セミクジラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。2400:4051:e900:5b00:4c9b:13f5:6c22:1e09 (会話) による 2021年9月3日 (金) 16:56個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎個体数: 重複部分の削除)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

セミクジラ
保全状況評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ヒゲクジラ亜目 Mysticeti
: セミクジラ科 Balaenidae
: セミクジラ属 Eubalaena
: セミクジラ E. japonica
学名
Eubalaena japonica
(Lacépède, 1818)
和名
セミクジラ
英名
Pacific Northern Right Whale
セミクジラの分布図
セミクジラの分布図
セミクジラの頭部

セミクジラ(背美鯨、勢美鯨[1]学名:Eubalaena japonica)はヒゲクジラ亜目 セミクジラ科 セミクジラ属に属するクジラの1種。温帯から亜寒帯の沿岸に生息する。日本哺乳類学会では絶滅危惧種に登録されている[2]。近縁種に、同じセミクジラ属のタイセイヨウセミクジラミナミセミクジラ (学名:Eubalaena australis)、ホッキョククジラ属のホッキョククジラがいる。

形態

体長は13 - 18メートル、体重は約60 - 80トン。同様に沿岸性であるコククジラザトウクジラカツオクジラ等よりもかなり大型であり、標準的なザトウクジラの倍の体重に達する[3]。頭部が大きく全長の4分の1ほどを占める。口は大きく湾曲し、最大2メートルを超す長大なクジラヒゲが生えている。腹部には、多くのヒゲクジラ類に存在する畝(腹を前後に走る皮膚の高まった線。シロナガスクジラナガスクジラなどでは多く、ザトウクジラでは少ない)は見られない。背びれも無く、和名のセミクジラは背中の曲線の美しさに由来する「背美鯨」または「背乾鯨」の意であり[4]、このクジラが長時間にわたって背部を海面上に出して遊泳し続ける習性に由来するとされる。世界で最も精巣が大きい動物で、片側で約500キログラム、合わせて約1トンもある。

本種(ジャポニカ)は、3種存在するセミクジラ類の中でも最大の種類とされ、ロシアで 19.8メートル に達する個体が記録されている[5]他、全長20.7メートル で体重135トンの記録[6]や、全長21.3メートル前後という事例も複数存在するが[7]、21.3メートルという数値の正確性は不明確とされている[8]

分類上は他の2種と近縁だが、遺伝子分類学の研究では、タイセイヨウセミクジラよりミナミセミクジラとより近縁であると判明している。3種の形態上での差異はほとんど無いが、頭部隆起物(ケロシティ)の位置・形状および量、付着生物の種類、体長および体色パターン、頭骨の形状、ひげ板の色と形状、胸鰭の対比サイズと形状などに差が見られる[7]。尾びれの形状にも個体差がある。

生態

生息数の少なさが起因し、分布など殆どの生態情報が解明されていない。好奇心が強く、「地球上で最も優しい生物」と称される事もある[9]

分布と回遊

ブリストル湾(ベーリング海)、2004年

北太平洋のセミクジラの学術的研究は歴史が浅く、厳密な回遊経路と越冬海域は全く判明していない。近年の日本では知床半島三陸沖、房総半島内外、東京湾南部から相模湾駿河湾など伊豆半島周辺から伊豆諸島小笠原諸島に至る海域や熊野灘土佐湾周辺、奄美大島などでセミクジラが冬から初夏にかけてごく稀に確認されている。日本海側で過去50年内の確認は非常に少なく、ストランディングと捕獲記録も数件である。過去の記録からすると北西太平洋での南限は中国南部や台湾であり、東部北太平洋ではオレゴン州カリフォルニア半島ハワイ諸島などで近年の記録がある。

採餌場については、東部北太平洋では南東部ベーリング海ブリストル湾)に集中が見られ、アラスカ湾コディアック島周辺でも確認されていることから、これらの海域が東部のセミクジラの重要な生息域とされる。現在、定期的な集中が確認されているのはブリストル湾のみであり、この海域に回遊する個体群は31頭が写真判別されているが、これらを含めても東太平洋での総個体数は50頭を超えないと言われる。西部北太平洋での集中域は沖合に集中しており、ベーリング海からカムチャッカ半島千島列島樺太などのオホーツク海周辺が西部個体群の採餌分布域であると推測されている。

科学的証拠が存在する唯一の南北の回遊例は、南東部ベーリング海からハワイ諸島にかけてである。

繁殖/越冬海域

過去の捕鯨記録および現在の状況においても、本種が繁殖や出産、子育てを行った海域は一切判明していない。北大西洋南半球の種類は、冬 - 春期にかけて低緯度の温暖で波の静かな沿岸海域に集まることが知られており、湾や半島、海岸沿い等の地形を好んで利用する。また、自分が育った湾や海域に2 - 3年の一定周期で戻ってくるという習性も確認されている。

しかし本種に限っては、その生息数自体の少なさに加え、近年の沿岸での確認例が非常に稀であり、過去の捕鯨記録や化石上の発見でも冬 - 春期の発見が非常に少なく、沿岸での発見・捕獲自体が少ないこと、それに反して沖合での発見が非常に多い、などから、本種は他の2種よりも沖合性が強かった可能性が示唆されている[10]。回遊経路はおろか、本来は沿岸性が非常に強いはずのセミクジラ科において、本種のみ越冬海域および出産/育児海域が過去の捕獲記録上でも一切判明していない[11]。そのため、本種は他のセミクジラ科の鯨たちと比べて沖合性が強かった、または人間活動の影響で沿岸の個体群が早い段階で壊滅した、沿岸の生息域を放棄した可能性が示唆されている[10]

