センダングサ属

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センダングサ属
アワユキセンダングサ B. pilosa var. bisetosa
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: センダングサ属 Bidens
  • 本文参照
シロノセンダングサの果実

センダングサ属(栴檀草属、鬼鍼草[1]学名Bidens)は、キク科の1属である。日本ではごく普通に見られる雑草で、種子が衣服につく、いわゆるひっつき虫のひとつ。国外では観賞用のものもある。

特徴[編集]

近縁の種がいくつかある。いずれも世界的な分布域をもっている。

いずれも柔らかな一年草で、茎は断面が四角っぽくて節がある。葉は対生して、深く裂けて複葉となる。種子(実際には果実、いわゆる痩果)は硬くて棒状で、先端に数本の刺状突起があって、これに逆刺が着いているので、それによって衣服に引っ掛かる。いわゆるひっつき虫のひとつである。

花は筒状で、中心には黄色い管状花が密生する。外側には舌状花がない場合もあるが、あるものもある。

花が枯れて脱落すると、後には棒状の果実が筒状に揃って束になった姿が残る。果実が熟すると、花床は反り返り、そのため果実は放射状に広がる。果実の先端の刺で何かに引っ掛かると、根元からたやすく外れ、それにくっついて行くことになる。

分布[編集]

センダングサ属は世界の熱帯および温帯地域に分布する[2]。 大部分の種がアメリカ、アフリカ、ポリネシアに分布し、幾らかの種がヨーロッパとアジアに分布する[3]。センダングサ属はハルシャギク属Coreopsis)と近縁であり、はっきり区分することは難しい。さらに、どちらも単系統群ではない[4]

種類[編集]

日本に産するセンダングサ類は、大きく分けると、棒状の果実を作るものと、偏平な果実を作るものがある。主なものを挙げる。

棒状の果実を作るものは、

センダングサ Bidens biternata (Lour.) Merr. et Sherff
葉は羽状複葉で、花には黄色の舌状花をもつ。
コバノセンダングサ B. bipinnata L.
センダングサに似て、小葉は小さい。
コセンダングサ B. pilosa L.
非常に変異の多い種である。以下のような変種がある。
コセンダングサ B. pilosa var. pilosa
基本変種で、舌状花がない形である。
コシロノセンダングサ B. pilosa var. minor (Blume) Sherff
小さな白い舌状花がある。
シロノセンダングサ B. pilosa var. radiata Sch. Bip.
大きな白い舌状花をもつ。観賞用に栽培されたこともある。
アワユキセンダングサ B. pilosa var. bisetosa Ohtani et S.Suzuki
とても大きい花をつける。日本では沖縄に帰化している。

偏平な果実を作るものとしては、

アメリカセンダングサ B. frondosa L.
近世の外来種である。全体に赤みがかる。花の外にある総苞が伸びて花の回りに放射状に広がる。
タウコギ B. tripartita L.
湿地に生える。アメリカセンダングサに似て、寸が詰った姿。

他に、観賞用の花であるウインターコスモスことビデンス・フェルリフォリア英語版[5]B. ferulifolia (Jacq.) Sweet)やキクザキセンダングサ英語版(学名: B. laevis (L.) Britton, Sterns et Poggenb.[6]も本属の植物である。

脚注[編集]

  1. ^ せんだんぐさ | 言葉 | 漢字ペディア”. www.kanjipedia.jp. 2021年4月14日閲覧。
  2. ^ J. Everett. “Genus Bidens”. New South Wales Flora Online. National Herbarium of New South Wales, Royal Botanic Garden, Sydney. 2021年10月24日閲覧。.
  3. ^ Fred R. Ganders, Mary Berbee and Mona Pirseyedi (2000). “ITS base sequence phylogeny in Bidens (Asteraceae): Evidence for the continental relatives of Hawaiian and Marquesan Bidens”. Systematic Botany 25 (1): 122-133. doi:10.2307/2666678. .
  4. ^ Danel J. Crawford and Mark E. Mort (2005). “Phylogeny of Eastern North American Coreopsis (Asteraceae-Coreopsideae): insights from nuclear and plastid sequences, and comments on character evolution”. American Journal of Botany 92 (2): 330-336. doi:10.3732/ajb.92.2.330. https://bsapubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.3732/ajb.92.2.330 2021年10月24日閲覧。. 
  5. ^ 家庭でできる!芝生とグラウンドカバー』主婦の友社、2018年、99頁。ISBN 978-4-07-429430-5
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList), http://ylist.info (2018年6月9日).

参考文献[編集]

関連項目[編集]