ケビン・コスナー

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ケビン・コスナー
Kevin Costner
Kevin Costner
2016年
本名 Kevin Michael Costner
生年月日 (1955-01-18) 1955年1月18日(69歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州リンウッド
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 185 cm
職業 俳優映画監督映画プロデューサー
ジャンル 映画
活動期間 1974年 -
活動内容 1983年:映画デビュー
1990年:アカデミー賞受賞
配偶者 シンディ・シルバ(1978年 - 1994年)
クリスティーン・バウムガートナー(2004年 - )
主な作品
 
受賞
アカデミー賞
作品賞
1990年ダンス・ウィズ・ウルブズ
監督賞
1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(特別個人貢献賞)
1991年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
放送映画批評家協会賞
生涯功労賞
2015年 長年の映画界への貢献に対して
エミー賞
男優賞(ミニシリーズ/テレビ映画部門)
2012年宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ
ゴールデングローブ賞
監督賞
1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
男優賞(テレビ映画・ミニシリーズ部門)
2012年『宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ』
主演男優賞(ドラマシリーズ部門)
2022年イエローストーン
ゴールデンラズベリー賞
最低作品賞
1997年ポストマン
最低監督賞
1997年『ポストマン』
最低主演男優賞
1991年ロビン・フッド
1994年ワイアット・アープ
1997年『ポストマン』
最低リメイク賞
1994年『ワイアット・アープ』
セザール賞
名誉賞
2013年
全米映画俳優組合賞
キャスト賞
2016年ドリーム
男優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
2012年『宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ』
日本アカデミー賞
最優秀外国語作品賞
1991年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
その他の賞
全米監督協会賞
長編映画監督賞
1990年『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
ハリウッド名声の歩道
2003年
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ケビン・コスナー: Kevin Costner1955年1月18日 - )は、米国映画俳優映画監督映画プロデューサー。監督・製作・主演を務めた『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年)でアカデミー作品賞アカデミー監督賞ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した。

経歴[編集]

1955年カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のリンウッドに生まれる[1]チェロキー族インディアン、ドイツアイルランドの混血である[2][3][4]。少年時代より野球アメリカンフットボールに熱中し、ハイスクール時代には全米選抜に選ばれた経験を持つ[1]カリフォルニア州立大学フラトン校経営学を学び[1]、卒業前にサウス・アクターズ・コーポに参加[5]。短期の就職期間を経て、俳優業に専念することを選ぶ。

下積みを経て『女優フランシス』(1982年)で本格デビューするが、出演シーンは決定版でカットされる[5]。『再会の時』(1983年)でも同じ目に遭うが、ローレンス・カスダン監督と親しくなり、『シルバラード』(1985年)に出演する。同年には『ファンダンゴ』で主役を演じ、ケヴィン・レイノルズ監督と以後も組むことになる。

2003年、第56回カンヌ国際映画祭でのコスナー

1987年、『アンタッチャブル』の主演に抜擢され、ショーン・コネリーロバート・デ・ニーロを相手に正義感溢れる主人公を演じる。「ゲイリー・クーパーの再来[1]」と評価され、遅咲きながらハリウッドのトップスターの仲間入りをする。

フィールド・オブ・ドリームス』(1989年)や『ロビン・フッド』(1991年)、『ボディガード』(1992年)では善き父親やヒーローを演じる一方、『JFK』(1991年)や『パーフェクト・ワールド』(1993年)ではシリアスな役柄にも挑む。監督業やプロデューサー業にも進出し、1990年の『ダンス・ウィズ・ウルブズ』ではアカデミー賞最優秀作品賞最優秀監督賞を授与され、後のクリント・イーストウッドと共に、オスカー監督兼俳優としての地位を得た。

1995年の『ウォーターワールド』は、ハワイ島沖の巨大海上セットで撮影した大作として注目されたが、期待されたほどの成績を収められなかった。

『ロビン・フッド』と『ワイアット・アープ』(1994年)ではゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞、『ポストマン』(1997年)では最低監督賞および最低主演男優賞をそれぞれ受賞した[6][7][8]

近年では2012年放送のミニシリーズ『宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ』の演技でエミー賞ゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を獲得するなど評価された。

1998年から1999年にかけて、スバルレガシィツーリングワゴンのCMに出演している。

私生活[編集]

家族[編集]

