地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ

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地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ(ちほうけいばジョッキーズチャンピオンシップ)は、地方競馬で行われている騎手招待競走である。

2005年から2017年まではスーパージョッキーズトライアルSuper Jockeys Trial)の名称で行われ、「SJT」の略称も用いられていた。

概要[編集]

中央競馬で行われる「ワールドオールスタージョッキーズ(2014年まではワールドスーパージョッキーズシリーズ)」に推薦する地方競馬代表騎手を選定するシリーズ戦。

2004年以前は選定競走を行わず、地方競馬全国協会(NAR)が日本中央競馬会(JRA)に騎手を推薦し、JRAが地方競馬代表騎手を決定していた[1]が、2005年に「WSJS地方競馬騎手代表選定競走」の名称で2競走[2][3]が行われ、地方競馬全国協会がJRAに推薦する騎手を選定競走の成績(総合得点)で選出するようになった。2006年よりシリーズ化された[4]

2014年までは平地競走を行う全地区を選定対象としていたが、2015年は北海道(ホッカイドウ競馬)を除く地区の騎手から選定する方式に改められた(後述)[5]

2018年より現名称に改称される。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から複数競馬場におけるステージ制での開催を取り止め、10月19日に盛岡競馬場の1日2競走で開催された。

選定競走[編集]

以下の内容は、2015年の開催概要[5]による。

施行日 競馬場 競走名 出場騎手
5月26日 金沢競馬場 SJTワイルドカード 第1戦 ブロンズサドル賞 岩手・金沢・笠松・愛知・兵庫・高知・佐賀所属騎手:2014年4月1日から2015年3月31日までの所属場における勝利数順位が2位の騎手(7名)
南関東地区所属騎手:2014年4月1日から2015年3月31日までの南関東地区における勝利数順位が5位の騎手(1名)
招待競走地方競馬代表騎手選定委員会が選定した騎手(3名)
第2戦 ブロンズホイップ賞
7月7日 大井競馬場 SJT第1ステージ 第1戦 シルバーサドル賞 岩手・金沢・笠松・愛知・兵庫・高知・佐賀所属騎手:2014年4月1日から2015年3月31日までの所属場における勝利数順位が1位の騎手(7名)
南関東地区所属騎手:2014年4月1日から2015年3月31日までの南関東地区における勝利数順位が1位 - 4位の騎手(4名)
SJTワイルドカードのポイント上位3名
第2戦 シルバーブライドル賞
7月23日 園田競馬場 SJT第2ステージ 第3戦 シルバーブーツ賞 SJT第1ステージのポイント上位12名
第4戦 シルバーホイップ賞

第2ステージ終了時の総合ポイントが1位の騎手を地方競馬代表候補騎手、総合2位の騎手を地方競馬代表補欠候補騎手として地方競馬全国協会が日本中央競馬会(JRA)に推薦する[5]

2015年は、北海道(ホッカイドウ競馬)所属騎手は別にJRAより1名の推薦枠が与えられている[6]ため、本シリーズには出場しない[5]。なお、ホッカイドウ競馬でも地方競馬代表として推薦する騎手の選定が別に行われる[7]

なお、2019年より各ステージ名称を、「チャレンジステージ」「ファーストステージ」「ファイナルステージ」に一新される。

騎乗馬の選定[編集]

各競走の出走馬を近走成績等からA・Bのグループに分け、騎乗馬を抽選で決定[8]。各ステージともA・Bグループの馬に各1回騎乗する[8]

ポイント付与・順位決定方法[編集]

2015年の各競走におけるポイント、および順位の決定方法は以下の通り。

SJTワイルドカード[編集]

各競走ごとに着順に応じた下表のポイントを与え、2競走の合計得点で総合順位を決定[8]。合計得点が同点の場合は最上位の着順を得た者を優先し、最上位の着順も同位の場合は「ブロンズホイップ賞(第2戦)」の着順上位者を優先[8]

