タイタニック (1997年の映画)
タイタニック | |
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Titanic | |
監督 | ジェームズ・キャメロン |
脚本 | ジェームズ・キャメロン |
製作 |
ジェームズ・キャメロン ジョン・ランドー |
製作総指揮 | レイ・サンキーニ |
出演者 |
レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット |
音楽 | ジェームズ・ホーナー |
主題歌 |
セリーヌ・ディオン 「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」 |
撮影 | ラッセル・カーペンター |
編集 |
ジェームズ・キャメロン コンラッド・バフ リチャード・A・ハリス |
製作会社 | ライトストーム・エンターテインメント |
配給 |
パラマウント映画 20世紀フォックス |
公開 |
1997年12月19日 1997年12月20日 2012年4月4日(3D版) 2012年4月7日(3D版) |
上映時間 | 194分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 |
$286,000,000[1] ※2013年7月時点での映画製作費歴代2位[2] |
興行収入 |
$658,532,551[1] $2,185,232,551[1] |
『タイタニック』(原題:Titanic)は、ジェームズ・キャメロン監督・脚本による1997年のアメリカ映画。
概要
1912年に実際に起きた英国客船タイタニック号沈没事故を基に、貧しい青年と上流階級の娘の悲恋を描いている。主にSFアクション映画を手掛けてきたキャメロン監督が、一転して挑んだラブロマンス大作である。ストーリーはタイタニック号沈没の史実を交えて展開する。前半のラブストーリーから一転して、後半ではパニック映画さながらの緊迫感のある展開で、ラストは悲劇的な別れとなる恋人たちを描いた、優れたストーリーが話題となった。
主演はレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット。配給は北米がパラマウント映画、日本を含む他国は20世紀フォックスが配給。全米で6億ドル、日本で興収記録262億円(配給収入160億円)[3]、全世界で18億3500万ドルと、同監督の『アバター』に抜かれるまで映画史上最高の世界興行収入を記録し、ギネスブックに登録されていた。
1998年のアカデミー賞において、作品賞、監督賞、撮影賞、主題歌賞、音楽賞、衣裳デザイン賞、視覚効果賞、音響効果賞、音響賞、編集賞の11部門で受賞した。また、セリーヌ・ディオンが歌う主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」も大ヒットした[4] 。
ストーリー
タイタニック号が沈没してから84年後の1996年。トレジャー・ハンターのブロック・ロベットらはタイタニックと共に沈んだとされる最高峰のダイアモンド「碧洋のハート」の在り処を探るべく、小型潜水艇を用い深海のタイタニックの調査を行っていた。そして、上流階級女性が搭乗していたと思われる1等客室の部屋から一つの金庫を発見する。歓喜に包まれる調査団は金庫の中をこじ開けたものの、あったのは彼らが探していた宝石ではなく、古ぼけた紙切れだった。
しかし、その紙切れを綺麗に洗い直すと裸体の女性が浮かび上がり、その胸には「碧洋のハート」らしきダイヤを身に着けていたのだった。この一枚の絵画の発見をブロックはテレビで堂々と報じ、その放送を見たある老女は驚きを隠せずにはいられなかった。そしてブロックに一本の電話が入った。その声の主はなんと沈没事故から奇跡的に生還し、今では100歳を超えるその絵のモデルだった。ブロックと連絡を取り合った女性は孫娘ともども調査団の船に訪れ、静かにあの豪華客船の中で起こった知られざる話を語り始める。
