ゴールデンボーイ・プロモーションズ
ゴールデンボーイプロモーションズ(英文 Golden Boy Promotions, Inc.)は、アメリカ合衆国のボクシングプロモーション会社。ロサンゼルスに拠点を置くアメリカの大手プロモーター。社名は会社設立者であるオスカー・デ・ラ・ホーヤの愛称に由来している。軽量級から重量級まで偏ることなく多くのスター選手との契約を持っていたが、2015年に所属していたスター選手が大量離脱して以降は手薄な状態が続いている。HBOに試合を提供している。
組織の主要担当者
- オスカー・デ・ラ・ホーヤ(会社設立者、社長、主要株主、最高経営責任者)
- エリック・ゴメス(副社長、マッチメーカー)
- ロベルト・ディアス(マッチメイカー)
- ジェレミー・ヒックス(専属会計士)
- バーナード・ホプキンス(業務執行社員(アメリカ東部地区))
- ロナルド・ライト(業務執行社員(アメリカ西部地区))
- リッキー・ハットン(業務執行社員(イギリス国内))
歴史
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- 2002年、6階級制覇を達成したオスカー・デ・ラ・ホーヤがボブ・アラムのトップランクから独立する形で設立。リチャード・シェイファーが最高経営責任者(CEO)に就任。エリック・ゴメスがマッチメーカーに、ジェレミー・ヒックスが専属会計士に就任。
- 2004年、ミドル級4団体統一世界王者バーナード・ホプキンスとプロモーター契約を交わし、アメリカ東部地区業務執行社員に就任[1]。
- 2005年7月、シェーン・モズリーが選手管理業務執行社員に就任、マルコ・アントニオ・バレラがメキシコ国内業務執行社員に就任[1]。
- 2006年7月、ロナルド・ライトのプロモーションであるウィンキー・プロモーションズとの提携を発表、ロナルド・ライトが入社する[2]。
- 2007年、ブルース・ビンコーが最高マーケティング責任者(CMO)として入社[3]。
- 2008年、興行ノウハウの不足していた新興総合格闘技団体Afflictionと提携を結んだ[4]
- 2008年7月、マルコ・アントニオ・バレラが退社[5]。
- 2012年9月15日、この日の試合で一番よいノックアウト勝利を収めた選手に賞金が贈られる興行『ノックアウトキング』を開催、ホセシート・ロペスを5回TKOで下したサウル・アルバレスが賞金5万ドルを獲得した[7]。2013年7月22日には第2回の『ノックアウトキング2』を開催、ディエゴ・ガブリエル・チャベスに10回KOで勝利したキース・サーマンが賞金1万ドルを獲得した[8]。
- 2012年10月20日、ニューヨークバークレイズ・センターで初めてのボクシング興行を開催。ラスベガスやカリフォルニアに集中していた興行を分散し、ニューヨークでの興行を再度活性化することを目的として同センターと定期興行独占契約を結んだ。
- 2013年3月、ゴールデンボーイプロモーションズの試合を定期的に数多く放送してきたケーブルテレビ局のHBOが、今後はゴールデンボーイプロモーションズ所属選手の試合を放送しない方針を発表した[9]。これにより、HBOのライバルケーブルテレビ局でもあるショウタイムへの放送依存度が従来よりさらに高まった。HBOがゴールデンボーイプロモーションズと袂を分かったのは、HBOと条件面が折り合わなかったフロイド・メイウェザー・ジュニアがHBOからショウタイムへ移籍したこと、ショウタイムスポーツ部門のトップ責任者にゴールデンボーイプロモーションズの元弁護士が就任したことで、ショウタイムとゴールデンボーイプロモーションズがより親密になったことが原因と言われている。
- 2013年8月、ケーブルテレビ局 Fox Sports 1で、主にゴールデンボーイプロモーションズ所属の若手選手が出場するボクシング中継番組「ゴールデンボーイ・ライブ」を放送開始[10]。
- 2013年9月14日、『ザ・ワン』と題されたメイウェザー・ジュニアとサウル・アルバレスの無敗対決が実現。ペイ・パー・ビューの収入とチケットの収入でボクシング歴代最高記録を打ち立てるなど大成功を収めた興行となった。前座でダニー・ガルシア対ルーカス・マティセーが行われた。
- 2014年5月3日、MGMグランドでマルコス・マイダナVSメイウェザー・ジュニアのウェルター級王座統一戦を開催。キャッチコピーは「ザ・モメント(特別な瞬間)」。メイウェザー・ジュニアがマイダナを寄せ付けず2階級統一世界王者になった。前座でエイドリアン・ブローナーとアミール・カーンがMGMに初登場を果たした。
