エリック・ダイアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エリック・ダイアー
トッテナム・ホットスパーFCでのダイアー(2020年)
名前
本名 エリック・ジェレミー・エドガー・ダイアー
Eric Jeremy Edgar Dier[1]
ラテン文字 Eric DIER
基本情報
国籍 イギリスの旗 イギリスイングランドの旗 イングランド
生年月日 (1994-01-15) 1994年1月15日(30歳)
出身地 チェルトナム
身長 188cm
体重 88kg
選手情報
在籍チーム ドイツの旗 FCバイエルン・ミュンヘン
ポジション MF (DMF) / DF (CB, SB)
背番号 15
利き足 右足
ユース
2003-2012 ポルトガルの旗 スポルティングCP
2011 イングランドの旗 エヴァートン (loan)
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2012-2014 ポルトガルの旗 スポルティングCP B 16 (2)
2012-2014 ポルトガルの旗 スポルティングCP 26 (1)
2014- イングランドの旗 トッテナム・ホットスパーFC 274 (12)
2024- ドイツの旗 FCバイエルン・ミュンヘン(Loan)
代表歴2
2011  イングランド U-18 1 (0)
2012-2013  イングランド U-19 8 (0)
2013-2014  イングランド U-20 6 (0)
2013-2015  イングランド U-21 9 (0)
2015- イングランドの旗 イングランド 49 (3)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月13日現在。
2. 2022年12月10日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

エリック・ダイアーEric Jeremy Edgar Dier, 1994年1月15日 - )は、イングランドチェルトナム出身のサッカー選手イングランド代表ブンデスリーガFCバイエルン・ミュンヘン所属。ポジションはミッドフィルダーディフェンダー

幼少期[編集]

7歳の時、母親がポルトガルで開催されたユーロ2004関連の仕事を得たため家族でポルトガルへ移住。2010年には両親ともイングランドへ帰国したが、ダイアーはスポルティングCPのアカデミーでプレーする為に残った[2]。このためダイアーはイングランド生まれではあるが、プレミアリーグではホームグロウン枠外での登録となっている。

クラブ経歴[編集]

2014年8月2日トッテナム・ホットスパーFCと5年契約を締結した[3]。移籍金は400万ポンド。トッテナムでのリーグデビュー戦は8月16日に行われたアウェイでのウェストハム・ユナイテッドFC戦で、後半ロスタイムに試合唯一の得点を記録した[4]、8日後のトッテナムのホームスタジアム、ホワイト・ハート・レーンでのデビューとなったクイーンズ・パーク・レンジャーズFC戦でもコーナーキックからヘディングによるゴールを決めた[5]

2015年9月9日、トッテナム・ホットスパーFCとの契約を2020年まで延長したことをクラブ公式HP上で発表した[6]。2016-17シーズンからは同じポジションのビクター・ワニアマの加入もあり、センターバックとして主にプレーしていた[7]。2017年4月1日のバーンリーFC戦にてシーズン初ゴールを記録した。

2018年12月に盲腸になり手術を受け、年明けまで離脱した[8]。その後も細かな怪我を繰り返し、2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ決勝リヴァプールとの対戦では、74分から途中出場したが、試合は0-2で敗れた[9]。2019年7月にはメディカルチェックに問題があってプレシーズンツアーに帯同できなかった。2019-20シーズン途中の11月に新監督として就任したジョゼ・モウリーニョの元では守備的MFとして一定の出場機会を確保し、後半戦からはCBにコンバートされた。FAカップ5回戦のノリッジ・シティ戦では試合中に観客が自身の家族を侮辱したことを知り、試合終了直後に観客席に乗り込み口論に及び、4試合の出場停止処分を受けた[10]

2020年7月21日、トッテナム・ホットスパーFCと2024年までの新契約を締結したことがクラブ公式HP上で発表された[11]

2020-21シーズンには当初からCBとして出場した。9月27日、リーグ第3節ニューカッスル戦にて試合終了間際に不運な形ではあるもののPKを献上し、1-1で引き分けた[12]。9月29日、カラバオ・カップ4回戦チェルシー戦にて後半にトイレに行くためにピッチを離れ監督のジョゼ・モウリーニョが呼び戻しに行くと言う事態が起きたものの、チームはPK戦の末チェルシーを下し、本人はこの試合でマンオブザマッチを受賞した[13]

2021-22シーズン、2021年12月、サウサンプトン戦で、トッテナムでの公式戦300試合出場を果たした[14]