米国による冬季の捕獲が複数存在するのは日本海南部、上海および舟山群島から東に伸びる太平洋、台湾海峡、北西ハワイ諸島など。その他、日本沿岸や朝鮮半島、黄海の海洋島海南島などでも複数の捕獲がある[12]南西諸島が出産海域として示唆された例もあるが、証明するのに十分な資料は得られていない。

なお、本種の越冬海域のありかを大西洋のセミクジラの生息環境と照らし合わせて予測、作成されたオンラインで閲覧可能なマップデータが存在し[13]、南方アジア(上海から香港マカオなど広東省一帯、ベトナムトンキン湾)、北西ハワイ諸島、バハ・カリフォルニア一帯が適正地と判断された。

なお、キタタイセイヨウセミクジラでも陸より63キロメートルもの沖合での出産が確認されたケースも存在する[14][15]ほか、ミナミセミクジラも沖合での捕鯨記録が多数存在することは、現在の太平洋セミクジラが沖合で越冬・出産する可能性を示唆している。また、現在の大西洋と南半球のセミクジラ科でも、出産雌と子供、比較的若い世代、成熟個体の一部以外は沖合を中心に回遊していることが判明している。

現在の回遊

生息数が非常に少ないこともあり、特に東太平洋側では観察例がある毎に科学論文が書かれてきた。本種の総観察時間は、過去の全記録を足しても50時間に満たないとされており、調査研究上での観察を除くと1990年以降の目視例数は太平洋全体で30件未満である。

中・低緯度沿岸海域

中緯度以下での確認は太平洋両側で1990年代に連続して発生し、低緯度の記録も1997年前後に太平洋各地で発生した以後は途絶え現在に至る。西太平洋では、小笠原諸島で1990年から1996年に4頭、奄美大島・焼内湾宇検村)で1997年に1頭(東シナ海で過去半世紀で唯一の公式記録)、ハワイ諸島で1996年、カボ・サン・ルーカス沖で1996年、カリフォルニア沖とモントレー沖で1998年に1件ずつである。

東アジア

日本では現状、2011年、2014年、2018年、2019年、2020年[16][17]に複数回確認されている。オホーツク海南部で、公式な記録では戦後初めて2013年7月に知床半島西岸で目撃され2018年6月と2019年6・7月にも目撃され[18][19][20][21]、東シナ海では20世紀以降の確認は全て奄美大島周辺で記録され、2014年1月に21世紀において初めて観察された[22]。東シナ海における20世紀の全ての記録も奄美大島周辺でのみ確認されている。また、伊豆・小笠原諸島は少なくとも20世紀以降の低緯度海域では最も確認数が多く、定期的な出現と水中撮影[23][24]の記録が残る唯一の海域である。伊豆諸島では2000年代後半から2011年にまで少なくとも3頭以上(御蔵島[25]および新島[26])と漂着が3件、小笠原では1990年代に4頭[27]と2014年に2頭出現した[28][29]

東京湾南部周辺(館山湾[30]佐島など)で確認される例もある。

戦後、日本海と黄海では1970年代の日本による海洋島周辺の捕獲記録3例と韓国による1例、2007年に福井県での腐乱死体の漂着、韓国南部での混獲からの放流(同国では41年ぶりの確認)のみである[31][32]

伊豆諸島と小笠原諸島は、過去半世紀比較定期低緯度の海域で複数の個体(グループ)が数例確認されてきた唯一の地域である。また、特に小笠原諸島は水中撮影と定期的な確認が存在する唯一の地域でもある。

北米

ハーフムーンベイ (カリフォルニア州)、1982年

ハワイや北米沿岸では1998年以降の確認が無かったが[33]、2014年1月にファラロン諸島[34]およびエル・ビスカイノ生物圏保護区(世界自然遺産である世界最大のコククジラの繁殖海域)で未確定の目視記録が報告され[35]、北米およびバハ・カリフォルニア沖では90年代以来である。

カナダ

カナダでは、2013年の6月(ハイダ・グワイ)[36]と10月(ファンデフカ海峡入口)[37]に別々の個体が目撃されたが、最後の公式記録は1951年の捕獲であり、62年間に渡って確認されなかった。なお、未確認の観察記録としては1970年と1983年にそれぞれ2頭が、やはりハイダ・グワイ沖[38]とファンデフカ海峡入口での目視例がある[39]。よって、不確実な情報を除くと同国では過去100年に8例、しかも2013年の2件をのぞく全てが捕獲記録である。

確認の傾向

90年代までは東西の太平洋沿岸で、非常に件数は少ないものの周期的な目撃が記録されてきた。90年代後半に太平洋の西部・中部・東部のほぼ同緯度の各地域において、ほぼ同年代に南端の記録がそれぞれ記録されたが、その後は確認がなく、2014年に再び東西の低緯度沿岸地域で確認された。太平洋の各地で記録的な発見が続発しており、2000年代を境に発生した失踪の原因は不明である。日本ではとくに2003 - 2006年以降に日本沿岸での確認数が微弱だが増加を見せ始め、2011年には漂着等を含めると例外的な多さを記録した(3件またはそれ以上の目撃、1件の混獲、1件の漂着)。

繁殖

繁殖についても、ほとんど何も生態情報が得られていない。一世紀以上もの間、東太平洋で仔鯨は確認されてこなかった。他のセミクジラ科と同様に、平均で3 - 5年に1頭を出産するという非常に遅い繁殖頻度の可能性があり、回復を妨げる一因にもなっている。

