ジミー・ウォング

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ジミー・ウォング
ジミー・ウォング(1960年代)
基本情報
繁体字 王羽
簡体字 王羽
漢語拼音 wáng yŭ
粤拼 wong④ jyu⑤
出生名 王正権
出身地 上海
生誕 (1943-03-18) 1943年3月18日
上海
死没 (2022-04-05) 2022年4月5日(79歳没)
台北市
国籍 中華民国の旗 中華民国
英語名 Jimmy Wang Yu
職業 俳優監督プロデューサー
脚本家武術指導実業家
ジャンル 映画
配偶者 林翠
王凱貞
子供 王馨平 (1968-)
祖籍 江蘇無錫
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王羽
中国語 王羽
発音記号
標準中国語
漢語拼音Wáng Yǔ
ウェード式Wáng Yǚ
IPA[wɑ̌ŋ ỳ]
粤語
イェール粤拼Wòhng Yyúh
IPA[wɔ̏ːŋ jy̬ː]
粤拼Wong4 Jyu5
閩南語
閩南語白話字Ông-Ú
王正権
繁体字 王正權
簡体字 王正权
発音記号
標準中国語
漢語拼音Wáng Zhèngquán
通用拼音Wáng Jhèngcyuán
ウェード式Wáng Chèng-ch'ǘan
イェール式
ローマ字
Wáng Jèngchywán
粤語
イェール粤拼Wòhng Jeng Kyùhn
IPA[wɔ̏ːŋ tsɛ̄ːŋ kʰy̏ːn]
粤拼Wong4 Zeng3 Kyun4
閩南語
閩南語白話字Ông Chèng-kôan

ジミー・ウォング王羽, 中国語: 王羽、本名: 王正権, : 王正權; : 王正权 1943年3月18日 - 2022年4月5日)は、台湾俳優映画監督プロデューサー脚本家

経歴[編集]

1943年3月18日、上海の裕福な家庭に生まれる。子供のとき、一家は香港に移住した。高校・上海体育学院(現在の上海体育大学の前身)時代には水泳や水球の選手として活躍していたが、試合中の乱闘事件により選手資格を剥奪されてしまう。その後、新聞に掲載されていた香港の映画会社ショウ・ブラザーズ社のオーディションに応募したところ見事合格。1964年、チャン・チェ監督の『虎侠殲仇』にて俳優デビューを飾る。

67年には『片腕必殺剣(原題:獨臂刀)』のヒットにより香港映画界きっての大スターへと成長し、東南アジアでは“天皇巨星”と謳われるほどの人気を博す。なお、以降も何度も演じあたり役となった「片腕の武芸者」は、金庸の武侠小説の影響だという。

70年には自身初の監督・脚本・主演を担当した『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー(原題:龍虎鬥)』が大ヒットし、のちの香港カンフー映画ブームの基礎を築いたといわれている。

1970年 ショウ・ブラザーズ社から独立したレイモンド・チョウ率いるゴールデン・ハーベスト社に移籍。71年には勝新太郎と競演した『新座頭市 破れ!唐人剣』、72年には伝説的なカルト映画『片腕ドラゴン(原題:獨臂拳王)』に主演する。一方で実生活でのトラブルが少なくなく、暴力事件や香港黒社会との関係などが取り沙汰されスターとしての人気が低迷、活動の拠点を台湾へと移す。しかしながら後にジャッキーとローウェイとの契約問題の間を黒社会との人脈を生かして両者の取り持ちを買って出るなど、ジャッキーも彼には頭が上がらない存在として影響力は健在である。その後は香港第一影業公司と契約、『ドラゴンvs不死身の妖婆(原題:英雄本色)』『ドラゴン覇王拳(原題:覇王拳馬永貞)』『怒れるドラゴン 不死身の四天王(原題:四大天王)』など数多くの作品を生み出す。

近年は実業家として活動していたが、2011年公開のピーター・チャン監督『捜査官X(原題:武俠)』に13年ぶりに出演して以降、映画出演を再開。2011年に脳卒中に見舞われるがリハビリを経て復帰[1]。2013年の台湾映画『失魂』では第15回台北映画祭において主演男優賞を獲得、第50回台湾金馬奨でも主演男優賞にノミネートされた[1]

2016年には再び脳出血によりタイの空港で倒れ病院で緊急手術を受けている[1]。晩年は台湾の病院で療養しており[2]2019年の金馬奨で特別功労賞(終身成就奨)も娘の王馨平が代わりに受け取った[3]。2022年4月5日、台北市の振興医院で亡くなったことが王馨平のフェイスブックを通じて公表された[3][4]