1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10着 11着以下
20点 15点 13点 11点 10点 6点 5点 4点 3点 2点 1点

本戦(第1ステージ・第2ステージ)[編集]

各競走ごとに着順に応じた下表のポイントを与え、4競走の合計得点で総合順位を決定[8]。合計得点が同点の場合は最上位の着順を得た者を優先し、最上位の着順も同位の場合は「シルバーホイップ賞(第4戦)」の着順上位者を優先[8]

第1ステージ
1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10着
11着
12着以下
20点 15点 13点 11点 10点 6点 5点 4点 3点 2点 1点
第2ステージ
1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10着 11着以下
20点 15点 13点 11点 10点 6点 5点 4点 3点 2点 1点

2005年以降の優勝騎手[編集]

施行日 競馬場 総合優勝騎手 所属
2005年 10月18日 園田競馬場 岩田康誠[9] 兵庫
2006年 10月16日 第1ステージ 盛岡競馬場 濱口楠彦[10] 笠松
10月24日 第2ステージ 園田競馬場
2007年 10月18日 第1ステージ 札幌競馬場 赤岡修次[11] 高知
10月26日 第2ステージ 名古屋競馬場
2008年 10月3日 第1ステージ 笠松競馬場 菅原勲[4] 岩手
10月10日 第2ステージ 大井競馬場
2009年 9月25日 第1ステージ 船橋競馬場 的場文男[12] 大井
10月15日 第2ステージ 園田競馬場
2010年 10月4日 第1ステージ 盛岡競馬場 杉村一樹[13] 荒尾
10月14日 第2ステージ 門別競馬場
2011年 10月7日 第1ステージ 川崎競馬場 吉原寛人[14] 金沢
10月21日 第2ステージ 名古屋競馬場
2012年 9月21日 ワイルドカード 高知競馬場 山口勲[15] 佐賀
10月5日 第1ステージ 大井競馬場
10月19日 第2ステージ 佐賀競馬場
2013年 9月10日 ワイルドカード 門別競馬場 川原正一[16] 兵庫
9月25日 第1ステージ 船橋競馬場
10月17日 第2ステージ 園田競馬場
2014年 9月20日 ワイルドカード 佐賀競馬場 赤岡修次[17] 高知
10月6日 第1ステージ 盛岡競馬場
10月23日 第2ステージ 名古屋競馬場
2015年 5月26日 ワイルドカード 金沢競馬場 藤田弘治[18] 金沢
7月7日 第1ステージ 大井競馬場
7月23日 第2ステージ 園田競馬場
2016年 5月15日 ワイルドカード 佐賀競馬場 永森大智[19] 高知
6月13日 第1ステージ 盛岡競馬場
7月7日 第2ステージ 名古屋競馬場
2017年 5月9日 ワイルドカード 金沢競馬場 中野省吾[20] 船橋
6月5日 第1ステージ 盛岡競馬場
6月22日 第2ステージ 園田競馬場
2018年 5月20日 ワイルドカード 佐賀競馬場 桑村真明[21] 北海道
6月3日 第1ステージ 盛岡競馬場
7月18日 第2ステージ 浦和競馬場
2019年 5月21日 チャレンジステージ 金沢競馬場 吉村智洋 兵庫
6月2日 ファーストステージ 盛岡競馬場
6月20日 ファイナルステージ 園田競馬場
2020年 10月19日 盛岡競馬場 村上忍 岩手
2022年 5月8日 ファーストステージ 佐賀競馬場 岡部誠[22] 愛知
5月31日 ファイナルステージ 浦和競馬場
2023年 5月23日 ファーストステージ 盛岡競馬場 宮川実[23] 高知
7月6日 ファイナルステージ 園田競馬場
2024年 5月30日 園田競馬場  

2004年以前のワールドスーパージョッキーズシリーズ地方競馬代表騎手[編集]

