きキャブオーバー型車への搭載も考慮された設計となっている。

K3型を含むSZ系列の鋳鉄製シリンダーブロックは、ボアピッチ78 mm、クローズドデッキ構造で、鋳型常温触媒ガスによって硬化させる熱歪みの少ない鋳造技術(コールドボックス法)を用い、公差を縮小することでボア付近をも3 mm まで薄肉化するなどにより小型軽量化を実現している。

なお、2021年(令和3年)9月現在の時点において日本国外向け専用のK3-DEのみ、インドネシア(アストラ・ダイハツ・モーター)で現地製造されていたが同年11月、同社のセニアが3代目にフルモデルチェンジしたのに伴い、名実共にK3型エンジンは製造終了となった。

派生[編集]

K3-VEをベースに排気量を1.5Lにアップした3SZ-VE(海外向けはKSZ-VE)、K3-VETをベースに排気量を1.0LにダウンしたKJ-VETが存在する。

系譜[編集]

バリエーション[編集]

K3-DE[編集]

DOHC16バルブ・EFI・NA

  • 排気量:1.297 L
  • ボア×ストローク:72.0×79.7 (mm)
  • 圧縮比:10.0
  • 出力:66 kw (88 PS) / 6,000 rpm
  • トルク:114 Nm (11.7 kgm) / 4,400 rpm

<搭載車種>

K3-VE[編集]

DVVT[1]付DOHC16バルブ・EFI・NA

  • 排気量:1.297 L
  • ボア×ストローク:72.0×79.7 (mm)
  • 圧縮比:10.0
  • 出力:68 kw (90 PS) / 6,000 rpm(bB・クー・デックス、ブーン・パッソおよびセニアは92 PS)
  • トルク:123 Nm (12.6 kgm) / 4,400 rpm(bB・クー・デックスおよびブーン・パッソは12.5 kgm、セニアは11.9 kgm)

<搭載車種>

K3-VE2[編集]

DVVT付DOHC16バルブ・EFI・NA

  • 排気量:1.297 L
  • ボア×ストローク:72.0×79.7 (mm)
  • 圧縮比:11.0
  • 出力:81 kw (110 PS) / 7,000 rpm
  • トルク:126 Nm (12.8 kgm) / 4,400 rpm
  • 無鉛プレミアムガソリン仕様

<搭載車種>

K3-VET[編集]

DVVT付DOHC16バルブ・EFI・インタークーラーターボ

  • 排気量:1.297 L
  • ボア×ストローク:72.0×79.7 (mm)
  • 圧縮比:8.5
  • 出力:103 kw (140 PS) / 6,400 rpm
  • トルク:177 Nm (18.0 kgm) / 3,200 rpm

<搭載車種>

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ トヨタ向けはVVT-i。スバル向けは特に表記なし(同社のAVCS相当)。