エセックス大学
モットー | Thought the harder, heart the keener. |
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種別 | 国立 |
設立年 | 1964年 |
総長 | Shami Chakrabarti |
副総長 | Anthony Forster |
教員数 | 715人(研究者含)[1] |
職員数 | 1,121人[1] |
学生総数 | 11,939人[2] |
学部生 | 8,723人[2] |
大学院生 | 3,216人[2] |
所在地 | コルチェスター, エセックス, イギリス |
キャンパス | Wivenhoe Park |
スクールカラー | 赤と紫 |
公式サイト | http://www.essex.ac.uk/ |
エセックス大学(英語:University of Essex)は、英国の国立大学。研究は世界的に高い評価を得ており、キャンパスは世界130カ国を超える各国からの留学生や世界中から集まった講師陣が集うコスモポリタンな環境になっている。卒業生に、ノーベル平和賞受賞のオスカル・アリアス・サンチェスやノーベル経済学賞受賞のクリストファー・ピサリデスなどがいる。特に人権分野は国際的にも一目置かれた存在で、卒業生は国連など世界の人権分野で活躍している。
政府が研究の交付金支給のために英国大を対象に実施するResearch Assessment Exercise (RAE, 最新の2008年)では、エセックス大は研究の質で国内9位と評価され、提出した研究の90%以上が「国際的に認められる」、22%が「世界トップレベル」。社会学、政治学、経済学は最高の5*(世界トップレベル)とされ、中でも政治学部と社会学部は継続的に5*を得ているとして6*を与えられた。[3][4]QS世界大学ランキングでは、世界的に知られる人文科学の強さから社会科学の世界リーダーとして引用された。[5]
歴史
エセックスは1960年代に新しい教育を目指して大学創設が相次いだ社会的流れの中で誕生した大学の一つで、60年代には学生運動の最前線だったなど、かつてはイギリスを代表する左翼大として知られた(同時期に創設され、英国内でエセックスと似たような立ち位置として目されている大学に、サセックス大学がある)。南アフリカ共和国のアパルトヘイト解放運動の国際的拠点としてネルソン・マンデラ元大統領の釈放にも尽力し、マンデラ氏は1997年に同大を訪問している[6]。しかし、近年は、国際協調や平和、人権を重視する学問的傾向や学風は残っているものの、学生間の左派的傾向は薄まっており、代わりに、国際的な英国大の中でも際立って多様なことがより強い特徴になってきている。
評価
教育水準と研究業績では常に国内トップ10にランクインしている[7]。特に経済学、政治学、社会学はよく知られており、ヨーロッパでもトップの一つとして目されている[8]。
2014年の Research Excellence Framework(REF)では、研究の質で国内トップ20で、社会科学はトップ5、政治学は同ランキングが始まった1986年以来一貫して1位を獲得している[9]。
創立50年以内の大学ランキングで、世界トップ30に選ばれた[10]。
2015年の全国学生調査で、英国主流大学の中で学生満足度第2位に選ばれた。2013年も2位、2014年は6位だった[11]。
学べる分野
エセックス大で学べる学問としては、以下がある。[12][13]
ビジネス・法学 | 科学・工学 | 社会科学 | 芸術・人文学 |
会計学 | 生化学 | 犯罪学 | 演技・劇場演出 |
銀行学 | 生物科学 | 経済学 | 美術史 |
財政学 | 生物医科学 | 英語学 | 演劇 |
経営学 | 生物工学 | 人権 | 映画学 |
起業学 | コンピューター科学 | 国際関係学 | 歴史学 |
マーケティング | 金融工学 | 言語学 | 教養学 |
法学 | 電子工学 | 現代語 | 文学 |
MBA | 健康学・人間科学 | 政治学 | 哲学 |
数学 | 社会学 | ||
心理学 | |||
スポーツ科学・治療法 |
人権を教えている教授陣は、人権分野の国際社会で重要な役割を果たして来た人たちが占めており、エセックス大のネットワークは、「エセックスマフィア」と呼ばれるほどに、国際人権コミュニティで圧倒的な存在感を見せている[14]。同大人権センターは世界で最も歴史のあるセンターの一つとして大きな役割を果たしており、同大人権センターは人権分野では初めてクイーンズ・アニバーサリー・プライズを受賞した[14]。
同大インターナショナルアカデミーの提供する英語教育のプログラムは定評があり、新学年が始まる前の夏の間に主に行われるプレ・セッショナル・コースは、エセックス大以外の大学や大学院に進学が決まっている各国留学生も受講している。
日本からは、文部科学省が長年、中学校の英語教師を英語教授法のコースに派遣している[7]他、一橋大学、神戸大学、駿河台大学などが提携を結んでおり[15]、大阪大学の学生は、数十人単位で毎夏エセックス大で英語を学んでいる[16]。
留学生への対応は細やかで、例えば、同大タレント・デベロップメント・センターは、語学のサポートクラスや、アカデミック・アドバイザーから1対1で指導や支援を受けられるセッションを無料で提供している[17]。
学生
日本弁護士連合会が長年、人権問題に関心の深い弁護士らをエセックス大に派遣している[14]ことに見られるように、法学、人権学、政治学を学ぶ学生には特に、将来の国のリーダーを養成する意図で各国政府などから派遣された学生が多く見られる。
キャンパス
エセックス州の「記録に残っている英国最古の街」コルチェスターにあるメインキャンパスの他、新しく出来たサウスエンド、ルートンの3カ所。
メインキャンパスは、イギリスを代表する風景画家のジョン・コンスタブルが描いた絵画「ウィヴンホー・パーク(Wivenhoe Park)」(米国ワシントン国立美術館「ナショナル・ギャラリー」所蔵)で描かれている同名の公園上に建築されており(現在も、大学の住所はWivenhoe Park)、同公園の傾斜や自然を残す形で各建物が建てられている。緑豊かなキャンパス内には大きな池が2つあり、カモなどの野鳥類の群れや、大学のシンボル的存在の野ウサギ、リスなどが見られる。
コンスタブルの同絵画に描かれている建物は18世紀から続くマナーハウスだったが2009年に閉められ、2012年に英国内で初めての稼働しているホテル学校として、同大とパートナーシップを組む形態でオープンした[18]。現在は、学生にとっては教育施設である一方で、四つ星カントリーハウスホテル「ウィヴンホー・ハウス・ホテル」として、人気の宿泊施設となっている[19]。
キャンパス内には、教育施設を囲むように多様なタイプの寮(留学生には入寮が保証されている)が点在している他、複数のパブやカフェ、劇場やアートギャラリーがある。新しい施設も次々に建設されており、2015年秋の新年度から本格始動した建物に、学生センター[20]と、新ビジネススクール[21]がある。学生センターは、語学やコンピューター、寮生活など、学生の生活全般にわたる個人的支援が受けられる窓口が集約。ビジネススクールは、エセックス・ビジネススクール(EBS)の核のテーマである「倫理と持続性」を象徴したエネルギー効率や緑化など環境に配慮した建築デザインになっている[21]。
