キングレコード
キングレコード本社外観 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | キング |
本社所在地 |
日本 〒112-0013 東京都文京区音羽1丁目2番3号 |
設立 | 1951年11月 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 3010001002017 |
事業内容 | 音楽コンテンツの製作・発売 |
代表者 | 重村博文(代表取締役社長) |
資本金 | 13億円 |
売上高 | 331億6,500万円(2014年3月期実績) |
従業員数 | 287人(2014年9月現在) |
主要株主 |
(株)講談社 (株)TBSテレビ |
主要子会社 | ベルウッド・レコード(株) |
関係する人物 |
大月俊倫 三嶋章夫 森山敦 johnny |
外部リンク | http://www.kingrecords.co.jp/ |
キングレコード株式会社(KING RECORD CO., LTD.)は、日本のレコード会社。出版社である講談社(当時・大日本雄辯會講談社)の音楽部門として1931年に発足した。ロゴ表記は主にKING RECORDSが使用されているが、戦前から使われているライオンマークも存在する。
概要
1931年に大日本雄辯會講談社系列として創業。社名は同社が発行していた大衆向け雑誌『キング』に因む。戦前は主に「キング」「キングレコード」のレーベル名で、日本コロムビア・日本ビクター・日本ポリドール・テイチクといった大手レーベルと並び、流行歌や軍歌(戦時歌謡)を製作・発表。『愛馬進軍歌』『出征兵士を送る歌』などがヒットする。戦時中、政府が呼びかけた敵性語排斥により『キング』が『富士』に改名したことを受けて「富士音盤(ふじおんばん)」とレーベル名を変更したが、戦後になってもとの『キング』に戻したことからレーベル名も「キングレコード」に戻す。1951年にキングレコード株式会社として独立(設立)。
演歌に強いレコード会社としても知られており、1990年代後半の演歌歌手リストラが問題化した際には、リストラされた一部演歌歌手の受け入れを行っている。
目下の音楽業界のCD不況の中、めきめきと業績を伸ばしており、黒字経営であり、14年間もの間、連続で黒字を達成している[1]。
レーベル
メインレーベル「KING RECORDS」(キングレコード)は、制作を担う本部単位に演歌・歌謡曲部門(第一クリエイティブ本部担当)、J-POP部門(第二クリエイティブ本部担当)、アニメ・声優部門に分けることができる。また、J-POP部門に属するレーベルとしてAKB48関連の「You, Be Cool!」(ユー・ビー・クール)やロック専門の「STANDING THERE, ROCKS」(スタンディング・ゼア・ロックス)がある。アニメ・声優部門は第三クリエイティブ本部が担ってきた部門と、長らくキングレコードでのアニメ・声優関連事業を担ってきたサブレーベルの「スターチャイルドレコード」が存在していたが、2016年2月1日付で両部署が統合、「キング アミューズメント クリエイティブ本部」に移行した[2][3]。
サブレーベルとして、子会社でありニューミュージックの「ベルウッド・レコード」、ヘヴィメタル・プログレッシブ・ロック専門の「NEXUS」(ネクサス)[注 1]、フュージョンの「ELECTRIC BIRD」(エレクトリックバード)、ダンスミュージックの「Venus-B」(ヴィーナスビー)、スターチャイルドから派生したももいろクローバーZやアニメ・実写関連の「EVIL LINE RECORDS」(イーブルラインレコード)、クラシック専門で旧東ドイツの「ドイツ・シャルプラッテン」、童謡などキッズ向け楽曲の「すくいく」を持っている。
またゲームミュージック関連では、ドラゴンクエストシリーズを扱う「SUGIレーベル」を持ち、かつては「ファルコムレーベル」、「コナミレーベル」を持っていたことがあるほか、1980年代から2005年頃まではゲームソフトの販売にも携わっていた。