前妻のシンディ・シルバとはキャンパスから下積み時代まで苦楽を共にし、3人の子供を持つおしどり夫婦として知られたが、『ウォーターワールド』撮影当時コスナーの不倫スキャンダルが発覚し、1994年に慰謝料100億円を支払って離婚した[9]

2004年に19歳年下のクリスティーン・バウムガートナーと再婚し、2007年に1児を儲けている[10]が2023年の時点ではバウムガートナーから離婚を申請されている[11]。また、元恋人との間にも息子がいる[10][12]

環境保護活動[編集]

1989年のエクソンバルディーズ号原油流出事故をきっかけに、1992~1993年ごろから、石油回収技術を開発している企業オーシャン・セラピー・ソリューションズに2000万ドル以上の私財を投じて、水と油を分離させる遠心分離機を開発させた。2010年メキシコ湾原油流出事故において、事故を起こしたBPはこの装置の性能を評価し、32台を購入する契約を交わした[13]

主な出演作品[編集]

映画[編集]

公開年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1982 ドリーム・リーグ
Chasing Dreams
エド
ラブ IN ニューヨーク
Night Shift
Frat Boy #1
女優フランシス
Frances
ルーサー クレジットなし
1983 5人のテーブル
Table For Five
Newlywed Husband
ステイシーの騎士達/ラスト・ギャンブラー
Stacy's Knights
ウィル
テスタメント
Testament
フィル・ピトキン 鈴置洋孝
1985 ファンダンゴ
Fandango
ガードナー・バーンズ
シルバラード
Silverado
ジェイク 家中宏(フジテレビ版)
渡部俊樹(配信版)
アメリカン・フライヤーズ
American Flyers
マーカス・ソマーズ
1986 マリブ・ビーチ物語
Sizzle Beach, U.S.A.
ジミー・スコット
1987 アンタッチャブル
The Untouchables
エリオット・ネス 根津甚八(フジテレビ版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
大塚芳忠(ソフト版)
津嘉山正種(テレビ東京版)
追いつめられて
No Way Out
トム・ファレル 津嘉山正種(テレビ朝日版、テレビ東京版)
大塚芳忠(ソフト版)
1988 さよならゲーム
Bull Durham
クラッシュ・デイヴィス 津嘉山正種(テレビ朝日版、ANA版)
有川博(JAL版)
若本規夫(機内上映版3)
1989 フィールド・オブ・ドリームス
Field of Dreams
レイ・キンセラ 津嘉山正種(DVD版、VHS版、日本テレビ版)
ケビン・コスナーの ガンランナー
The Gunrunner
テッド
1990 リベンジ
Revenge
コーコラン 兼製作総指揮 磯部勉(VHS版)
津嘉山正種(テレビ朝日版)
ダンス・ウィズ・ウルブズ
Dances with Wolves
ジョン・ダンバー / 狼と踊る男 兼監督・製作
アカデミー監督賞 受賞
ゴールデングローブ賞 監督賞 受賞 
津嘉山正種(ソフト版、日本テレビ版、テレビ朝日版)
1991 ロビン・フッド
Robin Hood: Prince of Thieves
ロビン・フッド 津嘉山正種(ソフト版、テレビ東京版)
江原正士(フジテレビ版)
JFK
JFK
ジム・ギャリソン 津嘉山正種(ソフト版、テレビ朝日版)
1992 ボディガード
The Bodyguard
フランク・ファーマー 兼製作 津嘉山正種(ソフト版、テレビ朝日版、フジテレビ版)
1993 パーフェクト・ワールド
A Perfect World
ロバート・“ブッチ”・ヘインズ 津嘉山正種(ソフト版、テレビ東京版)
1994 ワイアット・アープ
Wyatt Earp
ワイアット・アープ 兼製作 
8月のメモワール
The War
スティーブン・シモンズ 大塚芳忠
1995 ウォーターワールド
Waterworld
マリナー 兼製作 大塚芳忠(ソフト版)
津嘉山正種(テレビ東京版)
1996 ティン・カップ
Tin Cup
ロイ・マカヴォイ 津嘉山正種(ソフト版)
原康義(フジテレビ版)
1997 ポストマン
The Postman
ポストマン 兼監督 津嘉山正種(ソフト版、フジテレビ版)
1999 メッセージ・イン・ア・ボトル
Message in a Bottle
ギャレット・ブレイク 兼製作 原康義
ラブ・オブ・ザ・ゲーム
For Love of the Game
ビリー・チャペル 大塚芳忠(ソフト版)
津嘉山正種(テレビ朝日版)
2000 13デイズ
Thirteen Days
ケネス・オドネル 原康義(ソフト版)
山路和弘(テレビ朝日版)
2001 スコーピオン
3000 Miles to Graceland
トーマス・J・マーフィー 津嘉山正種
2002 コーリング
Dragonfly
ジョー・ダロウ
2003 ワイルド・レンジ 最後の銃撃
Open Range
チャーリー・ウェイト 兼監督・製作
2005 ママが泣いた日
The Upside Of Anger
デニー・デーヴィス
迷い婚 -全ての迷える女性たちへ-
Rumor Has It
ボー・バローズ 仲野裕
2006 守護神
The Guardian
ベン・ランドール 森田順平
2007 Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼
Mr. Brooks
アール・ブルックス 兼製作 仲野裕
2008 チョイス!
Swing Vote
バド・ジョンソン 兼製作 内田直哉
2009 ネスト
The New Daughter
ジョン・ジェームズ 津嘉山正種
2010 カンパニー・メン
The Company Men
ジャック・ドーラン (吹き替え版なし)
2013 マン・オブ・スティール
Man of Steel
ジョナサン・ケント 津嘉山正種
2014 エージェント:ライアン
Jack Ryan: Shadow Recruit
ウィリアム・ハーパー 中村秀利
ラストミッション
3 Days to Kill
イーサン・レナー 津嘉山正種
ドラフト・デイ
Draft Day
ソニー・ウィーヴァー・ジュニア 森田順平
Black or White エリオット・アンダーソン 兼製作 N/A
2015 マクファーランド 栄光への疾走
McFarland, USA
ジム・ホワイト
2016 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
Batman v Superman: Dawn of Justice
ジョナサン・ケント 内田直哉
クリミナル 2人の記憶を持つ男
Criminal
ジェリコ・スチュアート 日本では2017年2月公開[14] 
ドリーム
Hidden Figures
アル・ハリソン 仲野裕
2017 モリーズ・ゲーム
Molly's Game
ラリー・ブルーム 内田直哉
2019 ザ・テキサス・レンジャーズ
The Highwaymen
フランク・ヘイマー Netflixオリジナル映画 磯部勉
エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語
The Art of Racing in the Rain
エンツォ 声の出演 菅生隆之
2020 すべてが変わった日
Let Him Go
ジョージ・ブラックリッジ 兼製作総指揮 原康義
2021 ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット
Zack Snyder's Justice League
ジョナサン・ケント 内田直哉
2024
Horizon: An American Saga - Chapter 1
兼監督・脚本・製作

