カドヘリン

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細胞接着の図。カドヘリンは一番下に書かれている

カドヘリン (Cadherin) は細胞表面に存在する糖タンパク質の一群で、細胞接着をつかさどる分子であり、動物胚発生に重要な役割を果たす[1]。典型的なカドヘリン(クラシックカドヘリン)は、アドヘレンス・ジャンクションの構築を通じて、細胞と細胞の接着の形成と維持に関わる。クラシックカドヘリンは、その細胞外に5つのドメイン構造(ECドメイン)を繰り返し、1つの貫通セグメントと細胞内ドメインを有する。細胞内ドメインにはカテニンが結合し、細胞骨格への連結を行っている。カドヘリンは、その機能発現にカルシウムイオンを必要とし、カルシウムイオン存在下でプロテアーゼによる分解から保護される。カルシウム calcium と接着 adhere にちなみ、その発見者であるAron Moscona竹市雅俊らにより命名された。ECドメインをもつ分子は脊椎動物ゲノム中に120個ほど見いだされ、カドヘリンスーパーファミリーと呼ばれている。

カドヘリンの例[編集]

  • クラシックカドヘリン(EカドヘリンNカドヘリン、Pカドヘリン): 最初に発見されたEカドヘリンは、歴史的にはL-CAM(ニワトリ)、ウボモルリンなどとも呼ばれていた。
  • プロトカドヘリン
  • Flamingo
  • Fat
  • デスモソーマルカドヘリン

カドヘリンの機能[編集]

細胞接着、胚発生、形態形成、がんの浸潤・転移シナプス形成シナプス可塑性

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年2月12日閲覧。

外部リンク[編集]