オーシャンズ11
オーシャンズ11 | |
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Ocean's Eleven | |
監督 | スティーブン・ソダーバーグ |
脚本 | テッド・グリフィン |
製作 | ジェリー・ワイントローブ |
製作総指揮 |
ブルース・バーマン ジョン・ハーディー スーザン・イーキンズ |
出演者 |
ジョージ・クルーニー ブラッド・ピット マット・デイモン ジュリア・ロバーツ |
音楽 | デヴィッド・ホルムズ |
撮影 | ピーター・アンドリューズ |
編集 | スティーヴン・ミリオン |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 |
2001年12月7日 2002年2月2日 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $85,000,000[1] |
興行収入 |
$450,717,150[1] $183,417,150[1] 70億円[2] |
次作 | オーシャンズ12 |
『オーシャンズ11』(オーシャンズ・イレブン、原題: Ocean's Eleven)は2001年のアメリカ映画。
概説
監督は「エリン・ブロコビッチ」,「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ。主演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットほかハリウッドを代表する豪華俳優が多数出演。全米興行収入1億8300万ドル。
ダニー・オーシャンと彼が率いる10人の犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑むクライムアクション。1960年公開の『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクである。サスペンス映画でありながら、ハリウッド映画に定番の銃激戦及び銃を使用するシーンや殺戮シーンを本作では一切使わない事が重要視され、銃を使わずにどう話を盛り上げるかという捻りが描かれている。
2005年に続編の『オーシャンズ12』が公開され、2007年にシリーズ3作目の『オーシャンズ13』が公開された。
ストーリー
凄腕の泥棒で詐欺師でもあるダニエル・"ダニー"・オーシャンは、窃盗罪で4年間服役していたニュージャージーの刑務所から仮出所した。仮釈中の規則を無視して、ロスアンジェルスに住む仲間のラスティ・ライアンに会い、服役中に企てていた新しい盗みの計画を打ち明ける。それはラスベガスの3大カジノ「ベラージオ」・「ミラージュ」・「MGMグランド」の金が集まる地下巨大金庫の現金強奪計画だった。ネバダ州カジノ委員会の規制により、カジノには客の掛け金を賄う現金を保有する必要があったことから、ボクシングのタイトル・マッチ当日には少なくとも1億6000万ドル以上の巨額の現金が集まることを知り、カジノセキュリティに詳しいベガスの大富豪ルーベン(エリオット・グールド)、ほか全米から8人の犯罪スペシャリストが集結。ミサイル基地並の強固なセキュリティシステムに挑む。しかしオーシャンには金のほかに、もうひとつ盗もうとしている物があった。
登場人物とキャスト
オーシャンとその仲間
- ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
- 主人公。作戦のリーダー兼立案者。その腕前から裏世界では有名な泥棒、詐欺師として名をはせており、さまざまな人脈を持つ。「インカの婚礼用仮面」の強奪計画に失敗してニュージャージー州の刑務所に入っていた。その間に妻テスに見切りをつけられ、離婚させられたが、かなり未練がある様子。
- ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
- オーシャンの右腕的存在。オーシャン同様に交友関係が広く、経験豊富。仲間のスカウトをしていく。オーシャンが刑務所に入ってからはハリウッドの若手俳優にイカサマポーカーを教えていた。常に何かを食べている。愛車は1963年型フォード ファルコン フューチュラ コンバーチブルで終盤にはオーシャンに大金を儲けてもこんなオンボロに乗ってるのかとからかわれる。