1912年4月10日、イギリスのサウサンプトン港から当時史上最大の豪華客船タイタニックはニューヨークへと向けた処女航海へと出発した。上流階級の令嬢だったローズ・デウィット・ブケイターは、その婚約者のキャルドン・ホックリーと未亡人となった母と共にタイタニックへと乗船するが、半ば強制された婚約に気分は晴れないでいた。ブケイター家は破産寸前で母親がホックリー家の財産を目当てにした結婚を強制したのである。一方、貧しい青年ジャック・ドーソンは、出港直前にポーカーで船のチケットを手に入れ、友人のイタリア青年ファブリッツィオと共にタイタニックに乗船する。
午後0時00分、正午きっかりにタイタニックは数多くの見物人や見送りの人々の歓声に包まれてサウサンプトンを後にする。故郷であるアメリカに帰れることになった画家志望のジャックは、政略結婚のためにアメリカに向かうイギリスの上流階級の娘ローズと運命的な出会いを果たし、2人は身分や境遇をも越えて互いに惹かれ合う。船首でひとり海を眺めているジャックにローズが近づいてきて申し開きをしようとするが、ジャックが彼女の眼を閉じ、手すりの上に導き、両腕を広げさせ、背後から彼女の体を支える。ローズが眼を開くと、大海原が広がっていた。「私、空を飛んでいるわ」とローズ[5]。
しかし、航海半ばの4月14日午後11時40分、波一つない水平線の向こうに、見張り員はぼんやりとたたずむ白い影を発見する。それはタイタニックの針路に横たわる巨大な氷山の姿だった。「針路正面に氷山!!」。見張員から直進すると氷山に衝突すると報告を受け、当直士官(船長に代わって船を指揮する士官)のマードック一等航海士は「取舵一杯[6]、後進全速」の号令をかけたが、衝突を回避することは出来ず、タイタニックは氷山の横を擦るように衝突してしまう。
マードックは直ちに防水扉を作動させ、船内への浸水を抑えることには成功したが、それは完全ではなく、船はゆっくりだが確実に沈み始める。船員達は乗客を避難させようと、救命ボートを降ろすが、不沈神話を過信していたが故に規定より大幅に少ない数の救命ボートしか無く、徐々に船内は混乱を極めていく・・・。ジャックはローズに救命ボートで避難するように言うが、ローズはジャックと離れようとしない。二人は、何とか生き延びようと沈没するタイタニック号から離れるが、真冬の海の冷たさが二人の命を蝕んでいく。 救命ボートの助けを待つが、ジャックはローズに何があっても生き延びることを諦めないように言い含めて息絶えてしまう。ローズは冷たくなってしまったジャックを泣きながら海に葬り、救助のために戻ってきた救命ボートに助けられる。そしてローズは「ローズ・ドーソン」を名乗り今まで生きてきたことを語り終える。
壮絶な人生を聞かされたロベットは、宝にしか目をむけていな自分を恥じた。その夜、ローズは隠し持っていた「碧洋のハート」を海へと捨てる。眠りにつくと、タイタニックの中でジャックと再会する夢を見る。
スタッフ
- 監督:ジェームズ・キャメロン
- 製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
- 製作総指揮: レイ・サンキーニ
- 脚本:ジェームズ・キャメロン
- 撮影:ラッセル・カーペンター
- 美術:ピーター・ラモント
- 編集:コンラッド・バフ、ジェームズ・キャメロン、リチャード・A・ハリス
- 音楽:ジェームズ・ホーナー
- 衣装:デボラ・リン・スコット
- 主題歌:「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」セリーヌ・ディオン
- VFX&CGI:デジタル・ドメイン インダストリアル・ライト&マジック、シネサイト、VIFX、POP・フィルム・カンパニー、4ワード・プロダクション、ハイドラックス、マットワールド・デジタル、パシフィック・フィルム・カンパニー、ディジ・スコープ、ペルペチュアル・モーション・ピクチャーズ、リズム&ヒューズ・スタジオ
- VFXスーパーバイザー:ロバート・レガート
- 提供:ライトストーム・エンターテインメント、パラマウント、20世紀フォックス
キャスト
架空の人物
1912年の人物
- ジャック・ドーソン Jack Dawson:レオナルド・ディカプリオ
- アメリカ合衆国ウィスコンシン州出身。資金を稼ぎながら世界を旅する若者。ポーカーでタイタニック号の切符を手に入れ、タイタニックに乗船。そこでローズと出会う。
