ゲイル・キャリガー

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ゲイル・キャリガー
Gail Carriger
誕生 Tofa Borregaard
(1976-05-04) 1976年5月4日(47歳)
アメリカ合衆国の旗 カリフォルニア州・ボリナス
職業 考古学者作家
言語 英語
教育 考古学人類学
最終学歴 オベリン大学
活動期間 2009年 -
ジャンル スチームパンクファンタジー
代表作 英国パラソル奇譚
デビュー作 アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う
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ゲイル・キャリガーGail Carriger、本名:トーファ・ボレガード〔Tofa Borregaard〕[1]1976年5月4日 - )は、考古学者スチームパンク作家[2]

経歴[編集]

カリフォルニア州マリン郡ボリナスに、イギリス人の母親と気難しい父親との間に生まれた[3]。同州サンラフェルのマリン・アカデミーの高校に通った[4]1998年オベリン大学を卒業[1]2000年にはイングランドノッティンガム大学考古学の修士号を、2008年カリフォルニア大学サンタクルーズ校で考古人類学の修士号を取得した[4]

2009年にオービット・ブックスから出版された処女作『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』(原題:Soulless )はジョン・W・キャンベル新人賞にノミネートされた[5]他、コンプトン・クルック賞[注 1][6]ローカス賞 第一長篇部門[4]にもノミネートされた。SF専門雑誌『ローカス』は同作を推薦図書に追加した[7]2010年に出版された第2作目『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(原題:Changeless )は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに名を連ね[1]、同年9月に出版された第3作目『アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う』(原題:Blameless)も同じくベストセラー入りした[8]。2011年6月、第4作『アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う』(原題:Heartless )が、2012年3月、第5作『アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る 』(原題:Timeless )が出版され、アレクシア女史が主人公の〈英国パラソル奇譚〉シリーズは全五部作として完結した。

第1作『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』はアメリカで漫画(アメコミではない日本風の「マンガ(manga)」)化されることも発表され[9]、作者の公式サイトで漫画版の設定画などが公開されている。第一巻が、2012年春に刊行された。

また、五部作完結後には新たなシリーズ四部作〈Finishing School〉の開始が予告されており、これは〈英国パラソル奇譚〉より少し前のイギリスを舞台とした作品で、前シリーズの登場人物の若かりし頃も描かれるという[9]

キャリガーは2011年9月に、テキサス州ダラスでサイエンス・フィクションの集会“FenCon”に名誉ゲストとして参加した[10]。キャリガーは、影響を受けた作家にP・G・ウッドハウスジェーン・オースティンチャールズ・ディケンズらを挙げている[11]。ヴィクトリア朝の旅行記にも影響を受けたと語っている。

作品[編集]

英国パラソル奇譚 (Parasol Protectorate)[編集]

# 邦題 原題 日本の旗 出版データ アメリカ合衆国の旗 出版データ
1 アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う Soulless 2011年4月15日
早川書房ハヤカワ文庫
ISBN 978-4-15-020532-4
2009年10月7日
オービット・ブックス
ISBN 0-316-05663-4
2 アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う Changeless 2011年6月20日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020534-8
2010年4月1日
オービット・ブックス
ISBN 0-316-07414-4
3 アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う Blameless 2011年12月8日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020540-9
2010年9月1日
オービット・ブックス
ISBN 0-316-07415-2
4 アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う Heartless 2012年4月10日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020542-3
2011年6月28日
オービット・ブックス
ISBN 0-316-12719-1
5 アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る Timeless 2012年9月20日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020548-5
2012年3月1日
オービット・ブックス
ISBN 0-316-12718-3

英国空中学園譚 (Finishing School)[編集]

# 邦題 原題 日本の旗 出版データ アメリカ合衆国の旗 出版データ
1 ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る Etiquette & Espionage 2013年2月8日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020551-5
2013年2月5日
リトル・ブラウン・ブックス
ISBN 0-316-19008-X
2 ソフロニア嬢、発明の礼儀作法を学ぶ Curtsies & Conspiracies 2013年12月6日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020560-7
2013年11月5日
リトル・ブラウン・ブックス
ISBN 978-1907411601
3 ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する Waistcoats & Weaponry 2015年4月22日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020572-0
2014年11月4日
リトル・ブラウン・ブックス
ISBN 9780316190275
4 ソフロニア嬢、倫敦で恋に陥落する Manners & Mutiny 2017年2月23日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020587-4
2015年11月3日
リトル・ブラウン・ブックス
ISBN 9780316190282

続・英国パラソル奇譚 (The Custard Protocol)[編集]

# 邦題 原題 日本の旗 出版データ アメリカ合衆国の旗 出版データ
1 プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する Prudence 2015年12月8日
早川書房〈ハヤカワ文庫〉
ISBN 978-4-15-020582-9
2015年
2 Imprudence 2016年

脚注・出典[編集]

脚注
  1. ^ ボルティモア・サイエンス・フィクション協会が主催する賞。SF・ファンタジー・ホラー分野の新人作家に贈られる賞。
出典
  1. ^ a b c Oberlin Beyond Oberlin, オベリン大学 同窓会会報 2010年春 Volume 105 no. 3(英語)
  2. ^ Henninger, Jason (2010年5月28日). “インタビュー Pickles and Parasols: An interview with Gail Carriger”. Tor出版. 2011年9月7日閲覧。(英語)
  3. ^ 『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』著者紹介欄
  4. ^ a b c “2010 Locus Awards Finalists”. ローカス. (2010年4月19日). http://www.locusmag.com/News/2010/04/locus-awards-finalists.html 2011年9月7日閲覧。 (英語)
  5. ^ 2010 ヒューゴ賞最終投票 at Aussiecon 4(英語)
  6. ^ Silver, Steven H (2010年3月25日). “Compton Crook Nominees”. SF Site. http://www.sfsite.com/news/2010/03/25/compton-crook-nominees-2/ 2011年9月7日閲覧。 (英語)
  7. ^ 『ローカス』推薦図書リスト2009 at io9(英語)
  8. ^ “週間ベストセラー: 2010年9月14日”. ローカス. (2010年9月14日). http://www.locusmag.com/Monitor/2010/Bestsellers0914.html 2011年9月7日閲覧. "Gail Carriger's Blameless (Orbit), debuts in 20th place on the NYT mass market paperback list this week." (英語)
  9. ^ a b 『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』 あとがき
  10. ^ キャリガー, ゲイル (2010年9月22日). “The Very Beginnings of the Parasol Protectorate”. Hail the Victorious Parasol. 2011年9月7日閲覧。(英語)
  11. ^ Interview with Gail Carriger at ReadAndFindOut(英語)

外部リンク[編集]