出演作品[編集]

1964年

  • 虎侠殲仇 Tiger Boy

1965年

  • 江湖奇俠 Temple of the Red Lotus

1966年

  • 邊城三俠 The Magnificent Trio

1967年

  • 斷腸劍 The Trail of the Broken Blade
  • 琴劍恩仇 The Sword and the Lute
  • 亞洲秘密警察『アジア秘密警察』(香港公開版) Asia Pol
  • 獨臂刀『片腕必殺剣』 One Armed-Swordsman
  • 蘭姨 Auntie Lan
  • 大刺客『大刺客』 The Assassin

1968年

  • 金燕子『大女侠』 The Golden Swallow
  • 神刀 The Sword of Swords

1969年

1970年

1971年

1972年

  • 獨臂拳王『片腕ドラゴン』 One Armed Boxer
  • 霸王拳馬永貞『ドラゴン覇王拳』 Furious Slaughter
  • 馬素貞報兄仇『ドラゴン覇王拳2 復讐の挽歌』 Ma Su Chen
  • 天王拳 Show Down
  • 秋瑾(驚天動地) Dragon Fist(Fury of King Boxer)
  • 一身是胆 The Gallant
  • 何日再吻君 A Kiss to Remember
  • 大盜 The Fast Fists
  • 忠義門 Boxers of Loyalty and Righteousness(Shogun Saints)
  • 威震四方 The Hero(Destroyer)
  • 侠義雙雄 The Last Duel(Gallant Duo)
  • 叛徒(英雄胆) The Lion's Heart
  • 狂風沙 The Adventure(Iron Fist Adventures)(Adventure Sandstorm)
  • 縱橫天下『必殺ドラゴン飛龍剣』 The Invisible

1973年

※『英雄本色』の不死身の妖婆(謝金菊)主演。オープニング・クレジットやロビーカードに"領銜主演 王羽"の文字はあるが本編にはほとんど登場しない。

1974年

1975年

1976年

  • 獵人 The Great Hunter
  • 獨臂拳王大破血滴子『片腕カンフー対空とぶギロチン』 One Armed Boxer vs the Flying Guillotine
  • 虎鶴雙形『ドラゴン修行房』 Tiger & Crane Fists
  • 鱷潭群英會 A Queen's Ransom
  • 獨臂雙雄 One Armed Swordsmen
  • 獨臂拳王勇戰楚門九子 One Armed Swordsmen vs 9 Killers
  • 大江南北 A Dead Rivalry(A Deadly Rivalry)(Double Double Crosser)(Attack to Kill)
  • 風,雨,雙流星『ファイナル・ドラゴン』 The Killer Meteors

1977年

  • 獨臂刀大戰獨臂刀(獨臂俠大戰獨臂俠) One Arm Chivalry Fight Against One Arm Chivalry(Point the Finger of Death)
  • 血連環 Deadly Silver Spear
  • 灯籠街(燈籠街) Lantern Street
  • 神拳大戰快槍手 Return of the Chinese Boxer
  • 手足情深 Brotherly Love
  • 判決 The Criminal(Thundering Ninja)
  • 大腳娘子 Revenge of Kung Fu Mao(Big Foot Mama)

1980年

  • 古寧頭大戰

1981年

  • 雞蛋石頭碰 The Taxi Driver

1982年

1984年

  • 上海灘十三太保『上海13』 The Shanghai Thirteen

1985年

1986年

※77年の「判決」をフィルマーク社が勝手に再編集して作った映画。

1990年

1991年

1992年

1993年

1997年

  • 半生緑 Eighteen Springs
  • 生日多戀事 Stand Behind the Yellow Line

2011年

  • 武俠『捜査官X』 Dragon
  • 保衛戰隊之出動喇!朋友!LET’S GO Let's Go!

2012年

2013年

脚注[編集]

  1. ^ a b c 「獨臂刀王」王羽驚傳泰國中風”. 自由時報. 2016年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  2. ^ 【王羽中風一年】王馨平接父返港住「富貴長者屋」休養?”. 明報. 2017年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月22日閲覧。
  3. ^ a b 謝雅竹 (2022年4月5日). “「獨臂刀王」王羽病逝享壽80歲 告別一代武俠風姿[影”]. 中央通訊社. https://www.cna.com.tw/news/amov/202204055002.aspx 2022年4月5日閲覧。 
  4. ^ 139060716110516の投稿(5661253113891221) - Facebook

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]