- ローズ・デウィット・ブケイター Rose Dewitt Bukater:ケイト・ウィンスレット
- 本編の主人公で1996年から84年前の若きローズ。家が破産寸前のため母に言われるがままに政略結婚を強要され、決められた人生に絶望していた。世界一の豪華客船タイタニックも彼女にとっては奴隷船同然であり、自殺を試みる。しかし、そこでジャックと出会う。当時無名だったピカソやモネの才能を見抜く慧眼の持ち主であり、フロイトの研究を知っているなど博学である。
- キャルドン・ホックリー Caledon Hockley:ビリー・ゼイン
- ローズの婚約者。アメリカの大富豪の御曹司。劇中ではキャルと呼ばれることが多い。心より物や金で人を動かそうとする傾向にある。ローズを心から愛してはいたものの、ローズを自らの飾り物のように扱うため、彼女の心は離れていく。
- スパイサー・ラブジョイ Spicer Lovejoy:デビッド・ワーナー
- キャルドン・ホックリーの執事。キャルから与えられた命令を、淡々と、かつ冷酷にこなす。元刑事ということもあり拳銃(豪華な装飾が施された銀色のコルト・ガバメントM1911)を所持している。
- ルース・デウィット・ブケイター Ruth Dewitt Bukater:フランシス・フィッシャー
- ローズの母。裕福な上流階級を装うが実際の家計は火の車であり、破産の危機から脱出する為、ローズにキャルドン・ホックリーとの結婚を強要する。ストーリーの随所で、ジャックに代表される庶民(三等船客)を見下す言動を行う。
- ファブリッツィオ・デ・ロッシ Fabrizio De Rossi:ダニー・ヌッチ
- イタリア人。ジャックの友人でタイタニックの切符を手に入れ、タイタニックに乗船する。映画ではカットされたが、ヘルガというノルウェー人女性と出会い惹かれあう。
- トーマス・"トミー"・ライアン Thomas "Tommy" Ryan:ジェイソン・ベリー
- アイルランド人。タイタニックでジャックとファブリッツィオに出会い、2人にとって頼もしい存在となる。
- トゥルーディ・ボルト Trudy Bolt:エイミー・ガイバ
- ローズの身の回りの世話をする若いメイド。
1996年の人物
- ブロック・ロベット Brock Lovett:ビル・パクストン
- トレジャー・ハンター。表向きは新型の無人潜水艇を導入してタイタニックの研究を行ってると言っているが、タイタニックに眠るとされる『碧洋のハート』(The Heart of the Ocean )を狙って沈没したタイタニックを探索している。
- Mrs.カルバート Rose Dawson Calvert:グロリア・スチュアート
- 1912年から84年後の1996年のローズ。101歳。碧洋のハートの事を知っている唯一の生存者としてロベットに呼び出される。この『タイタニック』の物語は彼女の回想で幕を上げる。
- 話を終えた後は、眠りにつき時計がある大階段を白いウェディングドレスを着た若い頃のローズがジャックの元に行き、その周りではタイタニック号で亡くなった人物が祝福の拍手をしているシーンで終わる。これは亡くなりジャック達がいる天国に行った、単に見た夢という二つの説があり、メイキングやDVDのオーディオコメンタリーで監督のキャメロンは「観た人それぞれで解釈してほしい」と発言している。
- リジー・カルバート Lizzy Calvert:スージー・エイミス
- ローズ(ミセス・カルバート)の孫娘。
- ルイス・ボーディーンLewis Bodine:ルイス・アバナシー
- ロベットの相棒のトレジャーハンター。当初ローズの事を世間の注目を浴びたい婆さんだと信用してなかった。
- ちなみに演じているアバナシーは俳優ではなく、タイタニックを研究している海洋学者だが、彼自身をモデルにキャメロンが脚本を書いて素で演じて欲しいと頼み、「作品をぶち壊してもいいなら出演する」と演技を任したという。
実在の人物
- マーガレット・“モリー”・ブラウン Margaret "Molly" Brown:キャシー・ベイツ
