スチュアート・ハム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スチュアート・ハム
Stuart Hamm
スチュアート・ハム(2013年)
基本情報
別名 Stu Hamm
生誕 (1960-02-08) 1960年2月8日(64歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ルイジアナ州ニューオーリンズ
ジャンル ブルース
フュージョン
プログレッシブ・ロック
職業 ミュージシャン
作曲家
担当楽器 ベース、ボーカル、キーボード
活動期間 1984年 -
共同作業者 ジョー・サトリアーニ
フランク・ギャンバレ
スティーヴ・ヴァイ
カイファネス
ヴィンス・ニール
カール・ヴァーヘイエン
マイケル・シェンカー
公式サイト stuhamm.com

スチュアート・ハムStuart Hamm1960年2月8日 - )は、アメリカ合衆国のベース奏者[1][2]であり、数多くのアーティストとのセッションとライブ作品、そして彼の型破りな演奏スタイルとソロ・レコーディングで知られている。

略歴[編集]

ニューオーリンズで生まれたハムは、幼少時代をイリノイ州シャンペーンで過ごし、ベースとピアノを学び、シャンペーン中央高校のステージバンドで演奏し、イリノイ・オールステート・バンドのメンバーに選ばれた。ハムは、1978年にバーモント州ノーリッチに住んでいる間に、ニューハンプシャー州ハノーバーにあるハノーバー高校を卒業した。高校卒業後、ボストンバークリー音楽大学に通い、ギタリストのスティーヴ・ヴァイと出会い、彼を通じてジョー・サトリアーニと知己を得た。ハムは、1984年にリリースされたヴァイのデビュー・ソロ・アルバム『フレクサブル』でベースを演奏した。

ハムは、スティーヴ・ヴァイ、フランク・ギャンバレ、ジョー・サトリアーニをはじめ、多くの著名なギタリストと共演し、レコーディングを行っている。サトリアーニとのツアーにおけるハムのライブ演奏は、そのスキルを全国的に注目させた。サトリアーニや他のロック/フュージョン・アーティストとのその後のレコーディングや、彼自身のソロ作品のリリースは、ベーシストおよびパフォーマーとしての彼の評判を強固なものにしていった。

スタイル[編集]

同タイトルのフィリップ・K・ディックの小説に触発されたハムのファースト・ソロ・アルバム『Radio Free Albemuth』は、1988年にリリースされた。その上で、ハムは、フュージョンカントリークラシックなど、さまざまなジャンルに及ぶ多くのオリジナル作品で自身の能力を発揮した。「Country Music (A night in Hell)」のようなソロ曲で、彼はスラップ奏法や両手タップで演奏する能力、およびベースに幅広い楽器のサウンドを模倣させる能力を示している。それ以来、この作品は人気のライブ演奏曲になった。同アルバムで、彼はベートーヴェンの「月光ソナタ」をアレンジして演奏している。

キャリアの早い段階で、ハムはフィリップ・クビキのファクター・ベースと関わるようになった。その後、フェンダー楽器が、ハム自身の設計および承認による2本のシグネチャー・モデルのエレクトリックベースを生み出した。それが、これまでにフェンダーが作成した最初のアーティスト・モデルのベースとなる「Urge Bass」と「Urge II Bass」であり、D-Dropチューナーでアップグレードされた。機能には、なめらかなアルダー・ボディ、2オクターブのローズウッド指板を備えたグラファイト強化メープルネック、デュアルコイルのセラミック・ノイズレス・ジャズ・ベース・シングルコイル(ネック/ブリッジ)、カスタム巻きスプリットコイル・プレシジョン・ベース・ハムバッキング・ピックアップ(ミドル)、18V電源を備えた3バンドのアクティブ・エコライザーが含まれている。これらのベースは2010年に廃版となった。その後、ハムは2011年から独自のワッシュバーンのシグネチャー・モデルを持つようになり、EMGピックアップ、ヒップショット・ブリッジ/チューナー、3バンド・アクティブEQを搭載したAB40SHアコースティックベースとハマーに続いて、フレットレス・バージョン(SHBH3FLTSS)とスチュアート・ハム・エレクトリックベース・シリーズが2012年1月20日に発表された。2014年にワーウィック・ベースへと移り、ワッシュバーンに基づいたシグネチャー・モデルとワーウィック・ストリーマー・モデルのシェイプの作成を開始した[3]