Horizon: An American Saga - Chapter 2
兼監督・脚本・製作

テレビシリーズ[編集]

放映年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1985 世にも不思議なアメージング・ストーリー
Amazing Stories
機長 第1シーズン第5話「最後のミッション」 磯部勉
2012 宿敵 因縁のハットフィールド&マッコイ
Hatfields & McCoys
“デビル”・アンス・ハットフィールド 計3話のミニシリーズ
兼製作
別題『ハットフィールド&マッコイ:実在した一族vs一族の物語』
大塚明夫
2018- イエローストーン
Yellowstone
ジョン・ダットン 主演兼製作総指揮 原康義

日本語吹き替え[編集]

さよならゲーム』(機内上映版)以降、津嘉山正種フィックス(専属)として大半の作品で吹き替えを担当していた(但し、2014年の『ラストミッション』を最後に起用されていない)[15][16][17][18]

津嘉山によるコスナーの吹き替えは同業者間でも「名配役」との評価が高く[19]、津嘉山に憧れて声優を目指したという小山力也はコスナーの日本における人気は『ボディガード』などにおける津嘉山の吹き替えによる影響が大きかったのではないかと分析している[20][21]ほか、小原雅人のように津嘉山がコスナーを吹き替えた同作を観たことが、声の役者をはじめるきっかけの一つになったと公言している者もいる[22]

このほかにも、原康義大塚芳忠磯部勉仲野裕なども複数回、声を当てている。

監督作品[編集]