- タイタニックの一等船客の1人で、新興成金。上流階級である他の一等船客からは成り上がり者として見下されているが、実力で成功をつかんだ彼女は平然と受け流している。貧乏人であるジャックが上流階級のパーティに出席する際に、彼女は息子の礼服を貸し出したり食事のマナーを耳打ちしたりしてジャックを陰から支える。タイタニック沈没の時に救命ボート上で救助のため引き返すのを主張した乗客は彼女だけだった。1996年のローズが彼女を「後に不沈のモリー・ブラウンと呼ばれる」と説明している。
- E・J・スミス船長 Captain E・J Smith:バーナード・ヒル
- タイタニック号の船長。定年を間近に控えており、タイタニックの処女航海が最後の務めだった。船長として経験豊富な為、世間からも信頼も厚く、億万長者たちに人気の船長で、彼の船に乗るために旅のスケジュールを変更した人もいるほど。他船から氷山の警告を受けていたが、よくあることと判断して、船のスピードを落とすことはしなかった(史実では、氷山の多い海域を避けるために進路を南寄りに変更したが、氷山群は彼の予想以上に南下していた)。劇中では触れられていないが、オリンピック号(タイタニック号の姉妹船)の船長時代にイギリス海軍の巡洋艦と衝突事故を起こしている。
- ブルース・イスメイ Bruce Ismay:ジョナサン・ハイド
- タイタニック号を建造したホワイト・スターライン社の社長で航海に同伴している。メディア向けのアピールの為に無謀な運転を船長に要求し、事故の引き金を作る。タイタニックの不沈伝説を信じ救命ボートを乗客より遥かに少ない人数の分しか乗せていなかったり、救命ボートで乗客と一緒に脱出するなど、作中では責任者としての自覚が乏しい人物として描かれる。事故後、遺族への補償問題の対応に追われることになる。
- トーマス・アンドリュース Thomas Andrews:ヴィクター・ガーバー
- タイタニック号の設計主任。航海中も船の細かい所にまで徹底的に目を通すなど完璧主義者。またタイタニックが氷山に激突した際、タイタニックの末路を誰よりも早く察知した。定員に満たないうちにボートを出してしまう乗組員を注意したり、乗客に脱出を促すなど、思いやりがあり、ローズが心を許している人物。
- ワイルド 航海士長Chief Officer Wilde:マーク・リンゼイ・チャップマン
- タイタニック号の士官で、船長に次ぐナンバー2。衝突の直後、パニックを想定して船員に拳銃武装を指示する。沈没時も職務を全うして沈みゆく船内の乗客たちに避難誘導を行う。大勢の乗客と共に海に放り出された後も救命ボートを呼び戻そうと笛を吹き続けるも、救命ボートが到着した時は既に死亡していた。しかし、その後これがローズが助かるきっかけとなる。
- 一等航海士 マードック1st Officer Murdoch:ユアン・スチュワート
- タイタニック号の士官。タイタニック号が氷山に衝突した時に当直士官として船を指揮していた。キャルから救命ボートの席を確保するため「ビジネス」と称して賄賂を受け取るが、最終的には拒否。その後、救命ボートに殺到する乗客を鎮めるため拳銃で威嚇したが、それでも収まらず乗客2名を射殺してしまう。直後、上司のワイルド航海士長に敬礼し頭を撃って自決(この表現が公開後遺族から抗議を受けることとなった。詳細は後述)。
- 二等航海士 ライトラー2nd Officer Lightoller:ジョニーフィリップス
- タイタニック号の士官。氷山激突後、乗客の避難を率先して行った。救命ボートに乗客を定員より少なく乗せてアンドリュースに抗議されたり、パニックを抑えるために威嚇射撃をした(史実での目撃証言を反映している)。最終的には、沈没後に転覆したボートによじ登って生還する。
- 五等航海士 ハロルド・ロウ5th Officer Harold Lowe:ヨアン・グリフィズ
- タイタニック号の士官。沈没後に海に投げ出された乗員・乗客たちを救うために現場に戻った、唯一の救命ボートの指揮官。
- ベンジャミン・グッゲンハイムBenjamin Guggenheim:マイケル・エンサイン
- 一等船客。先祖代々続く鉱山業の子孫である貴族。沈没時救命具を着用することを勧められるも、「紳士たるもの死ぬ時も品格を失いたくない」と述べ、酒を飲みながら最期を迎える。