なお、上記各部門やサブレーベルに属さない映像単体作品に関しては、映像制作部が制作を担当している[注 2]。
1960年代に、根本進の漫画『クリちゃん』をイメージキャラクターとした童謡レーベル「クリちゃんレコード」を持っていた。
沿革
- 1931年(昭和6年)1月:大日本雄辯會講談社にレコード部が設置される(創業)。
- 1951年(昭和26年):キングレコード株式会社を設立。米キャピトル・レコードと配給契約。
- 1954年(昭和29年)1月:英デッカ原盤のロンドンレーベルによる、ffrrの第1回LP発売[注 3]。
- 1955年(昭和30年):キャピトル・レコードが英EMIの傘下に入ったことにより、キャピトル・レコードの発売権が東京芝浦電気レコード事業部(後に東芝EMI→EMIミュージック・ジャパン)に移行。
- 1959年(昭和34年):自社によるステレオ録音をスタートさせる。
- 2月28日:ステレオ・レコードを発売開始(英デッカ原盤によるロンドンレーベルによるffssレコードなど)。特に第1号であるカール・ミュンヒンガー指揮、シュトゥットガルト室内管弦楽団によるヴィヴァルディ「四季」(SLB-1[注 4]) は、初版で当時のステレオ・クラシックLPとしては異例の2万枚の大ヒットとなる。
- 1981年(昭和56年)10月:英デッカがポリグラムの傘下に入ったことから、同社原盤による新譜やポピュラーの旧譜などのほとんどの発売がロンドンレコード(後にポリドール・レコードに吸収合併)に移行されるが、英デッカの強い要請により、ステレオ初期を中心とするクラシックの旧譜の発売については引き続き行うこととなり、作品によっては再発売の度にキングとポリドールで販売を往復したものや、CD・アナログレコード・カセットテープで発売元が異なる物もあった。
- 1983年(昭和58年):CDの発売を行う。(朝比奈隆指揮によるリヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」ほか)
- 1985年(昭和60年):三洋電機の資本参加と業務提携を実施。CDプレスの中心拠点を同社に置く。
- 1986年(昭和61年)12月:新しく出た媒体CDに疑問を投げかけた当時の同社プロデューサーの高和元彦が、高品質のアナログLPである「ザ・スーパー・アナログ・ディスク」を発売し、英デッカを初め国内外から絶賛を浴び、後の高品質アナログ・ディスクのパイオニア的存在となる(当初は日本ビクターにてプレスを行った)[注 5] 。
- 1990年(平成2年):創業時から提携関係にあった、独テレフンケンを所有する独テルデック社がワーナーミュージックの傘下に入ったため、同原盤による発売が中止される[注 6]。
- 1993年(平成5年):新本社社屋完成
- 1996年(平成8年):関口台スタジオ完成
- 1998年(平成10年):江戸川橋スタジオ完成(倒産した六興出版のスタジオを改装)
- 2000年(平成12年):英デッカがユニバーサルミュージックの傘下に入ったため、同原盤によるロンドンレコードの発売が全て中止となる。
- 2001年(平成13年):創業70周年
- 2005年(平成17年):東京放送(TBS)による資本参加と業務提携を実施
- 2006年(平成18年):創業75周年
- 2011年(平成23年):創業80周年
- 2012年(平成24年)12月30日:AKB48「真夏のSounds good !」が第54回日本レコード大賞を2年連続受賞。同社所属歌手のレコ大連続受賞としては史上初。
- 2015年(平成27年)6月20日・6月21日:キングレコード所属アーティストによるアニメソングの大型フェス「KING SUPER LIVE 2015」をさいたまスーパーアリーナにて初開催。
子会社
- 株式会社キング関口台スタジオ
- 株式会社セブンシーズミュージック
- 株式会社キングインターナショナル
- ベルウッド・レコード株式会社
- 株式会社キングエンタープライズ
「…のすべて」、「…の謎」シリーズ
「軍艦マーチのすべて」を1998年に発売して以降、キングレコードは「…のすべて」、「…の謎」シリーズを展開してきた。2003年(平成15年)度には、「むすんでひらいての謎」が第58回文化庁芸術祭優秀賞を受賞した。