2023-24シーズン、アンジェ・ポステコグルーが監督に就任すると殆ど起用されなくなり[15]、2024年1月11日、ドイツの、FCバイエルン・ミュンヘンへのレンタル移籍が発表された。契約は2024年6月30日までの半年間で1年の延長オプション付き[16]。契約時の条項に盛り込まれていた、一定数の試合出場をしたことにより、1年間の契約延長がされることとなった[17]

代表経歴[編集]

イングランド代表でのダイアー(2018年)

2015年11月、スペイン代表フランス代表との国際親善試合で初めてイングランド代表に選ばれ[18]、フランス代表戦で初の先発出場を果たした。2016年3月26日に行われたドイツ代表との国際親善試合において代表初ゴールを決め、同年6月11日に行われたUEFA EURO 2016グループリーグ初戦のロシア代表戦では直接FKからゴールを決めた[19]。スロバキア代表との首位攻防となった2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選では貴重な同点ゴールを決め[20]、イングランド代表の予選首位死守を助けた。11月10日のブラジルとの親善試合ではA代表で初のキャプテンを務めた[21]

2018 FIFAワールドカップではグループリーグ第3戦のベルギー戦で欠場のケインに代わりキャプテンとしてプレー。決勝トーナメント・ラウンド16のコロンビア戦では、PK戦で最後のPKを成功させ、ベスト8進出に貢献した[22]

2018年10月のスペイン代表戦でセルヒオ・ラモス相手に強烈なタックルを仕掛け、昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝でラモスと遺恨があったリヴァプールFCサポーターから絶賛された[23]。2021年3月以降は代表から遠ざかり、6月のユーロ2020を戦うメンバーから落選したが、2022年のUEFAネーションズリーグで代表に約1年半振りに複帰[24]、その2試合で良いプレーを見せたことにより、ワールドカップカタール大会のメンバーに選出された[25]。大会では2試合に途中出場した。

人物・エピソード[編集]

  • ジョゼ・モウリーニョ監督の就任2戦目となるオリンピアコス戦にて、2点を先取された前半29分という異例の早さでベンチに下げられたことが注目を集めた。結果的にはその後チームは4点を奪い逆転勝利を収めている[26][27]

個人成績[編集]

クラブ シーズン リーグ リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 国際大会 その他 合計
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
スポルティング 2012-13 プリメイラ 14 1 0 0 1 0 0 0 0 0 55 1
2013-14 13 0 0 0 3 0 - 0 0 57 0
通算 27 1 0 0 4 0 0 0 0 0 112 1
トッテナム 2014-15 プレミアリーグ 28 2 1 0 3 0 4 0 0 0 36 2
2015-16 37 3 4 1 1 0 9 0 0 0 51 4
2016-17 36 2 4 0 1 0 7 0 0 0 48 2
2017-18 34 0 4 0 2 0 7 0 0 0 47 0
2018-19 20 3 1 0 1 0 6 0 0 0 28 3
2019-20 19 0 5 0 1 0 5 0 0 0 30 0
2020-21 28 0 0 0 4 0 7 0 0 0 39 0
通算 202 10 19 1 13 0 45 0 0 0 279 11
総通算 229 11 19 1 17 0 45 0 0 0 391 12
クラブ シーズン リーグ リーグ戦 合計
出場 得点 出場 得点
スポルディングB 2012-13 リーガプロ 7 2 7 2
2013-14 9 0 9 0
総通算 16 2 16 2


代表[編集]

出場大会[編集]

試合数[編集]


イングランド代表国際Aマッチ
出場得点
2015 2 0
2016 13 2
2017 8 1
2018 15 0
2019 2 0
2020 5 0
2022 4 0
通算 49 3

代表での得点[編集]

# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 大会
1 2016年3月26日 ドイツの旗ベルリンベルリン・オリンピアシュタディオン ドイツの旗 ドイツ 3–2 3–2 親善試合
2 2016年6月11日 フランスの旗マルセイユスタッド・ヴェロドローム ロシアの旗 ロシア 1–0 1–1 UEFA EURO 2016
3 2017年9月4日 イングランドの旗ロンドンウェンブリー・スタジアム スロバキアの旗 スロバキア 1–1 2–1 2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選

脚注[編集]