  • Horizon

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『フィールド・オブ・ドリームス』 映画パンフレット、キャスト・プロフィルより。
  2. ^ Barnes, Harper (1990年11月18日). “Costner's Waltz With The West ... He takes the Indians' side in making his directing debut”. St. Louis Post-Dispatch. http://nl.newsbank.com/nl-search/we/Archives?p_product=SL&p_theme=sl&p_action=search&p_maxdocs=200&p_topdoc=1&p_text_direct-0=0EB04CED393C1005&p_field_direct-0=document_id&p_perpage=10&p_sort=YMD_date:D&s_trackval=GooglePM 2007年12月9日閲覧。 
  3. ^ Pursuing The Dream Time Magazine Jun. 26, 1989
  4. ^ Kempley, Rita (1990年11月9日). “Kevin Costner in the Land of `Wolves'; The Director: Reclaiming Boyhood Dreams”. The Washington Post. オリジナルの2012年11月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121105151012/http://www.highbeam.com/doc/1P2-1157798.html 2007年12月9日閲覧。 
  5. ^ a b 『アンタッチャブル』 映画パンフレット、キャスト紹介より。
  6. ^ “Razzies.com - Home of the Golden Raspberry Award Foundation 1991 Archive”. オリジナルの2012年4月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120426070559/http://razzies.com/asp/content/XcNewsPlus.asp?cmd=view&articleid=32 2010年8月5日閲覧。 
  7. ^ “Razzies.com - Home of the Golden Raspberry Award Foundation 1994 Archive”. オリジナルの2012年4月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120426070604/http://razzies.com/asp/content/XcNewsPlus.asp?cmd=view&articleid=34 2010年8月5日閲覧。 
  8. ^ “Razzies.com - Home of the Golden Raspberry Award Foundation 1997 Archive”. オリジナルの2014年10月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141017202441/http://razzies.com/asp/content/XcNewsPlus.asp?cmd=view&articleid=37 2010年8月5日閲覧。 
  9. ^ SmaSTATION!! 特別企画 世界の有名人高額慰謝料ランキング
  10. ^ a b “ケヴィン・コスナーに息子誕生、5度目のパパ”. シネマトゥデイ. (2007年5月8日). https://www.cinematoday.jp/news/N0010496 2013年3月22日閲覧。 
  11. ^ ケビン・コスナーの19歳差妻 離婚求めるも引っ越し拒否、自宅に籠城を続ける”. 日刊スポーツ (2023年6月15日). 2022年9月3日閲覧。
  12. ^ Perry, Simon (2007年2月9日). “"Kevin Costner, Wife Christine Are Expecting."”]. People. http://www.people.com/people/article/0,,20011398,00.html 
  13. ^ “ケヴィン・コスナー、私財を投じて開発した機械でメキシコ湾を浄化”. (2010年6月17日). https://www.cinematoday.jp/news/N0025052 2010年8月5日閲覧。 
  14. ^ “ケヴィン・コスナーがCIAエージェントの記憶移植された死刑囚演じる「クリミナル」”. 映画ナタリー. (2016年9月21日). https://natalie.mu/eiga/news/202460 2016年9月21日閲覧。 
  15. ^ シネ通! Cine-tsu: テレビ東京
  16. ^ 木曜洋画劇場2000回記念スペシャル : テレビ東京”. www.tv-tokyo.co.jp. 2023年2月18日閲覧。
  17. ^ 200ドルを手に上京…俳優・声優として成功への道のりって?津嘉山正種が語る” (2017年6月4日). 2023年1月30日閲覧。
  18. ^ 20年ぶりに再見しても、やっぱりカッコイイものはカッコイイ!「大人の男の振る舞い」を改めて学べる、名優たち・声優たちの演技対決──『ヒート 製作20周年記念版』” (2017年3月10日). 2023年1月30日閲覧。
  19. ^ 飯森盛良 (2017年3月1日). “飯森盛良のふきカエ考古学 ♪エンダーーーイアーーーけびんこ♥(cv津嘉山さん)、および、幻に終わったダイアナ妃主演『ボディガード2』製作極秘計画、の巻”. 吹替キングダム. 2023年11月13日閲覧。
  20. ^ 吹替王国#4 声優:小山力也(archive.todayによるアーカイブ)
  21. ^ 小山力也さんインタビュー”. 吹替キングダム (2016年1月27日). 2023年8月17日閲覧。
  22. ^ 小原雅人 [@obaramasato] (2017年9月12日). "こちらの世界に来るひとつのキッカケになった作品". X(旧Twitter)より2023年11月12日閲覧

外部リンク[編集]