オキナワコキクガシラコウモリ

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オキナワコキクガシラコウモリ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 翼手目 Chiroptera
亜目 : コウモリ亜目 Microchiroptera
: キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae
: キクガシラコウモリ属 Rhinolophus
: オキナワコキクガシラコウモリ
R. pumilus
亜種 : R. p. pumilus
学名
Rhinolophus pumilus pumilus
Andersen, 1905
和名
オキナワコキクガシラコウモリ
英名
Okinawa Least Horseshoe Bat

オキナワコキクガシラコウモリ(沖縄小菊頭蝙蝠、学名:Rhinolophus pumilus pumilus)は、翼手目キクガシラコウモリ科に属するコウモリ。日本固有亜種(種としても固有種)であり、沖縄島伊平屋島渡嘉敷島久米島宮城島に生息する。

形態

体毛の色は淡い褐色系である。まれに黄色系も見られる。前腕長が37mmから42mm、頭胴長が38mmから46mm、尾長が18mmから24mm、体重が4.6gから9.3gになる。鼻葉前葉は、7.5mm以下で、八重山諸島に生息するヤエヤマコキクガシラコウモリ R. perditius より小さい。

生態

洞穴性のコウモリであり、鍾乳洞や廃坑、防空壕跡などをねぐらにする。交尾期は11月から1月で、特定の洞穴にほぼ雌のみの出産哺育コロニーを作って5月から6月に出産する。ただ、同じ洞内に出産哺育に参加しないコロニーが同居することもある。繁殖に利用する洞穴は、3カ所が知られている。普段利用する洞穴によって、冬眠する集団と冬眠しない集団に分かれる。

亜種

宮古島及び伊良部島[1]には、別亜種であるミヤココキクガシラコウモリRhinolophus pumilus miyakonis)が生息する。基亜種である R. p. pumilus と比べると、前腕長が39mm以下で、やや小型である。近年、生息が確認されておらず、絶滅の可能性がある。

種の保全状態評価

沖縄島北部では、100頭以上生息する洞穴が数カ所あるが、繁殖を行う洞穴は3カ所しか知られていない。中部以南では1970年代以降、急速に生息数を減らしている。洞穴への人の頻繁な侵入によって、繁殖洞で繁殖を行わなかったこともあり、生息洞穴の観光地化も脅威になっているのではないかと考えられている。また、他の島でも数十頭ほどしか確認されていない。

脚注

  1. ^ 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明著、財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、32頁、ISBN 978-4-486-01802-5

関連項目

参考文献

  • 丸山勝彦 コウモリの会編 『コウモリ識別ハンドブック』 文一総合出版、2005年、P18 ISBN 4-8299-0015-6
  • 丸山勝彦 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)-レッドデータブックおきなわ-』 沖縄県文化環境部自然保護課、2005年、P29-30。