ホエールウォッチング

ハーフムーンベイ (カリフォルニア州)、1982年
アナカパ島(カリフォルニア州)、2017年

本種を観光ツアーの最中に目撃する可能性は極めて低い。世界的に見ても本種との遭遇を果たした観光業者はごく僅かであるが、和歌山県那智勝浦町で操業するウォッチング業者「南紀マリンレジャーサービス」は2006年に2度、2011年に1度の遭遇をしている[40]。特に2011年の遭遇は観察の時間や質的にも非常に貴重性が高く、一部の行動は本種では初の撮影例にもなっている。また、両年時とも複数の写真家が乗船していたが、とくに鯨カメラマンの小田健治は2度の撮影に成功している[41]。熊野灘は、現在の日本沿岸では統計的に確認例数が多い海域でもある。また、小笠原ダイビングセンターの森田康弘も、1990年に弟島沿岸で望月昭伸らと共に同種ではおそらく世界初の水中撮影および同地域における近代初の棲息確認に成功し、後年も含め4度の遭遇を果たしている。知床半島の西岸では、確実な記録だけでも2013年、2018年、2019年に観光船から複数回の目撃があり、道東観光開発株式会社は2年連続で遭遇している[18][20][21]

種間交流

観察記録に乏しい種類以外、ヒゲクジラ達は別種同士でも平和的な交流をすることが知られている。

全てのセミクジラ科の鯨たちは特にザトウクジラと行動を共にすることが知られている。同属のミナミセミクジラにおいてモザンビークブラジルの沿岸で交尾行動またはその練習と思わしき観察がされた例がある[42][43]。また、イワシクジラミンククジラウバザメ等とは餌の競合関係にあるが観察上では問題なく共存している[44]。その他の大型種との交流も記録されている。

共に極めて沿岸性であるコククジラとの関係が如何なるものかは不明である(セミクジラが北太平洋ではごく稀にしか確認されず、北大西洋ではコククジラが絶滅しており、南半球では2013年に史上初めてコククジラが観測されたが、現地のミナミセミクジラとの接触は確認されていない)。これらの種間交流は複数確認されており、興味深い事例として1998年にカリフォルニア沖で複数のコククジラがセミクジラに対する攻撃行動を取り、過去から現在に至るまでヒゲクジラ間で観察された唯一の攻撃行動例とされている[45]。2012年には、サハリン沿岸で同じく絶滅危惧のニシコククジラの群れに混じる1頭が観測されたが、この時は穏やかなコミュニケーション行動が確認されている[46][47]

ホッキョククジラとの種間交流については生存への脅威と課題(下記)を参照。

個体数

大規模な商業捕鯨の時代には大量に捕獲され、商業捕鯨が行われる以前[いつ?]は数万頭が北太平洋に棲息した[48]。アメリカのヤンキー捕鯨船団が1804年から1876年までに1万9千頭のセミクジラを捕獲していたという記録がある[49]

日本の研究機関は、2000年時点の西部北太平洋域の生息頭は1,000頭弱程度と推定し[4]、また東京海洋大学は実数はこの頭数よりは多いと考えている[4]。しかしこの数値に関しては、他の諸外国の科学者達によって総生息数を推定するために用いられた方法論に異議が唱えられており、実際の生息数はその半分に満たない可能性があるとの主張がある[50][51]

本種の生存している個体数は非常に少ないとされ、特に早くから乱獲された東太平洋(北米)側では目撃情報がある度に、それについて科学論文が書かれてきた程である[50]。現在の生存数については諸説あり、100 - 200頭程度との推定もある[52]が、正確な測定がされたことはない。日本がオホーツク海における目視調査では、20年単位の調査結果でも発見数に増加が見られなかった。

また、2000年の東京海洋大学によると、東部海域には推定可能なデータが存在しない[4]とされているが、2013年の時点で、少なくともアラスカ州ブリストル湾沖に回遊する個体群は遺伝子型研究の結果から28頭が、写真による個体識別の結果から31頭が確認されており[53]、その他、コディアック島周辺など、東太平洋の他の海域に生息する個体群をも含めても、東太平洋全体で50頭に満たないと推測され、本種は現存する全ての大型鯨類の中でも最も絶滅に瀕した大型鯨類の一つであると認識されている[54][55]

人間との関係

日本の古式捕鯨

文化

セミクジラをはじめとするセミクジラ科のクジラは肥えた体形で動きが遅く、沿岸部への接近が多い上に好奇心も強く、脂肪分が多く死んでも沈まないなどの理由から捕獲が容易であり、他方、鯨油鯨肉の採取効率に優れ、工芸材料として便利な長い鯨ひげを有しているなど利用価値が高かったことから、古くから世界各地で捕鯨の対象とされてきた。

本種(ジャポニカ)は19世紀までは日本の沿岸でもよくみられ、また「背美」と表されるように背中の曲線が美しかったことから、古くから絵画の題材に取り上げられている[56]弥生時代には日本では鯨を利用し、中世のころより鯨漁があった。漁には網を用いた。

セミクジラ科特有の、長大で柔軟性のあるクジラヒゲには特徴的な用途が見られる。日本では文楽人形の仕掛けなどに用いられ、西洋ではコルセットなどの素材に使用された。日本では、ジャポニカ種に限らずクジラの肉を「赤身」といって食用に回され、残りの部位は工芸品や鯨油として利用された[57]

捕獲方法

日本の沿岸では古くから古式捕鯨の対象として重要視され、和歌山県の太地では親子連れのクジラを捕らないという慣習があり、水産資源の確保を行っていた[58]