  1. ^ List of Players under Written Contract Registered Between 01/07/2011 and 31/07/2011” (PDF). The Football Association. 2013年6月23日閲覧。
  2. ^ PeoplePill. “About Eric Dier: English association football player (1994-) | Biography, Facts, Career, Wiki, Life” (英語). PeoplePill. 2020年11月2日閲覧。
  3. ^ Transfer news: Eric Dier completes move to Spurs on five-year deal” (英語). Sky Sports (2014年8月2日). 2015年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月2日閲覧。
  4. ^ Gary Rose (2014年8月16日). “West Ham 0-1 Tottenham” (英語). BBC Sport. 2015年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月16日閲覧。
  5. ^ Fifield, Dominic (2014年8月24日). “Tottenham give Harry Redknapp unhappy homecoming with QPR defeat”. The Guardian (London). https://www.theguardian.com/football/2014/aug/24/tottenham-qpr-premier-league-match-report 2014年8月24日閲覧。 
  6. ^ トッテナム、U21英代表DFダイアーとの契約を2020年まで延長soccerking 2015年9月10日
  7. ^ “Eric Dier ready to put his strange start to the season for Tottenham behind him”. The Guardian. (2016年12月11日). https://www.theguardian.com/football/2016/dec/10/eric-dier-strange-start-tottenham-hotspur-manchester-united 
  8. ^ トッテナムの英代表MFが盲腸手術で離脱。年末年始の過密日程に向け痛手フットボール 2018年12月17日
  9. ^ Tottenham 0-2 Liverpool: Mo Salah and Divock Origi goals hand Liverpool sixth European crown” (英語). SKYSPORTS (2019年6月2日). 2024年3月6日閲覧。
  10. ^ “トッテナムのダイアー、今年3月の問題行動で4試合の出場停止&罰金処分”. www.soccer-king.jp. (2020年7月9日). https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20200709/1094451.html 2020年8月1日閲覧。 
  11. ^ New contract for Dier” (英語). Tottenham Hotspur. 2020年11月2日閲覧。
  12. ^ トッテナム、ニューカッスルに土壇場PK許してドロー…公式戦4連勝はならず | Goal.com”. www.goal.com. 2020年11月2日閲覧。
  13. ^ “試合中にダイアーが腹痛でトイレに疾走→怒って追いかけたモウリーニョ「彼に起きたことは正常ではない」”. web.gekisaka. (2020年9月30日). https://web.gekisaka.jp/news/detail/?312267-312267-fl= 2020年10月23日閲覧。 
  14. ^ Dier reaches 300-game milestone”. トッテナム. 2022年11月14日閲覧。
  15. ^ バイエルン、トッテナムからDFダイアーを獲得! 延長OP付きのレンタル移籍に”. SOCCERKING (2024年1月12日). 2024年3月6日閲覧。
  16. ^ https://fcbayern.com/en/news/2024/01/fc-bayern-sign-eric-dier-from-tottenham-hotspur
  17. ^ バイエルンがトッテナムからレンタル中のDFダイアーの契約延長を発表、今夏フリーで移籍へ”. 超ワールドサッカー (2024年3月2日). 2024年3月6日閲覧。
  18. ^ “Eric Dier in England squad for Spain and France friendlies”. BBC Sport. (2015年11月5日). http://www.bbc.co.uk/sport/0/football/34736737 2015年11月5日閲覧。 
  19. ^ “England 1-1 Russia”. BBC Sport. (2016年6月11日). http://www.bbc.co.uk/sport/football/36450648 2016年6月11日閲覧。 
  20. ^ イングランド、首位攻防戦で逆転勝利! 2位スロバキアを下しW杯出場に王手 -football channel 2017年9月5日
  21. ^ Eric Dier to captain-Independent 2017年11月10日
  22. ^ 【サッカーW杯】イングランドがベスト8進出、PK戦でコロンビア降す」『BBCニュース』、2018年7月4日。2021年10月17日閲覧。
  23. ^ 「ダイアーはリバプールのレジェンド」 リバプールファンがスペイン戦でトッテナムDFを絶賛?超worldサッカー 2018年10月16日
  24. ^ 「彼が信念を取り戻させてくれた」代表復帰のダイアーがコンテ監督の指導に感謝”. ワールドサッカー. 2022年11月4日閲覧。
  25. ^ 「終わった可能性は無いと言ったら嘘になるが…」 DFダイアー、代表キャリアの終わりを覚悟していたことを認める”. ABEMA (2022年11月20日). 2024年3月6日閲覧。
  26. ^ モウリーニョ、前半29分で交代のMFに謝罪。「傷つけるつもりはなかった」”. フットボールチャンネル (2019年11月27日). 2021年10月17日閲覧。
  27. ^ CL グループリーグ第5節 トッテナムvsオリンピアコス LIVEスコア”. ゲキサカ. 2021年10月17日閲覧。

外部リンク[編集]