グリーンフラッシュ
グリーンフラッシュ (英:Green flash)とは、太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に、緑色の光が一瞬輝いたようにまたたく、非常に稀な現象。緑閃光ともいわれる。
概要
地球の大気に斜めに入射することによって、太陽光は、プリズムによって光が曲げられるのと同じように屈折する。一方、太陽光は、大気によるレイリー散乱のため短い波長から散乱されて、波長の長い赤に近い光だけが地表に届くことになる。これが夕日の赤い理由であるが、空気が非常に澄んだ条件では、より波長の短い緑の光まで散乱されずに届く。
この時、赤から緑の色に分離した太陽が上下に少しずれながら重なり合って見えていることになるが、赤色の方がはるかに強いため太陽は赤く見える。しかし、日没や日の出の際に赤色の太陽が地平線、水平線、雲で隠された時、最頂部の緑色の太陽のみが見えることになる。この光が、大気のゆらぎによってまたたくものと考えられる。
高い山、離島など、地平線や水平線で日没や日の出が見られ、空気の非常に澄んだ場所であることが観測の最低条件となるが、その他の気象条件にも左右されるので、その発生確率は非常に小さい。小笠原諸島の父島にあるウエザーステーションは、日没時に比較的グリーンフラッシュが見えやすい所として有名である。
見られる確率が非常に低いことから、ハワイやグアムではグリーンフラッシュを見たものが幸せになるという言い伝えがある[1]。
2015年7月30日沖縄県石垣島天文台で撮影に成功した[2]。
脚注
- ^ ニューカレドニアを舞台にした大林宣彦監督の『天国にいちばん近い島』(1984年)やフランスを舞台にした舞台にしたフランス映画・エリック・ロメール監督の『緑の光線』(1986年)、日本映画『恋するマドリ』(2007年)にも同じ言い伝えが出てくる。
- ^ 石垣島天文台がグリーンフラッシュの撮影に成功