ウィリアム (プリンス・オブ・ウェールズ)
ウィリアム Prince William | |
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ケンブリッジ公 Duke of Cambridge | |
2015年の訪日時 | |
続柄 | ウェールズ公チャールズ王子第1男子 |
全名 |
ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイス William Arthur Philip Louis |
称号 |
ケンブリッジ公爵 ストラザーン伯爵 キャリクファーガス男爵 |
身位 | Prince(王子) |
敬称 | His Royal Highness(殿下) |
出生 |
1982年6月21日(41歳) イングランド、パディントン、聖メアリ病院 |
配偶者 | ケンブリッジ公爵夫人キャサリン |
子女 |
ジョージ・オブ・ケンブリッジ シャーロット・オブ・ケンブリッジ |
父親 | ウェールズ公チャールズ |
母親 | ウェールズ公妃ダイアナ |
イギリス王室 |
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ケンブリッジ公ウィリアム王子(Prince William, Duke of Cambridge、全名: ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイス(William Arthur Philip Louis、英語発音: [ˈwiljəm ˈɑːrθər ˈfilip ˈluːis])、1982年6月21日 - )は、イギリス王室成員で、イギリス王太子チャールズの長男。イギリス女王エリザベス2世の孫で、父のチャールズに次ぎ王位継承順位第2位の地位にある。
公式の称号は His Royal Highness Prince William, Duke of Cambridge(ケンブリッジ公ウィリアム王子殿下)、兄弟に2歳年下の弟ヘンリー(ハリー)がおり、両者の生母は1997年8月末に死去したダイアナ妃である。
姓はマウントバッテン=ウィンザー(Mountbatten-Windsor)とされるが、法的にはウィンザー(Windsor)であるともされる[1]。いずれにせよ、王族であるため通常は姓を称することはない。公式には、自らが爵位を得る前は、(他の有爵者の子と同様に)父の称号(プリンス・オブ・ウェールズ)から、オブ・ウェールズをクリスチャン・ネームに後置して使用していた(HRH Prince William of Wales)が、結婚とともにケンブリッジ公位を得たため、これにより公式には(オブ・ウェールズではなく)ケンブリッジ公と称することとなった(HRH Prince William, Duke of Cambridge)。なお、大学ではウィリアム・ウェールズという名前を使用していた[2][3]。
略歴
1982年6月21日に西ロンドン、パディントンの聖メアリ病院で生まれた。父のチャールズはイギリス王太子、母ダイアナは第8代スペンサー伯エドワードの娘である。
ロンドン西部にある保育所や幼稚園に通い、小学校はバークシャーのルドグローブ小学校に通った。ウィリアムは小学校に通学した最初のイギリス王子である。その後、名門パブリックスクールであるイートン校に学び、地理、生物、歴史ではAの成績を取った。卒業後1年間のギャップ・イヤーにはチリでのボランティアを経験している。
大学はスコットランドのセント・アンドルーズ大学に入学し、最初は美術史の専攻を選択したが、途中から地理学に変更した。大学ではウィリアム・ウェールズと名乗っていたほか、セント・アンドルーズの町では目立たない集合住宅に暮らすなどの生活を心がけ、近くのエディンバラの町でもよく見かけられた。また大学在学中は、イギリス王室とマスコミの協定により、取材攻勢から保護された。
2005年6月に大学を卒業した。卒業論文のテーマは「モーリシャス・ロドリゲス島の珊瑚礁」であり、大学院の入学資格もあるとみなされる“Upper Second”ランクの成績をとった。父王太子は“Lower Second”という1つ下のランクの成績での卒業であり、王子の成績はこれまでのイギリス王室の中では最高だった。卒業後短期間であるが、デヴォンシャー公爵領における事務およびロンドンのHSBC銀行の慈善事業部門において研修を行っている。
2014年、ケンブリッジ大学に入学。10週間にわたり、農業経営を学ぶ[4]。
2015年春より、民間の航空救急会社「East Anglian Air Ambulance」に救急ヘリの副操縦士として就職することが発表された、なお給与は全て慈善団体に寄付される[5]。
2015年2月26日、初めて日本を公式訪問した。東京都渋谷区の代官山蔦谷書店、横浜市の英連邦戦死者墓地などを訪問し、福島県や宮城県の東日本大震災の被災者たちと交流している。
軍歴
王室の伝統に従い、2006年1月サンドハースト王立陸軍士官学校に入学した。卒業後陸軍少尉に任官し、近衛騎兵連隊のブルーズ・アンド・ロイヤルズに配属された。2008年には海軍兵学校及び空軍士官学校でも教育を受け[6]、海軍中尉及び空軍中尉の階級も保有することとなった。
