イェーテボリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エーテボリィから転送)
イェーテボリ
Göteborg
イェーテボリの市旗
市旗
位置
の位置図
座標 : 北緯57度42分 東経11度58分 / 北緯57.700度 東経11.967度 / 57.700; 11.967
歴史
建設 1621年
創設者 グスタフ2世アドルフ
行政
 スウェーデン
 地方 ヴェステルイェートランド地方
ブーヒュースレーン地方
  ヴェストラ・イェータランド県の旗 ヴェストラ・イェータランド県
 基礎自治体 Gothenburg Municipality
Härryda Municipality
Partille Municipality
Mölndal Municipality
 市 イェーテボリ
市長 Axel Josefson
穏健党
地理
面積  
  市域 448 km2
    水面   14.5 km2
      水面面積比率     3.2%
  市街地 203.67 km2
  都市圏 3,695 km2
人口
人口 (2019年 (都市圏人口は2021年)現在)
  市域 587,549人
  市街地 600,473人
  都市圏 1,058,278人
その他
等時帯 中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)
夏時間 中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2)
公式ウェブサイト : https://goteborg.se/

イェーテボリスウェーデン語: Göteborg [jœtɛˈbɔrj] ( 音声ファイル))は、ヴェストラ・イェータランド県に属するスウェーデン港湾都市で、県庁所在地である。人口は約59万人。スウェーデンで人口第2の都市で、工業の中心。町の名前は「ゴートの都市」を意味する。日本語ではヨーテボリイエテボリエーテボリなどとも呼ばれる。

歴史[編集]

グスタフ2世アドルフによって建設されたという伝説がある、比較的新しい都市である。デンマーク=ノルウェーとの度重なる戦争の結果、ようやく北海への出口を手に入れたスウェーデン人は、この地に拠点を建設することを決定した。それがイェーテボリである。建設当時、町のすぐ北にはノルウェー人が迫っており、すぐ南にはデンマーク人の領地があった。北欧神話によりこの地はイェート人の領地としての呼び名が伝わっており、イェート人=ゴート人の伝承により「ゴート人の町」、つまりイェーテボリが誕生した。スウェーデンなどでは、日本語でいうゴート人とイェート人を区別せず、同一視している。

大航海時代においては貿易の拠点として栄え、特にスウェーデン東インド会社が有名である。19世紀に北欧全体にナショナリズム汎スカンディナヴィア主義)が昂揚するとイェーテボリは、北欧諸国国家連合スカンディナヴィア連合王国」の首都と目された。

交通[編集]

イェーテボリ・ランドヴェッテル空港はイェーテボリの20km東に位置し、中央駅に隣接するバスターミナル(ニルス・エーリックソンス・テルミナーレン)からは空港バスが出ており、20分から30分で結ぶ。

中央駅からはスウェーデン鉄道 (SJ) でスウェーデン各地に行くことができる。ストックホルムまでは3時間弱。駅前のバス停からは地元企業ボルボ社製の全長24m、165人乗りのバスが出ており、スウェーデン最長のバスである。

また、市内ではトラム、バスなどが運行されている。

地勢[編集]

カテガット海峡の西岸、イェータ川イェータ運河河口に位置する。

気候[編集]

西海岸に面しているため海洋性気候であり、夏場でも天候の変動が激しく、にわか雨などが多い。そのため、地元では「小さなロンドン」(Lilla London)などと呼ばれることがある。

イェーテボリの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 2
(36)
3
(38)
6
(43)
12
(53)
16
(60)
19
(66)
22
(71)
22
(72)
18
(64)
12
(53)
7
(44)
3
(37)
11.7
(53.1)
平均最低気温 °C°F −1
(30)
−1
(31)
−1
(31)
3
(38)
8
(46)
12
(53)
14
(57)
14
(58)
10
(50)
6
(43)
3
(38)
−1
(31)
5.7
(42.2)
降水量 mm (inch) 61
(2.4)
40
(1.57)
49
(1.93)
41
(1.61)
49
(1.93)
59
(2.32)
68
(2.68)
75
(2.95)
80
(3.15)
83
(3.27)
82
(3.23)
72
(2.83)
759
(29.88)
平均降水日数 17 13 14 12 12 12 13 14 15 16 17 16 171
出典:World Weather Information Service[1] 2008-01-06

経済[編集]

自然の地の利を活かし、イェーテボリはスカンジナビアで最大の港湾施設を有している。貿易と海運は主要なビジネスであり、17世紀、スウェーデンが北米に植民地を構えた時の拠点であり、18世紀にはスウェーデン東インド会社の本拠地でもあった。東インド会社の本社は現在市立博物館になっており、当時の様子や貿易品などが展示されている。工業も主要な産業になっており、SKFボルボハッセルブラッドESAB(溶接機械の世界大手)などが本社を置き、エリクソンなどの会社が拠点を構えている。

 

教育[編集]

イェーテボリにはイェーテボリ大学チャルマース工科大学という2つの大学がある。2校とも19世紀に設立された教育機関を母体とする歴史のある大学であり、イェーテボリには6万人以上の学生がいる。

文化[編集]

スウェーデンを代表するオーケストライェーテボリ交響楽団が拠点としている。また、メロディックデスメタルの聖地としても知られており、出身バンドが多くデビューしている。市内のイェーテボリ美術館は、カール・ラーションの絵画をはじめ19世紀の北欧美術作品を数多く所蔵している。

スポーツ[編集]

イェーテボリは年間を通して様々なスポーツが盛んである。中でもサッカートップリーグに所属するクラブが、IFKイェーテボリGAISBKヘッケンと3つあり、2部リーグにもエルグリーテISなど100年以上の伝統を持ったクラブチームがある。また、11歳から19歳までのユース世代では最大の国際大会である、ゴシアカップ(Gothia Cup)も開催される。

また、屋内競技場、スカンジナヴィアムにはアイスホッケーのトップリーグに所属するクラブチーム、フレールンダ・インディアンス(Frölunda Indians)が本拠地を置いている。

その他のスポーツでは、国際馬術大会、イェーテボリ・ホース・ショウ(Göteborg Horse Show)がスカンディナヴィウムで毎年開催される。また毎年5月にはイェーテボシュヴァルヴェット(Göteborgsvarvet)ハーフマラソン大会が開催され、2009年は5万3千人が参加した。さらに、イェーテボリ・バスケットボール・フェスティバルやノードスタッズヴェンゲン(Nordstadssvängen, 社交ダンス大会)、パッティレ・カップ(Partille Cup, ハンドボールユース全国大会)などが開催されている。

各スポーツの世界大会が開催されることも多い。

イェーテボリ出身の著名人・関係者[編集]

姉妹都市[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Weather Information for Gothenburg”. World Weather Information Service. 2008年8月6日閲覧。

外部リンク[編集]

公式
観光