一方で、上記の太地含め各地に残る沿岸捕鯨関係の多数の舟歌[59][60]や記録等の資料[61][62][63]からは、セミクジラに限らずザトウクジラなども子持ちのクジラ類を上物として積極的に捕獲していたと示唆されている。小型で仕留めやすい仔鯨をまず最初に捕獲し、子を庇う親鯨や、殺された仔鯨を置いて一度は逃げたが、子への情からか再度引き返してきた親鯨をも捕獲できるという次第である[64][63]。その影響は地方個体群には多大であったようで、ほぼ同規模の沿岸捕鯨が行われたオーストラリアニュージーランドの記録により、数十年で個体群の殲滅が可能であり、親鯨と仔鯨、若年層を含めた3世代の鯨達を一網打尽にできたとされている[65]。また、西海捕鯨業を始めとする日本の沿岸業でも、外国捕鯨の介入以前(操業開始から数十年の内に)減少が顕著であった可能性がある[66]

江戸時代の絵画(東京国立博物館

江戸時代までの日本では、西海捕鯨業がいち早くポンプランス銛を導入した以外は、鯨猟は数人乗りの手漕ぎの船で船団を形成し、沿岸でのみ操業していた[67]。鯨猟は命がけの作業であり、漁夫の命の危険性を、「網を十分に被ざる鯨はいと狂廻りて、尾鰭に浪を打激、若船に触れば船微塵に砕く」(『勇魚取絵詞』)と表現し[68]、死者が幾人も出ている。鯨漁も港でのその解体も何十人もの人手が必要な作業であった[56]

明治以降は、導入されたポンプランスとエンジン搭載船の使用により捕獲圧が拡大した。

捕獲に対する姿勢

日本では仏教の教えにより鯨の命を取ること(殺生)を忌み嫌うため、漁師たちは鯨が絶命する際に「南無阿弥陀仏」と念仏を唱え、また、その命を奪ったことを秘したり、各地で鯨の供養を行い、その供養塔が建立されている[67][56]

一方で、前述の通り各地方に残る舟唄ではセミクジラに限らず子持ち鯨の捕獲を祝い事として賛美する風潮が見られ、生類憐れみの令でも鯨類は保護対象から除外され捕獲に歯止めがかかることはなかった(親子の情を持ち憐みの令の対象種に該当する要素を持ちながらも[62][63]、当時の知見では魚類に分類されていたとされるが、1758年には京都で発行された自然史論文にて、鯨類は哺乳類であると分類されていた[69])。また、上記の供養塔や供養仏も仏職者が始めたものであり、古式捕鯨が盛んであったほぼ全ての地域で、鯨の怨念や祟りといった超自然現象的な影響により、村の人口や鯨組の家系に悪影響が出た為に仏職者によって諌められたという昔話が伝わっている[70]

背美流れ

1878年暮れ、太地(和歌山県)で鯨を捕って生計を立てていた漁師たちが、その時に紀州を襲った猛烈な嵐により、100名以上が遭難し死亡した記録が残っている[58]。背景は、西洋列強がクジラを捕りすぎたために沿岸の漁業しかできない太地ではクジラが取れなくなり漁師が困窮し、たまたま発見したセミクジラを荒れた海の中でさえ、捕りに行ったためである[58]

しかし近年、下記の通り沿岸捕鯨で個体群の著しい減少と過剰捕獲による採算が取れなくなった可能性が指摘されている。太地組終焉の原因が背美流れにあったという意見に対する相反(内外の組織間とくに重鎮一族における確執、近隣猟場の買い取りや北海道への進出の失敗後の再進出など事業の無計画性、「重鎮の放蕩」といった噂の流出など、が鯨組の経営・財政難を招いたとする事態に対して何らかの意図があって創られた説話)や「背美流れ」の唄および子持ちの殺生の戒め等々が事件後に作られた創作であったとする意見も存在する[71][要ページ番号]

日本近海での捕獲

大航海時代産業革命以降の西洋では鯨油が主な利用目的で、遠く日本近海まで進出してきた列強諸国の捕鯨船は、船内で鯨油を絞る工夫をし「海の油工場」でもあった[58]。アメリカでの統計では、セミクジラ種の油はマッコウクジラ種を超えて一番消費された[72]。セミクジラ種は他種よりも一頭あたりの油の割合が高かったためによる[72]

日本の開国前の19世紀から、米国捕鯨団等の西洋型捕鯨が日本近海へ進出し本種の大量捕獲を行ったため、日本の漁獲高が著しく減少し[4][73]、壱岐などの一部地域では沿岸にクジラが来なくなり鯨漁師がいなくなった。

しかし一方、外国捕鯨の介入以前の沿岸捕鯨の段階で、沿岸の個体群には大幅な減少が見られた可能性も指摘されている[66]。欧米諸国がハワイ小笠原諸島釧路を結んだ三角形の海域「ジャパン・グラウンド」における主対象はマッコウクジラであったとされ、数値統計上セミクジラの狩猟は欧米による捕鯨よりも日本の沿岸捕鯨の方が重圧的で個体群への影響が遥かに大きかったという意見もある[74]

これは、当時の大手の鯨組の一つである「深澤組」が寛政時代初期に廃業したことや、特に西海地域での各藩による市場競争から係争にまで勃発し当時の幕府による調停が刊行されるまでに拡大したことからも確認できる[75]

捕鯨での乱獲

セミクジラ属の英名の Right Whale の Right は「(漁に)都合がよい」という意味の「よい」である[76]。前述のようにセミクジラ属は沿岸に近づき、泳ぎが遅く、脂肪が多いために死ぬと海面に浮かぶことが捕鯨においては最適であったためである。日本の近海では、中世から19世紀前半までの日本人は手漕ぎの和船により沿岸で捕獲していたが、19世紀になると欧米やソ連等列強諸国の大型捕鯨船が、北大西洋のタイセイヨウセミクジラと同様に北太平洋でもクジラを取り始め、日本の沿岸捕鯨との相乗が発生した結果、20世紀初頭にはすでに絶滅寸前の状態だった[76]。北太平洋では1960年代まで細々と捕獲されたが、今は完全に停止された。

