ココナッツミルク

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ココナッツミルク
缶詰のココナッツミルクは、一部が固体化している物が多い

ココナッツミルク(または、ココナツミルク英語: coconut milk)は、成熟したココナッツ種子の内側に、層状に形成される固形胚乳から得られる、甘い状の食材。

作成

すりおろしたココナッツの固形胚乳を水と一緒に弱火で煮込んでから裏漉しし、目の粗いガーゼなどの布で絞って作る。

ココナッツの種子の中央に溜まった水状の液体、つまり液状胚乳(いわゆるココナッツジュース)とは全く別のものであるが、生物学の研究で植物の組織培養培地にこの液状胚乳を用いるとき、「ココナッツミルク」の名称を用いるので紛らわしい。なお、水の代わりにココナッツジュースと固形胚乳を使って作るココナッツミルクもある。[1]

料理

ココナッツミルクを加えて焼き菓子を作っている様子(インドネシア, ロンボク

ココナッツミルクは多くの熱帯料理で使用されるごく普通の材料であり、特に東南アジアタイマレーシアスリランカなど)やポリネシアでは頻繁に使われる。一般的には缶入りのものや冷凍したものが売られている。冷凍品のほうが風味が保たれる期間が比較的長く、ココナッツの独特の風味はカレーやその他香辛料の利いた料理と大抵の場合相性がよいため、料理に用いる場合には鮮度に留意する。製品によっては、濃厚な固形物状のものが缶の上に分離して浮いていることがある。これはココナッツクリームと呼ばれ、料理によってはこれを素材として使用することがある。缶を開ける前に良く振っておくと均一のものになる。カメルーンではピラフに混ぜられている。

一度開封したココナッツミルクの缶は袋に詰め替えて冷凍保存し、早めに使い切ると良い。開けたまま室温で放置するとすぐに傷み、酸味が出る。

タイ料理

タイ現地では、多くの家庭が裏庭などでココナッツを栽培しており、自宅で(サルに採らせた)ココナッツの固形胚乳を専用の道具で削り、それに水を合わせて絞ることを3回繰り返す。1回目のココナッツミルクはかなり濃厚で、2回目(いわば「二番絞り」)はほどほどに淡泊で、3回目はさらに薄い。料理を煮込む時などはまずは2回目に絞ったココナッツミルクを使い、料理を仕上げる時に、1回目に絞った濃厚なココナッツミルクを適量加えることで濃度を調整する。

フィリピン料理

マレーシア料理

インドネシア料理

インド料理

スリランカ料理

ベトナム料理

西インド諸島の料理

ハワイ料理

ブラジル料理

カクテル

関連項目

脚注

  1. ^ ココナッツジュースは、体液の成分と近く、またココナッツの内部は基本的に無菌状態であるため、昔、船乗りが脱水症状を起こしたときなどで、点滴用の生理食塩水がない場合などのときに、実際に点滴として利用されていた。