2008年6月末、ヘリコプターで西インド諸島バルバドスの北東数百キロの海上を巡視中、高速で移動する不審な小型船を発見。遠洋には適さず、麻薬密輸に多く使われるタイプだったので、母艦に連絡し、母艦に同乗していた米沿岸警備隊員が小型船に乗り込んだところ、900キロのコカインが見つかった。
2008年11月、イギリス空軍の戦闘ヘリで訓練を行っているウィリアムが私的な目的で5回にも及ぶ隊規違反を起こしたことがスクープされた。問題の訓練飛行の費用は、8万6434ポンド(約1300万円)に上るという[7]。
2009年1月、陸海空軍の大尉に昇進した。2011年からは、名誉職としてアイリッシュガーズの連隊長を務めている。結婚式の際は、同連隊の制服に連隊長(大佐)の階級章を付けて着用していた。
2013年9月、7年に及ぶ軍隊生活からの退役を発表した[8]。
- 2006年1月 - 2006年12月16日:陸軍士官候補生
- 2006年12月16日 - 2006年12月16日:陸軍少尉
- 2006年12月16日 - 2009年1月1日:陸軍中尉
- 2008年1月1日 - 2009年1月1日:空軍中尉、海軍中尉[9]
- 2009年1月1日 - :海軍大尉、陸軍大尉、空軍大尉
その他
ゴシップが絶えないイギリス王室の中で、ウィリアムに対する国民の人気は高く、父王太子より彼を次期国王に推す声も存在する[10]。容貌は母親似と言われるが、最近は父にも似て、頭髪もかなり薄くなってきており、自身もジョークのネタにしている[11]。
2013年に、DNA検査により、インド人女性の直系子孫であることが判明した。母親であるダイアナ元妃の6代前の先祖(母方の祖母ルース・ロッシュの母方の祖母の母方の祖母)はグジャラート州スーラトで東インド会社のスコットランド人貿易商と結婚しており、その両親はアルメニア人商人とインド人の妻であった[12]。
結婚
学生時代に知り合ったキャサリン(ケイト)・ミドルトンと交際を開始、食事会に誘うなどして交流を深め、2011年4月に結婚した(後述)。交際期間においては、2007年1月彼女をパパラッチが執拗に追い掛け回しているのに激怒していると報道がされ、パパラッチに追い掛け回された母の二の舞にならないかと心配するなどしていた。これを受けて英最大発行部数の大衆紙『ザ・サン』などを発行する「ニューズ・インターナショナル社」は、個人のプライバシーを守るという理由でパパラッチからの写真は掲載しない方針を決めた。
2010年11月16日、クラレンス・ハウス(父チャールズの公邸)はウィリアムとキャサリンが2011年に結婚すると発表した[13]。4月29日に挙式を行い、同日ケンブリッジ公、ストラザーン伯とキャリクファーガス男爵の称号を授与された[14]。
2013年7月22日、午後4時24分(日本時間:7月23日、午前0時24分)に第1王子ジョージが誕生。
2015年5月2日、午前8時34分(日本時間:5月2日午後4時34分)に第1王女シャーロットが誕生。
逸話
- ローティーンの頃憧れていたのは、スーパーモデルのシンディ・クロフォードであった。ウィリアムは母ダイアナに頼んで、シンディをケンジントン宮殿でのお茶に招待してもらった。3人でお茶の時間をともにしたが、憧れの女性を前にして恥ずかしさで真っ赤になり、話したくとも話せない状態になってしまった。
- 母ダイアナが離婚後、皇太子妃時代に王室で誂えた衣装を着なくなったの見て「ママが着ないなら、チャリティーオークションにだしたら」とウィリアムは提案。ダイアナは息子の提案を妙案だとすぐに実行に移した。
- 弟のヘンリー王子が起こしたナチス時代のドイツ軍服コスプレパーティー参加事件では、「服を選ぶ場所にいっしょにいたのに止めなかった」と父王太子から叱責を受けた。
- 大のサッカー好きで、プレミアリーグのアストン・ヴィラFCの大ファン。イングランドサッカー協会の総裁職にも就いている。
称号・敬称・勲章・紋章
称号
- 1982年6月21日 - 2011年4月29日: His Royal Highness Prince William of Wales(ウィリアム・オブ・ウェールズ王子殿下)
- 2011年4月29日 - 現在: His Royal Highness Prince William, Duke of Cambridge(ケンブリッジ公爵ウィリアム王子殿下)
- 正式称号・敬称:His Royal Highness Prince William Arthur Philip Louis, Duke of Cambridge, Earl of Strathearn, Baron Carrickfergus, Royal Knight Companion of the Most Noble Order of the Garter(ケンブリッジ公爵、ストラザーン伯爵、キャリクファーガス男爵、ガーター勲章ロイヤル・ナイト・コンパニオン、ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイス王子殿下)
勲章
- ガーター勲章(2008年) - ガーター制度が創設されて以来、ちょうど1000人目の授与となった。