また、日本各地の漁村には代々恵比寿信仰が伝わっており、魚を引き連れる鯨の殺生および磯などの沿岸環境を破壊する捕鯨は忌とされてきた。捕鯨漁村が自地域での捕獲の結果鯨の減少を招き他地域への拡大を行った結果、各地で暴動などの問題が発生した(東洋捕鯨鮫事業所焼討事件を参照)。

密猟

前述のように19世紀までの乱獲が祟り、本種の捕獲停止は1930年代に独自に決議されたが、日本を含む数か国は会議に欠席しており、実効性は無かった。その後もこれらの国々による捕獲は続き、日本では南東部北海道や厚岸沖での捕獲など、未記載・未報告の記録も含めて相当数が捕獲された[50]。このほか日本は調査捕鯨との名目で数十頭を捕獲した。

その後、1960年代から70年代後半に行われた、当時のソビエト連邦による大規模な違法捕鯨により、更なる世界中の海洋での大型種の激減と生息数回復の停滞を招き、シロナガスクジラ等の一部個体群を消滅、または回復不能にまで追い込むほどであった。ソ連が違法捕鯨で捕獲したジャポニカ種は、判明している限りでも700頭弱に上った。ソ連では鯨油を軍事目的に利用していたため軍事機密であり、当時の連邦の科学者達は監視され、一切の捕獲記録は強制的に破棄され、国際捕鯨委員会には実際の捕獲数よりも遥かに少ない数を報告していたとされる。これらの情報は、連邦崩壊後の2012年に、当時の連邦の科学者達による公開資料で判明した[77]。なお、この違法捕鯨には日本もモニタリング義務を怠り、少なくとも放置および互いの違法捕鯨の機密保持という形での関与が明らかになっている[78]

結果的に、セミクジラの減少原因は日本、米国、ソビエト連邦の捕殺による影響が多重的に作用したという意見が出されている。

保護

日本ではセミクジラは漁業法の下で、商業捕鯨による捕獲が禁止されている[79]。日本では、座礁・漂着、混獲については水産庁の許可があればクジラが利用可だが[79]、日本の水産庁は日本の食文化よりも日本国内外の世論を鑑み[79]、生体は放流し、死骸は埋設することを指導している[79]。しかし、定置網にかかった個体が食用に販売された後に市場で学者によって発見・報告されたケースも存在する[80]。また、セミクジラは1970年代を最後に中国や韓国など日本以外のアジア諸国沿岸での確認がなく、近年の定置網による混獲は全て日本での発生である。カムチャッカで1件の混獲死があったが、これは日本漁業の流し網によるものだった(このほか、近年のオホーツク海での中・大型鯨類の死亡事例は、ロシア領海内にもかかわらず6割が日本漁業に由来している[81])。

日本捕鯨協会は、過去、セミクジラの資源量は極めて低い水準にまで落ち込んたが、現在では完全に保護され、絶滅の危機にはないとしている[82]が、IUCN によるレッドリスト等では本種、特に北東太平洋個体群は世界で最も絶滅の危機に瀕した大型鯨類としている[83][84][85]

生存への脅威と課題

沿岸性の鯨類全てに共通する問題だが、漁業用の定置網や船舶との衝突など人間の生活との間に生じる事故が大きな問題である。近年、ベーリング海でホッキョククジラと本種のハイブリッドが発見されたことで、新たなる脅威が危惧されている[86]。温暖化で北極の氷が溶け、かつては流氷などにより遮断されていた他種との分布が重なり始め、交配が発生することである。危惧されているのは、ホッキョククジラやタイセイヨウセミクジラとの交配である。両種とも絶滅危惧ではあるが、太平洋のセミクジラよりは個体数が多いので、交配が度重なりハイブリッドの個体数が増えると、最終的にはセミクジラを圧迫し、「種」としての絶滅を助長してしまいかねない。タイセイヨウセミクジラとは互いに違う大洋に生息するが、北極の氷が溶けると互いの大洋への行き来が可能となる(すでにコククジラでは大西洋や南半球への進出が確認されている)。大西洋では、2013年および2014年に観測史上初めてホッキョククジラがファンディ湾に現れ、セミクジラ達の交尾グループに参加していた様子が確認されている[87]。一方で、オホーツク海北西部、シャンタル諸島とその周辺では温暖化が提唱される以前よりもセミクジラとホッキョククジラの共存が確認されており、現在でも観察例がある[88]

なお、北西航路に氷が無くなると船舶が航海できるようになるため、その航路が北太平洋のセミクジラの回遊ルートを横切り、船との衝突による死亡数が増加する可能性を示唆する研究者もある[89]。また、気候変動により海水の酸性化や変動、海流や水温、餌生物の発生範囲の変化が懸念されており、大西洋の亜種では回遊の変化がすでに確認されている。環境汚染や騒音が与える影響も依然として無視できない状況である。