- ジョン・ジェイコブ・アスター大佐John Jacob Astor:エリック・ブレーデン
- 一等船客で船内で一番の大富豪。不動産の売買で富を拡大させる。妻と子供をボートに乗せた後、船内に残り最期を迎える。
- ウォレス・ハートリーWallace Henry Hartley:ジョナサン・エヴァンス=ジョーンズ
- タイタニックの楽指団のバンドマスター兼ヴァイオリニスト。タイタニック沈没時メンバーと共に乗客のパニックを抑えるために仲間と共に演奏を行う。作中では、船の沈没が加速化する中、沈没寸前まで賛美歌の『主よ御許に近づかん』を演奏した。
- イジドー・ストラウスIsidor Straus:ルー・ポルター
- 一等船客の老夫婦の夫。当時世界最大の百貨店のメイシーズの経営者。沈没時救命ボートに妻だけを乗せようとするが、妻は決して夫と離れないと覚悟を決めたことで、妻と共に客室ベッドで最期を迎える。
- アイダ・ストラウスIda Strauss:エルザ・レイブン
- 一等船客の老夫婦の婦人。沈没時救命ボートに夫が乗れないのを知り、夫と共に最期を迎えることを決めて、客室のベッドで夫に抱かれながら最期を迎える。
日本語吹替
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||||
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ソフト版 | フジテレビ旧版 | 日本テレビ版 | フジテレビ新版 | 機内上映版 | ||
ジャック・ドーソン | レオナルド・ディカプリオ | 松田洋治 | 妻夫木聡 | 石田彰 | 内田夕夜 | 草尾毅 |
ローズ・デウィット・ブケイター | ケイト・ウィンスレット | 日野由利加 | 竹内結子 | 冬馬由美 | 岡寛恵 | 藤貴子 |
キャルドン・ホックリー | ビリー・ゼイン | 山寺宏一 | 江原正士 | 堀之紀 | ||
ルース・デウィット・ブケイター | フランシス・フィッシャー | 小沢寿美恵 | 鈴木弘子 | |||
E・J・スミス船長 | バーナード・ヒル | 大木民夫 | 久米明 | |||
ブルース・イスメイ | ジョナサン・ハイド | 土師孝也 | 羽佐間道夫 | |||
スパイサー・ラブジョイ | デビッド・ワーナー | 青森伸 | 稲垣隆史 | |||
ファブリッツィオ・デ・ロッシ | ダニー・ヌッチ | 檀臣幸 | 鳥海勝美 | |||
ブロック・ロベット | ビル・パクストン | 石塚運昇 | 堀内賢雄 | |||
ミセス・カルバート | グロリア・スチュアート | 佐々木すみ江 | 京田尚子 | |||
トーマス・アンドリュース | ヴィクター・ガーバー | 納谷六朗 | 小川真司 | |||
リジー・カルバート | スージー・エイミス | 山像かおり | ||||
ルイス・ボーディーン | ルイス・アバナシー | 池田勝 | 岩崎ひろし | |||
トーマス・"トミー"・ライアン | ジェイソン・ベリー | 吉田孝 | 石野竜三 | |||
ワイルド 航海士長 | マーク・リンゼイ・チャップマン | 石塚運昇 | 宝亀克寿 | |||
二等航海士 ライトラー | ジョニーフィリップス | 家中宏 | ||||
五等航海士 ハロルド・ロウ | ヨアン・グリフィズ | 森田順平 | ||||
マーガレット・“モリー”・ブラウン | キャシー・ベイツ | 谷育子 | 小林幸子 | 一城みゆ希 | 小林幸子 | |
日本語版 | ||||||
翻訳 | 戸田奈津子 | たかしまちせこ | 松崎広幸 | |||
演出 | 蕨南勝之 | 小林守夫 |
- フジテレビ旧版 - 初放送2001年8月31日『金曜エンタテイメント』9月1日『ゴールデン洋画劇場』にて2回に分けて放送
- 日本テレビ版 - 初放送2003年6月27日/6月28日『金曜ロードショー』にて2回に分けて放送
- フジテレビ新版 - 初放送2004年10月2日『プレミアムステージ』にて全編一挙放送
作品の評価
同監督の『アバター』に抜かれるまで、映画史上最高の興行収入を記録した作品だが、公開初週の収入は3300万ドルとあまり高くはなく、ロングランヒットの作品であった。また3時間以上という上映時間は、一日当たりの上映回数が少なくなるため、興行的には極めて不利であり、その上でのこの記録の樹立は正に快挙と言える。