- 2014年6月2日、実質的に会社を取り仕切ってきた最高経営責任者(CEO)のリチャード・シェイファーが辞任を発表[11]。6月14日、シェイファーの側近であった最高執行責任者(COO)ブルース・ビンコー(後に復帰している)と、シェイファーの秘書ニコル・ベセラが辞任を発表[3][12]。
- 2014年6月26日、ゴールデンボーイプロモーションズがリチャード・シェイファーに対して5000万ドルの損害賠償を求めて裁判所へ提訴する[13]。
- 2014年6月30日、デ・ラ・ホーヤが副最高執行責任者(COO)のアーマンド・ゲイタン、執行副社長のラウル・ハイメス、マーケティング統括責任者のニコル・スパークスの3人を解雇。ハイメスはシェイファーの妻の親戚、ゲイタンは先に退社していたニコル・ベセラの夫、といずれもシェイファーと関係の深い人物だった[14]。
- 2014年9月23日、デ・ラ・ホーヤとHBOスポーツ社長ケン・ハーシュマンがサウル・アルバレスとHBOの複数試合契約を発表。ゴールデンボーイプロモーションズとHBOの復縁のきっかけとなった[15]。
- 2014年10月、2008年にゴールデンボーイプロモーションズの株式を購入して以来、一切の配当が無かったことを理由に、大株主のアンシュッツ・エンターテイメント・グループ(株式20%保有)とガブリエル・ブレナー(株式12%保有)が株式の買戻しを要請、デ・ラ・ホーヤが要請に応じ株式を買い戻した。この結果、株式の保有率はデ・ラ・ホーヤが87%、リチャード・シェイファーが8%、バーナード・ホプキンスが5%となった[16]。
- 2014年11月8日、ボードウォーク・ホールでWBA・IBF世界ライトヘビー級スーパー王座バーナード・ホプキンスがWBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフとの3団体統一戦の開催。ゴールデンボーイプロモーションズの所属選手の試合を一切放送しないと公表していたHBOが久々に放送した。
- 2015年1月9日、元最高経営責任者(CEO)リチャード・シェイファーの裁判が和解に至るが、和解条件の一環としてゴールデンボーイプロモーションズは、アミール・カーン(2016年2月にアル・ヘイモンから離脱)、ルーカス・マティセー(2015年1月に再契約と同時にヘイモンから離脱)、バーナード・ホプキンス、サウル・アルバレス、ポール・マリナッジなどを除く、ほとんどの所属スター選手のプロモート権を放棄し、大量の選手が同プロモーションを去った。また、リチャード・シェイファーも和解条件の一環として同プロモーションの株式を手放した他に、ボクシングプロモーターとして働く事を一定期間禁止されることになった[17][18][19]。
- 2015年3月6日、ゴールデンボーイプロモーションズ所属の新人選手育成を目的にした定期興行「L.A.ファイト・クラブ」が開催[20]。これは同じコンセプトで2009年から2012年までL.A.ライブ内のクラブ・ノキアで開催されていた定期興行「ファイト・ナイト・クラブ」を再開させたものである[21]。
- 2015年5月6日、オスカー・デ・ラ・ホーヤとバーナード・ホプキンスが原告となり、アル・ヘイモンと、その関連企業のヘイモン・デベロップメント、ヘイモン・スポーツ、ヘイモン・ボクシング、ヘイモン・ボクシング・マネージメントなど、そしてアル・ヘイモンに出資している投資会社のワッデル&リード・ファイナンシャルなどに対して、反トラスト法(独占禁止法)とモハメド・アリ改正法に違反しているとして、3億ドルの損害賠償を求めて訴訟を起こした[22][23]。
- 2015年6月30日、ケーブルテレビ局 Fox Sports 1との契約が終了。これに伴い同局で2013年8月から放送していたボクシング中継番組「ゴールデンボーイ・ライブ」の放送も終了した[24]。
- 2015年9月4日、スペイン語ケーブルテレビ局のエストレージャTVと契約。新人選手育成を目的にした定期興行「L.A.ファイト・クラブ」を中心に放送開始予定[25]。
- 2015年10月17日、マディソン・スクエア・ガーデン・シアターでデイビッド・レミューとゲンナジー・ゴロフキンによるWBA・WBC・IBF世界ミドル級王座統一戦「ミドルウェイト・チャンピオンシップ・ユニフィケーション」を開催(K2プロモーションズとの共催)。