「…のすべて」シリーズ一覧
- 軍艦マーチのすべて(1998年)
- 君が代のすべて(2000年)
- 軍歌のすべて(2000年)
- 日本の労働歌ベスト(2001年)
- 螢の光のすべて(2002年)
- ラジオ体操のすべて(2003年)
- 荒城の月のすべて(2003年)
- 四国民謡のすべて(2004年)
- 海ゆかばのすべて(2005年)
- マーチのすべて(2006年)
- お玉じゃくしと権兵衛さんのすべて(2006年)
「…の謎」シリーズ一覧
ゲームソフト
- 1987年8月7日 - ミラクルロピット 2100年の大冒険(ファミリーコンピュータ)
- 1989年3月17日 - ジーザス 恐怖のバイオモンスター(ファミリーコンピュータ)
- 1993年10月8日 - スーパー競走馬 風のシルフィード(スーパーファミコン)
- 1996年12月27日 - 出世麻雀大接待(セガサターン)
- 1998年8月6日 - 3×3EYES 〜転輪王幻夢〜(プレイステーション)
- 1998年9月10日 - どきどきポヤッチオ(プレイステーション)
- 1999年3月11日 - 奏(騒)楽都市OSAKA(プレイステーション)
- 2000年9月29日 - 新世紀エヴァンゲリオン 麻雀補完計画(ゲームボーイカラー)
- 2001年12月21日 - シャーマンキング 超・占事略決 ふんばり編/メラメラ編(ゲームボーイカラー)
- 2002年7月26日 - シャーマンキング 超・占事略決2(ゲームボーイアドバンス)
- 2002年12月13日 - シャーマンキング 超・占事略決3(ゲームボーイアドバンス)
- 2003年4月25日 - あずまんが大王アドバンス(ゲームボーイアドバンス)
- 2004年4月23日 - 宇宙のステルヴィア(ゲームボーイアドバンス)
- 2005年9月9日 - 瓶詰妖精 〜はる・なつ・あき・ふゆ せんせいさんと一緒〜(Windows)
脚注
注釈
- ^ 時期によってはNEXUSに代わって「CRIME」(クライム)となっていた
- ^ この部署は以前、旧第三クリエイティブ本部に属していたが、アニメ・声優関連作品担当の同本部MM制作部を新しい第三クリエイティブ本部へと昇格させることになった為に分離され、本部に属さない独立部署となった
- ^ 同第1号は、エドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏による、ブラームス作曲の「交響曲第1番」だった(LP番号:LLA-10001、レコード芸術誌推薦)。
- ^ 英国デッカ原盤、ロンドンレーベル。1958年5月、スイス ジュネーブのヴィクトリア・ホールにて録音された。レコード芸術推薦盤。
- ^ 同レコード第1号は、ズービン・メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほかの演奏による、マーラー作曲、交響曲第2番「復活」だった(レコード番号:K33C-70001 - 2(2枚組)、レコード芸術誌推薦)。
- ^ 同原盤は、日本ではワーナーミュージックジャパンに発売が移行する。
出典
- ^ “売上高10%増の343億円も費用嵩み増収減益決算に新中期計画もパッケージ売上と権利ビジネス追求キング、重村社長ら幹部が24年度営業実績等報告”. 連合通信ドットコム. 連合通信社 (2014年6月26日). 2014年6月26日閲覧。
- ^ KING RECORDS OFFICIAL SITE > スターチャイルド公式サイト「すたちゃまにあ」終了のお知らせ
- ^ キング、2月組変で三クリとスタチャ統合等 - 文化通信.com(有料記事)
参考文献
- レコード芸術(1954年1月、1958年2月など)
関連項目
- Oh!sama TV
- 林伊佐緒
- 阿羅健一
- 大月俊倫
- Johnny=浅沼正人
- 三嶋章夫
- 森山敦
- TCエンタテインメント - 株主である東京放送ホールディングス傘下の映像ソフト会社
- 怪談新耳袋