アニメ・特撮ソング

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アニメ・特撮ソング(アニメ・とくさつソング)は、アニメ作品及び特撮作品で使用される主題歌挿入歌などの総称。特撮・アニメソングとも言う。

概要

本来、テレビにおけるアニメおよび特撮は、製作方法の違いがあるだけの「子供向け」作品(「テレビまんが」)として、主題歌なども似通った作りとなっており、歌手も共通であった[1]。そのため、アニメ・特撮ソング、または特撮・アニメソングと呼ばれる。両者まとめてアニメソングアニソン)と呼ばれることもあり、特撮のそれを区別するために特撮ソングという名称も用いられる。1970年代アニメブーム以前は、アニメソング、特撮ソングとも「まんがのうた」「テレビまんがのうた」などと呼ばれていた。

以前は子供の出せない音域は使わない制限があったとされる[2]

作風など

「アニソン界の帝王」[3]と呼ばれる水木一郎は、自身の公式サイトにおいて、「アニメソングは世界に誇ることのできる日本固有の文化だ」[4]と述べている。

水木によれば、アニメ・特撮ソングは、さまざまな音楽ジャンルの要素を含んでいながら、「アニソン的な」独特の音も併せ持っている[5]。また、「子供向け」という建前があるからこそ、「手を抜かず最高に贅沢な音楽」であるべきだと語る[5]

「宙明節」「宙明サウンド」で親しまれている[6]渡辺宙明の場合、実写・特撮作品かアニメ作品かによる区別はしないという[7]。なお、渡辺の場合、先に書かれた詞に曲を付ける[7]が、「バンバラ」「ダンダン」などのスキャットを付加することもある[8][9]

1960年代から1970年代頃までは、同じ作曲家が主題歌とBGMの作曲をまとめて担当するケースが多く[10]、BGMには主題歌のアレンジ曲も多く含まれていた。渡辺宙明によると、作曲家として名前を覚えてもらうためには、歌とBGMの両方を担当し、長年にわたって数作品を担当するのが良いが、近年の作曲家は飛び飛びにやっているという[11]

詞も、製作会社の企画部(企画室)名義[12]、あるいは原作者か脚本担当者によって書かれたもの[13]が多く、主人公や技・武器の名称を連呼する歌詞が主流であり、番組名やキャラクター名がそのまま歌のタイトルになっていることが一般的だった。渡辺宙明は、特に主題歌は「番組の顔」として慎重に作る[7]が、「ハカイダーの歌」(『人造人間キカイダー』の挿入歌)などのように「キャラクターに助けられた」曲もあるという[7]

近年はタイアップなどによって、番組の内容とは必ずしも関係ない主題歌が増えているが、水木一郎によると、たとえ主人公や武器の名前を連呼せずとも、「何を訴えたいか」が伝わってくる「魂」のこもった歌であればアニソンと呼べるという[3]

関連項目

脚注

  1. ^ 1970年代のアニメ・特撮ソング市場をほぼ独占していた日本コロムビアの場合、テレビ番組(アニメ、特撮、テレビドラマ)用の歌と童謡を「文芸部」で一括して製作していた。当時の日本コロムビア文芸部専属歌手に、水木一郎ささきいさお堀江美都子かおりくみここおろぎ'73らがいる。
  2. ^ NHK-BS2熱中スタジアム特撮ソングでの水木一郎田中公平コメントより
  3. ^ a b アニソン界の帝王・水木一郎、40年間歌ってきたアニソン替え歌に「最初は抵抗がありました」 シネマトゥデイ 2012年3月29日付
  4. ^ アニキ維新はじまる!! 水木一郎 公式ホームページ「魂」 2012年7月5日閲覧
  5. ^ a b ナタリー Power Push 水木一郎 アニソン一筋40年! 「Z」のアニキが語る音楽論 2012年7月5日閲覧(2011年8月末頃の記事だが、日付なし)
  6. ^ Who's Who 劇伴倶楽部 2012年7月5日閲覧
  7. ^ a b c d CHUMEI CHRONICLE - 渡辺宙明文筆館 インタビュー - メーキング・オブ・東映ヒーロー3 メカニカルヒーローの世界(講談社:1987) - アクション音楽の確立 CHUMEI CHRONICLE 2012年7月5日閲覧
  8. ^ 過去ログ 渡辺宙明コラム 2012年7月5日閲覧
  9. ^ 特に「秘密戦隊ゴレンジャー」(『秘密戦隊ゴレンジャー』の初代エンディングテーマ)が有名。
  10. ^ 渡辺宙明、菊池俊輔渡辺岳夫小川寛興ほか多数。
  11. ^ 渡辺宙明先生ロングインタビュー - プリキュア挿入歌特集・第五弾 CHUMEI CHRONICLE 2012年7月5日閲覧
  12. ^ 東京ムービー企画部、日本サンライズ企画室など。
  13. ^ 石森章太郎藤川桂介井荻麟など。