- 2015年11月21日、マンダレイ・ベイ・イベント・センターでミゲール・コットとサウル・アルバレスによるWBC世界ミドル級タイトルマッチ「エル・ソムブレノ(影の戦)」を開催(ロック・ネイション・スポーツとの共催)。
主な所属選手
- サウル・アルバレス
- バーナード・ホプキンス(2004年トップランク社から移籍)
- ルイス・オルティス
- ルーカス・マティセー
- フランシスコ・バルガス
- アミール・カーン
- デイビッド・レミュー
- ホルヘ・リナレス
- マウリシオ・ヘレーラ
- ランディ・カバジェロ
- ウンベルト・ソト(2014年プエブロから移籍)
- ヘスス・ソト・カラス(2012年トップランク社から移籍)
- パブロ・セサール・カノ
- ヨハン・ペレス
- ヨアンドリス・サリナス
- クリスチャン・ミハレス(2014年プエブロから移籍)
- セルヒオ・トンプソン
- 亀海喜寛(日本人初のゴールデンボーイプロモーションズフルタイム契約選手)
- ディエゴ・デ・ラ・ホーヤ
- サダム・アリ
元所属・元契約選手
- エリック・モラレス
- ラファエル・マルケス
- イスラエル・バスケス
- ファン・マヌエル・マルケス(トップランクへ移籍)
- ティモシー・ブラッドリー(トップランクへ移籍)
- ジェームス・カークランド(50セントのSNSプロモーションズへ移籍)
- ホエール・カサマヨール
- エリック・モレル
- ホルヘ・ロドリゴ・バリオス
- クリス・ジョン(アメリカ進出2戦のみ契約)
- コーネリアス・バンドレイジ
- ダニエル・ポンセ・デ・レオン
- ラモン・ピーターソン(2013年トップランクから移籍、2015年1月に離脱)
- アブネル・マレス(2015年1月に離脱)
- エイドリアン・ブローナー(2015年1月に離脱)
- ロバート・ゲレーロ(2015年1月に離脱)
- ダニー・ガルシア(2015年1月に離脱)
- ビクター・オルティス(2015年1月に離脱)
- エリスランディ・ララ(2015年1月に離脱)
- ピーター・クイリン(2015年1月に離脱)
- デボン・アレクサンダー(2015年1月に離脱)
- キース・サーマン(2015年1月に離脱)
- ショーン・ポーター(2015年1月に離脱)
- デオンテイ・ワイルダー(2015年1月に離脱)
- ダニエル・ジェイコブス(2015年1月に離脱)
- マルコス・マイダナ(2015年1月に離脱)
- アンドレ・ベルト(2015年1月に離脱)
- オマール・フィゲロア(2015年1月に離脱)
- カルロス・モリーナ(2013年ドン・キング・プロダクションズから移籍、2015年1月に離脱)
- ゲーリー・ラッセル・ジュニア(2015年1月に離脱)
- オースティン・トラウト(2015年1月に離脱)
- アルフレド・アングロ(2015年1月に離脱)
- アンソニー・ディレル(2015年1月に離脱)
- ポール・マリナッジ(2015年1月に離脱)
- レオ・サンタ・クルス(2015年2月に離脱)
- イシュー・スミス(メイウェザープロモーションズ所属)
- ファン・マヌエル・ロペス(2014年トップランクから移籍)
- ベイブット・シュメノフ(2012年に期限付き移籍、2013年12月からフルタイム契約に移行)
- アントニオ・ターバー
- ロッキー・ファレス
- ラティーフ・カヨデ
- セルヒオ・モラ
- マルコ・アントニオ・ペリバン
- アンセルモ・モレノ
- ジョニー・ゴンサレス
- ザブ・ジュダー
- デビッド・ヘイ
- シャリフ・ボゲール
脚注
- ^ a b “De La Hoya's Promotional Strategy Packs a Wallop”. The New York Times (2005年7月19日). 2014年6月1日閲覧。
- ^ “Winky Wright joins Golden Boy Promotions”. Winky Wright joins Golden Boy Promotions (2006年7月16日). 2014年6月14日閲覧。
- ^ a b “Binkow Officially No Longer With Golden Boy Promotions”. BoxingScene.com (2014年6月14日). 2014年6月14日閲覧。
- ^ 【kamipro】UFC親会社の経営危機説に迫る!! アフリクション副社長トム・アテンシオ直撃インタビュー kamipro 2008年11月21日
