エルボー・ドロップ
エルボー・ドロップ (Elbow Drop) は、プロレス技の一種。別名「肘落とし」とも呼ばれる。
概要
倒れている相手に対し、肘を鍵型に曲げた状態で相手の上に倒れ込み、曲げた肘の先端部もしくはその少し下の腕の部分を相手の体(主に喉元や胸部)に落とす技(原則としてプロレスでは肘の先端部での攻撃は反則)。昔からポピュラーな技で、使用者も多い。序盤から終盤まで様々な状況でも使え、派生技の中にはフィニッシュ・ホールドとして使用されるものもある。
高くジャンプして繰り出すものはジャンピング式と呼ばれる。
主な使用者は、ダスティ・ローデス、ディック・マードック、スタン・ハンセン、ジョニー・バレンタイン、グレッグ・バレンタイン、橋本真也、棚橋弘至など。
派生技
- エルボー・ドロップ・ホールド
- エルボー・ドロップを繰り出し、相手の上に乗ったままの状態でフォールをする。試合結果での表記は「(エルボー・ドロップからの)体固め」となり、エルボー・ドロップから体固めの連携の名称とも言える。重量級の巨漢レスラーが主に使用。
- 主な使用者:アブドーラ・ザ・ブッチャー、ブラックジャック・マリガン、ケン・パテラ、クラッシャー・ブラックウェル、ビッグ・ジョン・スタッド、キングコング・バンディ、アンドレ・ザ・ジャイアント(主に晩年)
- ドライビング・エルボー・ドロップ
- 空中で体を高速で反転させて繰り出すエルボー・ドロップ。助走を付けて繰る出すこともある。武藤敬司はフラッシング・エルボーの名称で使用する。
- ダイビング・エルボー・ドロップ
- コーナー最上段やセカンドロープ上から、倒れている相手に向かって飛んでいき、エルボー・ドロップを繰り出す。通常は空中で自らの体を横向きに傾けて繰り出すが、天龍源一郎は後ろ向きで飛んでいくスタイル(背面エルボー・ドロップ)、ランディ・サベージは、正面を向いたまま飛んでいって繰り出すスタイルを得意としていた。ブレット・ハートはセカンドロープから左手で右の手首を固定して立っている相手にエルボーを当てるスタイルでよく使った。
- 主な使用者:ランディ・サベージ、ショーン・マイケルズ、アドリアン・アドニス、天龍源一郎、小島聡、スペル・デルフィン、デビッド・シュルツ、ザ・ヘッドハンターズ、ブレット・ハート
- ピープルズ・エルボー
- ザ・ロックのオリジナル・フィニッシュ・ホールド。倒れている相手の前に仁王立ちし、場内を見回しながら腕サポータを投げ捨て両手を大きく広げるパフォーマンスを行い、すばやくリング内をロープワークを駆使して一往復、相手の直前で急停止し、両手片足を広げて、体を反転させてエルボー・ドロップを繰り出す。「娯楽スポーツ界一しびれる技」の異名を取り、パフォーマンス性・観客との一体感を重視した技。
- ランニング・エルボー・ドロップ
- ロープから走りこんで倒れている相手にスライディングするように繰り出すエルボー・ドロップ。アニマル浜口と、その弟子である小原道由が主な使用者。
- スーパー・スター・エルボー
- ハンド・スプリング式のエルボー・ドロップ。ロープに向かって走り、倒立して後方に倒れロープにもたれ、その反動を利用し着地すると同時に今度はバック宙し空中で回転、その遠心力を利用し相手へエルボー・ドロップを繰り出す。石森太二のオリジナル技。
- ファイナル・カット (エルボー式)
- 立っている相手の背後から首を腋に抱えた状態になり、そこから相手を背中からマットへ落としつつ、自分の体を素早く反転させて相手の胸元に直角に曲げた腕の肘部分を当て、マットに叩きつける技。グレゴリー・ヘルムズが「ナイトメア・オン・ヘルムストリート」として開発[要出典]し、ビッグ・ショーが一時期得意技として使用していた。その後、WCWでヘルムズと抗争を繰り広げていたカズ・ハヤシが全日本プロレス入団後にフィニッシュ・ホールドとして使用し始めるがネックブリーカー・ドロップのように叩きつける技へと改良し、日本ではこの型が普及している。
- 主な使用者:グレゴリー・ヘルムズ、ビッグ・ショー