ロケーション
3キャンパスとも、ロンドンまで電車で1時間程度[22]。空港へのアクセスも良いため、長期休暇中はヨーロッパ各地へ旅行に出かける学生は多い。
メインキャンパスからバスで15分ほどのコルチェスターの街中は、世界各国の食材店を含め、衣食住の買い物に不自由しない程度の繁華街で、緑豊かで広大なキャッスル・パークが中心に位置している。大学職員や博士課程の学生が多く住むウィブンホー(キャンパスからバスで5分ほど)は、イギリス・カントリーサイドの良さを実感できる緑豊かな水辺の美しい村で、芸術家も多く住むリベラルな地域[23]。
卒業生
- オスカル・アリアス・サンチェス:コスタリカ元大統領、1987年ノーベル平和賞
- クリストファー・ピサリデス:経済学者、2010年ノーベル経済学賞
- ダニエル・リベスキンド:建築家、ワールドトレードセンター跡地に建てられた前「フリーダム・タワー」など世界的な建築を手がける
- Shirin Sharmin Chaudhury:バングラディシュ初の女性国会議長
- Rodolfo Neri Vela:メキシコ初の宇宙飛行士
- デヴィッド・イェーツ:テレビ・映画監督、ハリー・ポッターシリーズなどを監督
- John Bercow: 英国の現下院議長
- David Triesman:英国の上院議員、労働党外交担当スポークスマン
- Virginia Bottomley:英国の元下院議員
- Alison Steadman:英国の女優
- Blake Harrison:英国の俳優
詳しくは、List of University of Essex people を参照。
脚注
- ^ a b "Annual Review and Financial Statements 2010-2011" (PDF). University of Essex. Retrieved 23 October 2012.
- ^ a b c "University of Essex :: About us". Retrieved 19 April 2015.
- ^ "Essex University – QS Top Universities". Quacquarelli Symonds. Retrieved 20 October 2012.
- ^ "Essex confirmed among research elite". Essex University. 18 December 2008. Retrieved 21 October 2012.
- ^ "World elite recognition for Essex". Essex University. 8 May 2013. Retrieved 8 May 2013.
- ^ "University of Essex, Latest news" https://www.essex.ac.uk/news/event.aspx?e_id=5984 2015年10月26日閲覧
- ^ a b "エセックス大学 イギリス留学のbeo "http://www.beo.jp/program/schools/detail/20080921125457.html 2015年10月28日閲覧
- ^ "SI-UK University of Essex" http://www.ukeducation.jp/profiles/university/essex/ 2015年10月28日閲覧
- ^ "University of Essex, Research" https://www.essex.ac.uk/research/ref/ 2015年10月28日閲覧
- ^ "UNICENTRES, University of Essex" http://www.unicentres.com/university/university-of-essex/ 2015年10月28日閲覧
- ^ "University of Essex, Latest news" http://www.essex.ac.uk/news/event.aspx?e_id=5389 2015年10月28日閲覧
- ^ "University of Essex, Departments and schools" http://www.essex.ac.uk/depts/
- ^ "University of Essex, Course Finder" http://www.essex.ac.uk/coursefinder/
- ^ a b c "日本弁護士連合会 エセックス大学ロースクール留学体験記"http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/member/studyabroad/essex.html 2015年10月28日閲覧
- ^ "文部科学省 海外の大学との大学間交流協定" http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shitu/1287263.htm 2015年10月28日閲覧
- ^ "大阪大学 国際交流・留学" http://www.osaka-u.ac.jp/ja/international/outbound/ex_students.html 2015年10月28日閲覧
- ^ "University of Essex, Research, Talent Development Centre" http://www.essex.ac.uk/students/study-resources/tdc/ 2015年10月28日閲覧
- ^ "Welcome to Edge Hotel School - Home". Edgehotelschool.ac.uk.
- ^ "Wivenhoe House / Luxury Hotels Essex / Wedding Venues Essex / Corporate Event Venues". Wivenhoehousehotel.co.uk.
- ^ "University of Essex, Silberrad Student Centre" https://www.essex.ac.uk/student_centre/student_centre/
- ^ a b "Essex Business School, Your new home" http://www.essex.ac.uk/ebs/building/default.aspx
- ^ "University of Essex, International students, Location" http://www.essex.ac.uk/international/where.aspx
- ^ "The Wivenhoe Encyclopedia" http://www.wivencyclopedia.org/index.htm