クレーンゲーム

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ファイル:Spielzeugautomat.jpg
クレーンゲーム

クレーンゲームは景品の獲得を目的にプレイするアーケードゲームプライズゲームエレメカ)の一種である。ゲームセンタースーパーマーケットレストラン映画館など様々な場所に設置されている。

構造

透明なガラスやプラスチックの箱で、中にはぬいぐるみなどの景品が入っている。天井にクレーンが付いている。プレイヤーがコインを投入するとボタンジョイスティック操作でクレーンを動かせるようになる。クレーンは前後および左右には操作できるが、上下移動は自動で、基本的に操作はできない。ジョイスティック操作よりもボタン操作のタイプの方が、位置の修正ができない分、難しいと考えられている。

「一定操作を終える」「制限時間に達する」「プレイヤーがトリガーボタンを押す」等により、クレーンからアームが降りてきて景品を掴もうとする。アームが降りる距離をプレイヤーがコントロールできる機種もある。アームが景品を掴む動作をしたのち、アームはゲーム機の隅にある開口部の上へ移動し、掴んでいたものを落とす。景品は開口部の底まで落ち、プレイヤーが取り出せるようになる。

成功率

ゲーム機の設置者はアームの設定と景品の種類を通じて、勝率を妥当なレベルに保つことができる。従って成功率をプレイヤーのスキルのみに依存させることは可能である。アームは一般プレイヤーにとって低い成功率となるよう調整されていることが多いが、熟練したプレイヤーならば比較的高い成功率を出すことが可能である。

テクニックの種類として、ぶつかったり、転がしたり、向きを変えることで、景品を持ち上げる事なく開口部へ落とす方法がある。

非難

ポピュラーなゲームであるため、不正が行なわれているとの非難もよく受ける。非難の中でも多いのは、「景品を持ち上げられない程度にアームが細い」「アームの先端を曲げる(アームが閉じた状態でも下向きになっている)」「握力が弱められている」などである。特に握力が弱められているものは外見では判断できないことも多く、実際にプレイしないとわからない場合がある。

ただしこれらの非難は不正には当たらず、どれも店側が行う「ペイアウト率調整の為の設定項目」の一つである。

歴史

日本

その歴史はテレビゲームより古く、1965年にはタイトーから発売されている記録が残っているほか、同年にはサミーの前身である「株式会社さとみ」もクレーンゲーム機市場に参入しており、1960年代には既に複数のメーカーによる市場が形成されていた。また、手動でハンドルを回すタイプのクレーンゲームは、1930年代にはすでに登場していた。(景品はお菓子)

1980年代後半からぬいぐるみ等が景品となり、アーケードゲームが衰退気味となったことから、テレビゲームにかわるアーケードゲームを探していた業界がこれに着目。商品の値段が安ければ風営法に接触しない事もあって、現在の様なクレーンゲームに成長して行った。

詳細はプライズゲームおよびUFOキャッチャーの項を参照。

米国

米国ではピザハットに数多く設置されることで1980年代後半から広く認知され、他の店舗へも広がった。チェーン店に多く設置され、例えばFred MeyerHaggensSafewaySugar Loafなどが挙げられる。

1990年代前半にはNFLが広告として各チームのフットボールのぬいぐるみをゲーム機に入れ始め、MLBNBANHLもあとに続いた。ただしその後NBAはこれを取りやめている。

1990年代中期にはSafewayFry's SupermarketsK-Martウォルマートといった店舗にも入るようになった。それ以外にも子供客のためホテルの中に設置されたり、スポーツ施設が地元チームのコレクターズアイテムの販売に利用している。

東アジア

日本以外にも、韓国台湾でも人気が高く、クレーンゲームだけを設置したゲームセンターも存在する。

日本をふくめ、東アジアでは生きた動物が景品になることがある。

  • 中国のスーパーマーケットでは、食用のロブスターが景品として入っている場合がある。
  • 日本でも、食用のエビを入れたサブマリンキャッチャーや、ペット用のカメが景品になったことがある。
    • 海老については、衛生上の観点からクレーンゲーム機本体に「生で食べないで下さい」と注意書きが貼られていた。
    • 亀の場合、寿命(30年以上の可能性がある)を考えれば、30秒のゲームがプレイヤーの人生を数年に渡り左右する可能性がある。

これらの景品は付加的なものであり、他の地域と同様にテディベアやおもちゃなどの景品も供される。

関連項目

外部リンク