関連項目

脚注

  1. ^ 紀州地方の捕鯨絵巻との比較から 90頁 (PDF) 西南学院大学国際文化論集第26巻第2号 117-155頁 2012年3月 西海捕鯨絵巻の特徴
  2. ^ 日本産哺乳類のレッドリスト Archived 2007年8月21日, at the Wayback Machine.
  3. ^ アメリカ海洋大気庁, 2017, What you need to know about the critically endangered whale you’ve never heard of
  4. ^ a b c d e 展示解説:セミクジラ”. 東京海洋大学 水産資料館. 2011年7月22日閲覧。
  5. ^ Ivashchenko YV and Clapham PJ (2011). “Pushed to the Edge: Soviet Catches of Right Whales in the Eastern North Pacific”. Alaska Fisheries Science Center Quarterly Research Reports (Apr-May-June 2011). http://www.afsc.noaa.gov/Quarterly/amj2011/divrptsNMML2.htm. 
  6. ^ Omura, H., S. Ohsumi, K. N. Nemoto, K. Nasu, and T. Kasuya. 1969. Black right whales in the North Pacific. Scientific Reports of the Whales Research Institute, Tokyo. 21:1-78.
  7. ^ a b http://www.icrwhale.org/pdf/SC0131-52.pdf
  8. ^ Scarff JE (1986a). “Historic and present distribution of the right whale (Eubalaena glacialis) in the eastern North Pacific south of 50°N and east of 180°W”. Rep. Int. Whal. Commn (special issue 10): 43–63. http://www.sfcelticmusic.com/js/RTWHALES/Scarff_1986_NPRW.PDF. 
  9. ^ Tanya Basu, Justin Hofman, 2013年12月29日, 船の真下に、ミナミセミクジラ, ナショナルジオグラフィック日本語版, 2021年09月04日閲覧
  10. ^ a b Clapham PJ, Good C, Quinn SE, Reeves RR, Scarff JE, and Brownell RL Jr. (2004). “Distribution of North Pacific right whales (Eubalaena japonica) as shown by 19th and 20th century whaling catch and sighting records”. J. Cetacean Res. Manage 6 (1): 1–6. http://www.mendeley.com/research/distribution-north-pacific-right-whales-eubalaena-japonica-shown-19-th-20-th-century-whaling-catch-sighting-records/. 
  11. ^ Berzin A.,Ivashchenko V.Y., Clapham J.P.,Brownell L. R.Jr. (2008). “The Truth About Soviet Whaling: A Memoir” (PDF). DigitalCommons@University of Nebraska - Lincoln. http://digitalcommons.unl.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1014&context=usdeptcommercepub 2013年10月15日閲覧。. 
  12. ^ Klumov S.K., Scarff J.E. (1962) (PDF). The Right Whales in the Pacific Ocean (translation from Russian). p. Jim Scarff's Eclectic Home Page. http://www.sfcelticmusic.com/js/rtwhales/Klumo1962.pdf/. 
  13. ^ Good P.C., Johnston W.D. (2009). “Spatial modeling of optimal North Pacific right whale (Eubalaena japonica) calving habitats” (PDF). NORTH PACIFIC RESEARCH BOARD PROJECT 718 FINAL REPORT. オリジナルの2015年1月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150105071756/http://doc.nprb.org/web/07_prjs/718_final%20report.pdf 2015年1月14日閲覧。. 
  14. ^ The North Pacific Right Whale (Eubalaena japonica)- the most endangered whale -”. p. Jim Scarff's Eclectic Home Page. 2013年1月14日閲覧。
  15. ^ Foley J.H., Holt C.R., Hardee E.R., Nilsson B.P., Jackson A.K., Read J.A., Pabst A.D., Mclellan A.W. (2011) (PDF). Observations of a western North Atlantic right whale (Eubalaena glacialis) birth offshore of the protected southeast U.S. critical habitat. http://www.navymarinespeciesmonitoring.us/files/9313/7890/7742/Foley_et_al._2011-right_whale_birth-MMS.pdf 2015年1月14日閲覧。. 
  16. ^ 大石真聖, 2020年, セミクジラ骨格 保護啓発象徴に, 静岡新聞
  17. ^ 福島民友新聞, 2020年, 福島県沖に「セミクジラ」出現! 7月撮影、沖合10キロ初目撃
  18. ^ a b 宇仁 義和, 岡部 孝大, 今井 康貴 (2014). “A sighting record of a North Pacific right whale in the southern Okhotsk Sea, off Shiretoko, Hokkaido” (pdf). Japan Cetology 24 (日本セトロジー研究会): 23-25. http://hkd.a.la9.jp/jc/JC2404.pdf 2016年1月24日閲覧。. 
  19. ^ 岡部孝大 (2013年). “知床では珍しいクジラ”. 知床FOXクルーズ. p. YouTube. 2013年9月16日閲覧。
  20. ^ a b 北海道)知床沖にセミクジラ 半世紀ぶりに相次ぎ目撃
  21. ^ a b セミクジラ遊覧船で珍客遭遇 知床岬で2年連続 /北海道
  22. ^ 興克樹. 2014. http://amami.exblog.jp/19397229. 奄美クジラ・イルカ協会
  23. ^ http://www.ogasawara-dc.com/~gallery/gallery_view10d.ehtml?userid=00000002&pr=108&entry=230&pcol=4&col=4&bg=white
  24. ^ クジラ写真家の望月昭伸や森田康弘らが撮影に成功した。
  25. ^ 小木万布, 御蔵島観光協会
  26. ^ http://niijima.jp/mt/archives/2011/03/post_326.html. retrieved on 14-05-2014
  27. ^ http://www.sea-tac.jp/ce/ce08.html
  28. ^ http://papaya.ecgo.jp/blog140313160226.html#comment