ちなみにこの映画を世界で最も長く上映したのは、ロシアのスヴェルドロフスク州の州都エカテリンブルクである。
2001年に日本のフジテレビにて放送された際には、8月31日に『金曜エンタテイメント』で放送された前編が34.5%(瞬間最高40.7%)、9月1日『ゴールデン洋画劇場』で放送された後編が35.4%(瞬間最高42.7%)の視聴率(ビデオリサーチ・関東地区調べ)を記録した[7]。
史実との違い
福音派の指導者ジェームス・ドブソンは、亡くなった男性は1339人、女性114人、子供56人だったと指摘し、男性が自己犠牲を払って愛の模範を示したタイタニックが「やもめたちの船」と呼ばれており、「女性、子供、信仰を持っていない人を優先的にボートに乗せるように言った」ジョン・ハーパー牧師ら男性の英雄的なエピソードがあるのに、それを一切無視して男性を臆病者のように描いたとして監督を批判している[8]。また、無断で海底の遺品を収拾する行為も広く行われ、一部の遺品は利益目的に販売されるなどされ、非難を集めている。
映画の中で一等航海士のウィリアム・マクマスター・マードック(en:William McMaster Murdoch)は、タイタニックが沈没に瀕した時に富裕な乗客から救命ボートに乗せる代償に賄賂を受け取り、パニックを起こした乗客を射殺してから自決した、不名誉な人物として描かれた。しかし生還した航海士や乗客は、「彼は最後の瞬間まで職務を遂行し亡くなった」と証言しており遺族からも抗議があった。20世紀フォックス社はマードックの遺族に謝罪し、故郷の高校に「ウィリアム・マクマスター・マードック記念賞」の基金として5,000ポンドを寄付した。ジェームズ・キャメロン監督もメイキングで「配慮が足りなかった」と語っている。
レオナルド・ディカプリオが演じた三等船客ジャック・ドーソンは架空の人物だが、犠牲者の中にジョセフ・ドーソンという客室係の同姓の人物がおり、映画のヒット後、墓碑に「J.ドーソン」と刻まれた彼の墓所を訪れるファンが多かったという。
タイタニック号は出港前に、通常多くの客船がそうするように進行方向から見て左側(ポートサイド)に接岸していたが、スタッフの中に船舶の航行に詳しいものがいなかったためか、撮影時にはセットのタイタニック号を進行方向から見て右(スターボード)に接岸させてしまっていた。そのため監督は解決策として、文字や衣装のボタンなどを全て左右逆のものを用意して撮影し、編集時にフィルムを反転させて史実に忠実にした経緯がある。
また劇中で登場する、ジャックが描いたスケッチは全てジェームズ・キャメロン本人による絵である。ローズのデッサンのシーンでは、ジャックは右利きという設定で、キャメロンは左利きであったため、ここでもフィルムを反転して右で描いている様に見せている。
DVD
2005年に発売されたリマスターDVD3枚組セット(日本では「アルティメット・エディション」として発売)では、未公開シーンと別ヴァージョンのエンディングが合計45分収録されている。インタビューやパロディまで合わせると、映像特典は14時間にのぼる。
Blu-ray
2012年9月28日にBlu-rayが3D版と同時に発売された。2D版は劇場公開版と同じシネマスコープのアスペクトだが、3D Blu-rayはビスタビジョンにサイズが変更されている。 3D版のアスペクトはシネマスコープから左右をカットしたトリミング映像ではなく、上下の黒帯を除去したサイズである。そのため、オリジナル版からは見えていなかった部分も映っている。
備考
- 漫画家の大友克洋が監督の自宅に招待された際、監督は応対もそこそこに一室に篭り、作業に没頭していたという。後に本作を見た大友は、「あの時、これを編集してたのか」と気づかされたという。
- 1985年に製作された杉井ギサブロー監督の長編劇場用アニメ『銀河鉄道の夜』において、タイタニック号をモチーフにしたと思われる客船が沈没した話が劇中で登場する。その際にタイタニック号が沈没する場面で讃美歌の『主よ御許に近づかん:Nearer, my God, to Thee』がコーラスバージョンで使われており、キャメロン版でも同じシークエンス(沈没のシーン)でバイオリン弾きたちが同じ楽曲を演奏しているという共通点がある。かつてこの曲は、実際にタイタニック号へ乗船していたバンドメンバーが弾いたという逸話が残されている。