- Queen Elizabeth II Golden Jubilee Medal
- Joint Service Commendation Medal(米国国防総省)
系譜
ウィリアム (ケンブリッジ公) | 父: チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ) |
祖父: フィリップ (エディンバラ公) |
曾祖父: アンドレオス (ギリシャ王子) |
曾祖母: アリス・オブ・バッテンバーグ | |||
祖母: エリザベス2世 (イギリス女王) |
曾祖父: ジョージ6世 (イギリス王) | ||
曾祖母: エリザベス・ボーズ=ライアン | |||
母: ダイアナ (プリンセス・オブ・ウェールズ) |
祖父: エドワード・スペンサー (第8代スペンサー伯爵) |
曾祖父: アルバート・スペンサー (第7代スペンサー伯爵) | |
曾祖母: シンティア・ハミルトン | |||
祖母: フランセス・シャンド・キッド |
曾祖父: モーリス・バーク・ロッシュ (第4代ファーモイ男爵) | ||
曾祖母: ルース・ロッシュ |
- 高祖父:ゲオルギオス1世 (ギリシャ王)
- 高祖母:オルガ・コンスタンチノヴナ
- 高祖父:ジョージ5世 (イギリス王)
- 高祖母:メアリー・オブ・テック
系図
- 赤枠の人物は、存命中。
- 黒枠の人物は、故人。
- 太枠の人物は、イギリス君主の子女。
ウィンザー朝の家系図 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 注釈
その他
- 2014年5月10日、40年に渡って英国発祥のスキューバダイビングクラブBSAC(The British Sub Aqua Club)の総裁を務めたチャールズ皇太子(HRH The Prince of Wales KG KT)が退任し、息子であるウィリアム王子(HRH The Duke of Cambridge Prince William)が新たなBSACの総裁に就任した。
- 誕生を記念してドイツのコルデス社から「ロイヤル・ウィリアム」というバラを贈られている。
脚注
- ^ “alt.talk.royalty FAQ: British royalty and nobility:”. Heraldica.org. 2011年4月15日閲覧。
- ^ Summerskil, Ben (2001年9月23日). “Welcome to Will's new world”. The Guardian 2011年4月15日閲覧。
- ^ Howie, Micheal (2005年6月4日). “William Wales M.A. collects his degree”. The Scotsman 2011年4月15日閲覧。
- ^ [1]
- ^ royalcentral “Stop pestering Prince William at work” begs East Anglian Air Ambulance Chief Executive
- ^ AFP (2008年9月17日). “大空に魅せられたウイリアム英王子、救助パイロットを志望”. 2011年4月15日閲覧。
- ^ AFP (2008年11月10日). “英ウィリアム王子、訓練ヘリの問題使用は5回 上官は関知せず”. 2011年4月15日閲覧。
- ^ [2]
- ^ イギリス海軍の尉官は2階級なので、海軍少尉と訳されることもある。
- ^ 木村正人 (2007年12月18日). “英国人の半数「次期国王はウィリアム王子に」”. 産経新聞. オリジナルの2009年2月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ ロイヤルベビーお披露目!ウィリアム王子「僕より髪が多い」 - シネマトゥデイ
- ^ 英王子の祖先にインド人 DNA鑑定で判明CNN.jp, 2013.06.15
- ^ “Royal wedding: Prince William to marry Kate Middleton”. BBC. (2010年11月16日) 2011年4月15日閲覧。
- ^ “ウィリアム王子はケンブリッジ公爵、ケイトさんはケンブリッジ公爵夫人に”. AFPBB NEWS. (2011年4月29日) 2011年5月2日閲覧。
関連項目
上位 チャールズ王太子 ウェールズ公 |
イギリス王位継承順位 継承順位第2位 他の英連邦王国の王位継承権も同様 |
下位 ジョージ・オブ・ケンブリッジ王子 |
ウィリアム (プリンス・オブ・ウェールズ)
ヴェッティン家分家
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爵位・家督 | ||
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先代 新設 |
初代ケンブリッジ公爵 2011年 - |
次代 受爵中 |
先代 新設 |
初代ストラザーン伯爵 2011年 - |
次代 受爵中 |
先代 新設 |
初代キャリクファーガス男爵 2011年 - |
次代 受爵中 |