ハムのスラップ、ポップ、両手によるタッピングのテクニックは、ソロでの録音や、教則ビデオ『Slap, Pop & Tap For The Bass』『Deeper Inside the Bass』に示されている。彼のライブ・パフォーマンスの人気のあるパートには、ヴィンス・ガラルディによる「Linus and Lucy」(アニメーションのテレビ特番『A Charlie Brown Christmas』から)における両手タッピングの配置が含まれていることがよくある。

2011年3月中旬以降、ハムはKOFY-TVの番組『Creepy KOFY Movie Time』のハウスバンド「The Deadlies」で演奏している。

2011年7月、ハムはカリフォルニア州ハリウッドにあるミュージシャンズ・インスティチュートにおけるベース・プログラム・ディレクターの地位を受け入れた。過去20年間、ハムは世界有数のベースのクリニックができる1人としてもツアーを行ってきた[4][5][6]

ディスコグラフィ[編集]

ソロ・アルバム[編集]

  • Radio Free Albemuth (1988年)
  • 『キングス・オブ・スリープ』 - Kings of Sleep (1989年)
  • 『アージ』 - The Urge (1991年)
  • 『アウトバウンド』 - Outbound (2000年)
  • Live Stu X 2 (2007年)
  • Just Outside of Normal (2010年)
  • The Book Of Lies (2015年)
  • The Diary of Patrick Xavier (2018年)

フランク・ギャンバレ[編集]

  • 『ギター・サンダーワールド』 - The Great Explorers (1993年)

GHS (with フランク・ギャンバレ&スティーヴ・スミス)[編集]

  • Show Me What You Can Do (1998年)
  • The Light Beyond (2000年)
  • 『GHS 3』 - GHS 3 (2002年)

ジョー・サトリアーニ[編集]

ジョー・サトリアーニ、エリック・ジョンソン、スティーヴ・ヴァイ[編集]

  • G3ライヴ』 - G3 Live in Concert (1997年) ※ライブCD、DVD、1-3曲目および10-12曲目に参加

スティーヴ・ヴァイ[編集]

参加アルバム[編集]

教則ビデオ[編集]

  • Slap, Pop & Tap for the Bass (1987年)
  • Deeper Inside the Bass (1993年)
  • Bass Basics (2008年) [7]
  • Fretboard Fitness (2010年) [8]

脚注[編集]

  1. ^ J. W. Black; Albert Molinaro (2001). The Fender bass: an illustrated history. Hal Leonard Corporation. p. 109. ISBN 978-0-634-02640-9. https://books.google.com/books?id=rC2X0BiF2ZMC&pg=PA1999-IA19&dq=%22stu+hamm%22+bass#v=onepage&q=%22stu%20hamm%22%20bass&f=false 2011年1月11日閲覧。 
  2. ^ Steve Hall; Ron Manus (1992). Scales & Modes for Bass: Handy Guide. Alfred Music Publishing. p. 12. ISBN 978-0-88284-546-3. https://books.google.com/books?id=VLS5OgpRAocC&pg=PA12&dq=%22stu+hamm%22+bass#v=onepage&q&f=false 2011年1月11日閲覧。 
  3. ^ Jordan, Waylon (2014年5月20日). “Behold! Be Among the First In the World to Glimpse the New ‘Stu Hamm’ Signature Bass”. KEKB. http://kekbfm.com/behold-be-among-the-first-in-the-world-to-glimpse-the-new-stu-hamm-signature-bass-photos/ 2015年2月7日閲覧。 
  4. ^ “Stuart Hamm”. Gitarre & Bass Magazine. オリジナルの2013年12月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131204074907/http://basscamp.gitarrebass.de/dozenten/Stuart-Hamm.html 2013年11月27日閲覧。 
  5. ^ Falkowski, Jens (2013年9月20日). “Bass Camp”. Deutsche Welle. http://www.dw.de/bass-camp/a-17100137 2015年2月7日閲覧。 
  6. ^ Herrera, Jonathan (2013年9月30日). “Warwick Bass Camp 2013: The Best of the Bass”. Premier Guitar. http://www.premierguitar.com/articles/19723-warwick-bass-camp-2013-the-best-of-the-bass 2014年12月4日閲覧。 
  7. ^ Bass Guitar Lessons - Bass Basics - Stu Hamm”. Truefire.com. 2011年7月9日閲覧。
  8. ^ Bass Guitar Lessons - Fretboard Fitness - Stu Hamm”. Truefire.com. 2011年7月9日閲覧。

外部リンク[編集]