- ^ “Golden Boy, Marco Antonio Barrera Announce Split”. BoxingScene.com (2008年7月14日). 2014年6月14日閲覧。
- ^ “Shane Mosley Discusses His Departure From Golden Boy”. BoxingScene.com (2010年12月14日). 2014年6月14日閲覧。
- ^ “Golden Boy's Knockout Kings Card To Have KO Bonus”. BoxingScene.com (2013年6月11日). 2014年7月13日閲覧。
- ^ “Karass, Figueroa and Thurman Victorious at Knockout Kings II”. Max.Boxing. 2014年7月13日閲覧。
- ^ HBOがGBPに絶縁状 ボクシングニュース「Box-on!」 2013年3月20日
- ^ “New Golden Boy, Fox Sports 1 Monday boxing series starts Aug. 19”. The Ring.com (2013年7月23日). 2015年2月14日閲覧。
- ^ “Richard Schaefer leaves Golden Boy”. Boxing.News (2014年6月2日). 2014年6月2日閲覧。
- ^ “Another Golden Boy exit”. ESPN.com (2014年6月17日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ “Golden Boy, Schaefer to arbitration”. ESPN.com (2014年6月26日). 2014年7月1日閲覧。
- ^ “Golden Boy shakeup continues”. ESPN.com (2014年6月30日). 2014年7月1日閲覧。
- ^ カネロがHBO復帰、次戦は12.6サンアントニオ有力 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年9月24日
- ^ “Shareholders cut ties to Golden Boy”. ESPN.com (2014年10月15日). 2014年10月27日閲覧。
- ^ “Golden Boy, Schaefer Reach Settlement: Haymon Too”. BoxingScene.com (2015年1月9日). 2015年1月10日閲覧。
- ^ GBPがブローナー、ワイルダーら主力を放出 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年1月10日
- ^ “Oscar De La Hoya gets settlement”. ESPN.com (2015年1月10日). 2015年1月11日閲覧。
- ^ デラホーヤが新鋭シリーズをスタート Boxing News(ボクシングニュース) 2015年2月13日
- ^ “Golden Boy brings back ‘new’ series”. Undisputed Champion Network (2015年2月13日). 2015年2月14日閲覧。
- ^ “Golden Boy sues Al Haymon for $300M”. ESPN.com (2015年5月6日). 2015年6月23日閲覧。
- ^ “Legal Analysis: Al Haymon “The Rasputin of Boxing” Sued by Golden Boy for Numerous Anti-Trust Violations”. Boxing Insider (2015年5月13日). 2015年6月23日閲覧。
- ^ “PBC coming to Fox Sports 1”. ESPN.com (2015年6月17日). 2015年6月23日閲覧。
- ^ “Golden Boy Inks Three Year TV Deal With Estrella TV”. Boxing Scene.com (2015年7月27日). 2015年7月28日閲覧。