  29. ^ http://ameblo.jp/clubnoah88/
  30. ^ http://svrsh2.kahaku.go.jp/drift/FMPro?-db=rec2000web.fp5&-format=%2fdrift%2fresults.htm&-lay=hp&-sortfield=date8&-sortorder=descend&sp%5fid=006&-format=/drift/detail.htm&-skip=9&-max=1&-find. retrieved on 14-05-2014
  31. ^ Kim, H.W., K.J. Park, H. Sohn, Y.-R. An, D.-H. An, 2015, Entanglement of North Pacific right whale (Eubalaena japonica) off Korean waters., SC/66a/HIM/15., Report to the International Whaling Commission Scientific Committee Annual Meeting, San Diego, California.
  32. ^ 경북일보. “동해안 탐사취재- 5. 이방인을 불러들인 '고래'”. 2019年8月30日閲覧。
  33. ^ "SPECIAL STATUS SPECIES: NORTH PACIFIC RIGHT WHALE (Eubalaena japonica)" Simon-Sanctuary Integrated Monitoring Network [1], retrieved January 03, 2014
  34. ^ http://losfarallones.blogspot.jp/2014/01/normal-0-false-false-false-en-us-x-none.html
  35. ^ https://www.facebook.com/photo.php?fbid=528299183945293&set=a.142293212545894.27274.100002956480147&type=1
  36. ^ The Right Place, Right Time, Right Whale: Update #1. The Vancouver Aquarium. 02,July 2013. Retrieved on January 03, 2014.
  37. ^ Right Whale Sighting: World's Rarest Whale Seen Near Victoria (PHOTOS). The Huffington Post British Columbia. 01,November 2013. 2014年1月3日閲覧.
  38. ^ Miriam O, Ford j., 2003 National Recovery Strategy For The North Pacific Right Whale Eubalaena japonica in Pacific Canadian Water Fisheries and Oceans Canada 2014年6月19日閲覧
  39. ^ [SPECIAL STATUS SPECIES: NORTH PACIFIC RIGHT WHALE (Eubalaena japonica) http://sanctuarysimon.org/monterey/sections/specialSpecies/north_pacific_right_whale.php]. Simon-Sanctuary Integrated Monitoring Network. 2014年1月3日閲覧
  40. ^ http://www.nanki-marin.net/
  41. ^ http://kujiraniaetara.web.fc2.com/
  42. ^ BANKS A., BEST P., GULLAN A., GUISSAMULO A., COCKCROFT V., FINDLAY K., Recent sightings of southern right whales in Mozambique.. http://dolphincare.org/Research_files/Banks%20S11-RW17.pdf. retrieved on 13-05-2014
  43. ^ Baleia-franca é reavistada em Abrolhos com filhote de pigmentação rara
  44. ^ http://teacheratsea.wordpress.com/2012/05/22/ellen-odonnell-theres-a-lot-of-food-in-the-ocean-and-one-more-whale-to-feed-may-20-2012/. retrieved on 13-05-2014
  45. ^ Records of North Pacific Right Whales along the coasts of California, Baja, Oregon and Washington. Jim Scarff's Eclectic Home Page. Retrieved on 2013-01-14.
  46. ^ Spotlight Russia: Western Grey Whale expedition sees a right whale. IFAW-International Fund for Animal Welfare homepage. Retrieved on January 03 2014.
  47. ^ Shipulin 2012 А давайте я вам китов покажу, а?. LiveJournal. retrieved on 09 June 2014
  48. ^ Scarff JE (2001). “Preliminary estimates of whaling-induced mortality in the 19th century Pacific northern right whale (Eubalaena glacialis) fishery, adjusting for struck-but-lost whales and non-American whaling”. J. Cetacean Res. Manage (Special Issue 2): 261-268. http://www.sfcelticmusic.com/js/RTWHALES/Scarff_2001_Preliminary_Estimates_of_RW_Mortaility.pdf. 
  49. ^ Starbuck, Alexander (1878), History of the American Whale Fishery from Its Earliest Inception to the year 1876., Castle Books, ISBN 1-55521-537-8 
  50. ^ a b c Brownell RL Jr., Clapham PJ, 宮下富夫, 粕谷俊雄 (2001). “Conservation status of North Pacific right whales”. J. Cetacean Res. Manage. (special issue 2): 269-286. 
  51. ^ The North Pacific Right Whale (Eubalaena japonica)- the most endangered whale -. Jim Scarff's Eclectic Home Page. Retrieved on 2013-01-14.
  52. ^ Society for Marine Mammalogy (1994). “RIGHT WHALE(EUBALAENA GLACIALIS) SIGHTING OFF SAN CLEMENTE ISLAND, CALIFORNIA”. Marine Mammal Science (10(1)): 101-105. 
  53. ^ Allen, B. M., and R. P. Angliss(2011) NORTH PACIFIC RIGHT WHALE (Eubalaena japonica):Eastern North Pacific Stock (PDF) .NOAA-アメリカ海洋大気庁|Alaska Marine Mammal Stock Assessments, 2011|TM-AFSC-234| Retrieved on 2013-01-18.
  54. ^ Annual Report to Congress 2006. (PDF) . Marine Mammal Commission. Retrieved on 2013-01-18.
