カリン (バラ科)
カリン | ||||||||||||||||||||||||||||||
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カリン
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Pseudocydonia sinensis | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
カリン(榠樝、花梨) |
カリン(榠樝、学名: Pseudocydonia sinensis)は、バラ科の1種の落葉高木である。その果実はカリン酒などの原料になる。
かつてボケ属 Chaenomeles とする説もあったが、C. K. Schneider が1属1種のカリン属 Pseudocydonia を提唱し[2]、分子系統で確認された[1][3]。 カリン(属)に最も近縁なのはマルメロ属 (Cydonia) とカナメモチ属 (Photinia) であり[1][3]、それに次ぐのがナシ亜連の他の属で、かつて属していたボケ属のほか、リンゴ属、ナシ属などがある。
マメ科のカリン(花梨)とは全くの別種である(近縁でもない)。近縁なマルメロの果実も「かりん」と称されることがあるが、正しくない。
名称
別名、安蘭樹(アンランジュ)。
果実は生薬名を和木瓜(わもっか)という。ただし和木瓜をボケやクサボケとする人もあるし、カリンを木瓜(もっか)とする人もいる。なお、日本薬局方外生薬規格においてカリンの果実を木瓜として規定していることから,日本の市場で木瓜として流通しているのは実はカリン(榠樝)である[4]。中国語では「木瓜」はカリン・ボケ類・パパイヤを意味しうる。
特徴
原産は中国東部で、日本への伝来時期は不明。花期は3月〜5月頃で、5枚の花弁からなる白やピンク色の花を咲かせる。葉は互生し倒卵形ないし楕円状卵形、長さ3〜8cm、先は尖り基部は円く、縁に細鋸歯がある。
未熟な実は表面に褐色の綿状の毛が密生する。成熟した果実は楕円形をしており黄色で大型、トリテルペン化合物による芳しい香りを放ち、収穫した果実を部屋に置くと部屋じゅうが香りで満たされるほどである。10〜11月に収穫される。実には果糖、ビタミンC、リンゴ酸、クエン酸、タンニン、アミグダリンなどを含む。適湿地でよく育ち、耐寒性がある。
花・果実とも楽しめ、さらに樹皮・新緑・紅葉が非常に美しいため家庭果樹として最適である。語呂合わせで「金は貸すが借りない」の縁起を担ぎ庭の表にカリンを植え、裏にカシノキを植えると商売繁盛に良いとも言われる。
利用
カリンの果実に含まれる成分は咳や痰など喉の炎症に効くとされ、のど飴に配合されていることが多い。渋く石細胞が多く堅いため生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工される。加熱すると渋みは消える。
加工
- 砂糖漬け
- 果実酒 アルコール度数の高い酒にスライスしたカリンを漬け込む。
薬用
- 果実は生薬名を和木瓜。
- 古くから民間療法でのどの炎症を抑える、咳止め、利尿に利用。
- 種子に含まれるアミグダリンが加水分解した成分ベンズアルデヒドが、咳止効果[要出典](ただし、アミグダリンは加水分解により猛毒のシアン化水素も発生するため、国立健康・栄養研究所などが注意を呼びかけている[5]。)。
木材
比較的固い事から、材木として利用される。
生産地
[疑問点 ]
画像
-
花
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幹
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樹の全体
脚注
- ^ a b c d e Potter, D.; Eriksson, T.; Evans, R.C.; Oh, S.H.; Smedmark, J.E.E.; Morgan, D.R.; Kerr, M.; Robertson, K.R.; Arsenault, M.P.; Dickinson, T.A.; Campbell, C.S. (2007), “Phylogeny and classification of Rosaceae”, Plant Systematics and Evolution 266 (1–2): 5–43, doi:10.1007/s00606-007-0539-9
- ^ Schneider, C. K. (1906) Species varietatesque Pomacearum novae. Repertorium novarum specierum regni vegetabilis 3: 177-183.
- ^ a b C. S. Campbell, R. C. Evans, D. R. Morgan, T. A. Dickinson, and M. P. Arsenault (2007), “Phylogeny of subtribe Pyrinae (formerly the Maloideae, Rosaceae): Limited resolution of a complex evolutionary history”, Pl. Syst. Evol. 266: 119–145, doi:10.1007/s00606-007-0545-y
- ^ 漢方のくすりの事典 -生薬・ハーブ・民間薬-,医歯薬出版株式会社,2004年 第1版第7刷発行
- ^ “話題の食品成分の科学情報:アミグダリンについて”. 国立健康・栄養研究所 (2009年2月19日). 2011年11月23日閲覧。