パチンコ機
2011年に大一商会が「CRタイタニック ザ・パチンコ」としてリリース。発売前にはジャガー横田・木下博勝夫妻を起用した、映画のワンシーンを模したCMを放映した。しかしパチンコ機の台枠の欠陥により最悪の場合発火の恐れがあるとして、2012年1月に全台撤去の措置が取られる事となった[9]。
関連項目
- タイタニック (映画)
- ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密 - 本作の撮影後、キャメロン監督自らが潜水艇に乗り込み、深海に眠るタイタニック号を撮影したドキュメンタリー。
- 主よ御許に近づかん
- シセル - リレハンメルオリンピック開会式で知られるようになった、ノルウェーの歌手。冒頭の船体捜索やヒロインの回想場面で、彼女のハミング(「海の賛歌」)が使用された。
関連作品
- タイタニック - 愛のテーマ曲の秘密 2003年 著:土屋唯之 南雲堂フェニックス ISBN 4-88896-301-0
3D上映版
ジェームズ・キャメロン監督は、2012年が客船沈没の1912年4月からタイタニック沈没100周年にあたることから、100年目となる2012年4月の公開に向けて本作の3Dリマスター版を製作した。製作にはキャメロン自身も3D変換処理作業に参加しており、北米では2012年4月4日、日本は同年4月7日に公開された。
3D版は全米だけで既に興行収入4400万ドルを超えており、オリジナル版と通算して興収20億ドルを突破した[1]。
ストーリーの内容などは一切変わっていないが、Huffingtonpostによれば、クライマックスシーンに映りこむ星の位置に修正が加えられているという。天文学者で宇宙物理学者のニール・ドグラース・タイソンから、そのシーンに映りこむ星の位置が正確ではないと指摘されたことがきっかけであり、それに対しキャメロンは「ちくしょう、分かったよ。じゃあ、1912年4月15日午前4時20分の星図を教えてくれたら、映画を修正する」と返し、実現されることとなった[10]。
脚注
- ^ a b c d “Titanic (1997)”. Box Office Mojo. 2009年12月11日閲覧。
- ^ http://news.walkerplus.com/article/39884/
- ^ 日本映画製作者連盟1998統計
- ^ この曲のヴォーカル・パートは、この曲が作られた際のデモ・テープの音源を使っている(Song To Soul 第57回 (2011年12月11日、BS-TBS)にて ポール・ファーバーマン談)。
- ^ ここで1910年にヒットしたポップスでアルフレッド・ブライアン作曲の「僕の空飛ぶマシーンに乗って」の詞(Come Josephine in My Flying Machine)が流れる。
- ^ マードックは「Hard a' starboard!」という号令を発した。これは、日本語では「取舵一杯」に相当し、左に最大転蛇することを指す。外部リンク 「取り舵・面舵の意味が逆転したことについて」参照。
- ^ タイタニック瞬間最高42.7%、スポーツ報知、2001年9月3日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
- ^ ジェームス・ドブソン『男の子を育てる』ファミリー・フォーラム・ジャパン p.179-183
- ^ 都遊協 組合員に「大一のぱちんこ遊技機枠における不具合の発生について」通知(ぷれぱち、2012年1月18日)
- ^ ジェームズ・キャメロン監督「タイタニック3D」で修正を加えたシーンとは?
外部リンク
- 20世紀フォックスによる公式サイト(日本語)
- TITANIC square
- タイタニックの世界
- タイタニックのクルーたち
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