オリンピック・スタジオ

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2008年撮影

オリンピック・スタジオ (Olympic Studios) は、イングランドサウスウエスト・ロンドン、バーンズのチャーチ・ロード117にあった商用録音スタジオ。1960年代後半から、ロックポップスの分野で数々の作品を生み出したことで知られる。

元々の建物は、劇場用として1906年にバーンズ・レパートリー・カンパニーによって建設されたものである。その後、1950年代後半にギルドTVが買収し、映画スタジオに改装されたが、1965年にオリンピック・サウンド・スタジオによって買収された。録音スタジオへの改築は建築家のロバートソン・グラントが務め、音響設備はキース・グラントとラッセル・ペッティンガーによって構築された[1]

ミキシング・コンソールは、スタジオのメンテナンス・スタッフによるカスタムで、ディック・スウェテンハム、キース・グラント、ジム・ドウラー、ジム・マクブリッジらの手が加えられ「オリンピック」の名を世に知らしめることとなった[2]。その後、スウェテンハムは会社を設立し、「ヘリオス」ブランドのコンソールの販売を始め、グラントからの受注によって製造した最初の機器"Helios one"をスタジオ2に納入した。「オリンピック」と「ヘリオス」のコンソールは、現在もその音質で高い評価を受けている[3]

『オリンピック・スタジオ』は、ミュージック・ウィーク誌の「ベスト・レコーディング・スタジオ」に5度にわたって輝くなど高い評価を受けたが、2009年のEMIヴァージン・グループの統合によって、40年におよぶ成功と栄光の歴史に幕を閉じることとなった。

脚注[編集]

  1. ^ Scott, Andy (2009年10月). “Zani-Save Olympic Studios”. zani.co.uk. 2010年3月3日閲覧。
  2. ^ Nick Coleman (2009年2月1日). “Olympic Studios”. independent.co.uk. 2009年4月13日閲覧。
  3. ^ Olympic Studios closes: A sad day for music”. realmusicforum.com. 2010年3月3日閲覧。

座標: 北緯51度28分31秒 西経0度14分27秒 / 北緯51.4752度 西経0.2407度 / 51.4752; -0.2407