西暦偶数年は東日本、奇数年は西日本から、原則として勝利数第1位の騎手が選出される。(騎乗停止や出場辞退の場合は2位以下に繰り下げて選出。)

回数 騎手名 所属
第1回 1987年 不出場
第2回 1988年 佐々木竹見 川崎
第3回 1989年 田中道夫 兵庫
第4回 1990年 石崎隆之 船橋
第5回 1991年 田中道夫 兵庫
第6回 1992年 石崎隆之 船橋
第7回 1993年 小牧太 兵庫
第8回 1994年 石崎隆之 船橋
第9回 1995年 安藤勝己 笠松
第10回 1996年 石崎隆之 船橋
第11回 1997年 川原正一 笠松
第12回 1998年 石崎隆之 船橋
第13回 1999年 小牧太 兵庫
第14回 2000年 石崎隆之 船橋
第15回 2001年 鮫島克也 佐賀
第16回 2002年 菅原勲 岩手
第17回 2003年 小牧太 兵庫
第18回 2004年 内田博幸[1] 大井

回数はWSJSの回数を表す。所属は当時の所属主催者・所属競馬場を表す。第1回は地方競馬騎手の出場辞退によるもの。

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 今年のWSJS地方代表は内田博幸騎手(大井)に決定! - 地方競馬全国協会、2020年2月2日閲覧
  2. ^ 競走成績(WSJS地方競馬代表騎手選定競走1) - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  3. ^ 競走成績(WSJS地方競馬代表騎手選定競走2) - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  4. ^ a b web Furlong【特集】Super Jockies Trial 2008 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  5. ^ a b c d スーパージョッキーズトライアル(SJT)2015開催概要決定 - 地方競馬全国協会、2020年2月2日閲覧
  6. ^ 札幌競馬場で「2015ワールドオールスタージョッキーズ」を開催! - 日本中央競馬会、2015年4月12日閲覧
  7. ^ JRA「2015ワールドオールスタージョッキーズ」の選定ついて - ホッカイドウ競馬、2015年4月23日閲覧
  8. ^ a b c d e f Super Jockeys Trial 2015(シリーズ概要) - 地方競馬全国協会、2015年4月22日閲覧
  9. ^ WSJS地方騎手選定競走は岩田康誠騎手(兵庫)が総合優勝! - 地方競馬全国協会、2020年2月2日閲覧
  10. ^ 『スーパージョッキーズトライアル』WSJS選定競走は濱口楠彦騎手が総合優勝 - 地方競馬全国協会、2020年2月2日閲覧
  11. ^ スーパージョッキーズトライアル2007 WSJS地方競馬代表騎手が決定! - 地方競馬全国協会、2020年2月2日閲覧
  12. ^ web Furlong 2009【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  13. ^ web Furlong 2010【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  14. ^ web Furlong 2011【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  15. ^ web Furlong 2012【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  16. ^ web Furlong 2013【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  17. ^ web Furlong 2014【スーパージョッキーズトライアル】 - 地方競馬全国協会、2015年4月13日閲覧
  18. ^ スーパージョッキーズトライアル2015 - 地方競馬全国協会、2015年7月31日閲覧
  19. ^ SJT2016 永森大智騎手(高知)が総合優勝 - 地方競馬全国協会、2016年7月7日閲覧
  20. ^ SJT2017 中野省吾騎手(船橋)が総合優勝 - 地方競馬全国協会、2017年6月22日閲覧
  21. ^ 地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ 初代チャンピオンは桑村真明騎手(北海道)!! - 地方競馬全国協会、2018年7月18日閲覧
  22. ^ 愛知の岡部誠騎手、総合優勝で8月のWAJ代表候補に「恥じないレースを」/地方競馬JCS”. ヤフースポーツ (2022年5月31日). 2022年5月31日閲覧。
  23. ^ 2023地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ ファイナルステージの結果地方競馬全国協会、2023年7月6日配信・閲覧

外部リンク[編集]