サッちゃん

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サッちゃんは、日本童謡である。阪田寛夫作詞大中恩作曲

「さっちゃん」は誤記。

概要

1959年10月10日に開催されたNHKラジオ「うたのおばさん」放送開始10周年記念リサイタル(主催:松田トシ)にて、新曲として発表された[1]

作詞の阪田寛夫は、この歌は「近所に住んでいた少女サッちゃんのことを歌っている」と語っており、サッちゃんのモデルとなった少女は、阿川佐和子であるとされている。 阪田寛夫と、佐和子の父・阿川弘之とが知り合いで、互いの自宅も近かったためで、このことは週刊文春で阿川が連載していた対談「この人に会いたい」の中で阿川が阪田と対談した際に判明した。しかし、2011年3月18日放送のTBS系『ぴったんこカン・カン』に阿川が出演した際には、「『実は阿川は関係無く、幼馴染の少し影のある少女が幼稚園を転園したときの思い出を書いた曲』と言われた」と発言している。

作曲者本人によって混声合唱曲および女声合唱曲に編曲され、混声版は「五つのこどものうた」におさめられている。

JASRACによると、作詞者の阪田寛夫(2005年没)、作曲者の大中恩(2016年現在存命中)共に、著作権は継続している。

都市伝説

この童謡には歌詞から広がった様々な都市伝説が広まっている。

4番存在説
あまり知られていない4番があり、歌うとサッちゃんに殺されてしまうとする説。また、この都市伝説を聞いた人は3時間以内に5人に伝えないとただでは済まないとされるが、同じく知られていない5番を歌うと助かるという説もある(10番まであると言うバージョンもある)。
足なし幽霊説
上説の補正版。電車にはねられたサッちゃんは体が真っ二つになって、テケテケのように上半身だけの状態でさまよっており、この話を知った人(もしくは歌の4番を歌った人)の元へ夜中(寝る前など)に現れ、失った脚の代わりとして脚を切断する(もしくは殺害する)とする説。サッちゃんから逃れるためには、大好きだったバナナ(絵でも可)を寝床に置いておけば、サッちゃんがそちらに気を取られることで助かる。これは『ポンキッキーズ』で放送されていたアニメ「学校のコワイうわさ・花子さんがきた!!」で類似した話があったためにできたとも考えられる。これと似たチェーンメールのようなものも存在する。「サッちゃんは交通事故ではねられて即死した。「遠くへ行った」のは彼女の顔であり、この文を見た人のもとへサッちゃんが0時に行って、その人は首を鎌で切り取られてしまう。同じ文を9回違うスレに送れば回避できる。」とする内容で、冒頭はカタカナで書かれている。もっとも実際に歌うとリズムに無理がある。
病死説
1番の歌詞には特に問題になる部分はないが、都市伝説化しているのは2番と3番の歌詞である。2番の「バナナをはんぶんしかたべられないの」の部分と、3番の「サッちゃんがねとおくへいっちゃうってほんとかな」の部分は、実はサッちゃんは病気などの理由で体が衰弱してしまったために「バナナをはんぶんしかたべられ」ず、「とおくへいっちゃ」(=死んでしま)ったとする説。また、病死説では、「とおくへいっちゃう」を漢字変換することで「遠くへ逝っちゃう」となるとする。
さっちゃん110番説
小学館の小学三年生で山田路子が連載していた「さっちん110番」と言う作品があり、当時の子供達の間で「サッちゃんは110番まである。」と言うジョークが流行ったのが、4番以降延々とあると言う元ネタになったと言う説。

こぼれ話

  • 2006年10月14日に阪田の通った大阪市阿倍野区の幼稚園にこの歌の碑が建立され、阪田の次女大浦みずきが建立イベントに立ち会った。
  • 作詞の阪田と作曲の大中は従兄弟である。
  • ラジオ番組爆笑問題カーボーイの「私はこういう者です(嘘あり)」のコーナーで、使用されている。また、CD田中のコーナーでも、「サッちゃん」がネタの題材として流れることもある。

この曲を録音した主な歌手・演奏者

『サッちゃんの都市伝説』を題材にした作品

脚注

  1. ^ 『ピアノ伴奏 子どもの歌名曲選』ドレミ楽譜出版社、2012年2月20日、28頁。ISBN 9784285132748