  55. ^ Paul R. Wade et al. (2010). “The world's smallest whale population?”. Biology Letters 7 (1): 83-85. doi:10.1098/rsbl.2010.0477. PMC 3030873. PMID 20591853. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3030873/. 
  56. ^ a b c 森弘子・宮崎克則 西海捕鯨絵巻の特徴 ―紀州地方の捕鯨絵巻との比較から― 西南学院大学 国際文化論集 26-2号 平成24年(2012) (PDF) ※絵巻の例
  57. ^ 紀州地方の捕鯨絵巻との比較から 87頁 (PDF) 西南学院大学国際文化論集第26巻第2号 117-155頁 2012年3月 西海捕鯨絵巻の特徴
  58. ^ a b c d 環太平洋地域の鯨文化 秋道智彌(国立民族学博物館・民族文化研究部)著 季刊 環境情報誌 ネイチャーインタフェイス 第2号 2001/03/31 ISBN 4901581015 2013年1月21日閲覧。
  59. ^ 日高旺『黒潮の文化誌』127項
  60. ^ 「生月勇魚捕唄」、「鯨舟の唄」(浮津)、「弁財天」(新上五島町)、「祝え目出度」(大唄一番)、「太地刃刺踊唄」、「太地町・鯨踊り」
  61. ^ 「六鯨并網掛突取浜而切捌之図」
  62. ^ a b 三浦浄心慶長見聞集
  63. ^ a b c 和漢三才圖會 江海無鱗魚 卷ノ五十一 〇二
  64. ^ 勇魚とりの物語平戸島生月町博物館 島の館 2013-11-20閲覧
  65. ^ Story: Whaling,Page 2 – Shore-based whalingTe Ara - The Encyclopedia of New Zealand 2013-12-19閲覧
  66. ^ a b Clapham PJ, Good C, Quinn SE, Reeves RR, Scarff JE, and Brownell RL Jr. (2004). “Distribution of North Pacific right whales (Eubalaena japonica) as shown by 19th and 20th century whaling catch and sighting records”. J. Cetacean Res. Manage 6 (1): 1-6. http://www.mendeley.com/research/distribution-north-pacific-right-whales-eubalaena-japonica-shown-19-th-20-th-century-whaling-catch-sighting-records/. 
  67. ^ a b 紀州地方の捕鯨絵巻との比較から 133-134頁 (PDF) 西南学院大学国際文化論集第26巻第2号 117-155頁 2012年3月 西海捕鯨絵巻の特徴
  68. ^ 紀州地方の捕鯨絵巻との比較から 135頁 (PDF) 西南学院大学国際文化論集第26巻第2号 117-155頁 2012年3月 西海捕鯨絵巻の特徴
  69. ^ ジャック=イヴ・クストー、イヴ・パカレ(著)、1993、沢近十九一, 服部行則訳『クストーのクジラ』(19項)、9784820393115、日本テレビ放送網
  70. ^ (著)宮脇 和人、「鯨塚からみえてくる日本人の心―豊後水道海域の鯨の記憶をたどって」
  71. ^ 熊野太地浦捕鯨史編纂委員会 ,1990,「鯨に挑む町―熊野の太地」[要ページ番号]
  72. ^ a b 『鯨と捕鯨の文化史』森田勝昭(甲南女子大学教授)著
  73. ^ 古賀(2010) 西海捕鯨業における地域と金融―幕末期壱岐・鯨組小納屋の会計分析を中心に― (PDF) . 九州大学総合研究博物館. Retrieved on 2013-01-16.
  74. ^ 末田智樹,2009, 近世日本における捕鯨漁場の地域的集中の形成過程-西海捕鯨業地域の特殊性の分析-, 岡山大学経済学会雑誌40(4),2009,49-72
  75. ^ アーカイブされたコピー”. 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月16日閲覧。
  76. ^ a b 特集:地球にひとつの生命 セミクジラ 北と南で分かれる運命 ナショナルジオグラフィック 2008年12月号 2013年1月16日閲覧。
  77. ^ Phillip J. Clapham, Alex N. Zerbini, Amy Kennedy, Brenda Rone & Catherine Berchok Update on North Pacific Right Whale Research (PDF) National Marine Mammal Laboratory. Retrieved on 2011-09-15.(2011年7月19日時点のアーカイブ
  78. ^ Berzin A.,Ivashchenko V.Y., Clapham J.P.,Brownell L. R.Jr. (2008). “The Truth About Soviet Whaling: A Memoir” (PDF). DigitalCommons@University of Nebraska - Lincoln. http://digitalcommons.unl.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1014&context=usdeptcommercepub 2013年10月15日閲覧。. 
  79. ^ a b c d 鯨類座礁対処マニュアル(平成24年度改訂版) (PDF) 2012年5月10日 水産庁国際課捕鯨班 2013-01-21閲覧.
  80. ^ ストランディングレコード (2011年1月~2011年6月受付)”. 一般財団法人 日本鯨類研究所. 2013年10月15日閲覧。
  81. ^ Nikulin V.S., Burdin A.M., Burkanov V.N., 2004. Human-related impact on large cetaceans in Kamchatka region. Marine Mammals of the Holarctic. 2004. 428-431項. Marine Mammal Council. 2014年7月16日閲覧
  82. ^ 捕鯨問題Q&A日本捕鯨協会 2013-3-2閲覧
  83. ^ Eubalaena japonica (North Pacific Right Whale)”. The IUCN Red List of Threatened Species. 2013年10月15日閲覧。
  84. ^ Whale Facts - Migration”. Right Whale.Ca, Canadian Whale Institute. 2013年10月15日閲覧。
  85. ^ Species Guide- North Pacific right whale”. WDC, Whale and Dolphin Conservation. 2013年10月15日閲覧。
  86. ^ Retrieved July 29, 2011. Livescience.com (2010-12-15). Retrieved on 2013-01-18.
  87. ^ http://www.capecodtoday.com/article/2012/08/28/13976-first-ever-bowhead-whale-spotted-cape-cod
  88. ^ Shpak O.V., Paramonov A.Yu.year=2013. “Observations on belugas (Delphinapterus leucas), killer whales (Orci-nus orca), and right whales (Balaenidae) in Ulbansky Bay, the Okhotsk Sea” (PDF). Marine Mammals of the Holarctic. 2012. Vol. 2. pp. 65-69. http://beluga.sevin-expedition.ru/netcat_files/106/57/vol2_final_24122012_15.pdf 2014年1月3日閲覧。. 
  89. ^ 北太平洋のセミクジラ絶滅寸前、メス8頭のみ 米調査2010年07月01日 12:21 AFPBB News AFP/OMAR TORRES 2013-3-2閲覧