- フランク・キャットン(バーニー・マック)
- 前科持ちのカジノのディーラー。賭博委員会から身を隠すため、『ラモーン・エスカランテ』という偽名でアトランティックシティーのトランプ・プラザ・ホテル・アンド・カジノで働いており、ベネディクトのカジノに潜入する。頭の回転が速くライナスの仕事に一役買う。
- ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
- ベガスのカジノホテル経営者で資産家。ラスベガスの裏に顔が利く一人で、オーシャンの駆け出しの頃の恩師でもある。同業者のベネディクトに自分のカジノホテルの一つを潰されてしまったため、ベネディクトを快く思っていない。作戦の資金面をサポートする。
- ちなみにエリオット・グールドの出演は監督のソダーバークが『ロング・グッドバイ』等のグールドの70年代の出演作品のファンで。ソダーバーグたっての希望でグールドにルーベン役をオファーした。[3]
- バシャー・ター(ドン・チードル)
- イギリス人の爆破専門家。通称『人間火薬庫』。爆破で金庫を狙う強盗団を率いていたが、部下に恵まれず、捕まりかけた所をラスティに助けられる。
- バージル・モロイ(ケイシー・アフレック)
- 双子のモロイ兄弟の兄。弟との仲は悪いが何故かいつも一緒にいて、仕事は基本的に弟と一緒。ラジコンなどの操作に長ける。弟と共に潜入や変装も行う。
- ターク・モロイ(スコット・カーン)
- 双子のモロイ兄弟の弟。兄との仲は悪いが何故かいつも一緒にいて、仕事は基本的に兄と一緒。主にドライバーを務めるが、兄と共に潜入や変装も行う。
- イエン(シャオボー・チン)
- 中国雑技団の曲芸師。非常に小柄な中国人だが、俊敏な運動神経と柔軟な体を持つ。英語は理解できるものの、基本的に中国語しか話さない。
- リヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)
- 電気・通信の専門家。作戦に参加する前はFBI組織犯罪対策部の嘱託として電子技師をしていた。いつもどことなく挙動不審でオドオドしている。
- ソール・ブルーム(カール・ライナー)
- 往年の天才詐欺師。現在は高齢のためフロリダのセントピーターズバーグで隠居生活を送る。のんきでおっとりとした性格だが、作戦で東欧系の武器商人『ライマン・ゼルガ』に化ける際は相手を恐縮させる男へとがらりと豹変する。
- 当初は乗り気ではなかったが、計画のスケールの大きさに昔の血が騒ぎ、参加を決意した。
- ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
- シカゴで『黄金の指を持つスリ』と呼ばれている青年。伝説的な泥棒『ボビー・コールドウェル』の息子。電車でサラリーマンの財布を狙うというつまらない生活を送っていたが、この仕事で父を超えられるというオーシャンの言葉で参加を決める。メンバーの中では若く経験が少ないことから計画では地味な役回りばかり任せられることに苛立ち、独断で行動して計画を何度か危機に陥れる。
ホテル「ベラージオ」
- テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
- オーシャンが狙う3つの巨大カジノ「ベラージオ」、「ミラージュ」、「MGMグランド」のオーナー(ちなみにどれも実在するカジノホテルである)。表の顔は有能なカジノ経営者。しかし裏の顔は、プライドを潰された時は容赦なく相手を抹殺する、冷酷非道な男。
- 大富豪だが仕事熱心。社員全員の顔と名前を記憶し、毎日カジノフロアに足を運んで、得意客への挨拶を欠かさない。セキュリティなどの内部事情も全て熟知している。スペイン語、イタリア語に堪能で、日本語も勉強中(ソフト版の吹替では『中国語もメキメキと上達中』と台詞が替えられている)では。ライナス曰く「ロボットのような男」。
- テス(ジュリア・ロバーツ)
- ベネディクトの現恋人でベラージオ美術館の館長。オーシャンの元妻で、彼の仕事を知って絶縁する。ベネディクトの裏の顔は知らない。
- ブルーザー(スコット・L・シュワルツ)
- ベネディクトがオーシャンを拷問するためにつれてきた大男のチンピラ。しかしオーシャンとは旧知の仲で作戦に協力する。子沢山で奥さんがまた妊娠している。
