セルクル

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セルクル(フランス語: cercle)は、ケーキタルトクッキーなど、主に洋菓子を作るときに使用するもしくはで底のないもの。洋菓子だけでなく、他の菓子や料理に使うこともある。調理用の型の総称は強いて言えばムール(フランス語: moule)。

形状と材質

円形のセルクル(6号)
円形の型(6号)、底が取り外せる家庭用のもの

洋菓子用の型には多種多様なものがあるが、セルクルと呼べるのは、枠だけで底のないもの。ホールケーキ用の型には、底が取り外せる家庭用の型もあるが、普通はセルクルと呼べない。

最も一般的なものは円形だが、正方形・長方形のものもある。また、クッキー用に生地から目的の形に抜き取るための小型のものもある。これは円形だけでなく、多彩な形状があり、星型・ハート型・六角形・葉形・各種動植物などである。

材質は、一般にオーブンの熱に耐える必要があることから、鍍金したものや、ステンレスなど、金属が多い。近年は耐熱シリコンで作られたものもある。いわゆるオーブンペーパー(クッキングペーパー)を使った紙製(厳密には樹脂製)のものもあるが、これは使い捨てで、複雑な形状もできないため多くは円形となる。 生菓子氷菓だけに使える木製、竹製、プラスチック製のものもある。(セルクルではなく、底があるが、パウンドケーキに使うアルミ箔製で使い捨ての型もある。これは見た目も良く、ケーキが焼きあがった後も、アルミホイルをはがさなくてもよい)

張り付き

セルクルにケーキの生地を入れ、オーブンで焼く場合、セルクルの内部に(できればスプレーで)バターなどを薄く引くと、焼きあがった後に生地の表面を壊すことなく抜き取ることができる。バターではどうしても生地に微妙な味が付き、熱量(カロリー)も若干上がるが、それを避けたいときは代わりにオーブンペーパーを使うと良い。食用油を使うこともできるが、やはり、熱量は増える。なお、食品用の離型油が用いられることもある。

語源

フランス語における、本来の意味は「」。もちろん、複数の意味で使われる(旧フランス植民地における統治単位など)。

このような型は各国・各民族で独立に創作されていたと思われるが、1960年代~1970年代以降の日本の西洋料理・洋菓子の中心がフランス料理であるために、フランス語が使われていると思われる。