- ベネディクトの手下の双子(デヴィッド・ソルタグ&ラリー・ソルタグ)
- ベネディクトが汚い仕事を行う際に請け負う巨漢の双子。オーシャンの監視と連行を機械的に行う。
その他
- バシャーの銀行強盗仲間(スティーブン・ソダーバーグ)
- 序盤でバシャーと銀行強盗する一人、手前で眼鏡からゴーグルに掛け替える姿が彼。
- ラスティのポーカー教室の生徒役として俳優たちが本人役で出演している。
- トファー・グレイス、ホリー・マリー・コムズ、ジョシュア・ジャクソン、バリー・ワトソン、シェーン・ウェスト(いずれも本人役)
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
---|---|---|---|
ソフト版 | フジテレビ版 | ||
ダニー・オーシャン | ジョージ・クルーニー | 小山力也 | 磯部勉 |
ラスティ・ライアン | ブラッド・ピット | 細井治 | 堀内賢雄 |
ライナス・コールドウェル | マット・デイモン | 竹若拓磨 | 桐本琢也 |
フランク・キャットン | バーニー・マック | 茶風林 | 銀河万丈 |
バシャー・ター | ドン・チードル | 大黒和広 | 檀臣幸 |
バージル・モロイ | ケイシー・アフレック | 小森創介 | 村治学 |
ターク・モロイ | スコット・カーン | 木下浩之 | 古田信幸 |
イエン | シャオボー・チン | 小野塚貴志 | 樫井笙人 |
リヴィングストン・デル | エディ・ジェイミソン | 渡辺穣 | 田原アルノ |
ルーベン・ティシュコフ | エリオット・グールド | 富田耕生 | 内海賢二 |
ソール・ブルーム | カール・ライナー | 大木民夫 | 富田耕生 |
テリー・ベネディクト | アンディ・ガルシア | 内田直哉 | 大塚芳忠 |
テス | ジュリア・ロバーツ | 佐々木優子 | 勝生真沙子 |
ブルーザー | スコット・L・シュワルツ | 木村雅史 | |
ウォルシュ | マイケル・デラノ | 稲葉実 | |
ビリー | 小島敏彦 | ||
シャーメイン | ケリー・アドキンス | 石津彩 | |
トファー・グレイス | 奥田啓人 | ||
ホリー・マリー・コムズ | 斎藤恵理 | ||
ジョシュア・ジャクソン | |||
バリー・ワトソン | |||
シェーン・ウェスト | |||
ベネディクトの手下の双子 | 宝亀克寿 谷昌樹 | ||
技師 | 仲野裕 遠藤純一 | ||
バーテンダー | 青山穣 | ||
ディーラー | 榎本智恵子 | ||
監視員 | 竹田雅則 |
楽曲
- "Cha Cha Cha" performed by Jimmy Luxury and The Tommy Rome Orchestra
- "The Projects" performed by en:Handsome Boy Modeling School" featuring デ・ラ・ソウル
- "Papa Loves Mambo" performed by ペリー・コモ
- "Take My Breath Away" performed by Berlin
- "Spirit in the Sky" by en:Norman Greenbaum
- "Blues in the Night" performed by クインシー・ジョーンズ
- "Caravan" performed by Arthur Lyman
- "A Little Less Conversation" performed by エルビス・プレスリー(ジャンキーXL Remix)
- "Gritty Shaker" performed by デイビット・ホルムズ|
- "Misty" performed by リベラーチェ
- "Dream, Dream, Dream" performed by パーシー・フェイス
- "Moon River" performed by リベラーチェ
- "Theme For Young Lovers" performed by パーシー・フェイス
- "69 Police" performed by デイビット・ホルムズ|
- "Clair de Lune" performed by フィラデルフィア管弦楽団 (指揮:ユージン・オーマンディ)
ソフト化
日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりDVD、ブルーレイが発売。
- オーシャンズ11 特別版(DVD1枚組、2002年8月9日発売)
- オーシャンズ11 ブルーレイ版(1枚組、2008年6月11日発売)
舞台
宝塚歌劇団での上演記録
2011年星組 | 2013年花組 | |
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ダニー・オーシャン | 柚希礼音 | 蘭寿とむ |
テス・オーシャン | 夢咲ねね | 蘭乃はな |
ラスティー・ライアン | 涼紫央 | 北翔海莉 |
フランク・カットン | 夢乃聖夏 | 瀬戸かずや |
テリー・ベネディクト | 紅ゆずる | 望海風斗 |
ライナス・コールドウェル | 真風涼帆 | 芹香斗亜 |
バシャー・ター | 壱城あずさ | 春風弥里 |
バージル・モロイ | 如月蓮 | 水美舞斗 |
ターク・モロイ | 天寿光希 | 柚香光 |
イエン | 鶴美舞夕 | 華形ひかる |
リビングストン・デル | 美弥るりか | 鳳真由 |
ルーベン・ティシュコフ | 美城れん | 紫峰七海 |
ソール・ブルーム | 未沙のえる | 悠真倫 |
クイーン・ダイアナ | 白華れみ | 桜一花 |
2011年星組 | 2013年花組 | |
---|---|---|
ダニー・オーシャン | 真風涼帆 | 芹香斗亜 |
テス・オーシャン | 音波みのり | 桜咲彩花 |
ラスティー・ライアン | 芹香斗亜 | 水美舞斗 |
フランク・カットン | 十碧れいや | 和海しょう |
テリー・ベネディクト | 天寿光希 | 柚香光 |
ライナス・コールドウェル | 礼真琴 | 優波慧 |
バシャー・ター | 紫藤りゅう | 大河凜 |
バージル・モロイ | 漣レイラ | 蘭舞ゆう |
ターク・モロイ | 音咲いつき | 矢吹世奈 |
イエン | 瀬稀ゆりと | 真輝いづみ |
リビングストン・デル | 麻央侑希 | 舞月なぎさ |
ルーベン・ティシュコフ | 真月咲 | 冴華りおな |
ソール・ブルーム | 大輝真琴 | 天真みちる |
クイーン・ダイアナ | 稀鳥まりや | 仙名彩世 |
その他の日本公演
2014年 | |
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ダニー・オーシャン | 香取慎吾 |
テス・オーシャン | 観月ありさ |
ラスティー・ライアン | 山本耕史 |
テリー・ベネディクト | 橋本さとし |
クイーン・ダイアナ | 霧矢大夢 |
ライナス・コールドウェル | 真田佑馬 |
イエン | 坂元健児(東京公演) 平間壮一(大阪公演) |
リビングストン・デル | 水田航生 |
バージル・モロイ | 安井謙太郎 |
ターク・モロイ | 萩谷慧悟 |
ルーベン・ティシュコフ | 芋洗坂係長 |
ソール・ブルーム | 斉藤暁(東京公演) 治田敦(大阪公演) |
フランク・カットン | 角川裕明 |
バシャー・ター | ラッキィ池田 |
その他
- 前述のようにハリウッドを代表する多くの俳優たちが出演しているが、スタッフや主演のジョージ・クルーニーの説得などで出演料はその人物の一般的な額の半額などでOKしたため、出演料の総額が低く抑えられている。
脚注
- ^ a b c “Ocean's Eleven (2001)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月8日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去興行収入上位作品 (興収10億円以上番組) 2002年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月8日閲覧。
- ^ 町山智浩が語る!アルトマン講座/映画『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』公開記念 にて
- ^ 蘭寿とむ&蘭乃はなら宝塚歌劇団花組が『オーシャンズ11』を上演(シアターガイド、2012/8/24)
- ^ 香取慎吾主演×小池修一郎脚本・演出 ミュージカル『オーシャンズ11』が上演決定(シアターガイド、2014年3月6日)